厚生年金を受け取る権利を持つ人が10年でどう動いたかを、47都道府県で並べて比べます。
2012年と2022年の受給権者数を比べた変化率です。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系。
全国は3,405万人から3,749万人へ、342万人ふえました。
47都道府県すべてがプラスで、上位ほどふえ方が大きいという読み方になります。
47都道府県の単純平均
10.3%
厚生年金保険受給権者数の10年変化率(2012年と2022年の比較)
最も多い 沖縄県
47.0%
最も少ない 山口県
1.6%
ふえ方が大きかった5県
ふえ方が大きかった上位5県です。
沖縄県はプラス47.04パーセント、宮城県はプラス17.99パーセント、茨城県はプラス17.85パーセント、青森県はプラス16.30パーセント、栃木県はプラス16.10パーセントでした。
沖縄県は20万4,798人から30万1,145人へふえています。
15パーセント以上ふえたのは8県。
人数そのものが最も多いのは東京都の315万5,727人で、大阪府245万1,066人、神奈川県244万9,656人と続きます。
沖縄県だけが、ほかと違う理由で伸びています
ここから先は、10年間の厚生年金保険受給権者数の変化がこう分かれる理由についての見立てです。
ほかの指標と突き合わせて立てた推測で、統計そのものが示している事実ではありません。
1位の沖縄県プラス47.04パーセントは、2位の宮城県プラス17.99パーセントに29.05ポイントの差をつけています。
1県だけ別の動きをしていると見たほうがよさそうです。
沖縄県を除くと、上位はプラス18パーセント以下に収まります。
47都道府県のうち沖縄県だけが、突出して伸びていることになります。
厚生年金を納める人を比べた記事でも沖縄県はプラス31.37パーセントで3位でした。
納める人も受け取る人も、この県だけが大きくふえています。
沖縄県は1972年まで本土とは別の制度下にありました。
厚生年金への加入が本土より遅く始まったため、受給権を得る人がこの時期にまとめてふえている、という見方ができます。
ただし、この統計からは裏付けられません。
沖縄県を含めたままでも、人口の指標との相関は弱いままです。
人口増減率とはプラス0.29、65歳以上人口割合とはマイナス0.33、県民所得とはマイナス0.22。
高齢者が多い県ほど受給者がふえる、という関係は出ませんでした。
年金は現役時代にどれだけ厚生年金に入っていたかで決まるため、いまの高齢化率とは結びつきにくいのでしょう。
実数で見ると景色が変わります。
10年でふえた人数がいちばん多いのは埼玉県のプラス26万3,145人、次いで東京都プラス25万8,453人、神奈川県プラス24万9,009人。
率で1位の沖縄県は9万6,347人ふえただけで、人数では上位に入りません。
ふえ方が小さかった5県
ふえ方が小さかった下位5県です。
山口県はプラス1.61パーセント、富山県はプラス2.03パーセント、島根県はプラス2.86パーセント、広島県はプラス4.09パーセント、香川県はプラス4.13パーセントでした。
沖縄県のプラス47.04パーセントとは45.43ポイントの差があります。
最も小さい山口県でもプラス1.61パーセントです。
減った県はひとつもありません。
5パーセント未満のふえ方にとどまったのは8県。
人数そのものが最も少ないのは鳥取県の19万8,495人で、高知県24万6,402人、徳島県24万9,169人と続きます。
地方別に見る10年の変化
地方別に平均を出すと、九州・沖縄が最も大きくなります。
九州・沖縄8県がプラス17.70パーセント、関東7都県がプラス13.50パーセント、東北6県がプラス12.98パーセント、北海道がプラス10.77パーセントと続きます。
ふえ方が小さいほうは近畿7府県がプラス8.29パーセント、中部9県がプラス6.54パーセント、四国4県がプラス6.20パーセント、中国5県がプラス3.82パーセントでした。
九州・沖縄と中国では13.88ポイントの差があります。
九州・沖縄8県のプラス17.70パーセントは、沖縄県のプラス47.04パーセントが押し上げた結果です。
沖縄県を除くと13パーセント台まで下がり、関東と変わらない水準になります。
8地方すべてがプラスです。
最も小さい中国5県でもプラス3.82パーセントでした。
地図で見る10年の変化
| 項目 | 厚生年金保険受給権者数の10年変化率 |
|---|---|
| 北海道 | 10.8% |
| 青森県 | 16.3% |
| 岩手県 | 12.1% |
| 宮城県 | 18.0% |
| 秋田県 | 10.4% |
| 山形県 | 8.9% |
| 福島県 | 12.3% |
| 茨城県 | 17.9% |
| 栃木県 | 16.1% |
| 群馬県 | 10.4% |
| 埼玉県 | 14.9% |
| 千葉県 | 15.1% |
| 東京都 | 8.9% |
| 神奈川県 | 11.3% |
| 新潟県 | 6.7% |
| 富山県 | 2.0% |
| 石川県 | 5.2% |
| 福井県 | 4.6% |
| 山梨県 | 13.4% |
| 長野県 | 4.8% |
| 岐阜県 | 6.1% |
| 静岡県 | 7.5% |
| 愛知県 | 8.4% |
| 三重県 | 6.6% |
| 滋賀県 | 10.3% |
| 京都府 | 6.8% |
| 大阪府 | 7.5% |
| 兵庫県 | 7.9% |
| 奈良県 | 11.8% |
| 和歌山県 | 7.1% |
| 鳥取県 | 6.2% |
| 島根県 | 2.9% |
| 岡山県 | 4.3% |
| 広島県 | 4.1% |
| 山口県 | 1.6% |
| 徳島県 | 8.9% |
| 香川県 | 4.1% |
| 愛媛県 | 5.7% |
| 高知県 | 6.1% |
| 福岡県 | 12.2% |
| 佐賀県 | 12.3% |
| 長崎県 | 12.4% |
| 熊本県 | 15.5% |
| 大分県 | 12.8% |
| 宮崎県 | 14.3% |
| 鹿児島県 | 15.0% |
| 沖縄県 | 47.0% |
| 項目 | 全国の厚生年金保険受給権者数 |
|---|---|
| 2012年 | 34,052,528% |
| 2013年 | 34,555,265% |
| 2014年 | 35,258,333% |
| 2015年 | 35,998,579% |
| 2016年 | 36,256,718% |
| 2017年 | 37,178,888% |
| 2018年 | 37,346,705% |
| 2019年 | 37,354,623% |
| 2020年 | 37,683,757% |
| 2021年 | 37,685,211% |
| 2022年 | 37,487,680% |
日本地図で見ると、色がとくに濃く出るのは沖縄県です。
次いで宮城県、茨城県、青森県、栃木県が続きます。
淡い(ふえ方が小さい)のは中国地方と四国、北陸でした。
47都道府県の単純平均はプラス10.33パーセント、中央値はプラス8.92パーセントです。
全国値のプラス10.09パーセントに近い水準になりました。
15パーセント以上ふえたのは8県、5パーセント未満は8県。
1位と47位で45.43ポイントの幅がありました。
| 順位 | 都道府県 | 厚生年金保険受給権者数の10年変化率(%) | 地方 | 2022年の厚生年金保険受給権者数 | 2012年の厚生年金保険受給権者数 | 10年間の増減数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 沖縄県 | 47.04 | 九州 | 301145 | 204798 | 96347 |
| 2 | 宮城県 | 17.99 | 東北 | 675080 | 572153 | 102927 |
| 3 | 茨城県 | 17.85 | 関東 | 832970 | 706823 | 126147 |
| 4 | 青森県 | 16.3 | 東北 | 420962 | 361958 | 59004 |
| 5 | 栃木県 | 16.1 | 関東 | 582233 | 501474 | 80759 |
| 6 | 熊本県 | 15.53 | 九州 | 547892 | 474231 | 73661 |
| 7 | 千葉県 | 15.09 | 関東 | 1748536 | 1519299 | 229237 |
| 8 | 鹿児島県 | 15.04 | 九州 | 546510 | 475055 | 71455 |
| 9 | 埼玉県 | 14.85 | 関東 | 2035287 | 1772142 | 263145 |
| 10 | 宮崎県 | 14.27 | 九州 | 366514 | 320735 | 45779 |
| 11 | 山梨県 | 13.42 | 中部 | 253897 | 223848 | 30049 |
| 12 | 大分県 | 12.78 | 九州 | 386762 | 342923 | 43839 |
| 13 | 長崎県 | 12.36 | 九州 | 442796 | 394071 | 48725 |
| 14 | 佐賀県 | 12.34 | 九州 | 261943 | 233161 | 28782 |
| 15 | 福島県 | 12.28 | 東北 | 613415 | 546346 | 67069 |
| 16 | 福岡県 | 12.23 | 九州 | 1517818 | 1352418 | 165400 |
| 17 | 岩手県 | 12.07 | 東北 | 419419 | 374231 | 45188 |
| 18 | 奈良県 | 11.78 | 近畿 | 416171 | 372324 | 43847 |
| 19 | 神奈川県 | 11.32 | 関東 | 2449656 | 2200647 | 249009 |
| 20 | 北海道 | 10.77 | 北海道 | 1727574 | 1559588 | 167986 |
| 21 | 群馬県 | 10.35 | 関東 | 605809 | 548981 | 56828 |
| 21 | 秋田県 | 10.35 | 東北 | 370478 | 335734 | 34744 |
| 23 | 滋賀県 | 10.33 | 近畿 | 419924 | 380623 | 39301 |
| 24 | 東京都 | 8.92 | 関東 | 3155727 | 2897274 | 258453 |
| 25 | 山形県 | 8.86 | 東北 | 374363 | 343883 | 30480 |
| 25 | 徳島県 | 8.86 | 四国 | 249169 | 228890 | 20279 |
| 27 | 愛知県 | 8.37 | 中部 | 2042914 | 1885088 | 157826 |
| 28 | 兵庫県 | 7.89 | 近畿 | 1674723 | 1552285 | 122438 |
| 29 | 大阪府 | 7.53 | 近畿 | 2451066 | 2279414 | 171652 |
| 30 | 静岡県 | 7.51 | 中部 | 1211622 | 1127005 | 84617 |
| 31 | 和歌山県 | 7.06 | 近畿 | 299756 | 279989 | 19767 |
| 32 | 京都府 | 6.78 | 近畿 | 753898 | 706042 | 47856 |
| 33 | 新潟県 | 6.72 | 中部 | 783009 | 733728 | 49281 |
| 34 | 三重県 | 6.64 | 近畿 | 567659 | 532291 | 35368 |
| 35 | 鳥取県 | 6.22 | 中国 | 198495 | 186876 | 11619 |
| 36 | 岐阜県 | 6.12 | 中部 | 643676 | 606578 | 37098 |
| 37 | 高知県 | 6.06 | 四国 | 246402 | 232320 | 14082 |
| 38 | 愛媛県 | 5.73 | 四国 | 470059 | 444576 | 25483 |
| 39 | 石川県 | 5.24 | 中部 | 372615 | 354054 | 18561 |
| 40 | 長野県 | 4.82 | 中部 | 722289 | 689047 | 33242 |
| 41 | 福井県 | 4.59 | 中部 | 263830 | 252256 | 11574 |
| 42 | 岡山県 | 4.31 | 中国 | 631294 | 605186 | 26108 |
| 43 | 香川県 | 4.13 | 四国 | 331925 | 318765 | 13160 |
| 44 | 広島県 | 4.09 | 中国 | 914016 | 878079 | 35937 |
| 45 | 島根県 | 2.86 | 中国 | 252320 | 245296 | 7024 |
| 46 | 富山県 | 2.03 | 中部 | 378250 | 370721 | 7529 |
| 47 | 山口県 | 1.61 | 中国 | 506546 | 498527 | 8019 |
このグラフについての豆知識
2020年で伸びが止まった
全国の厚生年金保険受給権者数は2012年の3,405万人から2022年の3,749万人へ、342万人ふえました。
ただし直近は横ばいです。
2012年から2017年までは年60万人から90万人のペースでふえていましたが、2019年3,735万人、2020年3,768万人、2021年3,769万人と伸びが細り、2022年は3,749万人と前年を下回りました。
10年で初めての減少です。
2022年に受給権者が最も多いのは東京都の315万5,727人。
最も少ない鳥取県の19万8,495人とは15.9倍の開きがあります。
受け取る権利がある人の数
この指標は受給権を持つ人の数です。
実際に受け取っている人とは一致しない場合があります。
また、受け取る側の住所で数えるため、現役時代に働いていた県とは違うことがあります。
退職後に故郷へ戻った人は、戻った先の県で数えられます。
数字は2012年と2022年の比較です。
順位の並びがにている記事
10年間の厚生年金保険受給権者数の変化の順位を、当サイトの全記事の並びと突き合わせてみました。
いちばん近かったのは【毎日たばこを吸う人】全国16.98パーセント、差は1.53倍で、順位相関は0.62でした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【喫茶店の数】が多い都道府県ランキング、上位2県はわずか0.8店差(相関-0.65)でした。
相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。
地方のなかで見た厚生年金保険受給権者数の10年変化率
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 17.99 | 山形県 8.86 |
| 関東 | 茨城県 17.85 | 東京都 8.92 |
| 中部 | 山梨県 13.42 | 富山県 2.03 |
| 近畿 | 奈良県 11.78 | 三重県 6.64 |
| 中国 | 鳥取県 6.22 | 山口県 1.61 |
| 四国 | 徳島県 8.86 | 香川県 4.13 |
| 九州 | 沖縄県 47.04 | 福岡県 12.23 |
まとめ
厚生年金を受け取る権利を持つ人の10年変化を比べると、最もふえた沖縄県でプラス47.04パーセント、最も小さい山口県でもプラス1.61パーセントでした。
全国は342万人の増加、47都道府県すべてがプラスです。
10年間の厚生年金保険受給権者数の変化を読み取るうえで、確かめておきたいことが3つあります。
1つ目は、受給権を持つ人の数で実際の受給者とは一致しないこと。
2つ目は、受け取る側の住所で数えること。
3つ目は2012年と2022年の比較であることです。
沖縄県は2位の宮城県に29.05ポイントの差をつけており、1県だけ別の動きをしています。
厚生年金を納める人を比べた記事でも沖縄県は3位でした。
65歳以上人口割合との相関はマイナス0.33。
高齢者が多い県ほど受給者がふえる、という関係は出ませんでした。
厚生年金の加入者や高齢化率を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2012年と2022年の比較
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードJ5103(厚生年金保険受給権者数)を2012年と2022年で比べた。受給権を持つ人の数で、実際に受け取っている人とは一致しない場合がある。e-Stat APIで取得した値をそのまま使用
注記: 指標コードJ5103(厚生年金保険受給権者数)を2012年と2022年で比べた。
受給権を持つ人の数で、実際に受け取っている人とは一致しない場合がある。
e-Stat APIで取得した値をそのまま使用
