日が差す時間は、上位と下位で1日あたり2時間近い違いがあります。
冬に雪雲がかかるかどうかが大きく効くため、降水量を比べた記事とあわせて読むと、その土地の空模様が見えてきます。
今回は47都道府県の年間日照時間を、気象庁の平年値(1991年から2020年の30年平均)のデータを使って比べました。
47地点の平均は1,916.5時間。
上位と下位では698.4時間、1.46倍の差がありました。
1日あたりにすると2時間近い違いです。
どこに日が差すのか、そして何がその差を作っているのかを見ていきます。
47都道府県の単純平均
1,916.5時間
年間日照時間(1991年〜2020年の30年平均)
最も多い 山梨県
2,225.8時間
最も少ない 秋田県
1,527.4時間
年間日照時間が長い5県
年間日照時間が長い上位5県です。
山梨県は2,225.8時間、高知県は2,159.7時間、群馬県は2,153.7時間、静岡県は2,151.5時間、愛知県は2,141.0時間でした。
1日あたりにすると5.9時間から6.1時間になります。
6位以下は宮崎県2,121.7時間、岐阜県と三重県が2,108.6時間、徳島県2,106.8時間、埼玉県2,106.6時間と続きます。
2,000時間を超えたのは19都府県でした。
上位に並んだのは太平洋側と内陸の県です。
日本海側の県はひとつも入っていません。
日照時間は雨の量では決まらない
数字を並べるところまでが統計の仕事で、ここから先は解釈になります。
1年間に日が差す時間の分布について、ほかの指標と突き合わせて立てた推測を書きます。
事実として確かめたものではありません。
日が差す時間が短いのは雨が多いからだろう、と考えたくなります。
ところが数字はそうなっていません。
年間日照時間と年間降水量の相関係数はマイナス0.07。
ほとんど関係がないという値です。
分かりやすいのは高知県です。
年間降水量は2,666.4ミリで全国1位、それでいて日照時間は2,159.7時間で2位でした。
よく降るけれど、よく晴れる県だということになります。
効いているのは雨の量ではなく、雲が空を覆っている時間のほうです。
年間日照時間と平均雲量の相関係数はマイナス0.93。
ほぼ完全に連動しています。
高知県の平均雲量は6.2で下から2番目、対して日照時間が最下位の秋田県は8.0で全国いちばん多い雲量でした。
同じ量の雨でも、短時間に激しく降ってすぐ晴れるのか、薄い雲が一日中垂れこめるのかで日照時間は変わります。
高知県の雨は台風や梅雨の集中豪雨型、日本海側の冬はどんよりした曇りが続く型です。
実際、1,700時間を下回った8県は青森県、岩手県、秋田県、山形県、新潟県、富山県、福井県、鳥取県。
岩手県を除く7県がすべて日本海に面しています。
日本海側13道府県の平均は1,710.5時間、それ以外の34都県は1,995.3時間で、284.8時間の差がありました。
冬の日本海側に雲が居座るのは、大陸からの冷たい風が日本海の上で水蒸気を含み、山にぶつかって雪雲になるためです。
この雲が、日照時間の地図をそのまま塗り分けているように見えます。
年間日照時間が短い5県
年間日照時間が短い下位5県です。
秋田県は1,527.4時間、青森県は1,589.2時間、山形県は1,617.9時間、新潟県は1,639.6時間、富山県は1,647.2時間でした。
1位の山梨県との差は698.4時間、1.46倍です。
秋田県の1,527.4時間は1日あたり4.2時間ほど。
山梨県の6.1時間と比べると、1日で2時間近く短いことになります。
差の698.4時間は、山梨県の1日ぶんの日照に置き換えると114日ぶんにあたります。
1,700時間を下回った8県のうち、7県が日本海に面しています。
残る1県の岩手県も、内陸に位置して北上高地の西側にあたります。
なお日照時間が短いことは、天気が悪いことと同じではありません。
降水量で見ると秋田県は1,741.6ミリで16位、青森県は1,350.7ミリで34位。
雨や雪の量そのものは、全国のなかで特に多いわけではありませんでした。
地方別に見る年間日照時間
地方別に平均を出すと、太平洋側と日本海側の違いがそのまま出ます。
最も長いのは四国4県の2,081.9時間です。
次いで関東7都県が2,016.1時間、近畿7府県が1,976.3時間、九州8県が1,937.8時間、中部9県が1,916.8時間と続きます。
短いほうは中国5県が1,863.6時間、北海道が1,718.0時間、東北6県が1,668.6時間でした。
最も長い四国と最も短い東北では413.3時間の差があります。
中部9県が中位にとどまるのは、内陸の山梨県2,225.8時間と日本海側の富山県1,647.2時間が同じ地方に同居しているためです。
地方でまとめると、この差が打ち消しあって見えなくなります。
地図で見る年間日照時間
| 項目 | 年間日照時間 |
|---|---|
| 北海道 | 1,718時間 |
| 青森県 | 1,589.2時間 |
| 岩手県 | 1,686.3時間 |
| 宮城県 | 1,836.9時間 |
| 秋田県 | 1,527.4時間 |
| 山形県 | 1,617.9時間 |
| 福島県 | 1,753.8時間 |
| 茨城県 | 2,000.8時間 |
| 栃木県 | 1,961.1時間 |
| 群馬県 | 2,153.7時間 |
| 埼玉県 | 2,106.6時間 |
| 千葉県 | 1,945.5時間 |
| 東京都 | 1,926.7時間 |
| 神奈川県 | 2,018.3時間 |
| 新潟県 | 1,639.6時間 |
| 富山県 | 1,647.2時間 |
| 石川県 | 1,714.1時間 |
| 福井県 | 1,653.7時間 |
| 山梨県 | 2,225.8時間 |
| 長野県 | 1,969.9時間 |
| 岐阜県 | 2,108.6時間 |
| 静岡県 | 2,151.5時間 |
| 愛知県 | 2,141時間 |
| 三重県 | 2,108.6時間 |
| 滋賀県 | 1,863.3時間 |
| 京都府 | 1,794.1時間 |
| 大阪府 | 2,048.6時間 |
| 兵庫県 | 2,083.7時間 |
| 奈良県 | 1,835.8時間 |
| 和歌山県 | 2,100.1時間 |
| 鳥取県 | 1,669.9時間 |
| 島根県 | 1,705.2時間 |
| 岡山県 | 2,033.7時間 |
| 広島県 | 2,033.1時間 |
| 山口県 | 1,875.9時間 |
| 徳島県 | 2,106.8時間 |
| 香川県 | 2,046.5時間 |
| 愛媛県 | 2,014.5時間 |
| 高知県 | 2,159.7時間 |
| 福岡県 | 1,889.4時間 |
| 佐賀県 | 1,970.5時間 |
| 長崎県 | 1,863.1時間 |
| 熊本県 | 1,996.1時間 |
| 大分県 | 1,992.4時間 |
| 宮崎県 | 2,121.7時間 |
| 鹿児島県 | 1,942.1時間 |
| 沖縄県 | 1,727.1時間 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは関東から東海、四国、南九州にかけての太平洋側です。
淡いのは東北の日本海側と北陸、そして山陰でした。
47地点の単純平均は1,916.5時間、中央値は1,961.1時間です。
中央値のほうが44.6時間高いのは、下に大きく外れた県があるためです。
平均を超えたのは27都府県。
上位と下位の差は大きいものの、真ん中あたりは1,900時間台から2,000時間台に密集しています。
| 順位 | 都道府県 | 年間日照時間(時間) | 地方 | 平均雲量 | 年間降水量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 山梨県 | 2225.8 | 中部 | 6.4 | 1160.7 |
| 2 | 高知県 | 2159.7 | 四国 | 6.2 | 2666.4 |
| 3 | 群馬県 | 2153.7 | 関東 | 6.3 | 1247.4 |
| 4 | 静岡県 | 2151.5 | 中部 | 6.6 | 2327.3 |
| 5 | 愛知県 | 2141.0 | 中部 | 6.5 | 1578.9 |
| 6 | 宮崎県 | 2121.7 | 九州 | 6.1 | 2625.5 |
| 7 | 岐阜県 | 2108.6 | 中部 | 6.6 | 1860.7 |
| 7 | 三重県 | 2108.6 | 近畿 | 6.6 | 1612.9 |
| 9 | 徳島県 | 2106.8 | 四国 | 6.5 | 1619.9 |
| 10 | 埼玉県 | 2106.6 | 関東 | 6.4 | 1305.8 |
| 11 | 和歌山県 | 2100.1 | 近畿 | 6.7 | 1414.4 |
| 12 | 兵庫県 | 2083.7 | 近畿 | 6.6 | 1277.8 |
| 13 | 大阪府 | 2048.6 | 近畿 | 6.8 | 1338.3 |
| 14 | 香川県 | 2046.5 | 四国 | 6.6 | 1150.1 |
| 15 | 岡山県 | 2033.7 | 中国 | 6.6 | 1143.1 |
| 16 | 広島県 | 2033.1 | 中国 | 6.6 | 1572.2 |
| 17 | 神奈川県 | 2018.3 | 関東 | 6.7 | 1730.8 |
| 18 | 愛媛県 | 2014.5 | 四国 | 6.6 | 1404.6 |
| 19 | 茨城県 | 2000.8 | 関東 | 6.5 | 1367.7 |
| 20 | 熊本県 | 1996.1 | 九州 | 6.6 | 2007.0 |
| 21 | 大分県 | 1992.4 | 九州 | 6.4 | 1727.0 |
| 22 | 佐賀県 | 1970.5 | 九州 | 6.6 | 1951.3 |
| 23 | 長野県 | 1969.9 | 中部 | 7.1 | 965.1 |
| 24 | 栃木県 | 1961.1 | 関東 | 6.7 | 1524.7 |
| 25 | 千葉県 | 1945.5 | 関東 | 6.6 | 1454.7 |
| 26 | 鹿児島県 | 1942.1 | 九州 | 6.6 | 2434.7 |
| 27 | 東京都 | 1926.7 | 関東 | 6.6 | 1598.2 |
| 28 | 福岡県 | 1889.4 | 九州 | 6.8 | 1686.9 |
| 29 | 山口県 | 1875.9 | 中国 | 6.8 | 1712.3 |
| 30 | 滋賀県 | 1863.3 | 近畿 | 7.3 | 1610.0 |
| 31 | 長崎県 | 1863.1 | 九州 | 6.6 | 1894.7 |
| 32 | 宮城県 | 1836.9 | 東北 | 7.0 | 1276.7 |
| 33 | 奈良県 | 1835.8 | 近畿 | 7.1 | 1365.1 |
| 34 | 京都府 | 1794.1 | 近畿 | 7.0 | 1522.9 |
| 35 | 福島県 | 1753.8 | 東北 | 7.2 | 1207.0 |
| 36 | 沖縄県 | 1727.1 | 九州 | 7.2 | 2161.0 |
| 37 | 北海道 | 1718.0 | 北海道 | 7.4 | 1146.1 |
| 38 | 石川県 | 1714.1 | 中部 | 7.6 | 2401.5 |
| 39 | 島根県 | 1705.2 | 中国 | 7.5 | 1791.9 |
| 40 | 岩手県 | 1686.3 | 東北 | 7.4 | 1279.9 |
| 41 | 鳥取県 | 1669.9 | 中国 | 7.5 | 1931.3 |
| 42 | 福井県 | 1653.7 | 中部 | 7.6 | 2299.6 |
| 43 | 富山県 | 1647.2 | 中部 | 7.6 | 2374.2 |
| 44 | 新潟県 | 1639.6 | 中部 | 7.8 | 1845.9 |
| 45 | 山形県 | 1617.9 | 東北 | 7.7 | 1206.7 |
| 46 | 青森県 | 1589.2 | 東北 | 7.8 | 1350.7 |
| 47 | 秋田県 | 1527.4 | 東北 | 8.0 | 1741.6 |
このグラフについての豆知識
1地点の観測値を県の代表にしている
この記事の数字は、各都道府県の気象台がある1地点の平年値です。
埼玉県は熊谷、滋賀県は彦根、山口県は下関で、それ以外は県庁所在地の観測所を使っています。
県内でも場所によって日照時間は大きく変わります。
とくに山を挟んで太平洋側と日本海側にまたがる県では、県庁所在地の数字が県全体を代表しているとは言いにくくなります。
平年値は1991年から2020年までの30年平均です。
10年ごとに更新されるため、次回の更新では数字が変わります。
日照時間は「直射日光が地面に届いた時間」
日照時間は、直射日光が地面を照らした時間の合計です。
太陽が出ていた時間ではなく、雲にさえぎられずに光が届いた時間を測っています。
測定には日照計を使い、一定以上の強さの直射日光があった時間を積み上げます。
薄い雲を通した明るさは日照時間には入りません。
そのため、緯度が高くて日の長さが短い地域は不利になります。
北海道の1,718.0時間が37位にとどまるのは、雲の多さだけでなく冬の日が短いことも関係しています。
地方のなかで見た年間日照時間
| 地方 | 最も多い(時間) | 最も少ない(時間) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 1836.9 | 秋田県 1527.4 |
| 関東 | 群馬県 2153.7 | 東京都 1926.7 |
| 中部 | 山梨県 2225.8 | 新潟県 1639.6 |
| 近畿 | 三重県 2108.6 | 京都府 1794.1 |
| 中国 | 岡山県 2033.7 | 鳥取県 1669.9 |
| 四国 | 高知県 2159.7 | 愛媛県 2014.5 |
| 九州 | 宮崎県 2121.7 | 沖縄県 1727.1 |
まとめ
47都道府県の年間日照時間を比べると、最も長い山梨県は2,225.8時間、最も短い秋田県は1,527.4時間で、その差は698.4時間、1.46倍でした。
47地点の平均は1,916.5時間です。
1年間に日が差す時間をどう数えているかについて、3つ補っておきます。
1つ目は、各県の気象台がある1地点の数字であること。
2つ目は、日照時間が直射日光が地面に届いた時間であること。
3つ目は1991年から2020年までの30年平均であることです。
日照時間と年間降水量の相関係数はマイナス0.07で、ほとんど関係がありませんでした。
効いているのは雨の量ではなく、雲が空を覆っている時間です。
降水量1位の高知県が日照時間でも2位に入るのが、この違いをよく表しています。
降水量や雪の日数を比べた記事とあわせて読むと、同じ「天気が悪い」の中身が県ごとに違うことが見えてきます。
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出典
- 統計名: 平年値(地点別、地上気象観測)
- 調査年: 1991年〜2020年の30年平均
- 公開元: 気象庁
- 参照URL: https://www.data.jma.go.jp/stats/data/mdrr/normal/index.html
- 備考: 各都道府県の気象台所在地1地点の平年値。埼玉県は熊谷、滋賀県は彦根、山口県は下関、他は県庁所在地。県内の別の地点では数値が大きく異なる場合がある
注記: 各都道府県の気象台所在地1地点の平年値。
埼玉県は熊谷、滋賀県は彦根、山口県は下関、他は県庁所在地。
県内の別の地点では数値が大きく異なる場合がある
