ひとたび入院すると、退院までに平均で何日かかるのでしょうか。
全病床の平均在院日数を47都道府県で比べます。
使うのは厚生労働省の病院報告、2024年の数字。
高知県が38.3日で1位。
47都道府県の平均は27.39日、中央値は26.3日です。
最も高い38.3日と最も低い20.3日の差は18日、倍率にすると1.89倍でした。
実数で見るか率で見るかによって並びは変わります。
この記事では率のほうを主に見ていきます。
47都道府県の単純平均
27.4日
平均在院日数(全病床)(2024年)
最も多い 高知県
38.3日
最も少ない 東京都
20.3日
平均在院日数が長い上位5県
平均在院日数が長い上位5県です。
高知県は38.3日、佐賀県は36.8日、鹿児島県は36.2日でした。
1位と2位の差は1.5日です。
4位は山口県で34.9日、5位は熊本県で34.6日。
上位5はいずれも47都道府県の平均27.39日を上回りました。
1位の高知県は平均を10.91日上回りました。
中央値の26.3日と比べると12日高く、平均に対する比では1.4倍にあたります。
6位以下は長崎県で34.3日、徳島県で34.1日、宮崎県で32.2日と続きました。
2位と3位の差は0.6日、3位と4位の差は1.3日。
上位のなかでも順位が近いほど差は小さく、5位と8位の間は2.4日でした。
1位から5位までの幅は3.7日、1位から8位までの幅は6.1日でした。
上位のなかでも順位が下がるにつれて差は緩やかになります。
高知県は一般病床の平均在院日数でも1位に入っています。
全国の値は25.6日で、上位5はいずれもこれを上回りました。
1位は高知県の38.3日。
西日本の県が上位に並びます。
一般病床だけで見ると差が縮みます
なぜこういう並びになるのか、ここからは考えてみます。
以下は入院日数の平均の統計から直接読み取れることではなく、別の数字と照らして立てた推測です。
一般病床の平均在院日数で並べ替えると、順位が変わります。
1位は高知県の20.2、2位は熊本県の19、3位は鹿児島県の18.5。
4位以下は和歌山県、岩手県と続きます。
逆に下位は東京都が13.2、愛知県が13.1。
高知県と愛知県では1.54倍の開きです。
一般病床だけにしぼると差は1.5倍に縮みます。
全病床の差の大きさは、在院日数の長い精神病床や療養病床の割合の違いによるものです。
人口あたりの病床が多い県ほど、在院日数も長くなる傾向が知られています。
当サイトの病床数や入院患者数の記事とあわせて見ると、入院医療の構造が見えてきます。
地方ごとに県の平均を出すと、九州・沖縄8県が32.64日で最も高く、関東7都県が24.14日で最も低くなります。
四国4県31.6日と北海道29.1日がそれに続きました。
同じ指標でも、実数で見るか率で見るかで並びは変わります。
どちらか一方だけを見て県の姿を決めつけないことが大切です。
実数で見ると順位は変わる
平均在院日数が短い下位5都県
平均在院日数が短い下位5都県です。
47位の東京都は20.3日、46位の愛知県は21.2日、45位の神奈川県は21.2日でした。
1位の高知県とは18日の差があります。
44位は滋賀県で22.3日、43位は長野県で22.3日、42位は岐阜県で22.8日と続きます。
最も短い東京都は20.3日。
1位と47位の差は1.9倍です。
47都道府県の中央値は26.3日、平均は27.39日です。
47位の東京都は平均を7.09日下回りました。
47位の東京都は1位の高知県の53.0パーセントにあたる水準で、倍率にすると1.89倍の開きです。
46位との差は0.9日、45位との差は0.9日。
下位のほうは差が詰まっており、47位と42位の間でも2.5日しかありません。
下位5県はいずれも47都道府県の平均27.39日を下回りました。
47位から43位までの幅は2日です。
東京都は一般病床の平均在院日数では46位です。
全国の値は25.6日なので、47位はこれを5.3日下回っています。
地方別に見る
平均在院日数は、西日本で長く、都市部で短くなります。
地方ごとに県の平均を出すと、九州・沖縄8県が32.64日で最も高くなります。
次いで四国4県が31.6日、北海道が29.1日、中国5県が28.04日と続きました。
低いほうは東北6県が27.08日、中部9県が25.46日、近畿7府県が24.24日、関東7都県が24.14日でした。
最も高い九州・沖縄8県と最も低い関東7都県の差は8.5日です。
一般病床の平均在院日数で見ると四国4県が最も高く、関東7都県が最も低くなりました。
地図で見る
| 項目 | 平均在院日数(全病床) |
|---|---|
| 北海道 | 29.1日 |
| 青森県 | 29.3日 |
| 岩手県 | 29日 |
| 宮城県 | 23日 |
| 秋田県 | 28.5日 |
| 山形県 | 27日 |
| 福島県 | 25.7日 |
| 茨城県 | 25日 |
| 栃木県 | 25.9日 |
| 群馬県 | 26.3日 |
| 埼玉県 | 25.9日 |
| 千葉県 | 24.4日 |
| 東京都 | 20.3日 |
| 神奈川県 | 21.2日 |
| 新潟県 | 27.5日 |
| 富山県 | 28日 |
| 石川県 | 28.8日 |
| 福井県 | 25.6日 |
| 山梨県 | 27.9日 |
| 長野県 | 22.3日 |
| 岐阜県 | 22.8日 |
| 静岡県 | 25日 |
| 愛知県 | 21.2日 |
| 三重県 | 25.7日 |
| 滋賀県 | 22.3日 |
| 京都府 | 23.7日 |
| 大阪府 | 23.5日 |
| 兵庫県 | 24.7日 |
| 奈良県 | 24.4日 |
| 和歌山県 | 25.4日 |
| 鳥取県 | 26.1日 |
| 島根県 | 25.9日 |
| 岡山県 | 25.1日 |
| 広島県 | 28.2日 |
| 山口県 | 34.9日 |
| 徳島県 | 34.1日 |
| 香川県 | 26.7日 |
| 愛媛県 | 27.3日 |
| 高知県 | 38.3日 |
| 福岡県 | 30.5日 |
| 佐賀県 | 36.8日 |
| 長崎県 | 34.3日 |
| 熊本県 | 34.6日 |
| 大分県 | 29.1日 |
| 宮崎県 | 32.2日 |
| 鹿児島県 | 36.2日 |
| 沖縄県 | 27.4日 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは高知県です。
次いで佐賀県、鹿児島県、山口県、熊本県が続きます。
淡いのは東京都、愛知県、神奈川県でした。
47都道府県の平均は27.39日、中央値は26.3日です。
高知県の38.3日は平均を10.91日上回ります。
1位と47位の差は18日、倍率にすると1.89倍でした。
一般病床の平均在院日数で並べ替えると高知県が20.2で最も高く、開きは1.54倍になります。
主指標で1位の高知県は一般病床の平均在院日数では1位、一般病床の平均在院日数で1位の高知県は主指標では1位でした。
| 順位 | 都道府県 | 平均在院日数(全病床)(日) | 地方 | 一般病床の平均在院日数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 高知県 | 38.3 | 四国 | 20.2 |
| 2 | 佐賀県 | 36.8 | 九州 | 17.9 |
| 3 | 鹿児島県 | 36.2 | 九州 | 18.5 |
| 4 | 山口県 | 34.9 | 中国 | 16.7 |
| 5 | 熊本県 | 34.6 | 九州 | 19 |
| 6 | 長崎県 | 34.3 | 九州 | 17 |
| 7 | 徳島県 | 34.1 | 四国 | 17.4 |
| 8 | 宮崎県 | 32.2 | 九州 | 16.2 |
| 9 | 福岡県 | 30.5 | 九州 | 17.3 |
| 10 | 青森県 | 29.3 | 東北 | 17.2 |
| 11 | 大分県 | 29.1 | 九州 | 18 |
| 11 | 北海道 | 29.1 | 北海道 | 16.5 |
| 13 | 岩手県 | 29 | 東北 | 18.2 |
| 14 | 石川県 | 28.8 | 中部 | 17.1 |
| 15 | 秋田県 | 28.5 | 東北 | 16.6 |
| 16 | 広島県 | 28.2 | 中国 | 16.4 |
| 17 | 富山県 | 28 | 中部 | 14.7 |
| 18 | 山梨県 | 27.9 | 中部 | 16.7 |
| 19 | 新潟県 | 27.5 | 中部 | 17.4 |
| 20 | 沖縄県 | 27.4 | 九州 | 14.7 |
| 21 | 愛媛県 | 27.3 | 四国 | 16.3 |
| 22 | 山形県 | 27 | 東北 | 15.9 |
| 23 | 香川県 | 26.7 | 四国 | 16.4 |
| 24 | 群馬県 | 26.3 | 関東 | 16.2 |
| 25 | 鳥取県 | 26.1 | 中国 | 16.6 |
| 26 | 埼玉県 | 25.9 | 関東 | 15.7 |
| 26 | 島根県 | 25.9 | 中国 | 16 |
| 26 | 栃木県 | 25.9 | 関東 | 15.4 |
| 29 | 三重県 | 25.7 | 近畿 | 14.7 |
| 29 | 福島県 | 25.7 | 東北 | 16.1 |
| 31 | 福井県 | 25.6 | 中部 | 16.3 |
| 32 | 和歌山県 | 25.4 | 近畿 | 18.4 |
| 33 | 岡山県 | 25.1 | 中国 | 16.9 |
| 34 | 茨城県 | 25 | 関東 | 14.9 |
| 34 | 静岡県 | 25 | 中部 | 14.7 |
| 36 | 兵庫県 | 24.7 | 近畿 | 15.7 |
| 37 | 千葉県 | 24.4 | 関東 | 15.1 |
| 37 | 奈良県 | 24.4 | 近畿 | 16.2 |
| 39 | 京都府 | 23.7 | 近畿 | 17.2 |
| 40 | 大阪府 | 23.5 | 近畿 | 15.1 |
| 41 | 宮城県 | 23 | 東北 | 14.3 |
| 42 | 岐阜県 | 22.8 | 中部 | 14.9 |
| 43 | 滋賀県 | 22.3 | 近畿 | 14.8 |
| 43 | 長野県 | 22.3 | 中部 | 15.2 |
| 45 | 愛知県 | 21.2 | 中部 | 13.1 |
| 45 | 神奈川県 | 21.2 | 関東 | 13.7 |
| 47 | 東京都 | 20.3 | 関東 | 13.2 |
このグラフについての豆知識
全国平均は25.6日
2024年の全病床の平均在院日数は全国で25.6日でした。
内訳を見ると、一般病床は15.5日、精神病床は255日と大きく違います。
平均在院日数は長期的には短くなり続けており、入院医療から在宅医療への流れを映す指標でもあります。
病院報告という統計
病院報告は、全国のすべての病院が毎月提出する報告をまとめた統計です。
この記事は2024年の年平均を使っています。
対象は病院(病床20床以上)だけで、町の診療所は含まれていません。
また、患者数は住んでいる人ではなく病院の所在地で数えます。
県境をこえて通院・入院する人がいるため、その県の住民の受療そのものではないことに注意してください。
数字の散らばり
1位の高知県は38.3日、47位の東京都は20.3日。
差は18日、倍率にすると1.89倍です。
中央値は26.3日、平均は27.39日でした。
平均と中央値がどれだけ離れているかを見ると、一部の都道府県が全体を引っぱっているかどうかが分かります。
この指標では1.09日の差でした。
一般病床の平均在院日数で並べ替えると開きは1.54倍になります。
2つの見方を突き合わせると、順位の意味がはっきりします。
順位の並びがにている記事
入院日数の平均の47都道府県の並びを、ほかの記事の並びと総当たりで比べました。
0.73という高い相関を示したのが【在院日数・一般病床】全国15.5日、そろった平均でした。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【調理師の平均月給】全国23.7万円、厨房の給与(順位相関-0.75)です。
これは並びが近いというだけで、片方がもう片方を生んでいるという意味ではありません。
地図を2枚ならべてみてください。
地方のなかで見た平均在院日数(全病床)
| 地方 | 最も多い(日) | 最も少ない(日) |
|---|---|---|
| 東北 | 青森県 29.3 | 宮城県 23 |
| 関東 | 群馬県 26.3 | 東京都 20.3 |
| 中部 | 石川県 28.8 | 愛知県 21.2 |
| 近畿 | 三重県 25.7 | 滋賀県 22.3 |
| 中国 | 山口県 34.9 | 岡山県 25.1 |
| 四国 | 高知県 38.3 | 香川県 26.7 |
| 九州 | 佐賀県 36.8 | 沖縄県 27.4 |
まとめ
入院日数の平均を47都道府県で比べると、最も高い高知県で38.3日、最も低い東京都で20.3日でした。
その差は18日、倍率にすると1.89倍です。
47都道府県の中央値は26.3日、平均は27.39日でした。
全国の値は25.6日です。
一般病床の平均在院日数で並べ替えると開きは1.54倍になり、主指標で1位の高知県はその見方では1位に位置します。
入院日数の平均をほかの数字と見くらべる前に、3つ確かめてください。
1つ目は、病床の構成の違いが効く数字であること。
2つ目は、病院の所在地で集計した数字であること。
3つ目は2024年の数字であることです。
一般病床の平均在院日数では高知県が20.2で最も高く、主指標で1位の高知県はこの見方では1位でした。
地方ごとの平均では九州・沖縄8県が32.64日で最も高く、関東7都県が24.14日で最も低くなりました。
一般病床や精神病床の平均在院日数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
1位の高知県と2位の佐賀県の差は1.5日で、上位のなかでも順位は僅差で決まりました。
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出典
- 統計名: 病院報告(在院患者延数・病床利用率・平均在院日数、都道府県別)
- 調査年: 2024年
- 公開元: 厚生労働省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?statdisp_id=0004045409
- 備考: 2024年の病院の平均在院日数(全病床)。長期入院の多い精神病床や療養病床を含む。都道府県を足し合わせても意味がないため、合計や人口10万人あたりは載せていない。参考指標は一般病床の平均在院日数
注記: 2024年の病院の平均在院日数(全病床)。
長期入院の多い精神病床や療養病床を含む。
都道府県を足し合わせても意味がないため、合計や人口10万人あたりは載せていない。
参考指標は一般病床の平均在院日数
