平均値とは?中央値との違いをわかりやすく解説

平均値とは?中央値との違いをわかりやすく解説

ニュースやランキングでよく見る「平均」という数字。
平均年収、平均気温、平均世帯人数と、いろいろな場面で使われます。

ただ、平均だけを見ていると、実際のようすとはちがう印象を受けることがあります。
47都道府県の人口を平均すると、その平均を上回るのは12都道府県しかありません。

そこで知っておきたいのが「中央値」です。
平均値と中央値は、どちらもデータ全体の特徴を表しますが、計算のしかたも意味もちがいます。
簡単な例と、実際の47都道府県の数字の両方で見ていきます。

平均値とは

平均値は、すべての数字を足して、データの数で割った値です。
たとえば5人がそれぞれ次の金額を持っていたとします。

  • 1,000円
  • 2,000円
  • 3,000円
  • 4,000円
  • 5,000円

合計は15,000円。
これを5人で割ると3,000円になります。
この3,000円が平均値です。

「全員の持ち金を同じにならしたら、1人あたりいくらになるか」と考えると、イメージしやすくなります。

中央値とは

中央値は、数字を小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる値です。

さきほどと同じ5人なら、1,000円・2,000円・3,000円・4,000円・5,000円と並ぶので、真ん中の3,000円が中央値になります。
この例では平均値と中央値が同じです。

では、1人だけ極端に大きな数字を持っていたらどうなるでしょうか。

ひとりだけ大きいと、平均値は動く

5人のうち1人だけを90,000円に変えてみます。
ほかの4人はそのままです。

5人の持ち金合計平均値中央値
もとの例1,000 / 2,000 / 3,000 / 4,000 / 5,00015,000円3,000円3,000円
1人だけ大きい例1,000 / 2,000 / 3,000 / 4,000 / 90,000100,000円20,000円3,000円
単位は円。1人の金額を変えただけで、平均値は3,000円から20,000円になった。

平均値は3,000円から20,000円へ、6倍以上に動きました。
いっぽう中央値は3,000円のままです。

この5人を「平均すると2万円を持っている」と説明すると、たくさん持っているように聞こえます。
でも実際には、5人のうち4人は4,000円以下です。

平均値は、はしっこの1つに引っぱられます。中央値は「何番目か」だけを見るので、その1つがいくら大きくても動きません。

47都道府県の人口で確かめる

これは作り話ではありません。
当サイトが使っている実際のデータでも、同じことが起きます。
47都道府県の人口を見てみます。

人口
平均値(47都道府県を足して47で割る)263.4万人
中央値(上から24番目の県)153.2万人(鹿児島県)
1位東京都 1,417.8万人
47位鳥取県 53.1万人
総務省統計局「人口推計」(2024年10月1日現在)をもとに当サイトで計算。

平均は263.4万人ですが、中央値は153.2万人。
平均のほうが1.7倍大きいという結果になりました。

理由は5人の例と同じです。
東京都の1,417.8万人が、47都道府県の平均を押し上げています。

そのため、平均以上の人口があるのは12都道府県だけで、残りの35県は平均を下回ります。
「平均的な県」を探すなら、平均値より中央値のほうが実感に近いことになります。

平均値と中央値、どちらが正しいのか

どちらかが正しくて、もう一方がまちがっている、という話ではありません。
見たいものによって、向いている数字が変わります。

  • 平均値:全体をならしたときの大きさを知りたいとき。合計を人数や県の数で割るので、全体の量とつながっている
  • 中央値:真ん中の人や県がどのくらいかを知りたいとき。極端な値があっても動きにくい

所得、資産、住宅の価格、家賃、貯蓄額のように、ばらつきの大きいデータでは、平均値だけでなく中央値もあわせて見ると実態をつかみやすくなります。

当サイトでも、通勤にかかる時間のように分布のかたよるデータは、平均ではなく中位数(中央値)で公表されている統計を使っています。

「全国平均」は1つではない

47都道府県を比べるとき、もうひとつ気をつけたいことがあります。
「全国平均」と書かれていても、計算のしかたが1つとは限らない、という点です。

人口密度を例にします。
同じ「全国の人口密度」を、2通りの方法で出してみます。

出し方結果
47都道府県の人口密度を足して47で割る649.5人/km²
全国の人口を、全国の面積で割る327.5人/km²
総務省統計局「人口推計」と国土地理院「全国都道府県市区町村別面積調」をもとに当サイトで計算。どちらも2024年10月1日現在。

同じ「全国平均」で、2.0倍ちがいます。
前者は東京都も北海道も同じ1票として平均する方法、後者は日本全体をひとかたまりとして割る方法です。

前者の649.5人を上回るのは7都府県だけです。
人口密度の中央値は257.4人(岡山県)で、こちらのほうが「まん中の県」に近い数字になります。

数字を見るときは、何を足して、何で割った平均なのかを確かめると、こうしたずれに気づけます。

「1人あたり」と「1世帯あたり」も別の数字

単位にも注意が必要です。
「1世帯あたり年間10万円」と「1人あたり年間10万円」は、同じ10万円でも意味がちがいます。

1つの世帯に何人が暮らしているかは、県によってちがうからです。
1世帯あたりの人数は、いちばん多い福井県で2.40人、いちばん少ない北海道で1.78人でした。

同じ「1世帯あたり10万円」でも、福井県では2.40人で使う10万円、北海道では1.78人で使う10万円ということになります。

ランキングを見るときは、数字の大きさだけでなく、それが総数なのか、1人あたりなのか、1世帯あたりなのか、割合なのかまで見ると、順位の意味がはっきりします。

同じデータでも、割る相手を変えると順位は入れかわります。1位がどこかより、何で割った1位なのかのほうが大事なことがあります。

順位だけでなく、1位と47位の差も見る

ランキングは地域のちがいを手早く比べられますが、順位だけでは差の大きさがわかりません。
1位が100、2位が99、47位が95のランキングと、1位が100、2位が50、47位が5のランキングでは、同じ「47位」でも意味がまるでちがいます。

さきほどの2つでも開きはずいぶんちがいます。
人口は1位と47位で26.7倍でしたが、人口密度では106.5倍にひらきます。
同じ47都道府県を並べても、指標によって差の大きさはまったくちがうということです。

順位を見たら、1位と47位の数字、そして平均や中央値からどのくらい離れているかもあわせて見ると、そのデータの性格がつかめます。
人口密度と持ち家率を突き合わせた記事のように、2つの指標を並べてみるのもひとつの方法です。

どの指標で、平均と中央値が離れるのか

ここまで人口と人口密度で見てきました。
ほかの指標ではどうなのか、8つ並べて確かめます。

指標平均値中央値平均 ÷ 中央値平均以上の県
人口密度649.5人/km²257.4人/km²2.52倍7県
喫茶店の数1,110.6店579.0店1.92倍13県
人口2,634,106.4人1,532,000.0人1.72倍12県
事業所の数109,703.5事業所71,793.0事業所1.53倍12県
面積8,042.0km²6,098.3km²1.32倍12県
市町村の数37.033.01.12倍17県
1か月の家賃49,527.2円46,693.0円1.06倍15県
持ち家率66.1%67.8%0.98倍26県
各統計の公表値をもとに当サイトで計算。中央値は47都道府県を並べたときの24番目。

いちばん離れているのは人口密度で2.52倍。
平均以上なのは7県しかありません。

いっぽう持ち家率は0.98倍で、平均と中央値がほとんど同じ。
平均以上の県も26県あります。

実数は引っぱられ、割合は引っぱられない

表を上から下まで見ると、はっきりした順番になっています。

  • 上のほう:人口、人口密度、喫茶店の数、事業所の数。数を数えたもの(実数)
  • 下のほう:家賃、持ち家率。割合や、1つあたりの値

実数は、大きい県が飛びぬけて大きくなります。
東京都の人口は鳥取県の26倍以上ですが、持ち家率が26倍ちがう県はありません。
割合には上限(100%)があり、単価にも常識的な幅があるためです。

だから、実数のランキングを見たら中央値もあわせて確かめる。
割合のランキングなら、平均だけでもそれほど外れません。
この見分け方は、どの分野のデータでも使えます。

「平均より上か下か」を気にするなら、それが実数の指標かどうかを先に見たほうがよさそうです。

地方でまとめると、平均に近づく

47を8つの地方にまとめ直すと、county ごとの凸凹がならされます。
人口で見てみます。

地方県の数人口1県あたりの平均
関東74,356.7万人622.4万人
近畿72,189.2万人312.7万人
中部92,061.4万人229.0万人
九州・沖縄81,394.5万人174.3万人
東北6820.9万人136.8万人
中国5699.9万人140.0万人
北海道1504.3万人504.3万人
四国4353.4万人88.4万人
総務省統計局「人口推計」(2024年10月1日現在)をもとに当サイトで集計。

1県あたりの平均でいちばん大きいのは関東、いちばん小さいのは四国です。

まとめる単位を大きくするほど、極端な値は薄まります。
逆に言えば、細かく見るほど平均は当てにならなくなるということです。

47都道府県の人口の一覧

全部を並べておきます。
平均263.4万人、中央値153.2万人がどのあたりに来るのかを見てください。

順位都道府県人口平均との差中央値との差地方
1東京都1,417.8万人+1,154.4万人+1,264.6万人関東
2神奈川県922.5万人+659.1万人+769.3万人関東
3大阪府875.7万人+612.3万人+722.5万人近畿
4愛知県746.0万人+482.6万人+592.8万人中部
5埼玉県733.2万人+469.8万人+580.0万人関東
6千葉県625.1万人+361.7万人+471.9万人関東
7兵庫県533.7万人+270.3万人+380.5万人近畿
8福岡県509.2万人+245.8万人+356.0万人九州・沖縄
9北海道504.3万人+240.9万人+351.1万人北海道
10静岡県352.7万人+89.3万人+199.5万人中部
11茨城県280.6万人+17.2万人+127.4万人関東
12広島県271.4万人+8.0万人+118.2万人中国
13京都府252.0万人-11.4万人+98.8万人近畿
14宮城県224.8万人-38.6万人+71.6万人東北
15新潟県209.9万人-53.5万人+56.7万人中部
16長野県198.7万人-64.7万人+45.5万人中部
17岐阜県191.6万人-71.8万人+38.4万人中部
18群馬県189.0万人-74.4万人+35.8万人関東
19栃木県188.5万人-74.9万人+35.3万人関東
20岡山県183.1万人-80.3万人+29.9万人中国
21福島県174.3万人-89.1万人+21.1万人東北
22三重県171.1万人-92.3万人+17.9万人近畿
23熊本県169.7万人-93.7万人+16.5万人九州・沖縄
24鹿児島県153.2万人-110.2万人+0.0万人九州・沖縄
25沖縄県146.6万人-116.8万人-6.6万人九州・沖縄
26滋賀県140.2万人-123.2万人-13.0万人近畿
27奈良県128.5万人-134.9万人-24.7万人近畿
28山口県128.1万人-135.3万人-25.1万人中国
29愛媛県127.6万人-135.8万人-25.6万人四国
30長崎県125.2万人-138.2万人-28.0万人九州・沖縄
31青森県116.5万人-146.9万人-36.7万人東北
32岩手県114.5万人-148.9万人-38.7万人東北
33石川県109.8万人-153.6万人-43.4万人中部
34大分県108.5万人-154.9万人-44.7万人九州・沖縄
35宮崎県103.3万人-160.1万人-49.9万人九州・沖縄
36山形県101.1万人-162.3万人-52.1万人東北
37富山県99.7万人-163.7万人-53.5万人中部
38香川県91.7万人-171.7万人-61.5万人四国
39秋田県89.7万人-173.7万人-63.5万人東北
40和歌山県88.0万人-175.4万人-65.2万人近畿
41山梨県79.1万人-184.3万人-74.1万人中部
42佐賀県78.8万人-184.6万人-74.4万人九州・沖縄
43福井県73.9万人-189.5万人-79.3万人中部
44徳島県68.5万人-194.9万人-84.7万人四国
45高知県65.6万人-197.8万人-87.6万人四国
46島根県64.2万人-199.2万人-89.0万人中国
47鳥取県53.1万人-210.3万人-100.1万人中国
総務省統計局「人口推計」(2024年10月1日現在)をもとに作成。平均と中央値は当サイトで計算。

「平均との差」の列がプラスなのは上から12県だけです。
13位から下は、ずっとマイナスが続きます。
これが「平均以上は12都道府県だけ」という形です。

よくある疑問

中央値はどうやって出すのですか

数字を小さい順に並べて、ちょうど真ん中に来る値を読みます。
47都道府県なら24番目です。

データの数が偶数のときは、真ん中の2つを足して2で割ります。
47は奇数なので、その手間はありません。

最頻値という言葉も聞きます。平均値・中央値とどうちがいますか

最頻値は、いちばん多く出てくる値のことです。
同じ値が何度も出るデータで使います。

47都道府県のデータでは、同じ値がぴったり重なることがほとんどありません。
だからこのサイトでは、平均値と中央値の2つで足りることが多くなります。

ニュースの「平均年収」は、どちらですか

出どころによってちがいます。
平均で出しているものもあれば、中央値を併記しているものもあります。

年収は実数で、しかも上に大きく裾を引くデータです。
平均だけが書かれていたら、中央値はそれより低いと考えたほうが実感に近くなります。

平均を使ってはいけないということですか

いいえ。
平均は全体の量とつながっている数字なので、合計を知りたいときには欠かせません。

「全国で何人ぶんか」「1人あたりに直すといくらか」を出すには平均が要ります。
中央値では合計に戻せません。
使い分けの問題です。

まとめ

  • 平均値はすべてを足して数で割った値、中央値は順に並べた真ん中の値
  • 極端に大きい数字があると平均値は引っぱられる。中央値はほとんど動かない
  • 47都道府県の人口は平均263.4万人、中央値153.2万人。平均以上は12都道府県だけ
  • 「全国平均」の人口密度は、出し方によって649.5人/km²にも327.5人/km²にもなる
  • 1世帯あたりの人数は福井県の2.40人から北海道の1.78人まで。「1世帯あたり」と「1人あたり」は別の数字
  • 順位を見たら、1位と47位の差、平均や中央値との距離もあわせて見る

出典

  • 平均値・中央値、および人口密度の2通りの平均は、上記の公表値をもとに当サイトで計算した

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