福祉に使われるお金を民生費といいます。
都道府県の民生費は全国で9兆2,839億円。
その分布を47都道府県で比べます。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系、2022年の数字。
東京都が12,447.43億円で1位。
人口10万人あたりでは沖縄県が先頭に立ちます。
47都道府県の単純平均
1,975.3億円
民生費(2022年)
最も多い 東京都
12,447.4億円
最も少ない 鳥取県
523.4億円
民生費が大きい5都府県
民生費が大きい上位5都府県です。
東京都は12,447.43億円、大阪府は6,781.34億円、神奈川県は5,427.18億円でした。
東京都は2位の大阪府の1.84倍です。
4位以下は愛知県、埼玉県と続き、上位5都府県で全国の36.0パーセント。
上位3都府県で26.6パーセント、上位10都道府県で55.2パーセントでした。
1位のシェアは13.4パーセント。
教育費の11.2パーセントより高く、福祉のお金は人口の多い都府県に厚く配分されています。
人口あたりでは沖縄県が最も大きくなります
数字を並べるところまでが統計の仕事で、ここから先は解釈になります。
民生費の分布について、ほかの指標と突き合わせて立てた推測を書きます。
事実として確かめたものではありません。
人口10万人あたりで割り直すと、顔ぶれが変わります。
1位は沖縄県の102.42億円、2位は高知県102億円、3位は徳島県98.7億円。
逆に人口あたりの下位は神奈川県58.79億円、埼玉県56.9億円。
沖縄県と埼玉県では1.8倍の開きです。
実数1位の東京都は人口あたりでは12位と、こちらは比較的上位を保ちます。
教育費で34位だったのとは対照的です。
沖縄県が1位なのは、子どもの割合が高く児童福祉の需要が大きいためかもしれません。
高知県や徳島県は逆に高齢化率が高い県です。
子どもと高齢者、どちらが多くても福祉のお金は必要になります。
埼玉県や神奈川県が下位なのは、生産年齢の人口が多く、支える側の割合が高いためだと考えられます。
ただし民生費は都道府県と市町村で分担しており、この統計は都道府県ぶんだけを見たものです。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、四国4県が87.7億円で最も多く、中部9県が66.9億円で最も少なくなります。
九州・沖縄8県85.5億円と東北6県82.3億円がそれに続きました。
実数で見ると順位は変わる
民生費が小さい5県
民生費が小さい下位5県です。
鳥取県は523.43億円、島根県は609.63億円、福井県は620.89億円でした。
東京都とは23.8倍の差があります。
教育費の16.5倍より大きな開きです。
福祉の必要は人口に比例しやすく、教育のように「学校を維持する固定費」の性格が薄いためだと考えられます。
47都道府県の中央値は1,276.13億円。
平均は1,975.3億円なので、平均が中央値の1.5倍です。
地方別に見る
福祉のお金は、支えを必要とする人の数に応じます。
地方別に合計を出すと、関東7都県が全国の32.8パーセントで最も大きくなります。
次いで近畿7府県が18.1パーセント、中部9県が15.1パーセント、九州・沖縄8県が13パーセントと続きました。
少ないほうは東北6県が7.5パーセント、中国5県が5.7パーセント、北海道が4.5パーセント、四国4県が3.4パーセントでした。
人口10万人あたりの平均で見ると並びが変わります。
四国4県が87.7億円、九州・沖縄8県が85.5億円、東北6県が82.3億円の順に多く、最も少ないのは中部9県が66.9億円です。
地図で見る
| 項目 | 民生費 |
|---|---|
| 北海道 | 4,179.5億円 |
| 青森県 | 1,178.6億円 |
| 岩手県 | 1,001.5億円 |
| 宮城県 | 1,485.4億円 |
| 秋田県 | 911.6億円 |
| 山形県 | 857.1億円 |
| 福島県 | 1,501.0億円 |
| 茨城県 | 2,036.7億円 |
| 栃木県 | 1,299.9億円 |
| 群馬県 | 1,369.7億円 |
| 埼玉県 | 4,174.7億円 |
| 千葉県 | 3,693.1億円 |
| 東京都 | 12,447.4億円 |
| 神奈川県 | 5,427.2億円 |
| 新潟県 | 1,425.0億円 |
| 富山県 | 722.2億円 |
| 石川県 | 854.3億円 |
| 福井県 | 620.9億円 |
| 山梨県 | 703.5億円 |
| 長野県 | 1,479.5億円 |
| 岐阜県 | 1,356.1億円 |
| 静岡県 | 2,183.1億円 |
| 愛知県 | 4,632.1億円 |
| 三重県 | 1,268.2億円 |
| 滋賀県 | 971.7億円 |
| 京都府 | 1,930.7億円 |
| 大阪府 | 6,781.3億円 |
| 兵庫県 | 3,947.5億円 |
| 奈良県 | 996.1億円 |
| 和歌山県 | 883.1億円 |
| 鳥取県 | 523.4億円 |
| 島根県 | 609.6億円 |
| 岡山県 | 1,276.1億円 |
| 広島県 | 1,876.5億円 |
| 山口県 | 1,005.2億円 |
| 徳島県 | 694.9億円 |
| 香川県 | 730.4億円 |
| 愛媛県 | 1,058.7億円 |
| 高知県 | 689.5億円 |
| 福岡県 | 3,801.0億円 |
| 佐賀県 | 722.6億円 |
| 長崎県 | 1,125.5億円 |
| 熊本県 | 1,475.7億円 |
| 大分県 | 955.0億円 |
| 宮崎県 | 962.4億円 |
| 鹿児島県 | 1,511.2億円 |
| 沖縄県 | 1,503.6億円 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都、大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県です。
淡いのは鳥取県、島根県、福井県でした。
47都道府県の平均は1,975.3億円、中央値は1,276.13億円です。
東京都の12,447.43億円は平均の6.3倍にあたります。
上位3都府県で26.6パーセント、1位と47位で23.8倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 民生費(億円) | 地方 | 人口10万人あたりの民生費 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 12447.43 | 関東 | 88.67 |
| 2 | 大阪府 | 6781.34 | 近畿 | 77.22 |
| 3 | 神奈川県 | 5427.18 | 関東 | 58.79 |
| 4 | 愛知県 | 4632.13 | 中部 | 61.80 |
| 5 | 北海道 | 4179.52 | 北海道 | 81.31 |
| 6 | 埼玉県 | 4174.71 | 関東 | 56.90 |
| 7 | 兵庫県 | 3947.51 | 近畿 | 73.07 |
| 8 | 福岡県 | 3800.99 | 九州 | 74.30 |
| 9 | 千葉県 | 3693.07 | 関東 | 58.94 |
| 10 | 静岡県 | 2183.1 | 中部 | 60.95 |
| 11 | 茨城県 | 2036.7 | 関東 | 71.71 |
| 12 | 京都府 | 1930.67 | 近畿 | 75.71 |
| 13 | 広島県 | 1876.47 | 中国 | 67.99 |
| 14 | 鹿児島県 | 1511.18 | 九州 | 96.68 |
| 15 | 沖縄県 | 1503.55 | 九州 | 102.42 |
| 16 | 福島県 | 1501.04 | 東北 | 83.86 |
| 17 | 宮城県 | 1485.37 | 東北 | 65.15 |
| 18 | 長野県 | 1479.52 | 中部 | 73.24 |
| 19 | 熊本県 | 1475.67 | 九州 | 85.89 |
| 20 | 新潟県 | 1424.97 | 中部 | 66.19 |
| 21 | 群馬県 | 1369.67 | 関東 | 71.60 |
| 22 | 岐阜県 | 1356.1 | 中部 | 69.69 |
| 23 | 栃木県 | 1299.85 | 関東 | 68.09 |
| 24 | 岡山県 | 1276.13 | 中国 | 68.54 |
| 25 | 三重県 | 1268.2 | 近畿 | 72.80 |
| 26 | 青森県 | 1178.56 | 東北 | 97.89 |
| 27 | 長崎県 | 1125.54 | 九州 | 87.73 |
| 28 | 愛媛県 | 1058.73 | 四国 | 81.07 |
| 29 | 山口県 | 1005.16 | 中国 | 76.55 |
| 30 | 岩手県 | 1001.49 | 東北 | 84.80 |
| 31 | 奈良県 | 996.11 | 近畿 | 76.27 |
| 32 | 滋賀県 | 971.69 | 近畿 | 68.96 |
| 33 | 宮崎県 | 962.36 | 九州 | 91.48 |
| 34 | 大分県 | 955.01 | 九州 | 86.27 |
| 35 | 秋田県 | 911.61 | 東北 | 98.02 |
| 36 | 和歌山県 | 883.08 | 近畿 | 97.79 |
| 37 | 山形県 | 857.07 | 東北 | 82.33 |
| 38 | 石川県 | 854.32 | 中部 | 76.42 |
| 39 | 香川県 | 730.37 | 四国 | 78.20 |
| 40 | 佐賀県 | 722.63 | 九州 | 90.22 |
| 41 | 富山県 | 722.2 | 中部 | 71.01 |
| 42 | 山梨県 | 703.46 | 中部 | 87.71 |
| 43 | 徳島県 | 694.87 | 四国 | 98.70 |
| 44 | 高知県 | 689.52 | 四国 | 102.00 |
| 45 | 福井県 | 620.89 | 中部 | 82.46 |
| 46 | 島根県 | 609.63 | 中国 | 92.65 |
| 47 | 鳥取県 | 523.43 | 中国 | 96.22 |
このグラフについての豆知識
民生費とは
民生費は、社会福祉費、老人福祉費、児童福祉費、災害救助費などを合わせた区分です。
福祉に使われるお金の総称と考えると分かりやすくなります。
都道府県の歳出61兆7,395億円のうち、民生費は9兆2,839億円。
教育費の10兆488億円に次ぐ規模です。
子どもが多くても高齢者が多くても
人口10万人あたりの1位は沖縄県で、子どもの割合が高い県。
2位の高知県、3位の徳島県は高齢化率が高い県です。
年齢構成の両端どちらに偏っても、福祉のお金は必要になります。
読みやすいように億円へ換算しています。
数字は2022年のものです。
10年前とくらべると
全国の都道府県の民生費は、2012年の73,023.9億円から2022年の92,839.8億円へ、この10年でおよそ27%増えました。
1位は2012年も東京都で、10年たっても変わっていません。
伸びがいちばん大きかったのは神奈川県で、60%増でした。
順位の並びがにている記事
民生費の47都道府県の並びを、ほかの記事の並びと総当たりで比べました。
並びが最も重なったのは【市町村の民生費】全国24兆7,511億円、収入の3分の1にあたるで、相関は0.99です。
正反対だったのは【ひとりが使う部屋数】全国1.93室、差は1.52倍で、相関は-0.73です。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見た民生費
| 地方 | 最も多い(億円) | 最も少ない(億円) |
|---|---|---|
| 東北 | 福島県 1501.04 | 山形県 857.07 |
| 関東 | 東京都 12447.43 | 栃木県 1299.85 |
| 中部 | 愛知県 4632.13 | 福井県 620.89 |
| 近畿 | 大阪府 6781.34 | 和歌山県 883.08 |
| 中国 | 広島県 1876.47 | 鳥取県 523.43 |
| 四国 | 愛媛県 1058.73 | 高知県 689.52 |
| 九州 | 福岡県 3800.99 | 佐賀県 722.63 |
まとめ
都道府県の民生費を47都道府県で比べると、最も大きい東京都で12,447.43億円、最も小さい鳥取県で523.43億円でした。
人口10万人あたりの1位は沖縄県の102.42億円です。
この民生費の数字には、読み違えやすい点が3つあります。
1つ目は、都道府県ぶんの民生費に限ること。
2つ目は、市町村の民生費は別に集計されること。
3つ目は2022年の数字であることです。
人口あたりの上位は沖縄・高知・徳島。
子どもが多い県と高齢者が多い県が並びます。
地方別に合計を出すと関東7都県が全国の32.8パーセントで最多、人口10万人あたりでは四国4県が87.7億円で最多でした。
都道府県の歳出や教育費を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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- 【市町村の民生費】全国24兆7,511億円、収入の3分の1にあたる
出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2022年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードD310303(民生費)の2022年の値を億円に換算したもの。人口10万人あたりは2022年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードD310303(民生費)の2022年の値を億円に換算したもの。
人口10万人あたりは2022年の総人口で割った参考値
