泊まりがけの旅行とはちがい、日帰りの行楽は思い立てば出かけられます。
ハイキングやピクニック、動物園や遊園地へのおでかけがこれにあたります。
この調査は2021年に行われたもので、外出をひかえる時期の影響を強く受けている点に注意が要ります。
今回は47都道府県の日帰り行楽の行動者率を、令和3年の総務省統計局「社会生活基本調査」のデータを使って比べました。
10歳以上の人のうち、過去1年間にその行動をした人の割合です。
全国では10歳以上の40.5%。
1泊2日以上の旅行の32.3%を8.2ポイント上回りました。
47都道府県の単純平均
37.9%
行楽(日帰り)の行動者率(令和3年(2021年))
最も多い 愛知県
47.1%
最も少ない 沖縄県
23.6%
日帰りの行楽をする人が多い5都府県
日帰りの行楽をする人が多い上位5都府県です。
愛知県は47.1パーセント、東京都は44.5パーセント、京都府は43.8パーセント、群馬県と神奈川県が43.7パーセントでした。
愛知県と最下位の沖縄県では2.00倍の差があります。
6位以下は宮城県43.3パーセント、滋賀県42.9パーセント、熊本県42.5パーセントと続きます。
群馬県が4位に入るのが目を引きます。
群馬県は1泊2日以上の旅行では28.8パーセントで17位、帰省・訪問の旅行では9.9パーセントで34位。
日帰りだけが突出して高い県でした。
泊まらずに出かけられる範囲に、何があるか
なぜこういう並びになるのか、ここからは考えてみます。
以下は1年間に日帰りの行楽をした人の割合の統計から直接読み取れることではなく、別の数字と照らして立てた推測です。
日帰りの行楽は、泊まりの旅行とは違う条件で決まっているようです。
旅行・行楽全体の順位と日帰り行楽の順位を並べると、おおむね重なります。
ただ群馬県だけは例外で、全体では12位なのに日帰りでは4位。
逆に北海道は全体11位に対して日帰りは16位です。
群馬県には草津や伊香保といった温泉地があり、首都圏からも県内からも日帰りで行ける距離にあります。
北海道は県内の移動距離が長く、日帰りで行ける範囲が限られる。
この違いが出ていると考えられます。
倍率2.00倍は、国内観光旅行の3.00倍や帰省・訪問などの旅行の3.08倍より小さい。
泊まりの旅行のほうが、県による差が大きく出ます。
日帰りの行楽は、遠出ができない人でもできる行動だからでしょう。
地方別では関東7都県が41.53パーセントで最も高く、近畿7府県が41.39パーセントで続きます。
四国4県は30.25パーセントで最下位。
北海道と四国では1.33倍の差でした。
沖縄県の23.6パーセントは、2番目に低い徳島県の26.7パーセントとも3.1ポイント開いています。
県内に日帰りで行ける観光地は多いはずですが、行動者率としては全国で最も低くなりました。
日帰りの行楽をする人が少ない5県
日帰りの行楽をする人が少ない下位5県です。
沖縄県は23.6パーセント、徳島県は26.7パーセント、長崎県は29.2パーセント、青森県は30.2パーセント、愛媛県は31.0パーセントでした。
愛知県の47.1パーセントとは2.00倍の差があります。
下位5県は旅行・行楽全体の下位5県とまったく同じ顔ぶれです。
日帰りだけが少ない県、泊まりだけが少ない県というものはあまりありません。
30パーセントを下回ったのは沖縄県、徳島県、長崎県の3県でした。
45パーセントを超えたのは愛知県だけ。
上位は40パーセント台前半に多くの県が集まる形です。
地図で見る日帰り行楽の行動者率
| 項目 | 行楽(日帰り)の行動者率 |
|---|---|
| 北海道 | 40.3% |
| 青森県 | 30.2% |
| 岩手県 | 37.6% |
| 宮城県 | 43.3% |
| 秋田県 | 39.5% |
| 山形県 | 38.6% |
| 福島県 | 38.1% |
| 茨城県 | 38.1% |
| 栃木県 | 40.1% |
| 群馬県 | 43.7% |
| 埼玉県 | 42% |
| 千葉県 | 38.6% |
| 東京都 | 44.5% |
| 神奈川県 | 43.7% |
| 新潟県 | 39.1% |
| 富山県 | 33.9% |
| 石川県 | 34.6% |
| 福井県 | 37.7% |
| 山梨県 | 39.9% |
| 長野県 | 38.7% |
| 岐阜県 | 42.1% |
| 静岡県 | 37.1% |
| 愛知県 | 47.1% |
| 三重県 | 40% |
| 滋賀県 | 42.9% |
| 京都府 | 43.8% |
| 大阪府 | 42.3% |
| 兵庫県 | 41.6% |
| 奈良県 | 41.8% |
| 和歌山県 | 37.3% |
| 鳥取県 | 31.6% |
| 島根県 | 32.5% |
| 岡山県 | 36.2% |
| 広島県 | 38% |
| 山口県 | 36.3% |
| 徳島県 | 26.7% |
| 香川県 | 32.1% |
| 愛媛県 | 31% |
| 高知県 | 31.2% |
| 福岡県 | 40.8% |
| 佐賀県 | 40.5% |
| 長崎県 | 29.2% |
| 熊本県 | 42.5% |
| 大分県 | 38.5% |
| 宮崎県 | 35.9% |
| 鹿児島県 | 35.9% |
| 沖縄県 | 23.6% |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東海と首都圏、近畿、それに北関東の一部です。
淡いのは四国と沖縄県、長崎県でした。
47都道府県の単純平均は37.89パーセント、中央値は38.60パーセントです。
中央値のほうが平均より高いのは、下位の県が平均を押し下げているためです。
45パーセントを超えたのは1県だけ、30パーセントを下回ったのは3県。
多くの県が35パーセントから43パーセントの間に収まりました。
| 順位 | 都道府県 | 行楽(日帰り)の行動者率(%) | 地方 | 旅行・行楽の行動者率 | 旅行(1泊2日以上) | 10歳以上人口 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 愛知県 | 47.1 | 中部 | 57.6 | 39.9 | 6728 |
| 2 | 東京都 | 44.5 | 関東 | 55.5 | 41.9 | 12724 |
| 3 | 京都府 | 43.8 | 近畿 | 54.2 | 37.7 | 2311 |
| 4 | 群馬県 | 43.7 | 関東 | 50.8 | 28.8 | 1724 |
| 4 | 神奈川県 | 43.7 | 関東 | 54.5 | 38.2 | 8344 |
| 6 | 宮城県 | 43.3 | 東北 | 52.2 | 32.2 | 2065 |
| 7 | 滋賀県 | 42.9 | 近畿 | 52.2 | 34.3 | 1261 |
| 8 | 熊本県 | 42.5 | 九州 | 50.5 | 29.9 | 1511 |
| 9 | 大阪府 | 42.3 | 近畿 | 51.9 | 35.6 | 7913 |
| 10 | 岐阜県 | 42.1 | 中部 | 48.6 | 27.4 | 1764 |
| 11 | 埼玉県 | 42 | 関東 | 51.5 | 34.1 | 6622 |
| 12 | 奈良県 | 41.8 | 近畿 | 50.4 | 33.6 | 1183 |
| 13 | 兵庫県 | 41.6 | 近畿 | 51.6 | 34.3 | 4871 |
| 14 | 福岡県 | 40.8 | 九州 | 52.3 | 36.5 | 4509 |
| 15 | 佐賀県 | 40.5 | 九州 | 47.5 | 29.4 | 703 |
| 16 | 北海道 | 40.3 | 北海道 | 51 | 34.7 | 4614 |
| 17 | 栃木県 | 40.1 | 関東 | 47.3 | 28.2 | 1730 |
| 18 | 三重県 | 40 | 近畿 | 47 | 28.1 | 1574 |
| 19 | 山梨県 | 39.9 | 中部 | 46.7 | 26.9 | 725 |
| 20 | 秋田県 | 39.5 | 東北 | 44.8 | 23.6 | 849 |
| 21 | 新潟県 | 39.1 | 中部 | 47.6 | 29.7 | 1955 |
| 22 | 長野県 | 38.7 | 中部 | 46.9 | 28 | 1824 |
| 23 | 山形県 | 38.6 | 東北 | 44.3 | 22.7 | 944 |
| 23 | 千葉県 | 38.6 | 関東 | 47.9 | 32.5 | 5670 |
| 25 | 大分県 | 38.5 | 九州 | 45 | 24.8 | 979 |
| 26 | 茨城県 | 38.1 | 関東 | 45 | 25.9 | 2572 |
| 26 | 福島県 | 38.1 | 東北 | 44.4 | 23.1 | 1632 |
| 28 | 広島県 | 38 | 中国 | 47.1 | 28.6 | 2474 |
| 29 | 福井県 | 37.7 | 中部 | 44.3 | 23.8 | 677 |
| 30 | 岩手県 | 37.6 | 東北 | 45.3 | 26 | 1075 |
| 31 | 和歌山県 | 37.3 | 近畿 | 44.1 | 26.8 | 816 |
| 32 | 静岡県 | 37.1 | 中部 | 41.3 | 23.1 | 3241 |
| 33 | 山口県 | 36.3 | 中国 | 43.5 | 24.2 | 1177 |
| 34 | 岡山県 | 36.2 | 中国 | 43 | 24.3 | 1666 |
| 35 | 宮崎県 | 35.9 | 九州 | 42.8 | 22.2 | 928 |
| 35 | 鹿児島県 | 35.9 | 九州 | 43.3 | 23.6 | 1377 |
| 37 | 石川県 | 34.6 | 中部 | 44.7 | 28.6 | 997 |
| 38 | 富山県 | 33.9 | 中部 | 41.1 | 25.1 | 922 |
| 39 | 島根県 | 32.5 | 中国 | 39.8 | 21.2 | 586 |
| 40 | 香川県 | 32.1 | 四国 | 39 | 21.3 | 837 |
| 41 | 鳥取県 | 31.6 | 中国 | 38.4 | 20.8 | 484 |
| 42 | 高知県 | 31.2 | 四国 | 39.2 | 21 | 606 |
| 43 | 愛媛県 | 31 | 四国 | 37.4 | 18.1 | 1178 |
| 44 | 青森県 | 30.2 | 東北 | 36.6 | 19.7 | 1090 |
| 45 | 長崎県 | 29.2 | 九州 | 36.1 | 21.6 | 1135 |
| 46 | 徳島県 | 26.7 | 四国 | 32.2 | 16.4 | 632 |
| 47 | 沖縄県 | 23.6 | 九州 | 31.1 | 16.8 | 1263 |
このグラフについての豆知識
行楽と旅行の分かれ目
社会生活基本調査では、宿泊を伴わないものを「行楽(日帰り)」、1泊2日以上のものを「旅行」として分けています。
行楽にはハイキング、ピクニック、日帰りの観光、ドライブなどが含まれます。
買い物や食事だけの外出は含まれません。
両方をした人は両方に数えられるため、行楽40.5パーセントと旅行32.3パーセントを足しても、旅行・行楽全体の49.5パーセントにはなりません。
コロナ禍のさなかの調査
令和3年の調査が対象とした過去1年間は、2020年10月から2021年10月。
宿泊を伴う移動が控えられていた時期にあたります。
全国では日帰りの行楽40.5パーセントに対し、1泊2日以上の旅行は32.3パーセント。
日帰りのほうが8.2ポイント高くなりました。
泊まりを伴う移動が制限されていた影響が含まれるため、この差が平時にも同じように出るとは限りません。
順位の並びがにている記事
1年間に日帰りの行楽をした人の割合の47都道府県の並びを、ほかの記事の並びと総当たりで比べました。
最も似ていたのは【旅行・行楽をする人の割合】全国49.5%、コロナ禍の1年でも半数近くが出かけたことになります(順位相関0.96)です。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【スーパーの数】が多いのは大都市ではありませんでした、人口あたりで比較(順位相関-0.76)です。
似ているからといって理由が同じとはかぎりません。
それでも、2つを重ねると土地の性格が見えてくることがあります。
地方のなかで見た行楽(日帰り)の行動者率
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 43.3 | 青森県 30.2 |
| 関東 | 東京都 44.5 | 茨城県 38.1 |
| 中部 | 愛知県 47.1 | 富山県 33.9 |
| 近畿 | 京都府 43.8 | 和歌山県 37.3 |
| 中国 | 広島県 38 | 鳥取県 31.6 |
| 四国 | 香川県 32.1 | 徳島県 26.7 |
| 九州 | 熊本県 42.5 | 沖縄県 23.6 |
まとめ
1年間に日帰りの行楽をした人の割合を比べると、最も高い愛知県は47.1パーセント、最も低い沖縄県は23.6パーセントで、その差は2.00倍でした。
全国では10歳以上の40.5パーセントです。
1年間に日帰りの行楽をした人の割合の数字には、但し書きが3つつきます。
1つ目は、買い物や食事だけの外出は含まないこと。
2つ目は、行楽と旅行の両方をした人は両方に数えられること。
3つ目はコロナ禍のさなかの調査であることです。
群馬県が4位に入りました。
1泊2日以上の旅行では17位、帰省・訪問では34位。
日帰りだけが上に来る県です。
倍率2.00倍は、国内観光旅行の3.00倍より小さい。
遠出ができない人でもできる行動だからでしょう。
旅行・行楽全体や道の駅の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
関連記事
- 【旅行・行楽をする人の割合】全国49.5%、コロナ禍の1年でも半数近くが出かけたことになります
- 【国内観光旅行をする人の割合】全国25.0%、4人に1人が泊まりの観光旅行に出かけた計算です
- 【道の駅の数】全国1,230駅、最も多い道県と最も少ない都では129倍の開きが出ました
出典
- 統計名: 社会生活基本調査(都道府県、旅行・行楽の種類別行動者率)
- 調査年: 令和3年(2021年)
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032262826
- 備考: 10歳以上の人のうち、過去1年間にその行動をした人の割合。調査は2021年10月20日現在で、過去1年間は新型コロナウイルスの影響を強く受けた時期にあたる。行楽(日帰り)は日帰りのハイキング、ピクニック、観光などを指す
注記: 10歳以上の人のうち、過去1年間にその行動をした人の割合。
調査は2021年10月20日現在で、過去1年間は新型コロナウイルスの影響を強く受けた時期にあたる。
行楽(日帰り)は日帰りのハイキング、ピクニック、観光などを指す
