新聞記者や雑誌編集者、ライターなど、文章を書くことを仕事にする人たちの月給です。
ただしこの職種は調べた人数が少なく、県ごとの数字はぶれやすいという弱点があります。
上と下の開きが2.08倍と大きいのも、そのためだと考えられます。
順位そのものより、幅の大きさに目を向けてください。
今回は47都道府県の著述家・記者・編集者の平均月給を、2022年の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」のデータを使って比べました。
岩手県が52.3万円で1位。
47都道府県の平均は38.27万円、中央値は38万円です。
最も高い52.3万円と最も低い25.1万円の差は27.2万円、倍率にすると2.08倍でした。
実数で見るか率で見るかによって並びは変わります。
この記事では率のほうを主に見ていきます。
47都道府県の単純平均
38.3万円
著述家・記者・編集者の所定内給与額(2022年)
最も多い 岩手県
52.3万円
最も少ない 広島県
25.1万円
記者・編集者の月給が高い上位5県
記者・編集者の月給が高い上位5県です。
岩手県は52.3万円、徳島県は50.4万円、福井県は47.9万円でした。
1位と2位の差は1.9万円です。
4位は静岡県で47.3万円、5位は群馬県で46.7万円。
上位5はいずれも47都道府県の平均38.27万円を上回りました。
1位の岩手県は平均を14.03万円上回りました。
中央値の38万円と比べると14.3万円高く、平均に対する比では1.37倍にあたります。
6位以下は滋賀県で45.9万円、栃木県で45.6万円、北海道で44.2万円と続きました。
2位と3位の差は2.5万円、3位と4位の差は0.6万円。
上位のなかでも順位が近いほど差は小さく、5位と8位の間は2.5万円でした。
1位から5位までの幅は5.6万円、1位から8位までの幅は8.1万円でした。
上位のなかでも順位が下がるにつれて差は緩やかになります。
岩手県はデザイナーの所定内給与額でも46位に入っています。
全国の値は41.9万円で、上位5はいずれもこれを上回りました。
1位は岩手県の52.3万円。
地方紙の待遇が反映されている可能性があります。
デザイナーの月給と並べて見ます
この分布の背景を、ここから考えてみます。
記者・編集者の平均月給の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
デザイナーの所定内給与額で並べ替えると、順位が変わります。
1位は東京都の36.6、2位は兵庫県の32.8、3位は神奈川県の32.6。
4位以下は茨城県、広島県と続きます。
逆に下位は岩手県が21、佐賀県が19.5。
東京都と佐賀県では1.88倍の開きです。
この職種は県ごとの標本が少なく、数字が大きくぶれます。
地方紙が1社だけある県では、その社の給与体系がそのまま平均になります。
出版社の集まる東京都が1位でないのは、そうしたばらつきの表れでもあります。
当サイトの書籍への支出の記事とあわせて見ると、業界の姿が見えてきます。
地方ごとに県の平均を出すと、北海道が44.2万円で最も高く、中国5県が32.08万円で最も低くなります。
四国4県41.5万円と東北6県39.57万円がそれに続きました。
同じ指標でも、実数で見るか率で見るかで並びは変わります。
どちらか一方だけを見て県の姿を決めつけないことが大切です。
実数で見ると順位は変わる
記者・編集者の月給が低い下位5県
記者・編集者の月給が低い下位5県です。
47位の広島県は25.1万円、46位の鳥取県は26.5万円、45位の神奈川県は27.1万円でした。
1位の岩手県とは27.2万円の差があります。
44位は兵庫県で29.1万円、43位は三重県で29.2万円、42位は茨城県で30万円と続きます。
最も低い広島県は25.1万円。
1位と47位の差は2.1倍です。
47都道府県の中央値は38万円、平均は38.27万円です。
47位の広島県は平均を13.17万円下回りました。
47位の広島県は1位の岩手県の48.0パーセントにあたる水準で、倍率にすると2.08倍の開きです。
46位との差は1.4万円、45位との差は2万円。
下位のほうは差が詰まっており、47位と42位の間でも4.9万円しかありません。
下位5県はいずれも47都道府県の平均38.27万円を下回りました。
47位から43位までの幅は4.1万円です。
広島県はデザイナーの所定内給与額では5位です。
全国の値は41.9万円なので、47位はこれを16.8万円下回っています。
地図で見る
| 項目 | 著述家・記者・編集者の所定内給与額 |
|---|---|
| 北海道 | 44.2万円 |
| 青森県 | 39.9万円 |
| 岩手県 | 52.3万円 |
| 宮城県 | 35.1万円 |
| 秋田県 | 37.1万円 |
| 山形県 | 42.5万円 |
| 福島県 | 30.5万円 |
| 茨城県 | 30万円 |
| 栃木県 | 45.6万円 |
| 群馬県 | 46.7万円 |
| 埼玉県 | 31.8万円 |
| 千葉県 | 41万円 |
| 東京都 | 44万円 |
| 神奈川県 | 27.1万円 |
| 新潟県 | 40.8万円 |
| 富山県 | 36.5万円 |
| 石川県 | 44万円 |
| 福井県 | 47.9万円 |
| 山梨県 | 33.1万円 |
| 長野県 | 34.6万円 |
| 岐阜県 | 31.6万円 |
| 静岡県 | 47.3万円 |
| 愛知県 | 34.5万円 |
| 三重県 | 29.2万円 |
| 滋賀県 | 45.9万円 |
| 京都府 | 40.6万円 |
| 大阪府 | 43.4万円 |
| 兵庫県 | 29.1万円 |
| 奈良県 | 42万円 |
| 和歌山県 | 37.4万円 |
| 鳥取県 | 26.5万円 |
| 島根県 | 34.4万円 |
| 岡山県 | 42.2万円 |
| 広島県 | 25.1万円 |
| 山口県 | 32.2万円 |
| 徳島県 | 50.4万円 |
| 香川県 | 39.6万円 |
| 愛媛県 | 37.2万円 |
| 高知県 | 38.8万円 |
| 福岡県 | 42.4万円 |
| 佐賀県 | 38万円 |
| 長崎県 | 36.7万円 |
| 熊本県 | 33.8万円 |
| 大分県 | 37.4万円 |
| 宮崎県 | 41.7万円 |
| 鹿児島県 | 38.7万円 |
| 沖縄県 | 37.8万円 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは岩手県です。
次いで徳島県、福井県、静岡県、群馬県が続きます。
淡いのは広島県、鳥取県、神奈川県でした。
47都道府県の平均は38.27万円、中央値は38万円です。
岩手県の52.3万円は平均を14.03万円上回ります。
1位と47位の差は27.2万円、倍率にすると2.08倍でした。
デザイナーの所定内給与額で並べ替えると東京都が36.6で最も高く、開きは1.88倍になります。
主指標で1位の岩手県はデザイナーの所定内給与額では46位、デザイナーの所定内給与額で1位の東京都は主指標では9位でした。
| 順位 | 都道府県 | 著述家・記者・編集者の所定内給与額(万円) | 地方 | デザイナーの所定内給与額 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 岩手県 | 52.3 | 東北 | 21 |
| 2 | 徳島県 | 50.4 | 四国 | 26.4 |
| 3 | 福井県 | 47.9 | 中部 | 27.3 |
| 4 | 静岡県 | 47.3 | 中部 | 25.9 |
| 5 | 群馬県 | 46.7 | 関東 | 22.4 |
| 6 | 滋賀県 | 45.9 | 近畿 | 23 |
| 7 | 栃木県 | 45.6 | 関東 | 24.7 |
| 8 | 北海道 | 44.2 | 北海道 | 25.2 |
| 9 | 石川県 | 44 | 中部 | 28.3 |
| 9 | 東京都 | 44 | 関東 | 36.6 |
| 11 | 大阪府 | 43.4 | 近畿 | 30.3 |
| 12 | 山形県 | 42.5 | 東北 | 22.5 |
| 13 | 福岡県 | 42.4 | 九州 | 29.5 |
| 14 | 岡山県 | 42.2 | 中国 | 26.6 |
| 15 | 奈良県 | 42 | 近畿 | 26.4 |
| 16 | 宮崎県 | 41.7 | 九州 | 22.8 |
| 17 | 千葉県 | 41 | 関東 | 31.1 |
| 18 | 新潟県 | 40.8 | 中部 | 21.7 |
| 19 | 京都府 | 40.6 | 近畿 | 31.3 |
| 20 | 青森県 | 39.9 | 東北 | 24.1 |
| 21 | 香川県 | 39.6 | 四国 | 27.6 |
| 22 | 高知県 | 38.8 | 四国 | 23.4 |
| 23 | 鹿児島県 | 38.7 | 九州 | 24.5 |
| 24 | 佐賀県 | 38 | 九州 | 19.5 |
| 25 | 沖縄県 | 37.8 | 九州 | 23.9 |
| 26 | 大分県 | 37.4 | 九州 | 24.8 |
| 26 | 和歌山県 | 37.4 | 近畿 | 26.9 |
| 28 | 愛媛県 | 37.2 | 四国 | 23.8 |
| 29 | 秋田県 | 37.1 | 東北 | 22.9 |
| 30 | 長崎県 | 36.7 | 九州 | 25.6 |
| 31 | 富山県 | 36.5 | 中部 | 23.7 |
| 32 | 宮城県 | 35.1 | 東北 | 24 |
| 33 | 長野県 | 34.6 | 中部 | 25.8 |
| 34 | 愛知県 | 34.5 | 中部 | 28.8 |
| 35 | 島根県 | 34.4 | 中国 | 22.6 |
| 36 | 熊本県 | 33.8 | 九州 | 22.4 |
| 37 | 山梨県 | 33.1 | 中部 | 26.5 |
| 38 | 山口県 | 32.2 | 中国 | 24.8 |
| 39 | 埼玉県 | 31.8 | 関東 | 29.7 |
| 40 | 岐阜県 | 31.6 | 中部 | 24.8 |
| 41 | 福島県 | 30.5 | 東北 | 23.6 |
| 42 | 茨城県 | 30 | 関東 | 32.5 |
| 43 | 三重県 | 29.2 | 近畿 | 27.5 |
| 44 | 兵庫県 | 29.1 | 近畿 | 32.8 |
| 45 | 神奈川県 | 27.1 | 関東 | 32.6 |
| 46 | 鳥取県 | 26.5 | 中国 | 23.5 |
| 47 | 広島県 | 25.1 | 中国 | 31.5 |
このグラフについての豆知識
標本が少ない職種
著述家・記者・編集者の月給は47都道府県平均で38.3万円。
専門職のなかでは高い水準です。
新聞社は地方でも待遇が比較的よく、地元の有力企業であることが多い業界です。
職業名でみる賃金統計
賃金構造基本統計調査には、職種を145に分けた集計があります。
この記事はその「職種(特掲)」から、フルタイムで働く人の2022年の所定内給与を取り出したものです。
所定内給与は毎月決まって支払われる給与から残業代を除いたもので、賞与は含みません。
千円単位の公表値を万円に換算しました。
標本調査なので、その職種で働く人が少ない県では数字が大きくぶれることがあります。
順位そのものより、水準の目安として読んでください。
数字の散らばり
1位の岩手県は52.3万円、47位の広島県は25.1万円。
差は27.2万円、倍率にすると2.08倍です。
中央値は38万円、平均は38.27万円でした。
平均と中央値がどれだけ離れているかを見ると、一部の都道府県が全体を引っぱっているかどうかが分かります。
この指標では0.27万円の差でした。
デザイナーの所定内給与額で並べ替えると開きは1.88倍になります。
2つの見方を突き合わせると、順位の意味がはっきりします。
地方のなかで見た著述家・記者・編集者の所定内給与額
| 地方 | 最も多い(万円) | 最も少ない(万円) |
|---|---|---|
| 東北 | 岩手県 52.3 | 福島県 30.5 |
| 関東 | 群馬県 46.7 | 神奈川県 27.1 |
| 中部 | 福井県 47.9 | 岐阜県 31.6 |
| 近畿 | 滋賀県 45.9 | 兵庫県 29.1 |
| 中国 | 岡山県 42.2 | 広島県 25.1 |
| 四国 | 徳島県 50.4 | 愛媛県 37.2 |
| 九州 | 福岡県 42.4 | 熊本県 33.8 |
まとめ
記者・編集者の平均月給を47都道府県で比べると、最も高い岩手県で52.3万円、最も低い広島県で25.1万円でした。
その差は27.2万円、倍率にすると2.08倍です。
47都道府県の中央値は38万円、平均は38.27万円でした。
全国の値は41.9万円です。
デザイナーの所定内給与額で並べ替えると開きは1.88倍になり、主指標で1位の岩手県はその見方では46位に位置します。
記者・編集者の平均月給をどう数えているかについて、3つ補っておきます。
1つ目は、標本が少なく大きくぶれること。
2つ目は、フリーランスを含まないこと。
3つ目は2022年の数字であることです。
デザイナーの所定内給与額では東京都が36.6で最も高く、主指標で1位の岩手県はこの見方では46位でした。
地方ごとの平均では北海道が44.2万円で最も高く、中国5県が32.08万円で最も低くなりました。
デザイナーの月給や書籍への支出を比べた記事とあわせて読んでみてください。
1位の岩手県と2位の徳島県の差は1.9万円で、上位のなかでも順位は僅差で決まりました。
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出典
- 統計名: 賃金構造基本統計調査(都道府県別 職種(特掲)DB)
- 調査年: 2022年
- 公開元: 厚生労働省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?statdisp_id=0003445758
- 備考: 新聞記者や雑誌編集者、ライターなどの所定内給与額。標本が少なくぶれやすい。千円単位の公表値を万円に換算した。都道府県を足し合わせても意味がないため、合計や人口10万人あたりは載せていない。参考指標はデザイナーの所定内給与額
注記: 新聞記者や雑誌編集者、ライターなどの所定内給与額。
標本が少なくぶれやすい。
千円単位の公表値を万円に換算した。
都道府県を足し合わせても意味がないため、合計や人口10万人あたりは載せていない。
参考指標はデザイナーの所定内給与額
