【スポーツをする人の割合】は都市部ほど高いのか、47都道府県の行動者率を比較

【スポーツをする人の割合】は都市部ほど高いのか、47都道府県の行動者率を比較

過去1年間にそのことをした人の割合を、統計では行動者率とよびます。
スポーツをした人がどれくらいいるか、つまりスポーツの行動者率を47都道府県で並べて比べます。

使うのは総務省統計局の社会生活基本調査(令和3年)で、対象は10歳以上の人です。

全国では66.5パーセント、およそ3人に2人が何かしらのスポーツをしていました。
都道府県別に並べると22.4ポイントの開きがあります。

47都道府県の単純平均

63.6%

スポーツの行動者率(令和3年(2021年))

最も多い 東京都

74.5%

最も少ない 青森県

52.1%

スポーツをする人の割合が高い5都県

上位5都道府県のスポーツの行動者率
上位5都道府県のスポーツの行動者率 社会生活基本調査(都道府県、スポーツの種類別行動者率)(令和3年(2021年)) 010203040506070東京都: 74.5%74.5%神奈川県: 71.8%71.8%埼玉県: 69.3%69.3%愛知県: 68.8%68.8%千葉県: 67.4%67.4%東京都神奈川県埼玉県愛知県千葉県
上位5都道府県のスポーツの行動者率
項目スポーツの行動者率
東京都74.5%
神奈川県71.8%
埼玉県69.3%
愛知県68.8%
千葉県67.4%
下位5都道府県のスポーツの行動者率
下位5都道府県のスポーツの行動者率 社会生活基本調査(都道府県、スポーツの種類別行動者率)(令和3年(2021年)) 01020304050青森県: 52.1%52.1%秋田県: 57.1%57.1%長崎県: 57.8%57.8%山形県: 58.4%58.4%新潟県: 59%59%青森県秋田県長崎県山形県新潟県
下位5都道府県のスポーツの行動者率
項目スポーツの行動者率
青森県52.1%
秋田県57.1%
長崎県57.8%
山形県58.4%
新潟県59%

スポーツの行動者率が高い上位5都県です。

東京都は74.5パーセント、神奈川県は71.8パーセント、埼玉県は69.3パーセント、愛知県は68.8パーセント、千葉県は67.4パーセントでした。
上位5都県のうち4つが首都圏で、残る1つも中京圏の愛知県です。

70パーセントを超えたのは東京都と神奈川県の2都県だけでした。
6位以下は滋賀県の67.2パーセント、群馬県・京都府・福岡県がそろって67.0パーセントと続きます。

上位に大都市が並ぶという結果は、少し意外に感じるかもしれません。
運動する場所そのものは、地方のほうが多そうにも思えるからです。

順位を決めているのはウォーキングだった

なぜこういう並びになるのか、ここからは考えてみます。
以下は何らかのスポーツをする人の割合の統計から直接読み取れることではなく、別の数字と照らして立てた推測です。

順位を決めているのは、実はウォーキングでした。

この調査では「ウォーキング・軽い体操」もスポーツの一種として集計されます。
全国の行動者率は44.3パーセントで、スポーツ全体の66.5パーセントの3分の2にあたります。

都道府県別に、スポーツ全体の行動者率とウォーキングの行動者率を並べると相関係数は0.97でした。
ほぼ同じ順位です。
ウォーキングも1位は東京都の52.3パーセント、最下位は青森県の32.0パーセントでした。

さらに、スポーツ全体からウォーキングを引いた差を県ごとに見ると、東京都は22.2ポイント、山形県は22.2ポイント、青森県は20.1ポイントと、どの県もおおむね20から24ポイントの範囲に収まります。
ウォーキング以外の部分では県ごとの差がほとんどないということです。
つまり22.4ポイントという全体の開きは、その大半がウォーキングの差から生まれています。

では、なぜ都市部でウォーキングをする人が多いのでしょうか。
駅まで歩く、乗り換えで歩くといった日常の移動が、そのまま「歩く習慣」として意識されやすいからだと考えられます。

1世帯あたりの乗用車保有台数を比べた記事では、最も少ないのが東京都の0.408台でした。
逆に多いのは福井県の1.661台、山形県の1.616台、富山県の1.604台です。
この3県のスポーツの行動者率は福井県34位、山形県44位、富山県39位。
車が生活の足になっている県ほど、歩く機会は減っていきます。

スポーツの行動者率の順位は、運動熱心さというより移動手段の違いを映しているのかもしれません。

スポーツをする人の割合が低い5県

スポーツの行動者率が低い下位5県です。

青森県は52.1パーセント、秋田県は57.1パーセント、長崎県は57.8パーセント、山形県は58.4パーセント、新潟県は59.0パーセントでした。
1位の東京都との差は22.4ポイント、倍率にして1.43倍です。

最下位の青森県だけが50パーセント台前半で、46位の秋田県とも5.0ポイント離れています。
下位のなかでもさらに離れた位置にありました。

60パーセントを下回ったのは10県です。
うち5県が東北で、東北6県のうち宮城県だけが60パーセントを超えました。
仙台市を抱える宮城県は64.4パーセントで20位です。

雪の多い地域が下位に集まっているようにも見えますが、同じ日本海側でも石川県は63.4パーセント、福井県は61.5パーセントと60パーセント台です。
雪だけでは説明しきれません。

地方別に見るスポーツの行動者率

地方別の平均(スポーツの行動者率)
地方別の平均(スポーツの行動者率) 社会生活基本調査(都道府県、スポーツの種類別行動者率)(令和3年(2021年)) 0102030405060北海道: 62.2%62.2%東北: 58.4%58.4%関東: 68.3%68.3%中部: 63.2%63.2%近畿: 65.1%65.1%中国: 63.2%63.2%四国: 61.5%61.5%九州: 64%64%北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(スポーツの行動者率)
項目スポーツの行動者率の平均
北海道62.2%
東北58.4%
関東68.3%
中部63.2%
近畿65.1%
中国63.2%
四国61.5%
九州64%

地方別に平均を出すと、都市部を多く含む地域が上位に来ました。

最も高いのは関東7都県の68.3パーセントです。
次いで近畿7府県が65.1パーセント、九州8県が64.1パーセント、中部9県が63.2パーセント、中国5県が63.2パーセントと続きます。

低いほうは北海道が62.2パーセント、四国4県が61.5パーセント、東北6県が58.4パーセントでした。
関東と東北では9.9ポイントの差があります。

関東7都県のうち5都県が全国10位以内に入っており、地方平均を押し上げています。
逆に東北は宮城県を除く5県がすべて40位以下でした。

地図で見るスポーツの行動者率

スポーツの行動者率(令和3年(2021年))
スポーツの行動者率(令和3年(2021年)) 社会生活基本調査(都道府県、スポーツの種類別行動者率)(総務省統計局)をもとに作成。単位は%。 北海道 62.2%青森 52.1%岩手 59.1%宮城 64.4%秋田 57.1%山形 58.4%福島 59.5%茨城 65.8%栃木 62.6%群馬 67%埼玉 69.3%千葉 67.4%東京 74.5%神奈川 71.8%新潟 59%富山 59.7%石川 63.4%福井 61.5%山梨 62.2%長野 64%岐阜 64.1%静岡 66.3%愛知 68.8%三重 64.3%滋賀 67.2%京都 67%大阪 66.1%兵庫 66.4%奈良 64.8%和歌山 59.8%鳥取 61.2%島根 61.4%岡山 64.8%広島 65.3%山口 63.2%徳島 60.9%香川 61.8%愛媛 64%高知 59.4%福岡 67%佐賀 62.8%長崎 57.8%熊本 66.6%大分 63.1%宮崎 65.8%鹿児島 63.5%沖縄 65.8%
スポーツの行動者率(%)
スポーツの行動者率(令和3年(2021年))
項目スポーツの行動者率
北海道62.2%
青森県52.1%
岩手県59.1%
宮城県64.4%
秋田県57.1%
山形県58.4%
福島県59.5%
茨城県65.8%
栃木県62.6%
群馬県67%
埼玉県69.3%
千葉県67.4%
東京都74.5%
神奈川県71.8%
新潟県59%
富山県59.7%
石川県63.4%
福井県61.5%
山梨県62.2%
長野県64%
岐阜県64.1%
静岡県66.3%
愛知県68.8%
三重県64.3%
滋賀県67.2%
京都府67%
大阪府66.1%
兵庫県66.4%
奈良県64.8%
和歌山県59.8%
鳥取県61.2%
島根県61.4%
岡山県64.8%
広島県65.3%
山口県63.2%
徳島県60.9%
香川県61.8%
愛媛県64%
高知県59.4%
福岡県67%
佐賀県62.8%
長崎県57.8%
熊本県66.6%
大分県63.1%
宮崎県65.8%
鹿児島県63.5%
沖縄県65.8%

日本地図で見ると、色が濃く出るのは関東と近畿、東海の都市部です。
淡いのは東北と北陸、そして九州の一部でした。

47都道府県の単純平均は63.6パーセント、中央値は64.0パーセントです。
全国値の66.5パーセントより低いのは、全国値が人口の多い都市部の影響を強く受けるためです。

平均を超えたのは24都府県。
ちょうど半分ずつに分かれる、なだらかな分布になっています。

順位都道府県スポーツの行動者率(%)地方ウォーキング・軽い体操の行動者率
1東京都74.5関東52.3
2神奈川県71.8関東49.3
3埼玉県69.3関東47.4
4愛知県68.8中部44.4
5千葉県67.4関東46.9
6滋賀県67.2近畿44.2
7京都府67近畿45
7群馬県67関東45.8
7福岡県67九州45.7
10熊本県66.6九州44.3
11兵庫県66.4近畿43.9
12静岡県66.3中部44.8
13大阪府66.1近畿44.8
14茨城県65.8関東45.2
14沖縄県65.8九州42
14宮崎県65.8九州42.4
17広島県65.3中国42.2
18岡山県64.8中国42.6
18奈良県64.8近畿41.2
20宮城県64.4東北40.9
21三重県64.3近畿42.9
22岐阜県64.1中部41.1
23愛媛県64四国42.2
23長野県64中部40.7
25鹿児島県63.5九州42.4
26石川県63.4中部40.2
27山口県63.2中国41.2
28大分県63.1九州40.7
29佐賀県62.8九州38.6
30栃木県62.6関東39.7
31山梨県62.2中部40.2
31北海道62.2北海道40.6
33香川県61.8四国39.6
34福井県61.5中部38.8
35島根県61.4中国37.3
36鳥取県61.2中国37.2
37徳島県60.9四国39.6
38和歌山県59.8近畿38.2
39富山県59.7中部37.2
40福島県59.5東北37.4
41高知県59.4四国36.9
42岩手県59.1東北35.8
43新潟県59中部37
44山形県58.4東北36.2
45長崎県57.8九州37
46秋田県57.1東北35.7
47青森県52.1東北32
社会生活基本調査(都道府県、スポーツの種類別行動者率)(令和3年(2021年)、総務省統計局)をもとに作成

このグラフについての豆知識

この調査の「スポーツ」はかなり広い

社会生活基本調査のスポーツには、野球やサッカーだけでなく、ウォーキング・軽い体操、つり、登山・ハイキング、サイクリングなども含まれます。
過去1年間に1回でも行えば行動者として数えられます。

全国の行動者率66.5パーセントという数字が高く感じられるのは、この定義の広さによるものです。
週に何回運動しているかを聞いた調査とは、別物だと考えたほうがよいでしょう。

ちなみに前回の平成28年調査では68.8パーセントで、令和3年は2.3ポイント下がっています。
調査時期が新型コロナウイルスの影響下にあったことも関係していそうです。

種目を絞ると順位はまったく変わる

スポーツ全体では都市部が上位に来ますが、種目を絞ると景色が変わります。

つりの行動者率は広島県が12.2パーセントで1位、東京都は5.0パーセントで最下位でした。
全体では1位の東京都が、つりでは47位です。
逆に、つりで1位の広島県は全体では17位でした。

登山・ハイキングでは東京都と兵庫県が9.8パーセントで並び、沖縄県が2.4パーセントで最下位です。
同じ「スポーツ」でも、何を数えるかで上位の顔ぶれは入れ替わります。

順位の並びがにている記事

何らかのスポーツをする人の割合の47都道府県の並びを、ほかの記事の並びと総当たりで比べました。

0.87という高い相関を示したのが【日本人の人口・10年推移】ふえたのは2都県のみ、ほかは軒並み下落でした。
正反対だったのは【高齢者の割合】を47都道府県で比較すると地域差は16.8ポイントで、相関は-0.83です。

これは並びが近いというだけで、片方がもう片方を生んでいるという意味ではありません。
地図を2枚ならべてみてください。

地方のなかで見たスポーツの行動者率

地方最も多い(%)最も少ない(%)
東北宮城県 64.4青森県 52.1
関東東京都 74.5栃木県 62.6
中部愛知県 68.8新潟県 59
近畿滋賀県 67.2和歌山県 59.8
中国広島県 65.3鳥取県 61.2
四国愛媛県 64高知県 59.4
九州福岡県 67長崎県 57.8
社会生活基本調査(都道府県、スポーツの種類別行動者率)(令和3年(2021年)、総務省統計局)をもとに作成

まとめ

47都道府県のスポーツの行動者率を比べると、最も高い東京都は74.5パーセント、最も低い青森県は52.1パーセントで、その差は22.4ポイントでした。
全国では66.5パーセントです。

ここまでの何らかのスポーツをする人の割合の数字には、注意点が3つあります。
1つ目は、この調査のスポーツにウォーキングや軽い体操が含まれること。
2つ目は、過去1年間に1回でも行えば行動者に数えられること。
3つ目は令和3年(2021年)の調査であることです。

順位の開きは、その大半がウォーキングの差から生まれていました。
スポーツ全体とウォーキングの相関係数は0.97です。

都市部が上位に来るのは、運動熱心だからというより日常的に歩く距離が長いからだと考えられます。
つりや登山など、種目別のランキングとあわせて読むとこの数字の性格がよく分かります。

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出典

  • 統計名: 社会生活基本調査(都道府県、スポーツの種類別行動者率)
  • 調査年: 令和3年(2021年)
  • 公開元: 総務省統計局
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032262820
  • 備考: 10歳以上の人のうち、過去1年間に何らかのスポーツをした人の割合。ウォーキングや軽い体操も含まれる

注記: 10歳以上の人のうち、過去1年間に何らかのスポーツをした人の割合。
ウォーキングや軽い体操も含まれる

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