【楽器を演奏する人の割合】は都市部で高いのか、カラオケとの違いを比較

【楽器を演奏する人の割合】は都市部で高いのか、カラオケとの違いを比較

楽器を演奏する人は、10歳以上のおよそ10人に1人です。
この調査では、過去1年間に趣味として楽器を弾いたかどうかだけを聞いていて、回数や時間、うまさは問いません。
年に一度でも弾けば「した」に入ります。

使ったのは総務省統計局「社会生活基本調査」(令和3年)のデータです。

全国の行動者率は10.2%。
およそ10人に1人が、1年のうちに楽器を弾いたと答えたことになります。
同じ調査には「カラオケ」もあるので、あわせて見ていきます。

47都道府県の単純平均

9%

楽器の演奏の行動者率(令和3年(2021年))

最も多い 東京都

14.5%

最も少ない 青森県

5.5%

楽器を演奏する人が多い5都府県

上位5都道府県の楽器の演奏の行動者率
上位5都道府県の楽器の演奏の行動者率 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)) 02468101214東京都: 14.5%14.5%神奈川県: 12.1%12.1%京都府: 11.4%11.4%埼玉県: 11.2%11.2%愛知県: 11.2%11.2%東京都神奈川県京都府埼玉県愛知県
上位5都道府県の楽器の演奏の行動者率
項目楽器の演奏の行動者率
東京都14.5%
神奈川県12.1%
京都府11.4%
埼玉県11.2%
愛知県11.2%
下位5都道府県の楽器の演奏の行動者率
下位5都道府県の楽器の演奏の行動者率 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)) 01234567青森県: 5.5%5.5%大分県: 6.7%6.7%秋田県: 6.9%6.9%岩手県: 7.1%7.1%長崎県: 7.1%7.1%青森県大分県秋田県岩手県長崎県
下位5都道府県の楽器の演奏の行動者率
項目楽器の演奏の行動者率
青森県5.5%
大分県6.7%
秋田県6.9%
岩手県7.1%
長崎県7.1%

楽器の演奏の行動者率が高い上位です。
4位が同数で2県あるため、5都府県を掲載します。

東京都は14.5パーセント、神奈川県は12.1パーセント、京都府は11.4パーセント、4位は埼玉県と愛知県の11.2パーセントでした。
全国の10.2パーセントを上回ったのは7都府県だけです。

東京都だけが14パーセント台で、2位の神奈川県とは2.4ポイント離れています。
上位5都府県はいずれも人口の多い地域でした。
この記事の前に公開した読書の記事でも、上位は東京都・神奈川県・埼玉県と重なります。
余暇に何かをする人の割合は、種類を問わず都市部で高く出る傾向があります。

6位以下も10.4パーセント、10.3パーセント、10.2パーセントと続きます。
10パーセント以上は10都府県で、残る37県は1桁台でした。

上位5都府県のうち4つは人口が700万人を超えます。
残る京都府も252万人で、いずれも都市が発達した地域です。
人口が多い県ほど教室やスタジオも多くなるため、始めやすさに差があるのかもしれません。

東京都が1位になるのはなぜか

ここからは統計から離れて、なぜ都市部が上位なのかを考えてみます。
以下は確かめられた事実ではなく、同じ調査の別の数字と突き合わせて立てた推測です。

同じ調査の「カラオケ」を見てみます。
全国は13.5パーセントで、上位は東京都の16.1パーセント、鹿児島県の15.0パーセント、愛知県の14.9パーセント、北海道の14.8パーセントでした。
1位は楽器と同じ東京都ですが、2位以下には鹿児島県や北海道が入ります。
楽器のように都市部だけが並ぶ形にはなっていません。

この違いは、活動に必要なものの差だと考えられます。
カラオケは店に行けばできますが、楽器は本体を買い、置く場所を確保し、音を出せる環境が要ります。
教室やスタジオ、楽器店の数も関わってくるでしょう。

もう1つ、この調査には「習い事」の要素も含まれます。
子どもがピアノを習っていれば行動者に入るため、教室の数や通いやすさが数字に効いている可能性があります。

ただし今回のデータでは、楽器店や音楽教室の数までは確かめていません。
都市部が上位になる理由として「機会の多さ」を挙げることはできますが、統計で裏づけたわけではないことを断っておきます。

なお行動者率は「過去1年間に1回でもしたか」を聞いた数字です。
毎日練習する人も、年に1度だけ触った人も同じ1人として数えられます。
演奏の頻度や上達を測るものではありません。

楽器を演奏する人が少ない5県

楽器の演奏の行動者率が低い下位5県です。
43位に2県が同数で並びました。

青森県は5.5パーセント、大分県は6.7パーセント、秋田県は6.9パーセント、43位は岩手県と長崎県の7.1パーセントでした。
東京都の14.5パーセントと青森県の5.5パーセントでは2.64倍の差があります。

下位に並んだのは東北3県と九州2県です。
地方別の平均でも東北6県が7.3パーセントで最も低く、四国4県が8.0パーセント、九州8県が8.3パーセントと続きました。

青森県の5.5パーセントは、18人に1人という水準です。
2位以下とも1.2ポイント離れており、下位のなかでも1県だけ低い形になっています。

なお下位の県でもカラオケの行動者率は10パーセント台です。
音楽に触れないわけではなく、楽器という形を取る人が少ないという読み方になります。

下位5県はいずれも人口が150万人を下回ります。
人口の少ない県が下位に集まっていますが、上位10には奈良県・滋賀県・沖縄県のように人口100万人台の県も入っており、規模だけで決まる差ではありません。

地方別に見る楽器演奏の行動者率

地方別の平均(楽器の演奏の行動者率)
地方別の平均(楽器の演奏の行動者率) 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)) 0246810北海道: 9.5%9.5%東北: 7.3%7.3%関東: 10.5%10.5%中部: 9.2%9.2%近畿: 9.8%9.8%中国: 8.9%8.9%四国: 8%8%九州: 8.3%8.3%北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(楽器の演奏の行動者率)
項目楽器の演奏の行動者率の平均
北海道9.5%
東北7.3%
関東10.5%
中部9.2%
近畿9.8%
中国8.9%
四国8%
九州8.3%

地方別に平均を出すと、都市部と地方の差がはっきり出ます。

最も高いのは関東7都県の10.5パーセントです。
次いで近畿7府県が9.8パーセント、北海道が9.5パーセント、中部9県が9.2パーセントと続きます。

低いほうを見ると、中国5県が8.9パーセント、九州8県が8.3パーセント、四国4県が8.0パーセント、東北6県が7.3パーセントでした。
最も高い関東と最も低い東北では3.1ポイントの差があります。

8地方のうち10パーセントを超えたのは関東だけです。
読書の行動者率でも関東だけが30パーセントを超えていました。
余暇の活動には、都市部で高く出るという共通の傾向があるようです。

地図で見る楽器演奏の行動者率

楽器の演奏の行動者率(令和3年(2021年))
楽器の演奏の行動者率(令和3年(2021年)) 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(総務省統計局)をもとに作成。単位は%。 北海道 9.5%青森 5.5%岩手 7.1%宮城 9.8%秋田 6.9%山形 7.5%福島 7.3%茨城 8.5%栃木 8.5%群馬 8.7%埼玉 11.2%千葉 9.9%東京 14.5%神奈川 12.1%新潟 8%富山 8.6%石川 8.5%福井 8.8%山梨 9.6%長野 9.7%岐阜 8.5%静岡 9.7%愛知 11.2%三重 8.3%滋賀 10.3%京都 11.4%大阪 10%兵庫 10.1%奈良 10.4%和歌山 8.3%鳥取 9.1%島根 8.4%岡山 9.2%広島 9%山口 9%徳島 7.7%香川 8.2%愛媛 7.4%高知 8.6%福岡 8.6%佐賀 7.8%長崎 7.1%熊本 8.5%大分 6.7%宮崎 8.5%鹿児島 8.9%沖縄 10.2%
楽器の演奏の行動者率(%)
楽器の演奏の行動者率(令和3年(2021年))
項目楽器の演奏の行動者率
北海道9.5%
青森県5.5%
岩手県7.1%
宮城県9.8%
秋田県6.9%
山形県7.5%
福島県7.3%
茨城県8.5%
栃木県8.5%
群馬県8.7%
埼玉県11.2%
千葉県9.9%
東京都14.5%
神奈川県12.1%
新潟県8%
富山県8.6%
石川県8.5%
福井県8.8%
山梨県9.6%
長野県9.7%
岐阜県8.5%
静岡県9.7%
愛知県11.2%
三重県8.3%
滋賀県10.3%
京都府11.4%
大阪府10%
兵庫県10.1%
奈良県10.4%
和歌山県8.3%
鳥取県9.1%
島根県8.4%
岡山県9.2%
広島県9%
山口県9%
徳島県7.7%
香川県8.2%
愛媛県7.4%
高知県8.6%
福岡県8.6%
佐賀県7.8%
長崎県7.1%
熊本県8.5%
大分県6.7%
宮崎県8.5%
鹿児島県8.9%
沖縄県10.2%

日本地図で見ると、色が濃く出るのは関東の南部と近畿、そして東海の一部です。
逆に淡いのは東北から北海道にかけての北日本と、九州の一部でした。

47都道府県の単純平均は9.0パーセント、中央値は8.6パーセントです。
全国値の10.2パーセントより県別の平均が低いのは、人口の多い都府県の数字が全国値を押し上げているためです。
平均を超えたのは18都府県でした。

下の表に47都道府県すべての行動者率を、カラオケの行動者率と並べて掲載しました。
2つの数字が同じ方向に動いているかどうかを見比べてみてください。

順位都道府県楽器の演奏の行動者率(%)地方カラオケの行動者率
1東京都14.5関東16.1
2神奈川県12.1関東14
3京都府11.4近畿13.4
4愛知県11.2中部14.9
4埼玉県11.2関東13
6奈良県10.4近畿12.9
7滋賀県10.3近畿14.1
8沖縄県10.2九州13.4
9兵庫県10.1近畿11.7
10大阪府10近畿14.6
11千葉県9.9関東12.5
12宮城県9.8東北13
13静岡県9.7中部12.8
13長野県9.7中部14
15山梨県9.6中部12.3
16北海道9.5北海道14.8
17岡山県9.2中国11.2
18鳥取県9.1中国12.3
19広島県9中国14.4
19山口県9中国12.2
21鹿児島県8.9九州15
22福井県8.8中部12.7
23群馬県8.7関東13.3
24高知県8.6四国12
24富山県8.6中部11.2
24福岡県8.6九州13.9
27茨城県8.5関東12
27岐阜県8.5中部11.8
27宮崎県8.5九州12.7
27熊本県8.5九州14.6
27石川県8.5中部12.3
27栃木県8.5関東12.6
33島根県8.4中国12.5
34三重県8.3近畿12.5
34和歌山県8.3近畿13
36香川県8.2四国13.7
37新潟県8中部12.1
38佐賀県7.8九州12.2
39徳島県7.7四国9.8
40山形県7.5東北12.5
41愛媛県7.4四国14
42福島県7.3東北11.1
43岩手県7.1東北11.2
43長崎県7.1九州12
45秋田県6.9東北11.8
46大分県6.7九州11.3
47青森県5.5東北10.9
社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)、総務省統計局)をもとに作成

このグラフについての豆知識

カラオケのほうが3ポイント高い

同じ社会生活基本調査で「カラオケ」の全国の行動者率は13.5パーセントです。
楽器の演奏の10.2パーセントを3.3ポイント上回ります。

ただし県別に見ると、両者の関係は単純ではありません。
楽器で1位の東京都はカラオケでも1位ですが、カラオケ2位の鹿児島県は楽器では8.9パーセントで21位です。
楽器は都市部に集中し、カラオケは全国に広く分布するという違いがあります。

音楽に関わる活動といっても、必要な道具や場所が違えば地域差の出方も変わる。
同じ調査の中で比べられるのは、この統計の使いやすいところです。

「楽器の演奏」に含まれるもの

社会生活基本調査の趣味・娯楽には、楽器の演奏のほかに「邦楽(民謡、日本古来の音楽を含む)」「コーラス・声楽」という項目が別に立てられています。
三味線や琴の演奏は邦楽のほうに分類される場合があります。

全国の行動者率は邦楽が3.0パーセント、コーラス・声楽が1.7パーセントです。
楽器の演奏の10.2パーセントと比べるとかなり小さい数字になります。

調査は5年ごとで、令和3年が直近です。
次回は令和8年に実施される予定なので、この5年でどう動いたかはそのときに確かめられます。

順位の並びがにている記事

趣味として楽器を演奏する人の割合の47都道府県の並びを、ほかの記事の並びと総当たりで比べました。

並びが最も重なったのは【日本人の人口・10年推移】ふえたのは2都県のみ、ほかは軒並み下落で、相関は0.79です。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【高齢者の割合】を47都道府県で比較すると地域差は16.8ポイント(相関-0.75)でした。

これは並びが近いというだけで、片方がもう片方を生んでいるという意味ではありません。
地図を2枚ならべてみてください。

地方のなかで見た楽器の演奏の行動者率

地方最も多い(%)最も少ない(%)
東北宮城県 9.8青森県 5.5
関東東京都 14.5栃木県 8.5
中部愛知県 11.2新潟県 8
近畿京都府 11.4和歌山県 8.3
中国岡山県 9.2島根県 8.4
四国高知県 8.6愛媛県 7.4
九州沖縄県 10.2大分県 6.7
社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)、総務省統計局)をもとに作成

まとめ

47都道府県の楽器演奏の行動者率を比べると、東京都は14.5パーセント、青森県は5.5パーセントで、その差は2.64倍でした。
全国は10.2パーセントで、これを上回ったのは7都府県だけです。
地方別では関東が10.5パーセントと最も高く、東北が7.3パーセントで最も低い結果になりました。

趣味として楽器を演奏する人の割合の統計を読むときの注意点は3つです。
1つ目は、この数字が過去1年間に1回でも演奏した人の割合であり、頻度ではないことです。
2つ目は、邦楽やコーラス・声楽が別の項目として集計されていることです。
3つ目は時点で、令和3年(2021年)の調査結果です。

楽器は都市部に集中し、カラオケは全国に広く分布していました。
同じ音楽でも、必要な道具と場所が違えば地域差の出方も変わります。

楽器は始めるまでのハードルが高い趣味です。
それでも47都道府県すべてで、18人に1人以上が1年のうちに演奏していました。

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出典

  • 統計名: 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)
  • 調査年: 令和3年(2021年)
  • 公開元: 総務省統計局
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032262823
  • 備考: 10歳以上の人のうち、過去1年間に趣味・娯楽として楽器の演奏をした人の割合。演奏した回数や時間は問わない

注記: 10歳以上の人のうち、過去1年間に趣味・娯楽として楽器の演奏をした人の割合。
演奏した回数や時間は問わない

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