新しく建てられる貸家は、どこに多いのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系、2024年の数字。
全国35万7,074戸のうち、東京都が68,676戸で1位。
最も少ない県との差は136.8倍にもなります。
47都道府県の単純平均
7,597戸
着工新設貸家数(2024年)
最も多い 東京都
68,676戸
最も少ない 高知県
502戸
新築の貸家が多い5都府県
新築の貸家が多い上位5都府県です。
東京都は68,676戸、大阪府は39,949戸、神奈川県は26,852戸でした。
東京都は2位の大阪府の1.72倍です。
4位以下は愛知県、福岡県と続き、上位5都府県で全国の49.5パーセント。
上位3都府県で37.9パーセント、上位10都道府県で71.0パーセントでした。
東京都1都で19.2パーセント。
新築住宅全体の15.9パーセントより高く、貸家のほうが都市に集中していることが分かります。
最多と最少で136.8倍という大きな開きです
以下は、着工新設貸家数にこれだけの差がつく理由についての推測です。
統計から確かめられる話ではなく、ほかの指標との突き合わせから考えたものです。
人口10万人あたりで割り直しても、東京都が1位です。
1位は東京都の484.38戸、2位は大阪府456.2戸、3位は熊本県452.68戸。
逆に人口あたりの下位は秋田県83.17戸、高知県76.52戸。
東京都と高知県では6.3倍の開きです。
貸家が建つのは、これから借りる人が見込める場所です。
進学や就職で人が入ってくる都市では需要が続き、人口が減る県では新しい貸家を建てる理由が乏しくなります。
新築住宅全体と比べると、この統計は人の動きにより敏感だと言えます。
持ち家はそこに住み続ける人のために建ちますが、貸家はこれから来る人のために建つからです。
熊本県が3位に入るのは、新築住宅全体でも2位だったことと重なります。
人が動いている土地では、持ち家も貸家も同時に増えるということかもしれません。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、北海道が362.7戸で最も多く、四国4県が129.2戸で最も少なくなります。
関東7都県335.5戸と九州・沖縄8県326.3戸がそれに続きました。
実数で見ると順位は変わる
新築の貸家が少ない5県
新築の貸家が少ない下位5県です。
高知県は502戸、徳島県は624戸、秋田県は746戸でした。
東京都の68,676戸とは136.8倍の差があります。
新築住宅全体では61.4倍だった開きが、貸家では136.8倍に広がります。
持ち家は全国どこでも建ちますが、貸家は借り手のいる場所にしか建たないためでしょう。
47都道府県の中央値は2,626戸。
平均は7,597.3戸なので、平均が中央値の2.9倍もあります。
地方別に見る
貸家は、これから借りる人がいる場所に建ちます。
地方別に合計を出すと、関東7都県が全国の40.9パーセントで最も大きくなります。
次いで近畿7府県が19.2パーセント、九州・沖縄8県が12.7パーセント、中部9県が11.4パーセントと続きました。
少ないほうは東北6県が5.2パーセント、北海道が5.1パーセント、中国5県が4.1パーセント、四国4県が1.3パーセントでした。
人口10万人あたりの平均で見ると並びが変わります。
北海道が362.7戸、関東7都県が335.5戸、九州・沖縄8県が326.3戸の順に多く、最も少ないのは四国4県が129.2戸です。
地図で見る
| 項目 | 着工新設貸家数 |
|---|---|
| 北海道 | 18,289戸 |
| 青森県 | 1,240戸 |
| 岩手県 | 2,613戸 |
| 宮城県 | 9,566戸 |
| 秋田県 | 746戸 |
| 山形県 | 1,679戸 |
| 福島県 | 2,626戸 |
| 茨城県 | 5,177戸 |
| 栃木県 | 2,555戸 |
| 群馬県 | 3,082戸 |
| 埼玉県 | 20,960戸 |
| 千葉県 | 18,855戸 |
| 東京都 | 68,676戸 |
| 神奈川県 | 26,852戸 |
| 新潟県 | 2,572戸 |
| 富山県 | 2,147戸 |
| 石川県 | 1,668戸 |
| 福井県 | 954戸 |
| 山梨県 | 867戸 |
| 長野県 | 3,144戸 |
| 岐阜県 | 2,817戸 |
| 静岡県 | 6,303戸 |
| 愛知県 | 20,162戸 |
| 三重県 | 2,501戸 |
| 滋賀県 | 3,818戸 |
| 京都府 | 8,525戸 |
| 大阪府 | 39,949戸 |
| 兵庫県 | 10,639戸 |
| 奈良県 | 1,893戸 |
| 和歌山県 | 1,390戸 |
| 鳥取県 | 886戸 |
| 島根県 | 968戸 |
| 岡山県 | 3,389戸 |
| 広島県 | 7,365戸 |
| 山口県 | 2,127戸 |
| 徳島県 | 624戸 |
| 香川県 | 1,719戸 |
| 愛媛県 | 1,721戸 |
| 高知県 | 502戸 |
| 福岡県 | 19,566戸 |
| 佐賀県 | 1,775戸 |
| 長崎県 | 3,063戸 |
| 熊本県 | 7,682戸 |
| 大分県 | 2,537戸 |
| 宮崎県 | 2,603戸 |
| 鹿児島県 | 2,942戸 |
| 沖縄県 | 5,340戸 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都、大阪府、神奈川県、愛知県、福岡県です。
淡いのは高知県、徳島県、秋田県でした。
47都道府県の平均は7,597.3戸、中央値は2,626戸です。
東京都の68,676戸は平均の9.0倍にあたります。
上位3都府県で37.9パーセント、1位と47位で136.8倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 着工新設貸家数(戸) | 地方 | 人口10万人あたりの着工新設貸家数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 68676 | 関東 | 484.38 |
| 2 | 大阪府 | 39949 | 近畿 | 456.20 |
| 3 | 神奈川県 | 26852 | 関東 | 291.08 |
| 4 | 埼玉県 | 20960 | 関東 | 285.87 |
| 5 | 愛知県 | 20162 | 中部 | 270.27 |
| 6 | 福岡県 | 19566 | 九州 | 384.25 |
| 7 | 千葉県 | 18855 | 関東 | 301.63 |
| 8 | 北海道 | 18289 | 北海道 | 362.66 |
| 9 | 兵庫県 | 10639 | 近畿 | 199.34 |
| 10 | 宮城県 | 9566 | 東北 | 425.53 |
| 11 | 京都府 | 8525 | 近畿 | 338.29 |
| 12 | 熊本県 | 7682 | 九州 | 452.68 |
| 13 | 広島県 | 7365 | 中国 | 271.37 |
| 14 | 静岡県 | 6303 | 中部 | 178.71 |
| 15 | 沖縄県 | 5340 | 九州 | 364.26 |
| 16 | 茨城県 | 5177 | 関東 | 184.50 |
| 17 | 滋賀県 | 3818 | 近畿 | 272.33 |
| 18 | 岡山県 | 3389 | 中国 | 185.09 |
| 19 | 長野県 | 3144 | 中部 | 158.23 |
| 20 | 群馬県 | 3082 | 関東 | 163.07 |
| 21 | 長崎県 | 3063 | 九州 | 244.65 |
| 22 | 鹿児島県 | 2942 | 九州 | 192.04 |
| 23 | 岐阜県 | 2817 | 中部 | 147.03 |
| 24 | 福島県 | 2626 | 東北 | 150.66 |
| 25 | 岩手県 | 2613 | 東北 | 228.21 |
| 26 | 宮崎県 | 2603 | 九州 | 251.98 |
| 27 | 新潟県 | 2572 | 中部 | 122.53 |
| 28 | 栃木県 | 2555 | 関東 | 135.54 |
| 29 | 大分県 | 2537 | 九州 | 233.82 |
| 30 | 三重県 | 2501 | 近畿 | 146.17 |
| 31 | 富山県 | 2147 | 中部 | 215.35 |
| 32 | 山口県 | 2127 | 中国 | 166.04 |
| 33 | 奈良県 | 1893 | 近畿 | 147.32 |
| 34 | 佐賀県 | 1775 | 九州 | 225.25 |
| 35 | 愛媛県 | 1721 | 四国 | 134.87 |
| 36 | 香川県 | 1719 | 四国 | 187.46 |
| 37 | 山形県 | 1679 | 東北 | 166.07 |
| 38 | 石川県 | 1668 | 中部 | 151.91 |
| 39 | 和歌山県 | 1390 | 近畿 | 157.95 |
| 40 | 青森県 | 1240 | 東北 | 106.44 |
| 41 | 島根県 | 968 | 中国 | 150.78 |
| 42 | 福井県 | 954 | 中部 | 129.09 |
| 43 | 鳥取県 | 886 | 中国 | 166.85 |
| 44 | 山梨県 | 867 | 中部 | 109.61 |
| 45 | 秋田県 | 746 | 東北 | 83.17 |
| 46 | 徳島県 | 624 | 四国 | 91.09 |
| 47 | 高知県 | 502 | 四国 | 76.52 |
このグラフについての豆知識
貸家と持ち家で違う分布
新築住宅全体では1位と47位の差が61.4倍。
ところが貸家に限ると136.8倍まで広がります。
持ち家はその土地に住む人のために建ちますが、貸家はこれから借りる人がいて初めて成り立ちます。
人の流入がある都市とそうでない県で、差がはっきり出る統計です。
全国35万7,074戸
新築住宅81万6,388戸のうち、貸家は35万7,074戸。
おおまかに4割強にあたります。
残りは持ち家と分譲住宅、給与住宅です。
数字は2024年のものです。
10年前とくらべると
全国の着工新設貸家数は、2014年の358,340戸から2024年の357,074戸へ、この10年でほとんど変わっていません。
東京都は2014年から1位を守っています。
県別では熊本県の62%増が最大です。
順位の並びがにている記事
着工新設貸家数の順位を、当サイトの全記事の並びと突き合わせてみました。
最も似ていたのは【着工した貸家の広さ】全国1,622万m2、1位で2割弱(順位相関0.98)です。
正反対だったのは【ひとりが使う部屋数】全国1.93室、差は1.52倍で、相関は-0.78です。
相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。
地方のなかで見た着工新設貸家数
| 地方 | 最も多い(戸) | 最も少ない(戸) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 9566 | 秋田県 746 |
| 関東 | 東京都 68676 | 栃木県 2555 |
| 中部 | 愛知県 20162 | 山梨県 867 |
| 近畿 | 大阪府 39949 | 和歌山県 1390 |
| 中国 | 広島県 7365 | 鳥取県 886 |
| 四国 | 愛媛県 1721 | 高知県 502 |
| 九州 | 福岡県 19566 | 佐賀県 1775 |
まとめ
新築の貸家の数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で68,676戸、最も少ない高知県で502戸でした。
最多と最少で136.8倍の開きがあります。
着工新設貸家数の順位を見るときは、次の3点をあわせて見てください。
1つ目は、1年間に着工した戸数であること。
2つ目は、持ち家や分譲住宅は含まれないこと。
3つ目は2024年の数字であることです。
人口10万人あたりでも東京都が484.38戸で1位。
3位には熊本県が入り、新築住宅全体と似た顔ぶれになりました。
地方別に合計を出すと関東7都県が全国の40.9パーセントで最多、人口10万人あたりでは北海道が362.7戸で最多でした。
新築住宅の着工戸数や民営借家の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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- 【共同住宅の数】全国2,497万戸、実数でも人口あたりでも同じ都が首位
- 【家賃の平均】を47都道府県で比べると全国平均を上回るのは4都県だけ
- 【着工建築物の数】全国48万7,774棟、1年で建った建物の数です
- 【建築中の住宅】全国9万5,600戸、ある一日の姿
出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2024年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードH1802(着工新設貸家数)の2024年の値。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードH1802(着工新設貸家数)の2024年の値。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
