公害の苦情の取扱件数は、都道府県でどれほど違うのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。
騒音や悪臭、大気汚染などについて自治体が受け付けた件数です。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系、2023年の数字。
全国74,608件のうち、東京都が9,239件で1位。
人口の多い都県に集まります。
47都道府県の単純平均
1,587件
公害苦情の取扱件数(2023年)
最も多い 東京都
9,239件
最も少ない 富山県
197件
地図で見る
| 項目 | 公害苦情の取扱件数 |
|---|---|
| 北海道 | 1,608件 |
| 青森県 | 435件 |
| 岩手県 | 536件 |
| 宮城県 | 808件 |
| 秋田県 | 360件 |
| 山形県 | 499件 |
| 福島県 | 554件 |
| 茨城県 | 2,585件 |
| 栃木県 | 1,427件 |
| 群馬県 | 1,156件 |
| 埼玉県 | 3,051件 |
| 千葉県 | 5,380件 |
| 東京都 | 9,239件 |
| 神奈川県 | 5,390件 |
| 新潟県 | 913件 |
| 富山県 | 197件 |
| 石川県 | 440件 |
| 福井県 | 487件 |
| 山梨県 | 907件 |
| 長野県 | 1,683件 |
| 岐阜県 | 1,516件 |
| 静岡県 | 1,984件 |
| 愛知県 | 5,492件 |
| 三重県 | 1,372件 |
| 滋賀県 | 813件 |
| 京都府 | 1,603件 |
| 大阪府 | 4,632件 |
| 兵庫県 | 2,501件 |
| 奈良県 | 953件 |
| 和歌山県 | 860件 |
| 鳥取県 | 321件 |
| 島根県 | 252件 |
| 岡山県 | 691件 |
| 広島県 | 1,316件 |
| 山口県 | 758件 |
| 徳島県 | 479件 |
| 香川県 | 624件 |
| 愛媛県 | 786件 |
| 高知県 | 316件 |
| 福岡県 | 3,450件 |
| 佐賀県 | 403件 |
| 長崎県 | 918件 |
| 熊本県 | 719件 |
| 大分県 | 979件 |
| 宮崎県 | 880件 |
| 鹿児島県 | 1,485件 |
| 沖縄県 | 850件 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都、愛知県、神奈川県、千葉県、大阪府です。
人口の分布に近い地図になります。
淡いのは富山県、島根県、高知県、鳥取県、秋田県でした。
47都道府県の平均は1,587.4件、中央値は907件です。
東京都の9,239件は平均の5.8倍にあたります。
上位3都県で27.0パーセント、1位と47位で46.9倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 公害苦情の取扱件数(件) | 地方 | 人口10万人あたりの公害苦情の取扱件数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 9239 | 関東 | 65.16 |
| 2 | 愛知県 | 5492 | 中部 | 73.62 |
| 3 | 神奈川県 | 5390 | 関東 | 58.43 |
| 4 | 千葉県 | 5380 | 関東 | 86.07 |
| 5 | 大阪府 | 4632 | 近畿 | 52.89 |
| 6 | 福岡県 | 3450 | 九州 | 67.75 |
| 7 | 埼玉県 | 3051 | 関東 | 41.61 |
| 8 | 茨城県 | 2585 | 関東 | 92.12 |
| 9 | 兵庫県 | 2501 | 近畿 | 46.86 |
| 10 | 静岡県 | 1984 | 中部 | 56.25 |
| 11 | 長野県 | 1683 | 中部 | 84.7 |
| 12 | 北海道 | 1608 | 北海道 | 31.89 |
| 13 | 京都府 | 1603 | 近畿 | 63.61 |
| 14 | 岐阜県 | 1516 | 中部 | 79.12 |
| 15 | 鹿児島県 | 1485 | 九州 | 96.93 |
| 16 | 栃木県 | 1427 | 関東 | 75.7 |
| 17 | 三重県 | 1372 | 近畿 | 80.19 |
| 18 | 広島県 | 1316 | 中国 | 48.49 |
| 19 | 群馬県 | 1156 | 関東 | 61.16 |
| 20 | 大分県 | 979 | 九州 | 90.23 |
| 21 | 奈良県 | 953 | 近畿 | 74.16 |
| 22 | 長崎県 | 918 | 九州 | 73.32 |
| 23 | 新潟県 | 913 | 中部 | 43.5 |
| 24 | 山梨県 | 907 | 中部 | 114.66 |
| 25 | 宮崎県 | 880 | 九州 | 85.19 |
| 26 | 和歌山県 | 860 | 近畿 | 97.73 |
| 27 | 沖縄県 | 850 | 九州 | 57.98 |
| 28 | 滋賀県 | 813 | 近畿 | 57.99 |
| 29 | 宮城県 | 808 | 東北 | 35.94 |
| 30 | 愛媛県 | 786 | 四国 | 61.6 |
| 31 | 山口県 | 758 | 中国 | 59.17 |
| 32 | 熊本県 | 719 | 九州 | 42.37 |
| 33 | 岡山県 | 691 | 中国 | 37.74 |
| 34 | 香川県 | 624 | 四国 | 68.05 |
| 35 | 福島県 | 554 | 東北 | 31.78 |
| 36 | 岩手県 | 536 | 東北 | 46.81 |
| 37 | 山形県 | 499 | 東北 | 49.36 |
| 38 | 福井県 | 487 | 中部 | 65.9 |
| 39 | 徳島県 | 479 | 四国 | 69.93 |
| 40 | 石川県 | 440 | 中部 | 40.07 |
| 41 | 青森県 | 435 | 東北 | 37.34 |
| 42 | 佐賀県 | 403 | 九州 | 51.14 |
| 43 | 秋田県 | 360 | 東北 | 40.13 |
| 44 | 鳥取県 | 321 | 中国 | 60.45 |
| 45 | 高知県 | 316 | 四国 | 48.17 |
| 46 | 島根県 | 252 | 中国 | 39.25 |
| 47 | 富山県 | 197 | 中部 | 19.76 |
公害の苦情が多い5都府県
公害の苦情が多い上位5都府県です。
東京都は9,239件、愛知県は5,492件、神奈川県は5,390件、千葉県は5,380件、大阪府は4,632件でした。
東京都は2位の愛知県の1.68倍あります。
6位以下は福岡県3,450件、埼玉県3,051件、茨城県2,585件と続きます。
上位3都県で全国の27.0パーセント、上位5都府県で40.4パーセント、上位10都府県で58.6パーセント。
関東7都県だけで37.8パーセントを占めます。
人口あたりの1位は山梨県、富山県は最下位です
なぜこういう並びになるのか、ここからは考えてみます。
以下は公害苦情の取扱件数の統計から直接読み取れることではなく、別の数字と照らして立てた推測です。
人口10万人あたりで割り直すと、意外な県が上位に来ます。
1位は山梨県の114.7件、2位は和歌山県97.7件、3位は鹿児島県96.9件。
4位は茨城県92.1件、5位は大分県90.2件、6位は千葉県86.1件と続きます。
逆に人口あたりの下位は富山県19.8件、福島県31.8件、北海道31.9件、宮城県35.9件。
山梨県と富山県では5.8倍の開きです。
実数1位の東京都は人口あたりでは19位、実数5位の大阪府は29位まで落ちます。
人口が多いから苦情も多いという面はありますが、人口あたりで見ると別の県が上に来ます。
この指標は「苦情が寄せられた件数」であって、公害そのものの量ではありません。
受け付ける窓口の体制や、住民が声を上げやすいかどうかも数字に効いていると考えられます。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、九州・沖縄8県が70.6件で最も多く、北海道が31.9件で最も少なくなります。
関東7都県68.6件、近畿7府県67.6件と続きました。
実数で見ると順位は変わる
公害の苦情が少ない5県
公害の苦情が少ない下位5県です。
富山県は197件、島根県は252件、高知県は316件、鳥取県は321件、秋田県は360件でした。
東京都の9,239件とは46.9倍の差があります。
富山県は人口10万人あたりでも19.8件で最下位です。
1位の山梨県114.7件とは5.8倍の差があります。
人口の少なさだけでは説明しきれない差です。
47都道府県の中央値は907件。
平均は1,587.4件なので、平均が中央値の1.8倍です。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、関東が最も大きくなります。
関東7都県が全国の37.8パーセント、中部9県が18.3パーセント、近畿7府県が17.1パーセント、九州・沖縄8県が13.0パーセントと続きます。
少ないほうは中国5県が4.5パーセント、東北6県が4.3パーセント、四国4県が3.0パーセント、北海道が2.2パーセントでした。
関東7都県の37.8パーセントは、東京都9,239件、神奈川県5,390件、千葉県5,380件、埼玉県3,051件が中心です。
人口10万人あたりの平均で見ると順番が変わります。
九州・沖縄8県が70.6件で1位、関東7都県が68.6件で2位、近畿7府県が67.6件で3位。
東北6県は40.2件、北海道は31.9件で最下位でした。
このグラフについての豆知識
苦情の数であって公害の量ではない
この指標は自治体が受け付けた苦情の件数です。
実際に公害が起きた件数でも、その深刻さでもありません。
窓口の体制や、住民が声を上げやすい環境かどうかも数字に影響します。
件数が多い県が公害の多い県だとは限らない点に注意が必要です。
種類の内訳は分からない
公害の苦情には騒音、振動、悪臭、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、地盤沈下の7つの区分があります。
この指標はそれらを合わせた件数で、内訳は分かりません。
人口10万人あたりで最も多い山梨県114.7件と、最も少ない富山県19.8件の5.8倍という差が、どの種類によるものかもここからは読み取れません。
数字は2023年のものです。
10年前とくらべると
全国の公害苦情の取扱件数は、2013年の83,071件から2023年の74,608件へ、この10年でおよそ10%減りました。
10年前も先頭は東京都です。
顔ぶれは変わりませんでした。
伸びがいちばん大きかったのは香川県で、58%増でした。
順位の並びがにている記事
公害苦情の取扱件数の並びと似ている記事、そして正反対の記事を挙げます。
0.91という高い相関を示したのが【60歳以上の転入】年17万4,393人、住み替えの地図でした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【ホームセンターの数】を人口あたりで比べると約8倍の差、都市部ほど少なくなります(相関-0.72)でした。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見た公害苦情の取扱件数
| 地方 | 最も多い(件) | 最も少ない(件) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 808 | 秋田県 360 |
| 関東 | 東京都 9239 | 群馬県 1156 |
| 中部 | 愛知県 5492 | 富山県 197 |
| 近畿 | 大阪府 4632 | 滋賀県 813 |
| 中国 | 広島県 1316 | 島根県 252 |
| 四国 | 愛媛県 786 | 高知県 316 |
| 九州 | 福岡県 3450 | 佐賀県 403 |
まとめ
公害の苦情の取扱件数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で9,239件、最も少ない富山県で197件でした。
人口の多い都県に集まります。
ここまでの公害苦情の取扱件数の数字には、注意点が3つあります。
1つ目は、苦情の件数であって公害の量ではないこと。
2つ目は、7つの区分の内訳が分からないこと。
3つ目は2023年の数字であることです。
人口10万人あたりでは山梨県114.7件が1位、富山県19.8件が47位で5.8倍の開き。
実数1位の東京都は19位まで落ちます。
地方別の人口あたり平均は九州・沖縄8県70.6件が最多、北海道31.9件が最少でした。
事業所数や人口密度を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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- 【人口密度】日本の人口37.9%が国土4.1%に集中、47都道府県で比較
出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2023年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードK6101(公害苦情取扱件数)の2023年の値。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードK6101(公害苦情取扱件数)の2023年の値。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
