防犯ボランティア団体は、地域の人が集まって見回りや声かけをする組織です。
自治会や商店街、学校のPTAが母体になることも多くあります。
この指標は人口あたりで割り直しても1位が変わらないという、めずらしい性質を持っています。
今回は47都道府県の防犯ボランティア団体数を、2024年の総務省統計局「社会・人口統計体系」のデータを使って比べました。
全国42,847団体のうち、埼玉県が5,928団体で1位。
人口10万人あたりで割り直しても埼玉県が1位のままという、この形式ではめずらしい指標です。
47都道府県の単純平均
912団体
防犯ボランティア団体数(2024年)
最も多い 埼玉県
5,928団体
最も少ない 高知県
129団体
防犯ボランティア団体が多い5都県
防犯ボランティア団体が多い上位5都県です。
埼玉県は5,928団体、東京都は3,548団体、神奈川県は3,377団体、千葉県は3,090団体、愛知県は2,544団体でした。
埼玉県は2位の東京都の1.67倍あります。
6位以下は大阪府1,768団体、兵庫県1,550団体、福岡県1,429団体と続きます。
上位3都県で全国の30.0パーセント、上位5都県で43.1パーセント、上位10都県で60.1パーセント。
関東7都県だけで43.2パーセントを占めます。
実数でも人口あたりでも埼玉県が1位です
この分布の背景を、ここから考えてみます。
防犯ボランティア団体数の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
実数でも人口あたりでも1位という県は、そう多くありません。
人口10万人あたりで割り直すと、1位は埼玉県の80.8団体。
実数でも1位なので、割り直しても順位が変わりません。
2位は岡山県68.1団体、3位は岐阜県60.1団体、4位は奈良県57.2団体、5位は富山県52.9団体と続きます。
逆に人口あたりの下位は宮城県12.7団体、滋賀県15.8団体、福島県17.7団体、静岡県19.0団体。
埼玉県と宮城県では6.4倍の開きです。
実数2位の東京都は人口あたりでは34位、実数6位の大阪府は42位まで落ちます。
埼玉県だけが両方で上位に残る形です。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、関東7都県が44.6団体で最も多く、東北6県が24.1団体で最も少なくなります。
中国5県39.5団体、中部9県37.9団体と続きました。
実数でも人口あたりでも関東が1位という点も、この指標の特徴です。
防犯ボランティアは自治会や学校の見守りと結びついて広がることが多いとされます。
ただしこの統計から活動の中身までは分かりません。
実数で見ると順位は変わる
防犯ボランティア団体が少ない5県
防犯ボランティア団体が少ない下位5県です。
高知県は129団体、鳥取県は150団体、和歌山県は198団体、秋田県は204団体、佐賀県は221団体でした。
埼玉県の5,928団体とは46.0倍の差があります。
人口10万人あたりで見ても、下位は宮城県12.7団体、滋賀県15.8団体、福島県17.7団体、静岡県19.0団体。
実数の下位とは顔ぶれが違います。
人口が多くても団体が少ない県があるということです。
47都道府県の中央値は481団体。
平均は911.6団体なので、平均が中央値の1.9倍です。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、関東が突出します。
関東7都県が全国の43.2パーセント、中部9県が16.9パーセント、近畿7府県が14.5パーセント、九州・沖縄8県が9.8パーセントと続きます。
少ないほうは中国5県が6.3パーセント、東北6県が4.2パーセント、北海道が2.9パーセント、四国4県が2.1パーセントでした。
関東7都県の43.2パーセントは、埼玉県5,928団体、東京都3,548団体、神奈川県3,377団体、千葉県3,090団体の4都県で支えられています。
人口10万人あたりの平均でも関東7都県が44.6団体で1位。
実数でも人口あたりでも関東が最も多いという指標は、この一連の記事のなかでもめずらしい形です。
東北6県は24.1団体で最下位でした。
地図で見る
| 項目 | 防犯ボランティア団体数 |
|---|---|
| 北海道 | 1,255団体 |
| 青森県 | 300団体 |
| 岩手県 | 315団体 |
| 宮城県 | 286団体 |
| 秋田県 | 204団体 |
| 山形県 | 386団体 |
| 福島県 | 308団体 |
| 茨城県 | 951団体 |
| 栃木県 | 870団体 |
| 群馬県 | 756団体 |
| 埼玉県 | 5,928団体 |
| 千葉県 | 3,090団体 |
| 東京都 | 3,548団体 |
| 神奈川県 | 3,377団体 |
| 新潟県 | 908団体 |
| 富山県 | 527団体 |
| 石川県 | 414団体 |
| 福井県 | 308団体 |
| 山梨県 | 225団体 |
| 長野県 | 481団体 |
| 岐阜県 | 1,152団体 |
| 静岡県 | 669団体 |
| 愛知県 | 2,544団体 |
| 三重県 | 904団体 |
| 滋賀県 | 221団体 |
| 京都府 | 845団体 |
| 大阪府 | 1,768団体 |
| 兵庫県 | 1,550団体 |
| 奈良県 | 735団体 |
| 和歌山県 | 198団体 |
| 鳥取県 | 150団体 |
| 島根県 | 313団体 |
| 岡山県 | 1,247団体 |
| 広島県 | 627団体 |
| 山口県 | 372団体 |
| 徳島県 | 269団体 |
| 香川県 | 240団体 |
| 愛媛県 | 259団体 |
| 高知県 | 129団体 |
| 福岡県 | 1,429団体 |
| 佐賀県 | 221団体 |
| 長崎県 | 270団体 |
| 熊本県 | 517団体 |
| 大分県 | 388団体 |
| 宮崎県 | 326団体 |
| 鹿児島県 | 590団体 |
| 沖縄県 | 477団体 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは埼玉県です。
次いで東京都、神奈川県、千葉県、愛知県が続きます。
首都圏がまとまって濃くなります。
淡いのは高知県、鳥取県、和歌山県、秋田県、佐賀県でした。
47都道府県の平均は911.6団体、中央値は481団体です。
埼玉県の5,928団体は平均の6.5倍にあたります。
上位3都県で30.0パーセント、1位と47位で46.0倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 防犯ボランティア団体数(団体) | 地方 | 人口10万人あたりの防犯ボランティア団体数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 埼玉県 | 5928 | 関東 | 80.85 |
| 2 | 東京都 | 3548 | 関東 | 25.02 |
| 3 | 神奈川県 | 3377 | 関東 | 36.61 |
| 4 | 千葉県 | 3090 | 関東 | 49.43 |
| 5 | 愛知県 | 2544 | 中部 | 34.1 |
| 6 | 大阪府 | 1768 | 近畿 | 20.19 |
| 7 | 兵庫県 | 1550 | 近畿 | 29.04 |
| 8 | 福岡県 | 1429 | 九州 | 28.06 |
| 9 | 北海道 | 1255 | 北海道 | 24.89 |
| 10 | 岡山県 | 1247 | 中国 | 68.1 |
| 11 | 岐阜県 | 1152 | 中部 | 60.13 |
| 12 | 茨城県 | 951 | 関東 | 33.89 |
| 13 | 新潟県 | 908 | 中部 | 43.26 |
| 14 | 三重県 | 904 | 近畿 | 52.83 |
| 15 | 栃木県 | 870 | 関東 | 46.15 |
| 16 | 京都府 | 845 | 近畿 | 33.53 |
| 17 | 群馬県 | 756 | 関東 | 40.0 |
| 18 | 奈良県 | 735 | 近畿 | 57.2 |
| 19 | 静岡県 | 669 | 中部 | 18.97 |
| 20 | 広島県 | 627 | 中国 | 23.1 |
| 21 | 鹿児島県 | 590 | 九州 | 38.51 |
| 22 | 富山県 | 527 | 中部 | 52.86 |
| 23 | 熊本県 | 517 | 九州 | 30.47 |
| 24 | 長野県 | 481 | 中部 | 24.21 |
| 25 | 沖縄県 | 477 | 九州 | 32.54 |
| 26 | 石川県 | 414 | 中部 | 37.7 |
| 27 | 大分県 | 388 | 九州 | 35.76 |
| 28 | 山形県 | 386 | 東北 | 38.18 |
| 29 | 山口県 | 372 | 中国 | 29.04 |
| 30 | 宮崎県 | 326 | 九州 | 31.56 |
| 31 | 岩手県 | 315 | 東北 | 27.51 |
| 32 | 島根県 | 313 | 中国 | 48.75 |
| 33 | 福井県 | 308 | 中部 | 41.68 |
| 33 | 福島県 | 308 | 東北 | 17.67 |
| 35 | 青森県 | 300 | 東北 | 25.75 |
| 36 | 宮城県 | 286 | 東北 | 12.72 |
| 37 | 長崎県 | 270 | 九州 | 21.57 |
| 38 | 徳島県 | 269 | 四国 | 39.27 |
| 39 | 愛媛県 | 259 | 四国 | 20.3 |
| 40 | 香川県 | 240 | 四国 | 26.17 |
| 41 | 山梨県 | 225 | 中部 | 28.45 |
| 42 | 佐賀県 | 221 | 九州 | 28.05 |
| 42 | 滋賀県 | 221 | 近畿 | 15.76 |
| 44 | 秋田県 | 204 | 東北 | 22.74 |
| 45 | 和歌山県 | 198 | 近畿 | 22.5 |
| 46 | 鳥取県 | 150 | 中国 | 28.25 |
| 47 | 高知県 | 129 | 四国 | 19.66 |
このグラフについての豆知識
構成員数は別の指標
この指標は防犯ボランティア団体の数です。
構成員の人数は別に集計されており、そちらを見ると1団体あたりの規模が分かります。
団体の大きさは問いません。
数人の見守りグループも、数百人規模の団体も、それぞれ1団体として数えられます。
埼玉県が両方で1位
実数5,928団体で1位、人口10万人あたり80.8団体でも1位。
この形式の記事では、実数の1位が人口あたりでも1位になることはめったにありません。
2位の東京都は実数3,548団体ですが人口あたりでは34位。
埼玉県の突出ぶりがはっきり出ています。
数字は2024年のものです。
10年前とくらべると
全国の防犯ボランティア団体数は、2014年の47,532団体から2024年の42,847団体へ、この10年で10%減りました。
2014年の時点でも1位は埼玉県でした。
この10年、順位は動いていません。
伸びがいちばん大きかったのは三重県で、48%増でした。
順位の並びがにている記事
防犯ボランティア団体数の順位を、当サイトの全記事の並びと突き合わせてみました。
いちばん近かったのは【防犯活動に参加する人】全国221万人、1位の県は人口あたりでも首位で、順位相関は0.94でした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【スーパーの数】が多いのは大都市ではありませんでした、人口あたりで比較(相関-0.68)でした。
相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。
地方のなかで見た防犯ボランティア団体数
| 地方 | 最も多い(団体) | 最も少ない(団体) |
|---|---|---|
| 東北 | 山形県 386 | 秋田県 204 |
| 関東 | 埼玉県 5928 | 群馬県 756 |
| 中部 | 愛知県 2544 | 山梨県 225 |
| 近畿 | 大阪府 1768 | 和歌山県 198 |
| 中国 | 岡山県 1247 | 鳥取県 150 |
| 四国 | 徳島県 269 | 高知県 129 |
| 九州 | 福岡県 1429 | 佐賀県 221 |
まとめ
防犯ボランティア団体の数を47都道府県で比べると、最も多い埼玉県で5,928団体、最も少ない高知県で129団体でした。
実数でも人口10万人あたりでも埼玉県が1位です。
防犯ボランティア団体数の順位を見るときは、次の3点をあわせて見てください。
1つ目は、構成員数は別の指標であること。
2つ目は、団体の大きさを問わないこと。
3つ目は2024年の数字であることです。
人口10万人あたりでは埼玉県80.8団体が1位、宮城県12.7団体が47位で6.4倍の開き。
実数2位の東京都は人口あたりでは34位まで落ちます。
地方別では関東7都県が実数43.2パーセント、人口あたり平均44.6団体でどちらも1位でした。
犯罪件数や警察官数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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- 【老人クラブの数】全国77,596クラブ、1位と2位の差は1.05倍
- 【防犯活動に参加する人】全国221万人、1位の県は人口あたりでも首位
出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2024年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードK8101(防犯ボランティア団体数)の2024年の値。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードK8101(防犯ボランティア団体数)の2024年の値。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
