47都道府県で、救急医療体制をとっている病院の数を比べます。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系。
2023年の数字です。
全国8,122施設のうち、東京都が637施設で1位。
ただし人口10万人あたりで割り直すと1位は高知県の17.99施設になり、東京都は44位まで落ちます。
最も少ない鳥取県は43施設です。
47都道府県の単純平均
173施設
救急医療体制病院数(2023年)
最も多い 東京都
637施設
最も少ない 鳥取県
43施設
救急病院が多い5都道府県
救急病院が多い上位5都道府県です。
東京都は637施設、北海道は534施設、大阪府は502施設、福岡県は453施設、兵庫県は344施設でした。
人口では9位の北海道が2位に入ります。
6位以下は埼玉県342施設、神奈川県334施設、愛知県314施設と続きます。
上位5都道府県で全国の30.4パーセント、上位10都道府県で49.0パーセントを占めます。
人口の多い順に近い並びですが、北海道と福岡県が順位を上げています。
人口あたりの上位8県のうち、6県が九州・四国です
この分布の背景を、ここから考えてみます。
救急医療体制病院の数の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
人口10万人あたりで割り直すと、西日本の県がずらりと並びます。
1位は高知県の17.99施設、2位は徳島県15.33施設、3位は鹿児島県15.01施設、4位は大分県13.92施設、5位は宮崎県12.49施設、6位は佐賀県12.06施設、7位は熊本県11.90施設、8位は長崎県11.66施設。
上位8県のうち6県が九州、2県が四国という偏りです。
高知県は実数では27位ですが、人口あたりでは1位。
逆に神奈川県は実数7位から人口あたり47位まで落ちます。
高知県と神奈川県では5.0倍の開きです。
人口あたりの下位は神奈川県3.62施設、滋賀県4.14施設、愛知県4.21施設、東京都4.49施設、千葉県4.62施設、埼玉県4.66施設。
大都市圏がまとまって並びます。
実数と人口10万人あたりの相関係数はマイナス0.16。
逆の向きではありますが弱い関係です。
北海道のように、実数2位で人口あたりも10位という道もあります。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、四国4県が13.30施設で最も多く、関東7都県が5.14施設で最も少なくなります。
2.6倍の差です。
九州・沖縄8県11.50施設、北海道10.59施設と続きました。
実数で見ると順位は変わる
救急病院が少ない5県
救急病院が少ない下位5県です。
鳥取県は43施設、島根県は46施設、滋賀県は58施設、山梨県は60施設、秋田県は64施設でした。
東京都の637施設とは14.8倍の差があります。
滋賀県が45位というのは、人口では全国26位の県としては低い位置です。
人口10万人あたりでも4.14施設で46位。
大阪府や京都府に近く、県外の病院を使いやすい立地であることが関係しているかもしれません。
65施設を下回るのは5県。
47都道府県の中央値は123施設なので、下位の県は中央値の半分ほどということになります。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、関東が最も大きくなります。
関東7都県が全国の24.7パーセント、九州・沖縄8県が18.4パーセント、近畿7府県が16.2パーセント、中部9県が14.0パーセントと続きます。
少ないほうは中国5県が7.6パーセント、東北6県が7.0パーセント、北海道が6.6パーセント、四国4県が5.5パーセントでした。
九州・沖縄8県が18.4パーセントで2番目に入ります。
人口では全国の1割強の地方ですが、救急病院の数では2割近くを占めました。
人口10万人あたりの平均で見ると順番はきれいに逆転します。
四国4県が13.30施設で1位、九州・沖縄8県が11.50施設で2位、北海道が10.59施設で3位。
関東7都県は5.14施設で最下位、近畿7府県も6.20施設で下から2番目でした。
地図で見る
| 項目 | 救急医療体制病院数 |
|---|---|
| 北海道 | 534施設 |
| 青森県 | 89施設 |
| 岩手県 | 91施設 |
| 宮城県 | 135施設 |
| 秋田県 | 64施設 |
| 山形県 | 66施設 |
| 福島県 | 122施設 |
| 茨城県 | 172施設 |
| 栃木県 | 108施設 |
| 群馬県 | 127施設 |
| 埼玉県 | 342施設 |
| 千葉県 | 289施設 |
| 東京都 | 637施設 |
| 神奈川県 | 334施設 |
| 新潟県 | 119施設 |
| 富山県 | 105施設 |
| 石川県 | 88施設 |
| 福井県 | 67施設 |
| 山梨県 | 60施設 |
| 長野県 | 123施設 |
| 岐阜県 | 94施設 |
| 静岡県 | 170施設 |
| 愛知県 | 314施設 |
| 三重県 | 93施設 |
| 滋賀県 | 58施設 |
| 京都府 | 160施設 |
| 大阪府 | 502施設 |
| 兵庫県 | 344施設 |
| 奈良県 | 75施設 |
| 和歌山県 | 83施設 |
| 鳥取県 | 43施設 |
| 島根県 | 46施設 |
| 岡山県 | 159施設 |
| 広島県 | 232施設 |
| 山口県 | 139施設 |
| 徳島県 | 105施設 |
| 香川県 | 86施設 |
| 愛媛県 | 134施設 |
| 高知県 | 118施設 |
| 福岡県 | 453施設 |
| 佐賀県 | 95施設 |
| 長崎県 | 146施設 |
| 熊本県 | 202施設 |
| 大分県 | 151施設 |
| 宮崎県 | 129施設 |
| 鹿児島県 | 230施設 |
| 沖縄県 | 89施設 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都、北海道、大阪府、福岡県、兵庫県です。
淡いのは鳥取県、島根県、滋賀県、山梨県、秋田県でした。
人口の多い地域に北海道と福岡県が加わる分布です。
47都道府県の平均は172.8施設、中央値は123施設です。
東京都の637施設は平均の3.7倍にあたります。
上位5都道府県で30.4パーセント、65施設を下回るのが5県。
1位と47位で14.8倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 救急医療体制病院数(施設) | 地方 | 人口10万人あたりの救急医療体制病院数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 637 | 関東 | 4.49 |
| 2 | 北海道 | 534 | 北海道 | 10.59 |
| 3 | 大阪府 | 502 | 近畿 | 5.73 |
| 4 | 福岡県 | 453 | 九州 | 8.9 |
| 5 | 兵庫県 | 344 | 近畿 | 6.45 |
| 6 | 埼玉県 | 342 | 関東 | 4.66 |
| 7 | 神奈川県 | 334 | 関東 | 3.62 |
| 8 | 愛知県 | 314 | 中部 | 4.21 |
| 9 | 千葉県 | 289 | 関東 | 4.62 |
| 10 | 広島県 | 232 | 中国 | 8.55 |
| 11 | 鹿児島県 | 230 | 九州 | 15.01 |
| 12 | 熊本県 | 202 | 九州 | 11.9 |
| 13 | 茨城県 | 172 | 関東 | 6.13 |
| 14 | 静岡県 | 170 | 中部 | 4.82 |
| 15 | 京都府 | 160 | 近畿 | 6.35 |
| 16 | 岡山県 | 159 | 中国 | 8.68 |
| 17 | 大分県 | 151 | 九州 | 13.92 |
| 18 | 長崎県 | 146 | 九州 | 11.66 |
| 19 | 山口県 | 139 | 中国 | 10.85 |
| 20 | 宮城県 | 135 | 東北 | 6.01 |
| 21 | 愛媛県 | 134 | 四国 | 10.5 |
| 22 | 宮崎県 | 129 | 九州 | 12.49 |
| 23 | 群馬県 | 127 | 関東 | 6.72 |
| 24 | 長野県 | 123 | 中部 | 6.19 |
| 25 | 福島県 | 122 | 東北 | 7.0 |
| 26 | 新潟県 | 119 | 中部 | 5.67 |
| 27 | 高知県 | 118 | 四国 | 17.99 |
| 28 | 栃木県 | 108 | 関東 | 5.73 |
| 29 | 徳島県 | 105 | 四国 | 15.33 |
| 29 | 富山県 | 105 | 中部 | 10.53 |
| 31 | 佐賀県 | 95 | 九州 | 12.06 |
| 32 | 岐阜県 | 94 | 中部 | 4.91 |
| 33 | 三重県 | 93 | 近畿 | 5.44 |
| 34 | 岩手県 | 91 | 東北 | 7.95 |
| 35 | 沖縄県 | 89 | 九州 | 6.07 |
| 35 | 青森県 | 89 | 東北 | 7.64 |
| 37 | 石川県 | 88 | 中部 | 8.01 |
| 38 | 香川県 | 86 | 四国 | 9.38 |
| 39 | 和歌山県 | 83 | 近畿 | 9.43 |
| 40 | 奈良県 | 75 | 近畿 | 5.84 |
| 41 | 福井県 | 67 | 中部 | 9.07 |
| 42 | 山形県 | 66 | 東北 | 6.53 |
| 43 | 秋田県 | 64 | 東北 | 7.13 |
| 44 | 山梨県 | 60 | 中部 | 7.59 |
| 45 | 滋賀県 | 58 | 近畿 | 4.14 |
| 46 | 島根県 | 46 | 中国 | 7.17 |
| 47 | 鳥取県 | 43 | 中国 | 8.1 |
このグラフについての豆知識
救急告示のある病院の数
この指標は医療施設調査のうち、救急医療体制をとっている病院の数です。
救急患者を受け入れる体制があると届け出ている病院が対象になります。
病床数や医師の数までは分かりません。
同じ1施設でも、受け入れられる患者の数には大きな差があります。
診療所は含まない
対象は病院で、診療所は含みません。
病院と診療所は病床数で区別され、20床以上が病院になります。
全国8,122施設を消防本部・署の数5,524署と並べると、救急病院のほうが多い計算です。
ただし調査も年も別なので、そのまま対応づけられるものではありません。
数字は2023年のものです。
10年前とくらべると
全国の救急医療体制病院の数は、2014年の8,493施設から2023年の8,122施設へ、この10年で4%減りました。
10年前も先頭は東京都です。
顔ぶれは変わりませんでした。
県ごとに見ると、いちばん増えたのは千葉県で2%増です。
順位の並びがにている記事
救急医療体制病院の数の順位を、当サイトの全記事の並びと突き合わせてみました。
並びが最も重なったのは【一般病院の数】全国7,065施設、人口あたり1位は高知県で、相関は1です。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【世帯が使う部屋数】全国4.63室、1位と47位で1.84倍(相関-0.79)でした。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見た救急医療体制病院数
| 地方 | 最も多い(施設) | 最も少ない(施設) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 135 | 秋田県 64 |
| 関東 | 東京都 637 | 栃木県 108 |
| 中部 | 愛知県 314 | 山梨県 60 |
| 近畿 | 大阪府 502 | 滋賀県 58 |
| 中国 | 広島県 232 | 鳥取県 43 |
| 四国 | 愛媛県 134 | 香川県 86 |
| 九州 | 福岡県 453 | 沖縄県 89 |
まとめ
救急医療体制をとっている病院の数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で637施設、最も少ない鳥取県で43施設でした。
人口では9位の北海道が534施設で2位に入ります。
救急医療体制病院の数の数字を受け取る前に、3つ添えておきます。
1つ目は、病床数や医師数までは分からないこと。
2つ目は、診療所を含まないこと。
3つ目は2023年の数字であることです。
人口10万人あたりで割り直すと1位は高知県17.99施設、47位は神奈川県3.62施設。
上位8県のうち6県が九州、2県が四国という偏りが出ました。
地方別の人口あたり平均も四国4県13.30施設と関東7都県5.14施設で2.6倍の差です。
病床数や病院数の推移を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2023年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードI5401(救急医療体制病院数)の2023年の値。医療施設調査による。救急医療体制をとっている病院の数。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードI5401(救急医療体制病院数)の2023年の値。
医療施設調査による。
救急医療体制をとっている病院の数。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
