【自家用車通勤の割合】8割を超える県と1割に届かない都、通勤の景色はこれほど違う

【自家用車通勤の割合】8割を超える県と1割に届かない都、通勤の景色はこれほど違う

この記事では、通勤や通学に自家用車を使う人がどれくらいいるかを47都道府県で比べます。

使うのは令和2年国勢調査の利用交通手段です。

全国では49.54パーセント、2,831万5,168人が自家用車を使っていました。
通勤・通学するおよそ2人に1人です。
ただ都道府県別に並べると7.97倍の開きがありました。

47都道府県の単純平均

63.9%

自家用車を使う人の割合(令和2年(2020年10月1日現在))

最も多い 山形県

80.9%

最も少ない 東京都

10.2%

自家用車を使う人の割合が高い5県

上位5都道府県の自家用車を使う人の割合
上位5都道府県の自家用車を使う人の割合 令和2年国勢調査 従業地・通学地による人口・就業状態等集計(令和2年(2020年10月1日現在)) 020406080山形県: 80.9%80.9%秋田県: 80.7%80.7%富山県: 79.9%79.9%福井県: 79.0%79.0%福島県: 77.7%77.7%山形県秋田県富山県福井県福島県
上位5都道府県の自家用車を使う人の割合
項目自家用車を使う人の割合
山形県80.9%
秋田県80.7%
富山県79.9%
福井県79.0%
福島県77.7%
下位5都道府県の自家用車を使う人の割合
下位5都道府県の自家用車を使う人の割合 令和2年国勢調査 従業地・通学地による人口・就業状態等集計(令和2年(2020年10月1日現在)) 05101520253035東京都: 10.2%10.2%大阪府: 20.9%20.9%神奈川県: 21.0%21.0%京都府: 32.7%32.7%埼玉県: 36.1%36.1%東京都大阪府神奈川県京都府埼玉県
下位5都道府県の自家用車を使う人の割合
項目自家用車を使う人の割合
東京都10.2%
大阪府20.9%
神奈川県21.0%
京都府32.7%
埼玉県36.1%

自家用車を使う人の割合が高い上位5県です。

山形県は80.93パーセント、秋田県は80.67パーセント、富山県は79.88パーセント、福井県は79.01パーセント、福島県は77.72パーセントでした。
8割を超えたのは山形県と秋田県の2県です。

6位以下は新潟県、群馬県、岐阜県と続きます。
70パーセントを超えたのは25県で、47都道府県の半数以上にあたります。

上位に並んだのは東北と北陸です。
地方別でも東北6県が75.02パーセントで最も高く、中部9県が73.27パーセントで続きました。

車の保有台数との相関0.94、通勤手段が家計まで決めている

数字を並べるところまでが統計の仕事で、ここから先は解釈になります。
通勤・通学に自家用車を使う人の割合の分布について、ほかの指標と突き合わせて立てた推測を書きます。
事実として確かめたものではありません。

このランキングは、これまで扱ってきた多くの指標と極めて強く連動していました。

1世帯当たり乗用車保有台数との相関係数はプラス0.94、ガソリンへの年間支出とはプラス0.90、通勤時間の中位数とはマイナス0.88、1か月当たり家賃とはマイナス0.88、一戸建ての割合とはプラス0.83、人口密度とはマイナス0.81です。

これらはすべて、同じひとつの構造から出ていると考えられます。
人口が散らばった土地では、車がなければ通えない。
だから世帯は車を持ち、ガソリン代を払い、駐車場のある一戸建てに住む。
職場も分散しているので通勤時間は短く、地価が安いので家賃も低い。
逆に人口が集中した都市では、車を持たずに鉄道で通い、狭い集合住宅に高い家賃を払い、長い時間をかけて通勤する。
通勤手段の選択が、家計のかたちまで決めていることになります。

とくに車の保有台数との0.94は、ほぼ同じものを測っていると言ってよい水準です。
ガソリンへの支出を比べた記事でも、車の保有台数との相関はプラス0.88でした。
3つの数字が同じ方向を向いています。

鉄道を使う人の割合との相関はマイナス0.95。
通勤手段は車か鉄道かのほぼ二択で、その割合が県ごとに入れ替わっているだけだと言えます。

注目したいのは、8割を超えた山形県と秋田県が雪の多い県だという点です。
山形県の雪日数は105.7日、秋田県は108.9日。
冬に自転車や徒歩が使いにくいことも、車の比率を押し上げていると考えられます。
実際、自家用車の割合と雪日数の相関はプラス0.32でした。
強くはありませんが、方向は一致しています。

自家用車を使う人の割合が低い5都府県

自家用車を使う人の割合が低い下位5都府県です。

東京都は10.16パーセント、大阪府は20.92パーセント、神奈川県は20.99パーセント、京都府は32.68パーセント、埼玉県は36.07パーセントでした。
山形県の80.93パーセントとは7.97倍の差があります。

東京都の10.16パーセントは、47都道府県で唯一2割を下回りました。
2位の大阪府20.92パーセントの半分以下で、下位のなかでもさらに低い位置にあります。

下位に並んだのは大都市を抱える都府県です。
地方別でも関東7都県が47.32パーセントで最も低く、近畿7府県が48.12パーセントで続きました。

ただ関東でも茨城県、栃木県、群馬県は7割を超えています。
同じ地方のなかで東京都10.16パーセントと群馬県77.65パーセントが同居しており、地方でまとめると幅が見えなくなります。

地方別に見る自家用車を使う人の割合

地方別の平均(自家用車を使う人の割合)
地方別の平均(自家用車を使う人の割合) 令和2年国勢調査 従業地・通学地による人口・就業状態等集計(令和2年(2020年10月1日現在)) 010203040506070北海道: 57%57%東北: 75.0%75.0%関東: 47.3%47.3%中部: 73.3%73.3%近畿: 48.1%48.1%中国: 69.5%69.5%四国: 68.2%68.2%九州: 68.8%68.8%北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(自家用車を使う人の割合)
項目自家用車を使う人の割合の平均
北海道57%
東北75.0%
関東47.3%
中部73.3%
近畿48.1%
中国69.5%
四国68.2%
九州68.8%

地方別に平均を出すと、都市圏とそれ以外ではっきり分かれます。

最も高いのは東北6県の75.02パーセントです。
次いで中部9県が73.27パーセント、中国5県が69.50パーセント、九州8県が68.77パーセント、四国4県が68.23パーセントと続きます。

低いほうは北海道が57.00パーセント、近畿7府県が48.12パーセント、関東7都県が47.32パーセントでした。
東北と関東では1.59倍の差があります。

北海道が57.00パーセントで中位にとどまるのは、人口が札幌市に集中しているためだと考えられます。
札幌市には地下鉄があり、車がなくても通える人が多くなります。

地図で見る自家用車を使う人の割合

自家用車を使う人の割合(令和2年(2020年10月1日現在))
自家用車を使う人の割合(令和2年(2020年10月1日現在)) 令和2年国勢調査 従業地・通学地による人口・就業状態等集計(総務省統計局)をもとに作成。単位は%。 北海道 57%青森 74.5%岩手 75.9%宮城 60.5%秋田 80.7%山形 80.9%福島 77.7%茨城 73.0%栃木 75.9%群馬 77.7%埼玉 36.1%千葉 37.6%東京 10.2%神奈川 21.0%新潟 76.5%富山 79.9%石川 74.5%福井 79.0%山梨 75.4%長野 76.1%岐阜 74%静岡 68.6%愛知 55.5%三重 72.2%滋賀 60.9%京都 32.7%大阪 20.9%兵庫 38.7%奈良 45.1%和歌山 66.4%鳥取 76.8%島根 77.0%岡山 68.6%広島 52.3%山口 72.8%徳島 74.0%香川 69.3%愛媛 62.6%高知 67.0%福岡 52.6%佐賀 75.7%長崎 62.1%熊本 70.3%大分 72.9%宮崎 76.7%鹿児島 70.5%沖縄 69.5%
自家用車を使う人の割合(%)
自家用車を使う人の割合(令和2年(2020年10月1日現在))
項目自家用車を使う人の割合
北海道57%
青森県74.5%
岩手県75.9%
宮城県60.5%
秋田県80.7%
山形県80.9%
福島県77.7%
茨城県73.0%
栃木県75.9%
群馬県77.7%
埼玉県36.1%
千葉県37.6%
東京都10.2%
神奈川県21.0%
新潟県76.5%
富山県79.9%
石川県74.5%
福井県79.0%
山梨県75.4%
長野県76.1%
岐阜県74%
静岡県68.6%
愛知県55.5%
三重県72.2%
滋賀県60.9%
京都府32.7%
大阪府20.9%
兵庫県38.7%
奈良県45.1%
和歌山県66.4%
鳥取県76.8%
島根県77.0%
岡山県68.6%
広島県52.3%
山口県72.8%
徳島県74.0%
香川県69.3%
愛媛県62.6%
高知県67.0%
福岡県52.6%
佐賀県75.7%
長崎県62.1%
熊本県70.3%
大分県72.9%
宮崎県76.7%
鹿児島県70.5%
沖縄県69.5%

日本地図で見ると、色が濃く出るのは東北と北陸、それに関東の北部から中部の内陸にかけてです。
淡いのは首都圏と近畿の都市部でした。

47都道府県の単純平均は63.94パーセント、中央値は70.45パーセントです。
中央値のほうが6.51ポイント高いのは、下位の都府県が大きく外れているためです。

平均を超えたのは31県。
多くの県が7割前後に集まり、少数の都市部だけが大きく低い分布になっています。

順位都道府県自家用車を使う人の割合(%)地方自家用車を使う人1世帯当たり乗用車保有台数人口密度
1山形県80.93東北4105431.616108.4
2秋田県80.67東北3509721.36377.1
3富山県79.88中部4208071.604234.7
4福井県79.01中部3077941.661176.3
5福島県77.72東北6532161.508126.4
6群馬県77.65関東7256941.554297.1
7島根県77.01中国2498371.38895.7
8鳥取県76.82中国2014711.433151.4
9宮崎県76.68九州3642461.277133.6
10新潟県76.5中部8120241.498166.8
11長野県76.11中部7439461.532146.5
12栃木県75.88関東6846171.533294.2
13岩手県75.85東北4376791.37175.0
14佐賀県75.7九州2920341.468322.9
15山梨県75.37中部2868651.497177.1
16石川県74.53中部4203111.45262.3
17青森県74.5東北4207431.214120.8
18徳島県74.03四国2310741.341165.2
19岐阜県74.0中部7100581.5180.4
20茨城県72.95関東9725051.501460.1
21大分県72.9九州3723241.263171.1
22山口県72.8中国4510411.239209.6
23三重県72.16近畿6092021.413296.3
24鹿児島県70.45九州5057971.192166.8
25熊本県70.26九州5508051.288229.0
26沖縄県69.47九州4129841.307642.4
27香川県69.3四国3024631.315488.6
28岡山県68.6中国5952211.333257.4
29静岡県68.55中部12190411.34453.5
30高知県66.97四国1961051.13592.4
31和歌山県66.35近畿2674421.224186.3
32愛媛県62.62四国3614261.137224.8
33長崎県62.09九州3746001.105303.1
34滋賀県60.93近畿4137321.314349.0
35宮城県60.48東北6578381.231308.7
36北海道57.0北海道13086860.99360.5
37愛知県55.45中部20112441.2031442.0
38福岡県52.57九州12004931.0351020.9
39広島県52.28中国6959181.089320.1
40奈良県45.05近畿2629831.061348.1
41兵庫県38.72近畿9398940.879635.3
42千葉県37.57関東10769980.9171212.3
43埼玉県36.07関東12267670.9091930.6
44京都府32.68近畿3575950.786546.4
45神奈川県20.99関東8778050.6613817.4
46大阪府20.92近畿7781890.6114596.0
47東京都10.16関東5921390.4086444.7
令和2年国勢調査 従業地・通学地による人口・就業状態等集計(令和2年(2020年10月1日現在)、総務省統計局)をもとに作成

このグラフについての豆知識

利用交通手段は複数回答

国勢調査の利用交通手段は、通勤・通学に使うすべての手段を答える方式です。
駅まで車で行って電車に乗る人は、自家用車と鉄道の両方に数えられます。

そのため、すべての手段の割合を足すと100パーセントを超えます。
この記事の割合は「自家用車を使う人がどれくらいいるか」であり、「車だけで通う人の割合」ではありません。

全国では自家用車49.54パーセント、鉄道25.50パーセント、自転車14.24パーセント、徒歩のみ7.00パーセント、乗合バス6.81パーセントでした。

分母は15歳以上の通勤者・通学者

分母は15歳以上の通勤者・通学者で、常住地ベースの数字です。
全国では5,715万2,761人でした。
働いていない人や自宅で働く人は含まれません。

国勢調査は5年ごとに行われ、この記事の数字は令和2年、2020年10月1日現在のものです。

参考として載せた1世帯当たり乗用車保有台数と人口密度は別の統計です。
調査時点が異なるため、傾向を見るための目安として読んでください。

順位の並びがにている記事

通勤・通学に自家用車を使う人の割合の47都道府県の並びを、ほかの記事の並びと総当たりで比べました。

0.89という高い相関を示したのが【車の保有台数】が多い都道府県ランキング、1世帯1.5台を超える県は9県でした。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【原付バイクの台数】全国637万台、人口あたり1位は和歌山県(順位相関-0.85)です。

相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。

地方のなかで見た自家用車を使う人の割合

地方最も多い(%)最も少ない(%)
東北山形県 80.93宮城県 60.48
関東群馬県 77.65東京都 10.16
中部富山県 79.88愛知県 55.45
近畿三重県 72.16大阪府 20.92
中国島根県 77.01広島県 52.28
四国徳島県 74.03愛媛県 62.62
九州宮崎県 76.68福岡県 52.57
令和2年国勢調査 従業地・通学地による人口・就業状態等集計(令和2年(2020年10月1日現在)、総務省統計局)をもとに作成

まとめ

47都道府県の自家用車を使う人の割合を比べると、最も高い山形県は80.93パーセント、最も低い東京都は10.16パーセントで、その差は7.97倍でした。
全国では49.54パーセント、2,831万5,168人です。

通勤・通学に自家用車を使う人の割合の数字を受け取る前に、3つ添えておきます。
1つ目は、利用交通手段が複数回答で割合を足すと100パーセントを超えること。
2つ目は、分母が15歳以上の通勤者・通学者であること。
3つ目は令和2年(2020年)の調査であることです。

1世帯当たり乗用車保有台数との相関係数はプラス0.94、ガソリンへの支出とはプラス0.90、家賃とはマイナス0.88。
通勤手段の選択が、家計のかたちまで決めていました。

鉄道を使う人の割合とはマイナス0.95で、ほぼ完全な裏返しです。
通勤手段は車か鉄道かの二択に近く、その比率が県ごとに入れ替わっているだけだと言えます。
車の保有台数やガソリンへの支出を比べた記事とあわせて読んでみてください。

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出典

注記: 利用交通手段は複数回答のため、すべての手段の割合を足すと100パーセントを超える。
分母は15歳以上の通勤者・通学者で、常住地ベース。
1世帯当たり乗用車保有台数は自動車保有車両数月報などによる

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