【客室稼働率】全国59.6%、宿泊施設が多い県ほど高いとは限らない

【客室稼働率】全国59.6%、宿泊施設が多い県ほど高いとは限らない

客室稼働率は、宿の部屋がどれだけ埋まっているかを表します。
利用された客室数を、客室数と営業日数を掛けた数で割ったものです。
観光地でも季節によって空きが出るため、年を通して客が来る土地ほど高くなります。

使ったのは観光庁「宿泊旅行統計調査」(令和6年)のデータです。

全国では59.6%。
客室の6割が毎日埋まっている計算になります。
上位と下位では1.90倍の開きがありました。

47都道府県の単純平均

54.8%

客室稼働率(令和6年(2024年)年間値)

最も多い 大阪府

75.4%

最も少ない 長野県

39.6%

地図で見る客室稼働率

客室稼働率(令和6年(2024年)年間値)
客室稼働率(令和6年(2024年)年間値) 宿泊旅行統計調査(観光庁)をもとに作成。単位は%。 北海道 59.8%青森 58%岩手 53.5%宮城 57.6%秋田 48.7%山形 49.3%福島 44.4%茨城 55.1%栃木 53%群馬 44.1%埼玉 62.6%千葉 61.5%東京 75.1%神奈川 61.8%新潟 45.5%富山 54.5%石川 66.8%福井 47.9%山梨 42.8%長野 39.6%岐阜 51.2%静岡 54.6%愛知 66.6%三重 52.4%滋賀 55.1%京都 62.8%大阪 75.4%兵庫 56.9%奈良 46.2%和歌山 42.6%鳥取 50.3%島根 55.5%岡山 58.2%広島 62.6%山口 58.1%徳島 48.6%香川 52.9%愛媛 55.2%高知 46.4%福岡 72.1%佐賀 51.4%長崎 53.4%熊本 56%大分 53.6%宮崎 51.1%鹿児島 52.2%沖縄 54.9%
客室稼働率(%)
客室稼働率(令和6年(2024年)年間値)
項目客室稼働率
北海道59.8%
青森県58%
岩手県53.5%
宮城県57.6%
秋田県48.7%
山形県49.3%
福島県44.4%
茨城県55.1%
栃木県53%
群馬県44.1%
埼玉県62.6%
千葉県61.5%
東京都75.1%
神奈川県61.8%
新潟県45.5%
富山県54.5%
石川県66.8%
福井県47.9%
山梨県42.8%
長野県39.6%
岐阜県51.2%
静岡県54.6%
愛知県66.6%
三重県52.4%
滋賀県55.1%
京都府62.8%
大阪府75.4%
兵庫県56.9%
奈良県46.2%
和歌山県42.6%
鳥取県50.3%
島根県55.5%
岡山県58.2%
広島県62.6%
山口県58.1%
徳島県48.6%
香川県52.9%
愛媛県55.2%
高知県46.4%
福岡県72.1%
佐賀県51.4%
長崎県53.4%
熊本県56%
大分県53.6%
宮崎県51.1%
鹿児島県52.2%
沖縄県54.9%

日本地図で見ると、色が濃く出るのは首都圏と近畿の都市部、福岡県、それに北陸の一部です。
淡いのは信越と北関東、紀伊半島でした。

47都道府県の単純平均は54.8パーセント、中央値は54.5パーセントです。
ほぼ同じ値で、極端に外れた県のないなだらかな分布になっています。

平均を超えたのは22都道府県。
全国値の59.6パーセントより単純平均が低いのは、全国値が客室数の多い都市部の影響を強く受けるためです。

順位都道府県客室稼働率(%)地方定員稼働率宿泊施設の数延べ宿泊者数
1大阪府75.4近畿61.41565.857431520
2東京都75.1関東61.64640.5110347320
3福岡県72.1九州54.11184.523950020
4石川県66.8中部42.81041.311491880
5愛知県66.6中部46.0997.521323270
6京都府62.8近畿44.53969.734210710
7広島県62.6中国43.01096.812072450
7埼玉県62.6関東40.7396.25575920
9神奈川県61.8関東36.11900.026097210
10千葉県61.5関東40.42157.928286610
11北海道59.8北海道38.94868.744628500
12岡山県58.2中国34.5875.65783680
13山口県58.1中国38.6421.23785580
14青森県58.0東北38.5520.34512550
15宮城県57.6東北37.6754.410265630
16兵庫県56.9近畿35.91860.316505660
17熊本県56.0九州34.31271.98079590
18島根県55.5中国32.6695.33444710
19愛媛県55.2四国32.5718.24372780
20茨城県55.1関東30.6824.77270000
20滋賀県55.1近畿32.4676.04897930
22沖縄県54.9九州38.95622.531275600
23静岡県54.6中部33.62866.922995880
24富山県54.5中部27.9432.03759720
25大分県53.6九州34.11429.88328590
26岩手県53.5東北30.3644.05877210
27長崎県53.4九州34.71712.67637820
28栃木県53.0関東31.51545.211677370
29香川県52.9四国33.4806.14746720
30三重県52.4近畿32.71095.28370240
31鹿児島県52.2九州34.51959.68378560
32佐賀県51.4九州29.6383.22344950
33岐阜県51.2中部33.31205.38363880
34宮崎県51.1九州30.3640.03608900
35鳥取県50.3中国29.0599.62599290
36山形県49.3東北25.9765.84877700
37秋田県48.7東北26.2549.63149560
38徳島県48.6四国28.2597.52538210
39福井県47.9中部26.0880.84027250
40高知県46.4四国22.9697.82922020
41奈良県46.2近畿24.6562.42834450
42新潟県45.5中部25.21815.610524240
43福島県44.4東北26.81602.29540070
44群馬県44.1関東24.81509.29751210
45山梨県42.8中部23.51892.89483960
46和歌山県42.6近畿26.71065.95012290
47長野県39.6中部22.54809.220105300
宿泊旅行統計調査(令和6年(2024年)年間値、観光庁)をもとに作成

地方別に見る客室稼働率

地方別の平均(客室稼働率)
地方別の平均(客室稼働率) 宿泊旅行統計調査(令和6年(2024年)年間値) 01020304050北海道: 59.8%59.8%東北: 51.9%51.9%関東: 59%59%中部: 52.2%52.2%近畿: 55.9%55.9%中国: 56.9%56.9%四国: 50.8%50.8%九州: 55.6%55.6%北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(客室稼働率)
項目客室稼働率の平均
北海道59.8%
東北51.9%
関東59%
中部52.2%
近畿55.9%
中国56.9%
四国50.8%
九州55.6%

地方別に平均を出すと、差は小さくまとまります。

最も高いのは北海道の59.8パーセントです。
県の集まりで見ると、関東7都県が平均59.0パーセントで最も高く、中国5県が56.9パーセント、近畿7府県が55.9パーセント、九州8県が55.6パーセントと続きます。

低いほうは中部9県が52.2パーセント、東北6県が51.9パーセント、四国4県が50.8パーセントでした。
関東と四国では1.16倍の差しかありません。

県単位では1.90倍あった開きが、地方単位では1.16倍まで縮みます。
稼働率は都市と観光地が同じ地方に同居するため、平均をとると打ち消しあうということでしょう。

客室稼働率が高い5都府県

上位5都道府県の客室稼働率
上位5都道府県の客室稼働率 宿泊旅行統計調査(令和6年(2024年)年間値) 010203040506070大阪府: 75.4%75.4%東京都: 75.1%75.1%福岡県: 72.1%72.1%石川県: 66.8%66.8%愛知県: 66.6%66.6%大阪府東京都福岡県石川県愛知県
上位5都道府県の客室稼働率
項目客室稼働率
大阪府75.4%
東京都75.1%
福岡県72.1%
石川県66.8%
愛知県66.6%
下位5都道府県の客室稼働率
下位5都道府県の客室稼働率 宿泊旅行統計調査(令和6年(2024年)年間値) 010203040長野県: 39.6%39.6%和歌山県: 42.6%42.6%山梨県: 42.8%42.8%群馬県: 44.1%44.1%福島県: 44.4%44.4%長野県和歌山県山梨県群馬県福島県
下位5都道府県の客室稼働率
項目客室稼働率
長野県39.6%
和歌山県42.6%
山梨県42.8%
群馬県44.1%
福島県44.4%

客室稼働率が高い上位5都府県です。

大阪府は75.4パーセント、東京都は75.1パーセント、福岡県は72.1パーセント、石川県は66.8パーセント、愛知県は66.6パーセントでした。
70パーセントを超えたのは大阪府、東京都、福岡県の3都府県です。

6位以下は京都府、沖縄県、神奈川県と続きます。
上位に並んだのは大都市を抱える都府県が中心でした。

人口との相関係数はプラス0.71、人口密度とはプラス0.66。
人が集まる場所ほど宿がよく埋まっているという関係が出ています。

稼働率が低い県は、泊まる人が少ないのではない

以下は、客室稼働率にこれだけの差がつく理由についての推測です。
統計から確かめられる話ではなく、ほかの指標との突き合わせから考えたものです。

最下位の長野県39.6パーセントを見ると、泊まる人が少ない県のように思えます。
ところが延べ宿泊者数では長野県は2,010万人泊で全国11位。
宿泊施設の数では4,809.2施設で全国3位です。

泊まる人は多い。
宿も多い。
それでも稼働率が低いのは、需要が季節と曜日に偏っているからだと考えられます。
スキー場や避暑地を抱える県では、シーズンには満室でも、閑散期には客室が大きく空きます。
年間平均をとると数字が下がるわけです。
同じ理由で山梨県43.4パーセント、和歌山県43.0パーセント、群馬県44.0パーセントも下位に並びました。
いずれも温泉地や行楽地を持つ県です。

1施設あたりの延べ宿泊者数を見ると、この構図がさらにはっきりします。
大阪府は36,678人泊、東京都は23,779人泊。
対して長野県は4,180人泊でした。
都市部の大型ホテルは平日も出張客で埋まり、通年で回ります。

定員稼働率で見ると差はもっと開きます。
東京都61.6パーセント、大阪府61.4パーセントに対し、長野県22.5パーセント、高知県22.9パーセント、山梨県23.5パーセント。
客室は使われていても、定員いっぱいには埋まっていないということです。
旅館の和室は4人定員でも2人で使うことが多く、この差が出ます。

稼働率は宿の経営効率を測る数字であって、その県が観光地として人気かどうかを測る数字ではありません。
上位と下位で違うのは、人気の有無ではなく需要の平準化の度合いです。

客室稼働率が低い5県

客室稼働率が低い下位5県です。

長野県は39.6パーセント、和歌山県は42.6パーセント、山梨県は42.8パーセント、群馬県は44.1パーセント、福島県は44.4パーセントでした。
大阪府の75.4パーセントとは1.90倍の差があります。

最下位の長野県39.6パーセントは、47都道府県で唯一40パーセントを下回りました。
ただ延べ宿泊者数では11位、宿泊施設の数では3位。
泊まる人が少ない県ではありません。

下位に並んだのは、温泉地や行楽地を抱える県です。
和歌山県には白浜と高野山、山梨県には富士五湖、群馬県には草津と伊香保、福島県には会津と磐梯があります。

45パーセントを下回ったのは長野県、和歌山県、山梨県、群馬県、福島県の5県でした。
いずれも季節による需要の波が大きい地域だと考えられます。

このグラフについての豆知識

客室稼働率と定員稼働率

客室稼働率は、利用された客室数を客室数と営業日数の積で割った値です。
1室に何人泊まったかは問いません。

定員稼働率は、延べ宿泊者数を定員と営業日数の積で割った値です。
全国では39.0パーセントで、客室稼働率の59.6パーセントより20ポイント以上低くなります。

差が出るのは、定員より少ない人数で部屋を使うことが多いためです。
とくに和室は定員が多めに設定されているので、旅館の比率が高い県では定員稼働率が下がります。
この記事の表には両方を載せています。

稼働率は年間平均

この記事の数字は令和6年1月から12月までの年間平均です。
月ごとに見れば、観光地の稼働率は繁忙期に大きく跳ね上がります。

年間平均が低いことは、宿が余っていることを意味しません。
ピーク時には取れない宿も多く、需要の波が大きいというだけです。

数字は令和6年、2024年の年間値です。

順位の並びがにている記事

客室稼働率の順位を、当サイトの全記事の並びと突き合わせてみました。

最も似ていたのは【着工した共同住宅の広さ】全国1,914万m2、実数で220倍(順位相関0.72)です。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【一戸建ての割合】が8割に近い県と3割を切る都、住まいの形は地域でこれほど違う(順位相関-0.72)です。

これは並びが近いというだけで、片方がもう片方を生んでいるという意味ではありません。
地図を2枚ならべてみてください。

地方のなかで見た客室稼働率

地方最も多い(%)最も少ない(%)
東北青森県 58.0福島県 44.4
関東東京都 75.1群馬県 44.1
中部石川県 66.8長野県 39.6
近畿大阪府 75.4和歌山県 42.6
中国広島県 62.6鳥取県 50.3
四国愛媛県 55.2高知県 46.4
九州福岡県 72.1宮崎県 51.1
宿泊旅行統計調査(令和6年(2024年)年間値、観光庁)をもとに作成

まとめ

47都道府県の客室稼働率を比べると、最も高い大阪府は75.4パーセント、最も低い長野県は39.6パーセントで、その差は1.90倍でした。
全国では59.6パーセントです。

客室稼働率の数字を受け取る前に、3つ添えておきます。
1つ目は、客室稼働率が1室に何人泊まったかを問わないこと。
2つ目は、年間平均のため繁忙期の実感とは違うこと。
3つ目は令和6年(2024年)の年間値であることです。

最下位の長野県は、延べ宿泊者数では11位、宿泊施設の数では3位。
泊まる人が少ないから稼働率が低いのではありません。

下位に並んだのは温泉地や行楽地を抱える県で、需要が季節に偏っています。
定員稼働率で見ると東京都61.6パーセントに対し長野県22.5パーセント。
宿泊施設の数や延べ宿泊者数を比べた記事とあわせて読んでみてください。

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出典

  • 統計名: 宿泊旅行統計調査
  • 調査年: 令和6年(2024年)年間値
  • 公開元: 観光庁
  • 参照URL: https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/shukuhakutokei.html
  • 備考: 客室稼働率は利用客室数を客室数と営業日数の積で割った値。定員稼働率は定員に対する延べ宿泊者数の割合

注記: 客室稼働率は利用客室数を客室数と営業日数の積で割った値。
定員稼働率は定員に対する延べ宿泊者数の割合

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