人口10万人あたりの交通事故発生件数を、47都道府県で並べて比べます。
警察が把握した人身事故の件数で、物損事故は含みません。
使うのは総務省統計局の統計でみる都道府県のすがた2026、2024年の数字。
全国は235.0件、県による差は4.59倍ありました。
47都道府県の単純平均
214件
人口10万人あたり交通事故発生件数(2024年)
最も多い 静岡県
494.5件
最も少ない 島根県
107.8件
人口あたりの交通事故が多い5県
人口10万人あたりの交通事故が多い上位5県です。
静岡県は494.5件、群馬県は479.3件、福岡県は362.8件、佐賀県は332.9件、愛知県は328.5件でした。
静岡県と最下位の島根県では4.59倍の差があります。
6位以下は香川県320.9件、兵庫県291.4件、大阪府283.0件と続きます。
300件を超えたのは6県でした。
静岡県と群馬県の2県が、3位の福岡県とも100件以上離れて突出しています。
件数の差は、危険さの差とは限らない
以下は、人口あたりで見る交通事故の発生件数にこれだけの差がつく理由についての推測です。
統計から確かめられる話ではなく、ほかの指標との突き合わせから考えたものです。
まず断っておきたいのは、件数の多さがそのまま運転の危険さを意味するわけではないということです。
発生件数と死者数の相関係数はマイナス0.09。
ほとんど無関係で、わずかに逆を向いています。
発生件数1位の静岡県は、人口10万人あたりの死者数では2.50人で28位。
2位の群馬県も2.60人で25位です。
逆に死者数の1位は徳島県の4.80人で、発生件数では17位。
2位の愛媛県、3位の山口県も同様に、件数では中位から下位に沈みます。
事故が多く起きる県と、事故で亡くなる人が多い県は、まったく別だということになります。
件数は、警察に届け出て人身事故として処理された数です。
同じ程度の接触でも、人身事故として扱われるか物損で終わるかは届け出のされ方や現場の運用によって変わり得ます。
一方の死者数は、そうした運用の影響を受けにくい数字です。
この2つが連動していないことは、件数の差の一部が数え方のちがいから来ている可能性を示しています。
道路実延長あたりの密度との相関係数はプラス0.37、可住地面積あたりの人口密度とはプラス0.16。
交通量の多さでも、4.59倍という差は説明しきれません。
この統計だけでは、どこまでが実際の事故の多さで、どこからが数え方のちがいなのかは分けられません。
順位を「危ない県・安全な県」と読むのは避けたほうがよいと考えます。
地方別では九州8県が237.91件で最も多く、中国5県が164.20件で最も少ない。
1.45倍の差でした。
県どうしの4.59倍と比べるとずっと小さく、地方でまとまった傾向は出にくい指標です。
人口あたりの交通事故が少ない5県
人口あたりの交通事故が少ない下位5県です。
島根県は107.8件、秋田県は109.4件、鳥取県は117.1件、岩手県は121.5件、新潟県は127.3件でした。
静岡県の494.5件とは4.59倍の差があります。
下位に並ぶのは山陰と東北の日本海側です。
人口密度が低く、道路の交通量も少ない地域が集まりました。
150件を下回ったのは10県。
東北、山陰、北陸に分布しています。
全国の235.0件は47都道府県の単純平均213.99件を上回ります。
人口の多い県ほど件数が多いためです。
地図で見る交通事故の発生件数
| 項目 | 人口10万人あたり交通事故発生件数 |
|---|---|
| 北海道 | 173.4件 |
| 青森県 | 195.5件 |
| 岩手県 | 121.5件 |
| 宮城県 | 168.4件 |
| 秋田県 | 109.4件 |
| 山形県 | 243件 |
| 福島県 | 177.1件 |
| 茨城県 | 214件 |
| 栃木県 | 209.3件 |
| 群馬県 | 479.3件 |
| 埼玉県 | 215.9件 |
| 千葉県 | 201.4件 |
| 東京都 | 212.3件 |
| 神奈川県 | 224.9件 |
| 新潟県 | 127.3件 |
| 富山県 | 186.4件 |
| 石川県 | 163.2件 |
| 福井県 | 130.4件 |
| 山梨県 | 254.5件 |
| 長野県 | 250.1件 |
| 岐阜県 | 148件 |
| 静岡県 | 494.5件 |
| 愛知県 | 328.5件 |
| 三重県 | 159.2件 |
| 滋賀県 | 199.9件 |
| 京都府 | 148.6件 |
| 大阪府 | 283件 |
| 兵庫県 | 291.4件 |
| 奈良県 | 190.7件 |
| 和歌山県 | 146.5件 |
| 鳥取県 | 117.1件 |
| 島根県 | 107.8件 |
| 岡山県 | 265.9件 |
| 広島県 | 162.2件 |
| 山口県 | 168件 |
| 徳島県 | 265.3件 |
| 香川県 | 320.9件 |
| 愛媛県 | 162.5件 |
| 高知県 | 136.9件 |
| 福岡県 | 362.8件 |
| 佐賀県 | 332.9件 |
| 長崎県 | 193件 |
| 熊本県 | 173.5件 |
| 大分県 | 195.9件 |
| 宮崎県 | 261.7件 |
| 鹿児島県 | 187.4件 |
| 沖縄県 | 196.1件 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは静岡県と群馬県、北部九州、それに愛知県と香川県です。
淡いのは山陰と東北の日本海側、北陸でした。
47都道府県の単純平均は213.99件、中央値は195.50件です。
平均が中央値を上回るのは、上位2県が大きく外れているためです。
300件を超えたのは6県、150件を下回ったのは10県。
上位に外れ値のある分布でした。
| 順位 | 都道府県 | 人口10万人あたり交通事故発生件数(件) | 地方 | 交通事故死傷者数 | 交通事故死者数 | 道路実延長千kmあたり件数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 静岡県 | 494.5 | 中部 | 622.9 | 2.5 | 507.1 |
| 2 | 群馬県 | 479.3 | 関東 | 594.9 | 2.6 | 288.3 |
| 3 | 福岡県 | 362.8 | 九州 | 465.4 | 1.8 | 533.0 |
| 4 | 佐賀県 | 332.9 | 九州 | 437.4 | 3.0 | 285.8 |
| 5 | 愛知県 | 328.5 | 中部 | 388.2 | 1.9 | 486.7 |
| 6 | 香川県 | 320.9 | 四国 | 393.7 | 3.4 | 296.4 |
| 7 | 兵庫県 | 291.4 | 近畿 | 345.9 | 2.0 | 445.4 |
| 8 | 大阪府 | 283.0 | 近畿 | 329.1 | 1.5 | 1311.1 |
| 9 | 岡山県 | 265.9 | 中国 | 303.1 | 3.3 | 160.2 |
| 10 | 徳島県 | 265.3 | 四国 | 318.0 | 4.8 | 130.0 |
| 11 | 宮崎県 | 261.7 | 九州 | 294.9 | 3.8 | 173.9 |
| 12 | 山梨県 | 254.5 | 中部 | 311.9 | 3.5 | 189.3 |
| 13 | 長野県 | 250.1 | 中部 | 305.1 | 2.9 | 104.8 |
| 14 | 山形県 | 243.0 | 東北 | 291.9 | 2.4 | 166.0 |
| 15 | 神奈川県 | 224.9 | 関東 | 262.7 | 1.2 | 846.5 |
| 16 | 埼玉県 | 215.9 | 関東 | 256.2 | 1.5 | 359.2 |
| 17 | 茨城県 | 214.0 | 関東 | 269.1 | 3.3 | 117.1 |
| 18 | 東京都 | 212.3 | 関東 | 235.6 | 1.0 | 1286.7 |
| 19 | 栃木県 | 209.3 | 関東 | 251.6 | 3.2 | 149.6 |
| 20 | 千葉県 | 201.4 | 関東 | 241.5 | 2.1 | 330.1 |
| 21 | 滋賀県 | 199.9 | 近畿 | 246.7 | 2.0 | 220.1 |
| 22 | 沖縄県 | 196.1 | 九州 | 234.0 | 3.0 | 361.0 |
| 23 | 大分県 | 195.9 | 九州 | 244.0 | 2.6 | 120.8 |
| 24 | 青森県 | 195.5 | 東北 | 238.4 | 3.7 | 130.2 |
| 25 | 長崎県 | 193.0 | 九州 | 240.3 | 2.1 | 146.0 |
| 26 | 奈良県 | 190.7 | 近畿 | 231.1 | 1.8 | 203.2 |
| 27 | 鹿児島県 | 187.4 | 九州 | 211.0 | 3.5 | 108.3 |
| 28 | 富山県 | 186.4 | 中部 | 215.8 | 2.2 | 134.7 |
| 29 | 福島県 | 177.1 | 東北 | 217.4 | 2.9 | 74.4 |
| 30 | 熊本県 | 173.5 | 九州 | 217.0 | 3.2 | 127.0 |
| 31 | 北海道 | 173.4 | 北海道 | 206.2 | 2.1 | 100.9 |
| 32 | 宮城県 | 168.4 | 東北 | 205.2 | 2.1 | 158.8 |
| 33 | 山口県 | 168.0 | 中国 | 201.9 | 4.0 | 137.1 |
| 34 | 石川県 | 163.2 | 中部 | 188.3 | 2.7 | 156.1 |
| 35 | 愛媛県 | 162.5 | 四国 | 182.1 | 4.1 | 115.8 |
| 36 | 広島県 | 162.2 | 中国 | 195.4 | 2.5 | 164.6 |
| 37 | 三重県 | 159.2 | 近畿 | 197.5 | 2.7 | 117.3 |
| 38 | 京都府 | 148.6 | 近畿 | 170.0 | 2.1 | 259.1 |
| 39 | 岐阜県 | 148.0 | 中部 | 185.4 | 3.7 | 100.2 |
| 40 | 和歌山県 | 146.5 | 近畿 | 170.3 | 3.9 | 98.0 |
| 41 | 高知県 | 136.9 | 四国 | 153.2 | 3.2 | 68.3 |
| 42 | 福井県 | 130.4 | 中部 | 152.0 | 3.1 | 89.7 |
| 43 | 新潟県 | 127.3 | 中部 | 147.7 | 2.6 | 72.9 |
| 44 | 岩手県 | 121.5 | 東北 | 150.9 | 2.4 | 45.0 |
| 45 | 鳥取県 | 117.1 | 中国 | 135.0 | 2.8 | 73.2 |
| 46 | 秋田県 | 109.4 | 東北 | 130.7 | 3.5 | 48.7 |
| 47 | 島根県 | 107.8 | 中国 | 123.1 | 1.4 | 41.6 |
このグラフについての豆知識
人身事故だけの件数
この記事の数字は、警察が把握した人身事故の件数です。
物損事故は含まれません。
人身事故として処理されるかどうかは、けがの有無や届け出のされ方によって変わります。
県による件数の差には、実際の事故の多さだけでなく、こうした運用のちがいが混じっている可能性があります。
表には死傷者数と死者数も載せているので、あわせて見てください。
件数と死者数は連動しない
人口10万人あたりの交通事故死者数は、最も多い徳島県が4.80人、最も少ない東京都が1.00人。
発生件数の順位とはほとんど重なりません。
一方、死傷者数は発生件数との相関係数がプラス1.00。
ほぼ同じ動きをします。
件数を見るときは、死傷者数ではなく死者数と並べたほうが、別の情報が得られます。
数字は2024年のものです。
順位の並びがにている記事
この人口あたりで見る交通事故の発生件数の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。
いちばん近かったのは【事故でけがをした人】全国34万4,395人、人口あたりでは5.1倍で、順位相関は0.64でした。
最も食い違ったのは【ひとりが使う部屋数】全国1.93室、差は1.52倍(順位相関-0.55)でした。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見た人口10万人あたり交通事故発生件数
| 地方 | 最も多い(件) | 最も少ない(件) |
|---|---|---|
| 東北 | 山形県 243.0 | 秋田県 109.4 |
| 関東 | 群馬県 479.3 | 千葉県 201.4 |
| 中部 | 静岡県 494.5 | 新潟県 127.3 |
| 近畿 | 兵庫県 291.4 | 和歌山県 146.5 |
| 中国 | 岡山県 265.9 | 島根県 107.8 |
| 四国 | 香川県 320.9 | 高知県 136.9 |
| 九州 | 福岡県 362.8 | 熊本県 173.5 |
まとめ
人口10万人あたりの交通事故発生件数を比べると、最も多い静岡県は494.5件、最も少ない島根県は107.8件で、その差は4.59倍でした。
全国は235.0件です。
人口あたりで見る交通事故の発生件数の統計を読むときの注意点は3つです。
1つ目は、警察が把握した人身事故に限り物損事故を含まないこと。
2つ目は、人身事故として処理されるかどうかに運用のちがいがあり得ること。
3つ目は2024年の数字であることです。
発生件数と死者数の相関係数はマイナス0.09。
件数1位の静岡県は死者数では28位、死者数1位の徳島県は件数では17位でした。
この順位を「危ない県・安全な県」と読むのは避けてください。
自家用車で通勤する人の割合や道路実延長を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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- 【事故で亡くなった人】全国2,663人、人口あたりでは4.7倍の差
出典
- 統計名: 統計でみる都道府県のすがた2026
- 調査年: 2024年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?layout=datalist&lid=000001477298&page=1
- 備考: 「統計でみる都道府県のすがた」は社会・人口統計体系から主要な指標を抜き出したもので、元になる統計は指標ごとに異なる。警察が把握した人身事故の件数。物損事故は含まない。件数の多さは道路事情や交通量、通報のされ方など多くの要因が重なった結果で、運転の善し悪しを示すものではない
注記: 「統計でみる都道府県のすがた」は社会・人口統計体系から主要な指標を抜き出したもので、元になる統計は指標ごとに異なる。
警察が把握した人身事故の件数。
物損事故は含まない。
件数の多さは道路事情や交通量、通報のされ方など多くの要因が重なった結果で、運転の善し悪しを示すものではない
