空港を使う人の数は、都道府県でどれほど違うのでしょうか。
この記事では、47都道府県の数字を比べます。
使うのは国土交通省の空港管理状況調書で、令和7年の乗降客数を空港のある都道府県で合計しました。
全国では3億4,275万人、対象は93の空港・飛行場・ヘリポートです。
ただ8つの県には空港がありません。
47都道府県の単純平均
7,292,715人
空港の乗降客数(令和7年(2025年、暦年))
最も多い 東京都
91,972,994人
最も少ない 群馬県
0人
空港の乗降客数が多い5都道府県
空港の乗降客数が多い上位5都道府県です。
東京都は9,197万2,994人、大阪府は5,023万7,693人、千葉県は4,114万408人、北海道は3,258万2,984人、福岡県は2,963万3,858人でした。
東京都だけで全国の26.8パーセントを占めます。
6位以下は沖縄県2,901万1,435人、愛知県1,256万1,763人、鹿児島県750万7人と続きます。
上位5都道府県の合計は全国の71.6パーセントでした。
平均を超えたのは8都道府県だけ。
これまでこの媒体で扱ってきた指標のなかでも、とりわけ偏りの大きいランキングです。
上位5都道府県で7割、これほど偏る指標は少ない
ここから先は、空港乗降客数がこう分かれる理由についての見立てです。
ほかの指標と突き合わせて立てた推測で、統計そのものが示している事実ではありません。
上位5都道府県で71.6パーセント、平均を超えたのは8都道府県だけ。
この偏りは、空港という施設の性格によるものでしょう。
空港は数が増えれば便利になる施設ではありません。
路線と便数がまとまっているほど乗り継ぎがしやすく、目的地も増えます。
だから拠点空港に集まる力が働きます。
東京国際空港1港だけで9,154万人、全国の26.7パーセントを扱っている計算です。
道路や港湾のように県土に分散する施設とは、成り立ちが違います。
人口1人あたりで割り直すと、また別の顔が出ます。
1位は沖縄県の19.8人、2位が千葉県6.6人、3位が東京都と北海道の6.5人、5位が福岡県5.8人でした。
沖縄県は総数では6位ですが、人口あたりでは3倍の開きをつけて1位になります。
沖縄県の空港は13施設。
本土との行き来も、離島との行き来も飛行機に頼るしかない県です。
県民1人あたり年間19.8回ぶんの乗降があるという数字は、生活の足としての性格を表していると考えられます。
逆に空港がない8県は、群馬県、埼玉県、神奈川県、山梨県、岐阜県、三重県、滋賀県、京都府。
いずれも内陸か、大都市の空港が近い県です。
神奈川県と埼玉県は東京国際空港、京都府と滋賀県は関西国際空港と大阪国際空港、岐阜県と三重県は中部国際空港が生活圏にあります。
空港がないことは不便を意味しません。
むしろ近くに大きな空港があるから、県内に造る必要がなかったと読むほうが自然でしょう。
空港のない8県
空港がない8県です。
群馬県、埼玉県、神奈川県、山梨県、岐阜県、三重県、滋賀県、京都府の8県には、この調査の対象となる空港・飛行場・ヘリポートがありません。
乗降客数はいずれも0人です。
8県のうち埼玉県、神奈川県、京都府、滋賀県、岐阜県、三重県は、隣接する都道府県に大きな空港があります。
県境をまたいですぐの場所に空港があるため、県内に必要がなかったという見方ができます。
39位以下には、乗降客数がきわめて少ない県も並びます。
奈良県は4人、栃木県は14人、福井県は53人。
いずれもヘリポートや小規模な飛行場のみで、定期便が飛んでいません。
年間の乗降客が10万人を下回ったのは、この8県を含めて11都県でした。
地図で見る空港の乗降客数
| 項目 | 空港の乗降客数 |
|---|---|
| 北海道 | 32,582,984人 |
| 青森県 | 1,704,080人 |
| 岩手県 | 499,766人 |
| 宮城県 | 3,969,910人 |
| 秋田県 | 1,489,923人 |
| 山形県 | 742,854人 |
| 福島県 | 280,420人 |
| 茨城県 | 828,870人 |
| 栃木県 | 14人 |
| 群馬県 | 0人 |
| 埼玉県 | 0人 |
| 千葉県 | 41,140,408人 |
| 東京都 | 91,972,994人 |
| 神奈川県 | 0人 |
| 新潟県 | 1,143,193人 |
| 富山県 | 382,610人 |
| 石川県 | 1,632,144人 |
| 福井県 | 53人 |
| 山梨県 | 0人 |
| 長野県 | 259,841人 |
| 岐阜県 | 0人 |
| 静岡県 | 734,490人 |
| 愛知県 | 12,561,763人 |
| 三重県 | 0人 |
| 滋賀県 | 0人 |
| 京都府 | 0人 |
| 大阪府 | 50,237,693人 |
| 兵庫県 | 4,099,813人 |
| 奈良県 | 4人 |
| 和歌山県 | 247,604人 |
| 鳥取県 | 1,152,707人 |
| 島根県 | 1,359,352人 |
| 岡山県 | 1,470,760人 |
| 広島県 | 2,933,923人 |
| 山口県 | 1,430,375人 |
| 徳島県 | 1,116,425人 |
| 香川県 | 2,238,459人 |
| 愛媛県 | 3,283,785人 |
| 高知県 | 1,634,699人 |
| 福岡県 | 29,633,858人 |
| 佐賀県 | 628,786人 |
| 長崎県 | 3,666,729人 |
| 熊本県 | 3,889,948人 |
| 大分県 | 1,940,837人 |
| 宮崎県 | 3,354,099人 |
| 鹿児島県 | 7,500,007人 |
| 沖縄県 | 29,011,435人 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都と大阪府、千葉県、北海道、福岡県、沖縄県だけです。
それ以外の県はほとんど色がつきません。
47都道府県の単純平均は729万2,715人、中央値は135万9,352人です。
平均が中央値の5.4倍もあるのは、上位の都道府県が極端に大きいためです。
平均を超えたのは8都道府県。
真ん中あたりの県の実感に近いのは、中央値の135万人のほうだと言えます。
| 順位 | 都道府県 | 空港の乗降客数(人) | 地方 | 空港の数 | 人口1人あたり乗降客数 | 総人口 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 91972994 | 関東 | 7 | 6.5 | 14178 |
| 2 | 大阪府 | 50237693 | 近畿 | 2 | 5.7 | 8757 |
| 3 | 千葉県 | 41140408 | 関東 | 1 | 6.6 | 6251 |
| 4 | 北海道 | 32582984 | 北海道 | 12 | 6.5 | 5043 |
| 5 | 福岡県 | 29633858 | 九州 | 2 | 5.8 | 5092 |
| 6 | 沖縄県 | 29011435 | 九州 | 13 | 19.8 | 1466 |
| 7 | 愛知県 | 12561763 | 中部 | 2 | 1.7 | 7460 |
| 8 | 鹿児島県 | 7500007 | 九州 | 8 | 4.9 | 1532 |
| 9 | 兵庫県 | 4099813 | 近畿 | 2 | 0.8 | 5337 |
| 10 | 宮城県 | 3969910 | 東北 | 1 | 1.8 | 2248 |
| 11 | 熊本県 | 3889948 | 九州 | 2 | 2.3 | 1697 |
| 12 | 長崎県 | 3666729 | 九州 | 4 | 2.9 | 1252 |
| 13 | 宮崎県 | 3354099 | 九州 | 1 | 3.2 | 1033 |
| 14 | 愛媛県 | 3283785 | 四国 | 1 | 2.6 | 1276 |
| 15 | 広島県 | 2933923 | 中国 | 1 | 1.1 | 2714 |
| 16 | 香川県 | 2238459 | 四国 | 1 | 2.4 | 917 |
| 17 | 大分県 | 1940837 | 九州 | 1 | 1.8 | 1085 |
| 18 | 青森県 | 1704080 | 東北 | 2 | 1.5 | 1165 |
| 19 | 高知県 | 1634699 | 四国 | 1 | 2.5 | 656 |
| 20 | 石川県 | 1632144 | 中部 | 2 | 1.5 | 1098 |
| 21 | 秋田県 | 1489923 | 東北 | 2 | 1.7 | 897 |
| 22 | 岡山県 | 1470760 | 中国 | 2 | 0.8 | 1831 |
| 23 | 山口県 | 1430375 | 中国 | 2 | 1.1 | 1281 |
| 24 | 島根県 | 1359352 | 中国 | 3 | 2.1 | 642 |
| 25 | 鳥取県 | 1152707 | 中国 | 2 | 2.2 | 531 |
| 26 | 新潟県 | 1143193 | 中部 | 1 | 0.5 | 2099 |
| 27 | 徳島県 | 1116425 | 四国 | 1 | 1.6 | 685 |
| 28 | 茨城県 | 828870 | 関東 | 1 | 0.3 | 2806 |
| 29 | 山形県 | 742854 | 東北 | 3 | 0.7 | 1011 |
| 30 | 静岡県 | 734490 | 中部 | 1 | 0.2 | 3527 |
| 31 | 佐賀県 | 628786 | 九州 | 1 | 0.8 | 788 |
| 32 | 岩手県 | 499766 | 東北 | 1 | 0.4 | 1145 |
| 33 | 富山県 | 382610 | 中部 | 1 | 0.4 | 997 |
| 34 | 福島県 | 280420 | 東北 | 1 | 0.2 | 1743 |
| 35 | 長野県 | 259841 | 中部 | 1 | 0.1 | 1987 |
| 36 | 和歌山県 | 247604 | 近畿 | 1 | 0.3 | 880 |
| 37 | 福井県 | 53 | 中部 | 1 | 0.0 | 739 |
| 38 | 栃木県 | 14 | 関東 | 1 | 0.0 | 1885 |
| 39 | 奈良県 | 4 | 近畿 | 1 | 0.0 | 1285 |
| 40 | 岐阜県 | 0 | 中部 | 0 | 0.0 | 1916 |
| 40 | 京都府 | 0 | 近畿 | 0 | 0.0 | 2520 |
| 40 | 群馬県 | 0 | 関東 | 0 | 0.0 | 1890 |
| 40 | 埼玉県 | 0 | 関東 | 0 | 0.0 | 7332 |
| 40 | 三重県 | 0 | 近畿 | 0 | 0.0 | 1711 |
| 40 | 山梨県 | 0 | 中部 | 0 | 0.0 | 791 |
| 40 | 滋賀県 | 0 | 近畿 | 0 | 0.0 | 1402 |
| 40 | 神奈川県 | 0 | 関東 | 0 | 0.0 | 9225 |
このグラフについての豆知識
ヘリポートも含まれている
この記事の対象は、空港管理状況調書に載っている93の施設です。
空港のほか、飛行場やヘリポートも含まれます。
そのため、奈良県の4人、栃木県の14人といった極端に小さい数字も出てきます。
これは県営ヘリポートなどの乗降客数です。
定期便の飛ぶ空港がある県とは、性格がまったく違います。
乗降客数は国際線と国内線の合計で、通過客を含みます。
空港は所在地の都道府県に数えた
乗降客数は空港ごとに公表されているため、この記事では所在する都道府県に合計しました。
利用者が住んでいる県ではありません。
成田国際空港の4,114万人は千葉県に、関西国際空港と大阪国際空港の合計5,024万人は大阪府に数えています。
実際にはその多くが他都府県の住民でしょう。
数字は令和7年の暦年です。
空港の利用者数は年による振れが大きいため、単年の順位は固定的なものではありません。
順位の並びがにている記事
同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
空港乗降客数の順位で探してみます。
並びが最も重なったのは【航空の輸送人員】年間1億480万人、11県はゼロで、相関は0.99です。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【持ち家率】が高い都道府県ランキング、地域差は34.5ポイント(順位相関-0.62)です。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見た空港の乗降客数
| 地方 | 最も多い(人) | 最も少ない(人) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 3969910 | 福島県 280420 |
| 関東 | 東京都 91972994 | 神奈川県 0 |
| 中部 | 愛知県 12561763 | 岐阜県 0 |
| 近畿 | 大阪府 50237693 | 京都府 0 |
| 中国 | 広島県 2933923 | 鳥取県 1152707 |
| 四国 | 愛媛県 3283785 | 徳島県 1116425 |
| 九州 | 福岡県 29633858 | 佐賀県 628786 |
まとめ
47都道府県の空港の乗降客数を比べると、最も多い東京都は9,197万2,994人で全国の26.8パーセント、上位5都道府県で71.6パーセントを占めました。
全国では3億4,275万人、8つの県には空港がありません。
空港乗降客数の順位を見るときは、次の3点をあわせて見てください。
1つ目は、ヘリポートも含む93施設が対象であること。
2つ目は、空港の所在地で数えており利用者の居住地ではないこと。
3つ目は令和7年の暦年であることです。
人口1人あたりで割り直すと、1位は沖縄県の19.8人。
総数では6位ですが、2位の千葉県6.6人に3倍の差をつけます。
空港がない8県は、いずれも隣接する都道府県に大きな空港があるか内陸に位置します。
港湾の取扱貨物量や旅行への支出を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 空港管理状況調書(空港別順位表)
- 調査年: 令和7年(2025年、暦年)
- 公開元: 国土交通省
- 参照URL: https://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000185.html
- 備考: 空港・飛行場・ヘリポート93施設の乗降客数を所在する都道府県で合計した。国際線と国内線の合計で、通過客を含む
注記: 空港・飛行場・ヘリポート93施設の乗降客数を所在する都道府県で合計した。
国際線と国内線の合計で、通過客を含む
