【すし店の数】が多い都道府県ランキング、海のない県も上位に入ります

【すし店の数】が多い都道府県ランキング、海のない県も上位に入ります

47都道府県で、すし店がどこに多いのかを比べます。

使うのは総務省・経済産業省の「経済センサス-活動調査」(令和3年、2021年6月1日現在)で、産業小分類764(すし店)に分類された民営事業所の総数です。
全国の合計は17,388店。
実数だと人口の多い都県が上位に来てしまうので、人口10万人あたりの店舗数で比べます。

全国では10万人あたり13.85店。
海に面しているかどうかで決まりそうに見えますが、結果はそう単純ではありませんでした。

47都道府県の単純平均

13.9店

人口10万人あたり店舗数(令和3年(2021年6月1日現在))

最も多い 山梨県

23.7店

最も少ない 沖縄県

7.4店

人口あたりですし店が多い5都県

上位5都道府県の人口10万人あたり店舗数
上位5都道府県の人口10万人あたり店舗数 経済センサス-活動調査(サービス関連産業に関する集計)と人口推計(令和3年(2021年6月1日現在)) 05101520山梨県: 23.7店23.7店石川県: 22.3店22.3店福井県: 17.9店17.9店東京都: 17.6店17.6店富山県: 17.6店17.6店山梨県石川県福井県東京都富山県
上位5都道府県の人口10万人あたり店舗数
項目人口10万人あたり店舗数
山梨県23.7店
石川県22.3店
福井県17.9店
東京都17.6店
富山県17.6店
下位5都道府県の人口10万人あたり店舗数
下位5都道府県の人口10万人あたり店舗数 経済センサス-活動調査(サービス関連産業に関する集計)と人口推計(令和3年(2021年6月1日現在)) 02468沖縄県: 7.4店7.4店高知県: 8.0店8.0店滋賀県: 8.4店8.4店香川県: 8.6店8.6店広島県: 8.7店8.7店沖縄県高知県滋賀県香川県広島県
下位5都道府県の人口10万人あたり店舗数
項目人口10万人あたり店舗数
沖縄県7.4店
高知県8.0店
滋賀県8.4店
香川県8.6店
広島県8.7店

人口10万人あたりの店舗数が多い上位5都県です。

山梨県は23.73店、石川県は22.31店、福井県は17.89店、東京都は17.57店、富山県は17.56店でした。
全国の13.85店に対して、山梨県は1.7倍という水準です。

1位の山梨県は、47都道府県で数少ない海に面していない県です。
それでも人口あたりのすし店は全国で最も多くなりました。
2位の石川県、3位の福井県、5位の富山県はいずれも日本海側で、こちらは海の近さと結びつけやすい並びです。
海に面していない県が1位というのは、この指標の面白いところです。

6位以下も17.44店、17.42店、17.27店と続きます。
上位10には北陸3県がすべて入りました。

上位5都県のうち3県は北陸です。
日本海側の県がまとまって上位に入る一方で、太平洋側からは東京都だけが顔を出しました。

1位の山梨県は、海に面していない数少ない県です。すし店の記事でこの結果になるとは思っていませんでした。

山梨県が1位になるのはなぜか

ここからは統計から離れて、なぜ山梨県が1位なのかを考えてみます。
以下は確かめられた事実ではなく、別の数字と突き合わせて立てた推測です。

山梨県のすし店は実数で191店です。
人口が約81万人と少ないため、10万人あたりに直すと23.73店になります。
母数が小さい県では、少しの店舗数でも人口あたりの数値が大きく動きます。

では海に面した県はどうでしょうか。
海岸線を持つ県のうち、人口あたりで上位に入ったのは石川県、福井県、富山県、青森県、長崎県などです。
一方で広島県は8.74店で43位、高知県は8.04店で46位、沖縄県は7.43店で47位でした。
いずれも海に面していますが、下位に並びます。
海の近さだけでは説明できません。

もう1つ、外食全体との関係も見ておきます。
外食への支出を比べた記事で、山梨県は年158,884円で37位でした。
外食によくお金を使う県というわけではありません。
つまり「外食が盛んだから店が多い」という説明も当てはまりにくいことになります。

考えられるのは、店の規模の違いです。
山梨県のすし店の従業者数は1,392人で、1店あたり7.1人。
全国平均の12.2人を大きく下回ります。
小さな店が多い県では、同じ人口でも店の数は増えやすくなります。

ただしこれらは統計を突き合わせた推測にとどまります。
すし店の多さを決める要因を特定するには、店の形態や価格帯まで踏み込んだ調査が必要です。

山梨県のすし店は1店あたり7.1人、全国平均は12.2人。小さな店が多いと、同じ人口でも店の数は増えやすくなります。

実数では東京都に2,462店

事業所数の上位5都道府県
事業所数の上位5都道府県 経済センサス-活動調査(サービス関連産業に関する集計)と人口推計(令和3年(2021年6月1日現在)) 05001,0001,5002,000東京都: 2,462店2,462店大阪府: 1,291店1,291店愛知県: 1,012店1,012店神奈川県: 942店942店北海道: 895店895店東京都大阪府愛知県神奈川県北海道
事業所数の上位5都道府県
項目事業所数
東京都2,462店
大阪府1,291店
愛知県1,012店
神奈川県942店
北海道895店

店の数そのままで並べると、1位は東京都の2,462店、2位は大阪府の1,291店、3位は愛知県の1,012店、4位は神奈川県の942店、5位は北海道の895店でした。

人口あたりで1位だった山梨県は191店で、実数では27位です。
東京都は人口あたりでも4位に入っていたので、この指標では実数と人口あたりの顔ぶれが比較的近くなっています。

全国17,388店のうち14.2パーセントが東京都にあります。

人口あたりですし店が少ない5県

人口10万人あたりの店舗数が少ない下位5県です。

沖縄県は7.43店、高知県は8.04店、滋賀県は8.36店、香川県は8.60店、広島県は8.74店でした。
山梨県の23.73店と沖縄県の7.43店では3.19倍の差があります。

下位に並んだ5県のうち4県は海に面しています。
地方別の平均でも四国4県が10.19店、中国5県が10.24店と最も低く、どちらも海に囲まれた地方です。
すし店の多さと海の近さは、思ったほど結びついていません。

実数で見ると、沖縄県は109店、高知県は55店、香川県は81店でした。
人口の少ない県ほど実数も小さくなります。

なお下位でも10万人あたり7店から8店はあります。
人口10万人の町に7軒から8軒のすし店という水準で、まったくないわけではありません。

瀬戸内海に面した県が下位に複数入っているのも目を引きます。
魚が獲れる地域だからすし店が多い、という関係にはなっていません。

地方別に見るすし店の多さ

地方別の平均(人口10万人あたり店舗数)
地方別の平均(人口10万人あたり店舗数) 経済センサス-活動調査(サービス関連産業に関する集計)と人口推計(令和3年(2021年6月1日現在)) 051015北海道: 17.3店17.3店東北: 16店16店関東: 13.8店13.8店中部: 17.7店17.7店近畿: 12.7店12.7店中国: 10.2店10.2店四国: 10.2店10.2店九州: 13.0店13.0店北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(人口10万人あたり店舗数)
項目人口10万人あたり店舗数の平均
北海道17.3店
東北16店
関東13.8店
中部17.7店
近畿12.7店
中国10.2店
四国10.2店
九州13.0店

8地方の平均で見ると、日本海側の高さが目立ちます。

最も多いのは中部9県の17.71店です。
次いで北海道が17.27店、東北6県が16.00店と続きます。
中部には北陸3県が含まれており、この3県が平均を押し上げています。

少ないほうを見ると、関東7都県が13.84店、九州8県が12.96店、近畿7府県が12.71店、中国5県が10.24店、四国4県が10.19店でした。
最も多い中部と最も少ない四国では1.74倍の差があります。

大まかには北日本と日本海側で多く、西日本の瀬戸内側で少ないという分布です。

地図で見るすし店の分布

人口10万人あたり店舗数(令和3年(2021年6月1日現在))
人口10万人あたり店舗数(令和3年(2021年6月1日現在)) 経済センサス-活動調査(サービス関連産業に関する集計)と人口推計(総務省・経済産業省/総務省統計局)をもとに作成。単位は店。 北海道 17.3店青森 17.4店岩手 15.9店宮城 15.7店秋田 16.9店山形 17.0店福島 13.1店茨城 15.2店栃木 16.1店群馬 15.1店埼玉 10.0店千葉 12.7店東京 17.6店神奈川 10.2店新潟 16.8店富山 17.6店石川 22.3店福井 17.9店山梨 23.7店長野 14.2店岐阜 16.6店静岡 16.8店愛知 13.5店三重 15.2店滋賀 8.4店京都 12.4店大阪 14.7店兵庫 13.4店奈良 9.8店和歌山 15.2店鳥取 12.2店島根 11.7店岡山 9.2店広島 8.7店山口 9.3店徳島 12.1店香川 8.6店愛媛 12.0店高知 8.0店福岡 12.3店佐賀 16.5店長崎 17.4店熊本 11.2店大分 11.6店宮崎 14.1店鹿児島 13.1店沖縄 7.4店
人口10万人あたり店舗数(店)
人口10万人あたり店舗数(令和3年(2021年6月1日現在))
項目人口10万人あたり店舗数
北海道17.3店
青森県17.4店
岩手県15.9店
宮城県15.7店
秋田県16.9店
山形県17.0店
福島県13.1店
茨城県15.2店
栃木県16.1店
群馬県15.1店
埼玉県10.0店
千葉県12.7店
東京都17.6店
神奈川県10.2店
新潟県16.8店
富山県17.6店
石川県22.3店
福井県17.9店
山梨県23.7店
長野県14.2店
岐阜県16.6店
静岡県16.8店
愛知県13.5店
三重県15.2店
滋賀県8.4店
京都府12.4店
大阪府14.7店
兵庫県13.4店
奈良県9.8店
和歌山県15.2店
鳥取県12.2店
島根県11.7店
岡山県9.2店
広島県8.7店
山口県9.3店
徳島県12.1店
香川県8.6店
愛媛県12.0店
高知県8.0店
福岡県12.3店
佐賀県16.5店
長崎県17.4店
熊本県11.2店
大分県11.6店
宮崎県14.1店
鹿児島県13.1店
沖縄県7.4店

濃く塗られるのは北陸から東北にかけての日本海側と、中部の内陸です。
逆に白っぽく残るのは中国・四国の瀬戸内側と沖縄県でした。
海に面しているかどうかでは説明のつかない塗り分けになっています。

47都道府県の単純平均は10万人あたり13.92店、中央値は14.14店で、その差は0.22店しかありません。
全国値の13.85店ともほとんど変わらず、平均を超えたのは24都県。
上位が全体を引っ張り上げるということが起きていない、平らな分布です。

下の表に47都道府県すべての数値を、事業所数と従業者数と並べて掲載しました。
人口あたりの順位と実数の順位はかなり違います。

順位都道府県人口10万人あたり店舗数(店)地方事業所数従業者数
1山梨県23.73中部1911392
2石川県22.31中部2512553
3福井県17.89中部1361140
4東京都17.57関東246224979
5富山県17.56中部1801543
6青森県17.44東北2132044
7長崎県17.42九州2261680
8北海道17.27北海道8959730
9山形県16.97東北1791713
10秋田県16.93東北1601379
11新潟県16.81中部3663661
12静岡県16.8中部6065934
13岐阜県16.62中部3263182
14佐賀県16.5九州1331494
15栃木県16.14関東3103823
16岩手県15.89東北1901701
17宮城県15.72東北3603947
18和歌山県15.21近畿1391709
19茨城県15.18関東4334543
20三重県15.15近畿2663108
21群馬県15.05関東2902925
22大阪府14.66近畿129119672
23長野県14.17中部2883393
24宮崎県14.14九州1501592
25愛知県13.46中部101213804
26兵庫県13.35近畿72510424
27福島県13.08東北2372550
28鹿児島県13.07九州2062376
29千葉県12.7関東79711211
30京都府12.42近畿3184709
31福岡県12.31九州6317815
32鳥取県12.2中国671127
33徳島県12.08四国861023
34愛媛県12.04四国1591805
35島根県11.73中国78704
36大分県11.58九州1291781
37熊本県11.23九州1942243
38神奈川県10.2関東94213416
39埼玉県10.01関東73510639
40奈良県9.81近畿1292473
41山口県9.34中国1241901
42岡山県9.17中国1722903
43広島県8.74中国2433584
44香川県8.6四国811244
45滋賀県8.36近畿1182547
46高知県8.04四国55970
47沖縄県7.43九州1091565
経済センサス-活動調査(サービス関連産業に関する集計)と人口推計(令和3年(2021年6月1日現在)、総務省・経済産業省/総務省統計局)をもとに作成

このグラフについての豆知識

1店あたりの規模は都市部が大きい

経済センサスでは事業所数と一緒に従業者数も公表されています。
全国では17,388店に211,651人、1店あたり12.2人です。

従業者数の実数で見ると、上位は東京都の24,979人、大阪府の19,672人、愛知県の13,804人と、いずれも人口の多い都府県でした。
1店あたりに直すと東京都は10.1人、大阪府は15.2人になります。

一方、人口あたりの店舗数で1位の山梨県は191店に1,392人で、1店あたり7.1人でした。
人口あたりの店舗数が多い県ほど、1店あたりの規模は小さくなる傾向があります。

海がないのに、まぐろは全国2位

山梨県が1位というのは、魚を食べない県だからではないのでしょうか。
家計のほうから確かめてみます。

総務省統計局の家計調査(二人以上の世帯、2023年〜2025年平均)で、1世帯が1年間にまぐろへ使う金額を県庁所在市どうしで比べると、甲府市は8,279円で全国2位でした。
47市の平均は4,471円ですから、その1.85倍にあたります。
1位は静岡市の10,785円です。

海に面していない県が、まぐろへの支出で全国2位に入る。
山梨県は魚を食べない県ではなく、むしろよく買っている県ということになります。

一方で、外食全体への支出は年158,884円で37位でした。
外へ食べに行く回数が多いわけではないのに、すし店は人口あたりで最も多く、まぐろへの支出も上位。
この組み合わせが、この記事でいちばん引っかかったところです。

持ち帰り専門店は別の分類

今回の数字は産業小分類764(すし店)に分類された事業所です。
店内で食べる形の店が対象で、持ち帰り専門のすし店は「771_持ち帰り飲食サービス業」という別の分類になります。

回転ずし店は、店内で食べる形であればすし店に含まれます。
ただしチェーン店の1店舗も個人経営の店も、同じ1事業所として数えられます。

スーパーマーケットの惣菜売り場で売られるすしは、小売業の一部として扱われるため、この統計には出てきません。
「すしを食べる機会の多さ」を測った数字ではない点に注意してください。

地方のなかで見た人口10万人あたり店舗数

地方最も多い(店)最も少ない(店)
東北青森県 17.44福島県 13.08
関東東京都 17.57埼玉県 10.01
中部山梨県 23.73愛知県 13.46
近畿和歌山県 15.21滋賀県 8.36
中国鳥取県 12.2広島県 8.74
四国徳島県 12.08高知県 8.04
九州長崎県 17.42沖縄県 7.43
経済センサス-活動調査(サービス関連産業に関する集計)と人口推計(令和3年(2021年6月1日現在)、総務省・経済産業省/総務省統計局)をもとに作成

まとめ

47都道府県の人口10万人あたりのすし店を比べると、山梨県は23.73店、沖縄県は7.43店で、その差は3.19倍でした。
全国では10万人あたり13.85店、店舗数の合計は17,388店です。
地方別では中部が17.71店と最も多く、四国が10.19店で最も少ない結果になりました。

この数字には持ち帰り専門店やスーパーの惣菜が含まれません。
チェーン店も個人店も同じ1事業所として数え、2021年6月1日現在の調査です。

1位は海に面していない県、下位5県のうち4県は海に面した県でした。
すし店の多さは、海の近さだけでは決まらないようです。

すし店は全国どこにでもある業態ですが、人口あたりで見ると3倍以上の差がありました。
表で自分の県の位置を確かめてみてください。

下位5県のうち4県が海に面しています。魚が獲れるから店が多い、という関係にはなっていませんでした。

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出典

  • 統計名: 経済センサス-活動調査(サービス関連産業に関する集計)と人口推計
  • 調査年: 令和3年(2021年6月1日現在)
  • 公開元: 総務省・経済産業省/総務省統計局
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040032976
  • 備考: 事業所数は民営事業所の総数(産業小分類764_すし店)。回転ずし店も含むが、持ち帰り専門店は別の分類になる

注記: 事業所数は民営事業所の総数(産業小分類764_すし店)。
回転ずし店も含むが、持ち帰り専門店は別の分類になる

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