この記事では、書店の多さを人口あたりで47都道府県を比べます。
使うのは令和3年経済センサス-活動調査で、書籍・雑誌小売業に分類された事業所は全国で4,936店でした。
人口10万人あたりでは3.93店、およそ2万5千人に1店の計算です。
上位を見ると、4県が同じ地方に集まっていました。
47都道府県の単純平均
4.3店
人口10万人あたり店舗数(令和3年(2021年6月1日現在))
最も多い 愛媛県
7.0店
最も少ない 沖縄県
2.7店
地図で見る人口10万人あたりの書店
| 項目 | 人口10万人あたり店舗数 |
|---|---|
| 北海道 | 3.7店 |
| 青森県 | 4.9店 |
| 岩手県 | 5.0店 |
| 宮城県 | 4.0店 |
| 秋田県 | 4.2店 |
| 山形県 | 5.1店 |
| 福島県 | 4.4店 |
| 茨城県 | 3.2店 |
| 栃木県 | 3.5店 |
| 群馬県 | 3.7店 |
| 埼玉県 | 3.2店 |
| 千葉県 | 3.6店 |
| 東京都 | 4.2店 |
| 神奈川県 | 2.9店 |
| 新潟県 | 5.5店 |
| 富山県 | 5.3店 |
| 石川県 | 5.3店 |
| 福井県 | 4.3店 |
| 山梨県 | 4.7店 |
| 長野県 | 5.4店 |
| 岐阜県 | 4.3店 |
| 静岡県 | 4.2店 |
| 愛知県 | 3.9店 |
| 三重県 | 3.8店 |
| 滋賀県 | 4.6店 |
| 京都府 | 5.0店 |
| 大阪府 | 3.4店 |
| 兵庫県 | 3.6店 |
| 奈良県 | 3.0店 |
| 和歌山県 | 2.8店 |
| 鳥取県 | 4.9店 |
| 島根県 | 3.9店 |
| 岡山県 | 5.0店 |
| 広島県 | 3.0店 |
| 山口県 | 4.6店 |
| 徳島県 | 5.9店 |
| 香川県 | 6.3店 |
| 愛媛県 | 7.0店 |
| 高知県 | 5.6店 |
| 福岡県 | 3.8店 |
| 佐賀県 | 4.0店 |
| 長崎県 | 3.5店 |
| 熊本県 | 3.2店 |
| 大分県 | 5.3店 |
| 宮崎県 | 4.1店 |
| 鹿児島県 | 3.9店 |
| 沖縄県 | 2.7店 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは四国全域と、北陸から信越にかけての一帯です。
淡いのは首都圏と近畿の南部、それに沖縄県でした。
47都道府県の単純平均は4.29店、中央値は4.16店です。
全国値の3.93店より単純平均が高いのは、人口の少ない県ほど人口あたりの店舗数が多くなるためです。
平均を超えたのは20県。
最も多い愛媛県でも6.96店で、人口10万人あたり7店に届く県はありませんでした。
| 順位 | 都道府県 | 人口10万人あたり店舗数(店) | 地方 | 店舗数 | 人口10万人あたり図書館数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 愛媛県 | 6.96 | 四国 | 92 | 3.33 |
| 2 | 香川県 | 6.26 | 四国 | 59 | 3.18 |
| 3 | 徳島県 | 5.9 | 四国 | 42 | 4.07 |
| 4 | 高知県 | 5.56 | 四国 | 38 | 5.85 |
| 5 | 新潟県 | 5.51 | 中部 | 120 | 3.63 |
| 6 | 長野県 | 5.41 | 中部 | 110 | 5.9 |
| 7 | 石川県 | 5.33 | 中部 | 60 | 3.64 |
| 8 | 大分県 | 5.3 | 九州 | 59 | 2.96 |
| 9 | 富山県 | 5.27 | 中部 | 54 | 5.46 |
| 10 | 山形県 | 5.12 | 東北 | 54 | 3.79 |
| 11 | 京都府 | 5.04 | 近畿 | 129 | 2.66 |
| 12 | 岩手県 | 5.02 | 東北 | 60 | 3.93 |
| 13 | 岡山県 | 5.01 | 中国 | 94 | 3.73 |
| 14 | 鳥取県 | 4.92 | 中国 | 27 | 5.46 |
| 15 | 青森県 | 4.91 | 東北 | 60 | 2.87 |
| 16 | 山梨県 | 4.72 | 中部 | 38 | 6.58 |
| 17 | 滋賀県 | 4.61 | 近畿 | 65 | 3.61 |
| 18 | 山口県 | 4.59 | 中国 | 61 | 4.14 |
| 19 | 福島県 | 4.42 | 東北 | 80 | 3.92 |
| 20 | 福井県 | 4.34 | 中部 | 33 | 4.87 |
| 21 | 岐阜県 | 4.28 | 中部 | 84 | 3.67 |
| 22 | 秋田県 | 4.23 | 東北 | 40 | 5.19 |
| 23 | 静岡県 | 4.16 | 中部 | 150 | 2.66 |
| 23 | 東京都 | 4.16 | 関東 | 583 | 2.86 |
| 25 | 宮崎県 | 4.05 | 九州 | 43 | 3.2 |
| 26 | 宮城県 | 4.02 | 東北 | 92 | 1.53 |
| 27 | 佐賀県 | 3.97 | 九州 | 32 | 3.85 |
| 28 | 愛知県 | 3.94 | 中部 | 296 | 1.29 |
| 29 | 鹿児島県 | 3.93 | 九州 | 62 | 4.0 |
| 30 | 島根県 | 3.91 | 中国 | 26 | 6.17 |
| 31 | 福岡県 | 3.77 | 九州 | 193 | 2.22 |
| 32 | 三重県 | 3.76 | 近畿 | 66 | 2.68 |
| 33 | 群馬県 | 3.74 | 関東 | 72 | 2.91 |
| 34 | 北海道 | 3.69 | 北海道 | 191 | 3.18 |
| 35 | 兵庫県 | 3.59 | 近畿 | 195 | 1.97 |
| 36 | 千葉県 | 3.55 | 関東 | 223 | 2.29 |
| 37 | 栃木県 | 3.54 | 関東 | 68 | 2.86 |
| 38 | 長崎県 | 3.47 | 九州 | 45 | 3.08 |
| 39 | 大阪府 | 3.44 | 近畿 | 303 | 1.76 |
| 40 | 埼玉県 | 3.19 | 関東 | 234 | 2.37 |
| 41 | 熊本県 | 3.18 | 九州 | 55 | 3.01 |
| 42 | 茨城県 | 3.16 | 関東 | 90 | 2.35 |
| 43 | 奈良県 | 3.04 | 近畿 | 40 | 2.51 |
| 44 | 広島県 | 2.99 | 中国 | 83 | 3.09 |
| 45 | 神奈川県 | 2.91 | 関東 | 269 | 0.92 |
| 46 | 和歌山県 | 2.84 | 近畿 | 26 | 2.95 |
| 47 | 沖縄県 | 2.72 | 九州 | 40 | 2.66 |
人口あたりの書店が多い5県
人口10万人あたりの書店が多い上位5県です。
愛媛県は6.96店、香川県は6.26店、徳島県は5.90店、高知県は5.56店、新潟県は5.51店でした。
上位4県はすべて四国で、四国4県が1位から4位を占めています。
6位以下は長野県5.41店、石川県5.33店、大分県5.30店と続きます。
四国4県の平均は6.17店。
2番目に多い中部9県の4.77店を1.29倍上回っており、地方別でも突出しています。
全国平均3.93店と比べると1.57倍です。
書店が多い県ほど本を読むわけではない
この分布の背景を、ここから考えてみます。
人口あたりで見る書店の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
書店が多い県では本がよく読まれている、と考えたくなります。
ところが数字はそうなっていません。
読書の行動者率を比べた記事では、47都道府県の平均は28.1パーセントでした。
四国4県はというと、香川県27.0パーセント、愛媛県26.3パーセント、徳島県と高知県が24.4パーセント。
4県とも平均を下回っています。
逆に読書の行動者率で全国1位の東京都43.4パーセントは、人口あたりの書店では4.16店で23位。
ちょうど真ん中でした。
人口10万人あたりの書店数と読書の行動者率の相関係数は、マイナス0.24。
わずかながら逆を向いています。
書店の多さは、本を読む人の多さを表す数字ではないということになります。
では何を表しているのでしょうか。
人口10万人あたり図書館数との相関係数はプラス0.47。
書店が多い県は図書館も多い、という関係がありました。
図書館は自治体が住民の分布に合わせて配置する施設です。
それと連動しているということは、書店の数もまた人口の散らばり方を映していると考えられます。
人が広く分散した県では、小さな店を各地に置かなければ本が行き渡りません。
一方、人口が集中した都市では大型書店が少数あれば足ります。
加えて都市部ではネット書店や電子書籍への切り替えも早く進んでいるでしょう。
読む量が多くても店の数には表れません。
書店の数は、その土地の人が本を読むかどうかではなく、本を届けるのに何店必要かを示している数字だと言えそうです。
実数で見ると大都市が並ぶ
人口あたりではなく店舗数そのもので並べると、上位は大都市を抱える都府県になります。
東京都は583店、大阪府は303店、愛知県は296店、神奈川県は269店、埼玉県は234店でした。
人口あたりで1位の愛媛県は92店です。
人口あたりでは全国平均の1.77倍でも、実数としては小さな数になります。
本の流通や出版の規模を考えるなら実数、家の近くに書店があるかどうかを知りたいなら人口あたり、という使い分けになります。
人口あたりの書店が少ない5県
人口10万人あたりの書店が少ない下位5県です。
沖縄県は2.72店、和歌山県は2.84店、神奈川県は2.91店、広島県は2.99店、奈良県は3.04店でした。
愛媛県の6.96店とは2.56倍の差があります。
下位に並んだ顔ぶれには一貫性がありません。
神奈川県のような大都市圏がある一方、和歌山県や沖縄県のように人口が多くない県も入っています。
上位ほどはっきりした傾向は見えませんでした。
3店を下回ったのは沖縄県、和歌山県、神奈川県、広島県の4県です。
広島県が入っているのは意外に見えるかもしれません。
中国5県の平均は4.28店で、広島県だけが大きく下回っています。
大阪府も3.44店で39位でした。
人口が集中した都府県では、人口あたりの書店数は伸びにくくなります。
地方別に見る書店の多さ
地方別に平均を出すと、四国が突出します。
最も多いのは四国4県の6.17店です。
次いで中部9県が4.77店、東北6県が4.62店、中国5県が4.28店と続きます。
少ないほうは九州8県が3.80店、近畿7府県が3.76店、北海道が3.69店、関東7都県が3.46店でした。
四国と関東では1.78倍の差があります。
四国の6.17店は2位の中部を1.4店上回っており、ほかの地方との差がはっきりしています。
4県すべてが5.5店を超えているため、1県だけが引き上げているわけでもありません。
このグラフについての豆知識
古書店は別の分類になる
この記事の店舗数は、産業細分類「6061 書籍・雑誌小売業(古本を除く)」に分類された事業所です。
古書店は中古品小売業に入るため含まれません。
また文房具を主に扱う店は紙・文房具小売業で、こちらも別の分類です。
書籍と文房具を両方扱う店は、売上の大きいほうで分類されます。
全国4,936店という数は、書店の実感より少ないかもしれません。
書籍を扱っていても、それが主な商品でなければ別の分類になるためです。
図書館の数とあわせて見ると分かることがある
この記事の表には、人口10万人あたり図書館数も載せています。
図書館の数を比べた記事で使った社会教育調査の数字です。
書店数と図書館数の相関係数はプラス0.47。
書店が多い県は図書館も多い傾向がありました。
どちらも、人が散らばって住んでいる県ほど数が必要になる施設です。
四国4県は図書館でも高知県5.85館、徳島県4.07館と上位に入っています。
本に触れる場所の多さは、読む人の多さとは別の理由で決まっているようです。
地方のなかで見た人口10万人あたり店舗数
| 地方 | 最も多い(店) | 最も少ない(店) |
|---|---|---|
| 東北 | 山形県 5.12 | 宮城県 4.02 |
| 関東 | 東京都 4.16 | 神奈川県 2.91 |
| 中部 | 新潟県 5.51 | 愛知県 3.94 |
| 近畿 | 京都府 5.04 | 和歌山県 2.84 |
| 中国 | 岡山県 5.01 | 広島県 2.99 |
| 四国 | 愛媛県 6.96 | 高知県 5.56 |
| 九州 | 大分県 5.3 | 沖縄県 2.72 |
まとめ
47都道府県の人口10万人あたりの書店数を比べると、最も多い愛媛県は6.96店、最も少ない沖縄県は2.72店で、その差は2.56倍でした。
全国では3.93店、店舗数は4,936店です。
人口あたりで見る書店の数字を受け取る前に、3つ添えておきます。
1つ目は、古書店や文房具中心の店が含まれないこと。
2つ目は、人口あたりの数を2021年10月1日の人口推計で算出していること。
3つ目は2021年6月1日現在の調査であることです。
上位4県はすべて四国でした。
ところが読書の行動者率では、四国4県はいずれも47都道府県の平均28.1パーセントを下回っています。
書店数と読書の行動者率の相関係数はマイナス0.24で、わずかに逆を向いていました。
図書館の数や読書の割合を比べた記事とあわせて読むと、本に触れる場所の数が何で決まっているかが見えてきます。
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出典
- 統計名: 経済センサス-活動調査(卸売業、小売業に関する集計)と人口推計
- 調査年: 令和3年(2021年6月1日現在)
- 公開元: 総務省・経済産業省/総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040032857
- 備考: 事業所数は産業細分類6061_書籍・雑誌小売業(古本を除く)に分類された民営事業所。古書店は別の分類になる。図書館数は社会教育調査(令和3年度)による。人口10万人あたりの店舗数は、2021年10月1日現在の人口推計で割って算出した
注記: 事業所数は産業細分類6061_書籍・雑誌小売業(古本を除く)に分類された民営事業所。
古書店は別の分類になる。
図書館数は社会教育調査(令和3年度)による。
人口10万人あたりの店舗数は、2021年10月1日現在の人口推計で割って算出した
