体育館は、人口の多い県ほど多いとはかぎりません。
人口あたりに直すと、むしろ人口の少ない県が上位に来ます。
市町村ごとに1つは置こうとしてきた結果だと考えられます。
ここでは公共のものと民間のものを合わせ、一般に開放している学校の体育館も含みます。
使ったのは令和6年10月1日現在の文部科学省「社会教育調査」(体育施設調査)のデータです。
47都道府県を合計すると8,111か所。
人口が少ない県ほど多いという、実数とは逆の並びになりました。
47都道府県の単純平均
9.8か所
人口10万人あたり体育館数(令和6年度(2024年10月1日現在))
最も多い 鳥取県
24.5か所
最も少ない 東京都
3.0か所
地図で見る体育館の多さ
| 項目 | 人口10万人あたり体育館数 |
|---|---|
| 北海道 | 8.3か所 |
| 青森県 | 8.8か所 |
| 岩手県 | 16.2か所 |
| 宮城県 | 7.0か所 |
| 秋田県 | 20.3か所 |
| 山形県 | 11.9か所 |
| 福島県 | 14か所 |
| 茨城県 | 5.4か所 |
| 栃木県 | 7.8か所 |
| 群馬県 | 8.1か所 |
| 埼玉県 | 3.1か所 |
| 千葉県 | 3.5か所 |
| 東京都 | 3.0か所 |
| 神奈川県 | 3.6か所 |
| 新潟県 | 13.0か所 |
| 富山県 | 11.9か所 |
| 石川県 | 12.4か所 |
| 福井県 | 11.6か所 |
| 山梨県 | 14.3か所 |
| 長野県 | 14.8か所 |
| 岐阜県 | 10.2か所 |
| 静岡県 | 4.5か所 |
| 愛知県 | 3.4か所 |
| 三重県 | 7.3か所 |
| 滋賀県 | 7.6か所 |
| 京都府 | 5.0か所 |
| 大阪府 | 3.3か所 |
| 兵庫県 | 5.3か所 |
| 奈良県 | 12.4か所 |
| 和歌山県 | 9.7か所 |
| 鳥取県 | 24.5か所 |
| 島根県 | 17.3か所 |
| 岡山県 | 5.7か所 |
| 広島県 | 6.5か所 |
| 山口県 | 9.4か所 |
| 徳島県 | 13.0か所 |
| 香川県 | 8.5か所 |
| 愛媛県 | 11.9か所 |
| 高知県 | 14.2か所 |
| 福岡県 | 4.3か所 |
| 佐賀県 | 10.7か所 |
| 長崎県 | 10.8か所 |
| 熊本県 | 14.3か所 |
| 大分県 | 8.7か所 |
| 宮崎県 | 18.2か所 |
| 鹿児島県 | 12.1か所 |
| 沖縄県 | 3.9か所 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東北の日本海側と山陰、南九州です。
淡いのは関東と近畿の都市部、それに沖縄県でした。
47都道府県の単純平均は9.81か所、中央値は9.37か所です。
平均と中央値がほぼ同じで、極端な外れ値の少ない分布になっています。
15か所を超えたのは5県、5か所を下回ったのは9都府県。
真ん中に多くの県が集まる形でした。
| 順位 | 都道府県 | 人口10万人あたり体育館数(か所) | 地方 | 体育館の数 | 公共 | 民間 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 鳥取県 | 24.48 | 中国 | 130 | 127 | 3 |
| 2 | 秋田県 | 20.29 | 東北 | 182 | 178 | 4 |
| 3 | 宮崎県 | 18.2 | 九州 | 188 | 184 | 4 |
| 4 | 島根県 | 17.29 | 中国 | 111 | 109 | 2 |
| 5 | 岩手県 | 16.16 | 東北 | 185 | 185 | 0 |
| 6 | 長野県 | 14.75 | 中部 | 293 | 286 | 7 |
| 7 | 熊本県 | 14.32 | 九州 | 243 | 240 | 3 |
| 8 | 山梨県 | 14.29 | 中部 | 113 | 98 | 15 |
| 9 | 高知県 | 14.18 | 四国 | 93 | 89 | 4 |
| 10 | 福島県 | 14.0 | 東北 | 244 | 238 | 6 |
| 11 | 新潟県 | 13.01 | 中部 | 273 | 257 | 16 |
| 12 | 徳島県 | 12.99 | 四国 | 89 | 80 | 9 |
| 13 | 石川県 | 12.39 | 中部 | 136 | 123 | 13 |
| 14 | 奈良県 | 12.37 | 近畿 | 159 | 145 | 14 |
| 15 | 鹿児島県 | 12.08 | 九州 | 185 | 156 | 29 |
| 16 | 富山県 | 11.94 | 中部 | 119 | 117 | 2 |
| 17 | 愛媛県 | 11.91 | 四国 | 152 | 152 | 0 |
| 18 | 山形県 | 11.87 | 東北 | 120 | 114 | 6 |
| 19 | 福井県 | 11.64 | 中部 | 86 | 84 | 2 |
| 20 | 長崎県 | 10.78 | 九州 | 135 | 131 | 4 |
| 21 | 佐賀県 | 10.66 | 九州 | 84 | 82 | 2 |
| 22 | 岐阜県 | 10.18 | 中部 | 195 | 173 | 22 |
| 23 | 和歌山県 | 9.66 | 近畿 | 85 | 85 | 0 |
| 24 | 山口県 | 9.37 | 中国 | 120 | 118 | 2 |
| 25 | 青森県 | 8.76 | 東北 | 102 | 100 | 2 |
| 26 | 大分県 | 8.66 | 九州 | 94 | 91 | 3 |
| 27 | 香川県 | 8.51 | 四国 | 78 | 77 | 1 |
| 28 | 北海道 | 8.33 | 北海道 | 420 | 393 | 27 |
| 29 | 群馬県 | 8.1 | 関東 | 153 | 133 | 20 |
| 30 | 栃木県 | 7.8 | 関東 | 147 | 125 | 22 |
| 31 | 滋賀県 | 7.56 | 近畿 | 106 | 81 | 25 |
| 32 | 三重県 | 7.25 | 近畿 | 124 | 99 | 25 |
| 33 | 宮城県 | 6.98 | 東北 | 157 | 136 | 21 |
| 34 | 広島県 | 6.45 | 中国 | 175 | 164 | 11 |
| 35 | 岡山県 | 5.68 | 中国 | 104 | 88 | 16 |
| 36 | 茨城県 | 5.42 | 関東 | 152 | 137 | 15 |
| 37 | 兵庫県 | 5.3 | 近畿 | 283 | 226 | 57 |
| 38 | 京都府 | 5.04 | 近畿 | 127 | 103 | 24 |
| 39 | 静岡県 | 4.51 | 中部 | 159 | 126 | 33 |
| 40 | 福岡県 | 4.28 | 九州 | 218 | 191 | 27 |
| 41 | 沖縄県 | 3.89 | 九州 | 57 | 54 | 3 |
| 42 | 神奈川県 | 3.61 | 関東 | 333 | 268 | 65 |
| 43 | 千葉県 | 3.52 | 関東 | 220 | 169 | 51 |
| 44 | 愛知県 | 3.36 | 中部 | 251 | 214 | 37 |
| 45 | 大阪府 | 3.27 | 近畿 | 286 | 192 | 94 |
| 46 | 埼玉県 | 3.08 | 関東 | 226 | 173 | 53 |
| 47 | 東京都 | 2.96 | 関東 | 419 | 270 | 149 |
地方別に見る体育館の多さ
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、東北が最も多くなります。
東北6県が12.06か所、四国4県が11.66か所、中国5県が9.14か所、九州8県が8.63か所、北海道が8.33か所と続きます。
少ないほうは中部9県が7.88か所、近畿7府県が5.34か所、関東7都県が3.79か所でした。
東北と関東では3.18倍の差があります。
上位に来た東北・四国・中国は、いずれも人口減少が続いている地方です。
地方別の並びも、県別の並びと同じ方向を向いています。
実数で見ると関東7都県が合計1,650か所で最も多く、東北6県は990か所。
人口で割ると順位が入れ替わる典型的な例でした。
人口あたりの体育館が多い5県
人口10万人あたりの体育館が多い上位5県です。
鳥取県は24.48か所、秋田県は20.29か所、宮崎県は18.20か所、島根県は17.29か所、岩手県は16.16か所でした。
鳥取県と最下位の東京都では8.27倍の差があります。
6位以下は長野県14.75か所、熊本県14.32か所、山梨県14.29か所と続きます。
実数で見ると並びは一変します。
1位は北海道の420か所、2位が東京都419か所、3位が神奈川県333か所、4位が長野県293か所、5位が大阪府286か所。
人口の多い都道府県が上位を占めました。
人口が減っても、建てた体育館は減らない
以下は、人口あたりで見る体育館にこれだけの差がつく理由についての推測です。
統計から確かめられる話ではなく、ほかの指標との突き合わせから考えたものです。
人口との相関係数はプラス0.76。
実数では人口の多い都道府県が上位に来ます。
ところが人口で割ると、順位はほぼひっくり返ります。
人口10万人あたりの上位5県は鳥取県、秋田県、宮崎県、島根県、岩手県。
いずれも人口が100万人前後かそれ以下の県です。
下位5都府県は東京都、埼玉県、大阪府、愛知県、千葉県で、すべて人口500万人を超えています。
人口の順位と人口あたりの順位が、きれいに逆向きに並びました。
効いているのは、体育館が市町村単位で建てられてきたことでしょう。
人口が5万人の市にも20万人の市にも、体育館は1つずつ建ちます。
市町村の数が人口ほどには県ごとに違わないので、人口で割ると人口の少ない県が上に来ます。
もうひとつは時間の問題です。
体育館は建ててしまえば数十年残ります。
人口が減っても建物の数はすぐには減りません。
人口減少が続いた県ほど、人口あたりの数字が上がっていくことになります。
鳥取県の実数は130か所。
人口は53.1万人で全国最少ですから、人口あたりでは1位になります。
東京都は419か所と実数では2位ですが、人口1,417.8万人で割ると2.96か所まで下がりました。
公共と民間の内訳を見ると、体育館は公共が7,161か所、民間が950か所。
88.3パーセントが公共施設です。
ほかの施設と比べても公共の比率が高く、行政が建てる施設だという性格がはっきり出ています。
人口あたりの体育館が少ない5都府県
人口10万人あたりの体育館が少ない下位5都府県です。
東京都は2.96か所、埼玉県は3.08か所、大阪府は3.27か所、愛知県は3.36か所、千葉県は3.52か所でした。
鳥取県の24.48か所とは8.27倍の差があります。
下位5都府県はすべて人口500万人以上です。
人口の多さがそのまま分母の大きさになり、人口あたりの数字を押し下げています。
実数で少ないのは沖縄県57か所、香川県78か所、佐賀県84か所、和歌山県85か所、福井県86か所でした。
沖縄県は実数でも人口あたり3.89か所でも下位です。
人口146.6万人に対して57か所しかなく、人口あたりでは41位、下から7番目にとどまりました。
このグラフについての豆知識
学校の体育館も一部入っている
社会体育施設としての体育館には、学校の体育館のうち一般に開放しているものが含まれます。
学校施設として使われているだけのものは含まれません。
そのため、県内にある体育館の総数ではなく、地域の人がスポーツに使える体育館の数だと考えたほうが実態に近くなります。
公共7,161か所に対し民間は950か所。
民間の体育館にはスポーツクラブなどが含まれます。
全国値と47都道府県の合計
この調査のうち民間体育施設は標本調査ですが、体育館については全国値950か所と47都道府県の合計950か所が一致しました。
項目によっては数か所ずれるものもあります。
公共の社会体育施設は全数調査のため、全国値と合計は常に一致します。
調査は3年に1度。
この記事の数字は令和6年度、2024年10月1日現在のものです。
順位の並びがにている記事
この人口あたりで見る体育館の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。
いちばん近かったのは【体育施設の数】全国7万6千か所、人口10万人あたり最多と最少では3.2倍の差で、順位相関は0.85でした。
正反対だったのは【人口密度・国勢調査2025】全国330人、差は102倍で、相関は-0.83です。
相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。
地方のなかで見た人口10万人あたり体育館数
| 地方 | 最も多い(か所) | 最も少ない(か所) |
|---|---|---|
| 東北 | 秋田県 20.29 | 宮城県 6.98 |
| 関東 | 群馬県 8.1 | 東京都 2.96 |
| 中部 | 長野県 14.75 | 愛知県 3.36 |
| 近畿 | 奈良県 12.37 | 大阪府 3.27 |
| 中国 | 鳥取県 24.48 | 岡山県 5.68 |
| 四国 | 高知県 14.18 | 香川県 8.51 |
| 九州 | 宮崎県 18.2 | 沖縄県 3.89 |
まとめ
人口10万人あたりの体育館の数を比べると、最も多い鳥取県は24.48か所、最も少ない東京都は2.96か所で、その差は8.27倍でした。
47都道府県の合計は8,111か所です。
ここまでの人口あたりで見る体育館の数字には、注意点が3つあります。
1つ目は、一般に開放している学校体育館を含むこと。
2つ目は、88.3パーセントが公共施設であること。
3つ目は令和6年10月1日現在の数字であることです。
実数では北海道420か所、東京都419か所が1位・2位。
人口で割ると東京都は最下位まで落ち、順位がほぼ逆向きに並び替わりました。
人口との相関係数はプラス0.76。
市町村ごとに1つずつ建ってきた施設だという性格が、人口あたりの数字によく表れています。
野球場やテニスコートの数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 社会教育調査(体育施設調査)
- 調査年: 令和6年度(2024年10月1日現在)
- 公開元: 文部科学省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00400004&tstat=000001017254&cycle=0&tclass1=000001242203
- 備考: 公共の社会体育施設(第197表)と民間体育施設(第214表)の合計。人口10万人あたりの値は2024年10月1日現在の人口推計で割って算出した。学校の体育館のうち一般に開放しているものを含む
注記: 公共の社会体育施設(第197表)と民間体育施設(第214表)の合計。
人口10万人あたりの値は2024年10月1日現在の人口推計で割って算出した。
学校の体育館のうち一般に開放しているものを含む
