消防署とは別に、地域の人が本業のかたわら消火や災害対応にあたるしくみがあります。
それが消防団で、地区ごとに分団という単位に分かれています。
常勤の消防署が届きにくい場所を支えてきた組織です。
使ったのは総務省統計局「社会・人口統計体系」(2024年)のデータです。
全国24,035団のうち、兵庫県が1,263団で1位、北海道が1,255団で2位。
差は8団しかありません。
人口あたりで見ると、まったく違う顔ぶれが出てきます。
47都道府県の単純平均
511団
消防団・分団の数(2024年)
最も多い 兵庫県
1,263団
最も少ない 沖縄県
160団
消防団・分団が多い5都道県
消防団・分団が多い上位5都道県です。
兵庫県は1,263団、北海道は1,255団、茨城県は1,001団、愛知県は921団、東京都は819団でした。
兵庫県と北海道の差は8団、倍率にして1.01倍しかありません。
6位以下は青森県815団、千葉県811団、福岡県790団と続きます。
上位3道県で全国の14.6パーセント、上位5都道県で21.9パーセント、上位10都道県で37.6パーセント。
1位のシェアは5.3パーセントにとどまります。
人口あたりでは青森県が東京都の12倍あります
なぜこういう並びになるのか、ここからは考えてみます。
以下は消防団・分団の数の統計から直接読み取れることではなく、別の数字と照らして立てた推測です。
人口10万人あたりで割り直すと、順位が大きく入れ替わります。
1位は青森県の70.0団、2位は徳島県65.1団、3位は長崎県52.4団。
4位は島根県51.9団、5位は高知県45.4団と続きます。
逆に人口あたりの下位は大阪府5.1団、東京都5.8団、神奈川県6.3団、埼玉県9.3団。
青森県と大阪府では13.7倍、東京都とは12.1倍の開きです。
実数5位の東京都は人口あたりでは46位、実数1位の兵庫県も人口あたりでは中位に沈みます。
実数2位の北海道は29位でした。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、四国4県が41.9団で最も多く、関東7都県が15.8団で最も少なくなります。
東北6県40.6団、中国5県34.7団と続きました。
消防団は市町村ごとに置かれ、集落単位で分団を持つことが多いとされます。
人が散らばって住んでいる土地ほど団や分団の数が必要になると考えられます。
実数で見ると順位は変わる
消防団・分団が少ない5県
消防団・分団が少ない下位5県です。
沖縄県は160団、宮崎県は164団、佐賀県は217団、鳥取県は241団、滋賀県は242団でした。
兵庫県の1,263団とは7.9倍の差があります。
宮崎県が下位に入るのは意外かもしれません。
同じ九州の福岡県は790団で8位、鹿児島県も上位に近い位置です。
九州のなかでも大きく分かれます。
47都道府県の中央値は459団。
平均は511.4団なので、平均が中央値の1.1倍にとどまります。
地方別に見る
地方別に合計を出すと、関東が最も大きくなります。
関東7都県が全国の19.4パーセント、中部9県が18.1パーセント、九州・沖縄8県が15.5パーセント、近畿7府県が14.8パーセントと続きます。
少ないほうは東北6県が13.0パーセント、中国5県が8.3パーセント、四国4県が5.7パーセント、北海道が5.2パーセントでした。
上位4地方が14パーセントから20パーセントに収まり、地方どうしの差が小さい指標です。
人口10万人あたりの平均で見ると順番はほぼ逆になります。
四国4県が41.9団で1位、東北6県が40.6団で2位、中国5県が34.7団で3位。
関東7都県は15.8団で最下位、近畿7府県も22.2団で下から3番目でした。
地図で見る
| 項目 | 消防団・分団の数 |
|---|---|
| 北海道 | 1,255団 |
| 青森県 | 815団 |
| 岩手県 | 461団 |
| 宮城県 | 517団 |
| 秋田県 | 350団 |
| 山形県 | 358団 |
| 福島県 | 623団 |
| 茨城県 | 1,001団 |
| 栃木県 | 311団 |
| 群馬県 | 458団 |
| 埼玉県 | 684団 |
| 千葉県 | 811団 |
| 東京都 | 819団 |
| 神奈川県 | 581団 |
| 新潟県 | 566団 |
| 富山県 | 332団 |
| 石川県 | 273団 |
| 福井県 | 254団 |
| 山梨県 | 243団 |
| 長野県 | 664団 |
| 岐阜県 | 504団 |
| 静岡県 | 597団 |
| 愛知県 | 921団 |
| 三重県 | 461団 |
| 滋賀県 | 242団 |
| 京都府 | 459団 |
| 大阪府 | 447団 |
| 兵庫県 | 1,263団 |
| 奈良県 | 340団 |
| 和歌山県 | 335団 |
| 鳥取県 | 241団 |
| 島根県 | 333団 |
| 岡山県 | 464団 |
| 広島県 | 561団 |
| 山口県 | 389団 |
| 徳島県 | 446団 |
| 香川県 | 252団 |
| 愛媛県 | 378団 |
| 高知県 | 298団 |
| 福岡県 | 790団 |
| 佐賀県 | 217団 |
| 長崎県 | 656団 |
| 熊本県 | 633団 |
| 大分県 | 435団 |
| 宮崎県 | 164団 |
| 鹿児島県 | 673団 |
| 沖縄県 | 160団 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは兵庫県、北海道、茨城県、愛知県、東京都です。
ただし全体に色の差は小さく、のっぺりした地図になります。
淡いのは沖縄県、宮崎県、佐賀県、鳥取県、滋賀県でした。
47都道府県の平均は511.4団、中央値は459団です。
兵庫県の1,263団は平均の2.5倍にあたります。
上位3道県で14.6パーセント、1位と47位で7.9倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 消防団・分団の数(団) | 地方 | 人口10万人あたりの消防団・分団の数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 兵庫県 | 1263 | 近畿 | 23.66 |
| 2 | 北海道 | 1255 | 北海道 | 24.89 |
| 3 | 茨城県 | 1001 | 関東 | 35.67 |
| 4 | 愛知県 | 921 | 中部 | 12.35 |
| 5 | 東京都 | 819 | 関東 | 5.78 |
| 6 | 青森県 | 815 | 東北 | 69.96 |
| 7 | 千葉県 | 811 | 関東 | 12.97 |
| 8 | 福岡県 | 790 | 九州 | 15.51 |
| 9 | 埼玉県 | 684 | 関東 | 9.33 |
| 10 | 鹿児島県 | 673 | 九州 | 43.93 |
| 11 | 長野県 | 664 | 中部 | 33.42 |
| 12 | 長崎県 | 656 | 九州 | 52.4 |
| 13 | 熊本県 | 633 | 九州 | 37.3 |
| 14 | 福島県 | 623 | 東北 | 35.74 |
| 15 | 静岡県 | 597 | 中部 | 16.93 |
| 16 | 神奈川県 | 581 | 関東 | 6.3 |
| 17 | 新潟県 | 566 | 中部 | 26.97 |
| 18 | 広島県 | 561 | 中国 | 20.67 |
| 19 | 宮城県 | 517 | 東北 | 23.0 |
| 20 | 岐阜県 | 504 | 中部 | 26.3 |
| 21 | 岡山県 | 464 | 中国 | 25.34 |
| 22 | 岩手県 | 461 | 東北 | 40.26 |
| 22 | 三重県 | 461 | 近畿 | 26.94 |
| 24 | 京都府 | 459 | 近畿 | 18.21 |
| 25 | 群馬県 | 458 | 関東 | 24.23 |
| 26 | 大阪府 | 447 | 近畿 | 5.1 |
| 27 | 徳島県 | 446 | 四国 | 65.11 |
| 28 | 大分県 | 435 | 九州 | 40.09 |
| 29 | 山口県 | 389 | 中国 | 30.37 |
| 30 | 愛媛県 | 378 | 四国 | 29.62 |
| 31 | 山形県 | 358 | 東北 | 35.41 |
| 32 | 秋田県 | 350 | 東北 | 39.02 |
| 33 | 奈良県 | 340 | 近畿 | 26.46 |
| 34 | 和歌山県 | 335 | 近畿 | 38.07 |
| 35 | 島根県 | 333 | 中国 | 51.87 |
| 36 | 富山県 | 332 | 中部 | 33.3 |
| 37 | 栃木県 | 311 | 関東 | 16.5 |
| 38 | 高知県 | 298 | 四国 | 45.43 |
| 39 | 石川県 | 273 | 中部 | 24.86 |
| 40 | 福井県 | 254 | 中部 | 34.37 |
| 41 | 香川県 | 252 | 四国 | 27.48 |
| 42 | 山梨県 | 243 | 中部 | 30.72 |
| 43 | 滋賀県 | 242 | 近畿 | 17.26 |
| 44 | 鳥取県 | 241 | 中国 | 45.39 |
| 45 | 佐賀県 | 217 | 九州 | 27.54 |
| 46 | 宮崎県 | 164 | 九州 | 15.88 |
| 47 | 沖縄県 | 160 | 九州 | 10.91 |
このグラフについての豆知識
団と分団を合わせた数
この指標は消防団の数と、その下に置かれる分団の数を合わせたものです。
市町村に1つの消防団があり、地区ごとに分団が置かれる形が一般的です。
消防団員の数は別の指標として集計されており、全国で74万人を超えます。
団の数と団員の数を合わせて見ると、1団あたりの規模が分かります。
人口あたりで12倍の差
人口10万人あたりでは青森県70.0団、東京都5.8団で12.1倍。
実数では東京都が5位なのに、人口あたりでは46位まで落ちます。
人が集まって住んでいる都市では、少ない団で広い範囲をまかなえます。
散らばって住んでいる土地では、集落ごとに分団が要ることになります。
数字は2024年のものです。
10年前とくらべると
全国の消防団・分団の数は、2014年の24,781団から2024年の24,035団へ、この10年で3%減りました。
2014年の時点でも1位は兵庫県でした。
この10年、順位は動いていません。
伸びがいちばん大きかったのは沖縄県で、10%増でした。
順位の並びがにている記事
消防団・分団の数の順位を、当サイトの全記事の並びと突き合わせてみました。
いちばん近かったのは【消防署の数】全国5,524署、人口9位の道が1位に立ちましたで、順位相関は0.86でした。
正反対だったのは【博物館の数】が多い都道府県ランキング、人口あたりでは最大11.8倍差で、相関は-0.53です。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見た消防団・分団の数
| 地方 | 最も多い(団) | 最も少ない(団) |
|---|---|---|
| 東北 | 青森県 815 | 秋田県 350 |
| 関東 | 茨城県 1001 | 栃木県 311 |
| 中部 | 愛知県 921 | 山梨県 243 |
| 近畿 | 兵庫県 1263 | 滋賀県 242 |
| 中国 | 広島県 561 | 鳥取県 241 |
| 四国 | 徳島県 446 | 香川県 252 |
| 九州 | 福岡県 790 | 沖縄県 160 |
まとめ
消防団と分団の数を47都道府県で比べると、最も多い兵庫県で1,263団、最も少ない沖縄県で160団でした。
1位と2位の差は8団しかありません。
ここまでの消防団・分団の数の数字には、注意点が3つあります。
1つ目は、団と分団を合わせた数であること。
2つ目は、団員の数は別の指標であること。
3つ目は2024年の数字であることです。
人口10万人あたりでは青森県70.0団が1位、大阪府5.1団が47位。
東京都は5.8団で46位まで落ちます。
地方別の人口あたり平均は四国4県41.9団が最多、関東7都県15.8団が最少でした。
消防団員数や消防署の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2024年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードK1104(消防団・分団数)の2024年の値。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードK1104(消防団・分団数)の2024年の値。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
