栄養士と管理栄養士は、学校や病院、福祉施設で食事の献立をつくり、栄養の指導もします。
勤め先の多くが公的な施設のため、賃金の開きは1.42倍と、職種のなかでは小さいほうです。
今回は47都道府県の栄養士の平均月給を、2022年の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」のデータを使って比べました。
埼玉県が28.1万円で1位。
47都道府県の平均は24.29万円、中央値は24.1万円です。
最も高い28.1万円と最も低い19.8万円の差は8.3万円、倍率にすると1.42倍でした。
実数で見るか率で見るかによって並びは変わります。
この記事では率のほうを主に見ていきます。
47都道府県の単純平均
24.3万円
栄養士の所定内給与額(2022年)
最も多い 埼玉県
28.1万円
最も少ない 山形県
19.8万円
栄養士の月給が高い上位5都県
栄養士の月給が高い上位5都県です。
埼玉県は28.1万円、鳥取県は27.6万円、茨城県は27.3万円でした。
1位と2位の差は0.5万円です。
4位は長野県で27.2万円、5位は神奈川県で27万円。
上位5はいずれも47都道府県の平均24.29万円を上回りました。
1位の埼玉県は平均を3.81万円上回りました。
中央値の24.1万円と比べると4万円高く、平均に対する比では1.16倍にあたります。
6位以下は愛知県で27万円、大阪府で26.9万円、東京都で26.8万円と続きました。
2位と3位の差は0.3万円、3位と4位の差は0.1万円。
上位のなかでも順位が近いほど差は小さく、5位と8位の間は0.2万円でした。
1位から5位までの幅は1.1万円、1位から8位までの幅は1.3万円でした。
上位のなかでも順位が下がるにつれて差は緩やかになります。
埼玉県は保育士の所定内給与額でも8位に入っています。
全国の値は25.3万円で、上位5はいずれもこれを上回りました。
1位は埼玉県の28.1万円。
首都圏の都県が上位に並びます。
保育士の月給と並べて見ます
なぜこういう並びになるのか、ここからは考えてみます。
以下は栄養士の平均月給の統計から直接読み取れることではなく、別の数字と照らして立てた推測です。
保育士の所定内給与額で並べ替えると、順位が変わります。
1位は神奈川県の29.9、2位は東京都の29.6、3位は京都府の29.3。
4位以下は大阪府、青森県と続きます。
逆に下位は長野県が21、山形県が20。
神奈川県と山形県では1.49倍の開きです。
栄養士は学校や病院、高齢者施設など公的な色の濃い職場が多く、給与も地域の公務員水準に近づきます。
国家資格の管理栄養士と、都道府県知事の免許である栄養士がこの区分に混ざっています。
当サイトの特定給食施設の記事とあわせて見ると、働く場の広がりが分かります。
地方ごとに県の平均を出すと、関東7都県が26.49万円で最も高く、東北6県が22.52万円で最も低くなります。
近畿7府県25.16万円と中部9県24.81万円がそれに続きました。
同じ指標でも、実数で見るか率で見るかで並びは変わります。
どちらか一方だけを見て県の姿を決めつけないことが大切です。
実数で見ると順位は変わる
栄養士の月給が低い下位5県
栄養士の月給が低い下位5県です。
47位の山形県は19.8万円、46位の大分県は21.5万円、45位の佐賀県は21.6万円でした。
1位の埼玉県とは8.3万円の差があります。
44位は青森県で21.6万円、43位は長崎県で21.7万円、42位は愛媛県で21.9万円と続きます。
最も低い山形県は19.8万円。
1位と47位の差は1.4倍です。
47都道府県の中央値は24.1万円、平均は24.29万円です。
47位の山形県は平均を4.49万円下回りました。
47位の山形県は1位の埼玉県の70.5パーセントにあたる水準で、倍率にすると1.42倍の開きです。
46位との差は1.7万円、45位との差は1.8万円。
下位のほうは差が詰まっており、47位と42位の間でも2.1万円しかありません。
下位5県はいずれも47都道府県の平均24.29万円を下回りました。
47位から43位までの幅は1.9万円です。
山形県は保育士の所定内給与額では47位です。
全国の値は25.3万円なので、47位はこれを5.5万円下回っています。
地方別に見る
栄養士の月給は、首都圏で高くなります。
地方ごとに県の平均を出すと、関東7都県が26.49万円で最も高くなります。
次いで近畿7府県が25.16万円、中部9県が24.81万円、中国5県が24.3万円と続きました。
低いほうは四国4県が23.67万円、北海道が23.6万円、九州・沖縄8県が22.73万円、東北6県が22.52万円でした。
最も高い関東7都県と最も低い東北6県の差は3.97万円です。
保育士の所定内給与額で見ると関東7都県が最も高く、東北6県が最も低くなりました。
地図で見る
| 項目 | 栄養士の所定内給与額 |
|---|---|
| 北海道 | 23.6万円 |
| 青森県 | 21.6万円 |
| 岩手県 | 22万円 |
| 宮城県 | 24.3万円 |
| 秋田県 | 23.3万円 |
| 山形県 | 19.8万円 |
| 福島県 | 24.1万円 |
| 茨城県 | 27.3万円 |
| 栃木県 | 24.2万円 |
| 群馬県 | 25.7万円 |
| 埼玉県 | 28.1万円 |
| 千葉県 | 26.3万円 |
| 東京都 | 26.8万円 |
| 神奈川県 | 27万円 |
| 新潟県 | 25.6万円 |
| 富山県 | 23.5万円 |
| 石川県 | 24.2万円 |
| 福井県 | 26万円 |
| 山梨県 | 22.5万円 |
| 長野県 | 27.2万円 |
| 岐阜県 | 22.8万円 |
| 静岡県 | 24.5万円 |
| 愛知県 | 27万円 |
| 三重県 | 22.7万円 |
| 滋賀県 | 26.8万円 |
| 京都府 | 24.6万円 |
| 大阪府 | 26.9万円 |
| 兵庫県 | 25.8万円 |
| 奈良県 | 26.4万円 |
| 和歌山県 | 22.9万円 |
| 鳥取県 | 27.6万円 |
| 島根県 | 22.8万円 |
| 岡山県 | 23.3万円 |
| 広島県 | 23.5万円 |
| 山口県 | 24.3万円 |
| 徳島県 | 23.9万円 |
| 香川県 | 26万円 |
| 愛媛県 | 21.9万円 |
| 高知県 | 22.9万円 |
| 福岡県 | 24.9万円 |
| 佐賀県 | 21.6万円 |
| 長崎県 | 21.7万円 |
| 熊本県 | 23.6万円 |
| 大分県 | 21.5万円 |
| 宮崎県 | 22.9万円 |
| 鹿児島県 | 23.4万円 |
| 沖縄県 | 22.2万円 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは埼玉県です。
次いで鳥取県、茨城県、長野県、神奈川県が続きます。
淡いのは山形県、大分県、佐賀県でした。
47都道府県の平均は24.29万円、中央値は24.1万円です。
埼玉県の28.1万円は平均を3.81万円上回ります。
1位と47位の差は8.3万円、倍率にすると1.42倍でした。
保育士の所定内給与額で並べ替えると神奈川県が29.9で最も高く、開きは1.49倍になります。
主指標で1位の埼玉県は保育士の所定内給与額では8位、保育士の所定内給与額で1位の神奈川県は主指標では5位でした。
| 順位 | 都道府県 | 栄養士の所定内給与額(万円) | 地方 | 保育士の所定内給与額 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 埼玉県 | 28.1 | 関東 | 25.6 |
| 2 | 鳥取県 | 27.6 | 中国 | 24.8 |
| 3 | 茨城県 | 27.3 | 関東 | 25.4 |
| 4 | 長野県 | 27.2 | 中部 | 21 |
| 5 | 愛知県 | 27 | 中部 | 24.6 |
| 5 | 神奈川県 | 27 | 関東 | 29.9 |
| 7 | 大阪府 | 26.9 | 近畿 | 28.2 |
| 8 | 滋賀県 | 26.8 | 近畿 | 23.2 |
| 8 | 東京都 | 26.8 | 関東 | 29.6 |
| 10 | 奈良県 | 26.4 | 近畿 | 25.4 |
| 11 | 千葉県 | 26.3 | 関東 | 26.1 |
| 12 | 香川県 | 26 | 四国 | 23.9 |
| 12 | 福井県 | 26 | 中部 | 24.5 |
| 14 | 兵庫県 | 25.8 | 近畿 | 24.3 |
| 15 | 群馬県 | 25.7 | 関東 | 24.4 |
| 16 | 新潟県 | 25.6 | 中部 | 22.4 |
| 17 | 福岡県 | 24.9 | 九州 | 24.5 |
| 18 | 京都府 | 24.6 | 近畿 | 29.3 |
| 19 | 静岡県 | 24.5 | 中部 | 25 |
| 20 | 宮城県 | 24.3 | 東北 | 23.1 |
| 20 | 山口県 | 24.3 | 中国 | 24.1 |
| 22 | 石川県 | 24.2 | 中部 | 26.5 |
| 22 | 栃木県 | 24.2 | 関東 | 25.2 |
| 24 | 福島県 | 24.1 | 東北 | 22.9 |
| 25 | 徳島県 | 23.9 | 四国 | 23.8 |
| 26 | 熊本県 | 23.6 | 九州 | 23.8 |
| 26 | 北海道 | 23.6 | 北海道 | 25.3 |
| 28 | 広島県 | 23.5 | 中国 | 22.1 |
| 28 | 富山県 | 23.5 | 中部 | 24.6 |
| 30 | 鹿児島県 | 23.4 | 九州 | 25.6 |
| 31 | 岡山県 | 23.3 | 中国 | 25.5 |
| 31 | 秋田県 | 23.3 | 東北 | 23.1 |
| 33 | 宮崎県 | 22.9 | 九州 | 24.2 |
| 33 | 高知県 | 22.9 | 四国 | 23.9 |
| 33 | 和歌山県 | 22.9 | 近畿 | 23.4 |
| 36 | 岐阜県 | 22.8 | 中部 | 25.2 |
| 36 | 島根県 | 22.8 | 中国 | 22.4 |
| 38 | 三重県 | 22.7 | 近畿 | 23.6 |
| 39 | 山梨県 | 22.5 | 中部 | 24.4 |
| 40 | 沖縄県 | 22.2 | 九州 | 22.5 |
| 41 | 岩手県 | 22 | 東北 | 23.8 |
| 42 | 愛媛県 | 21.9 | 四国 | 24 |
| 43 | 長崎県 | 21.7 | 九州 | 22.5 |
| 44 | 佐賀県 | 21.6 | 九州 | 22.7 |
| 44 | 青森県 | 21.6 | 東北 | 26.6 |
| 46 | 大分県 | 21.5 | 九州 | 22.2 |
| 47 | 山形県 | 19.8 | 東北 | 20 |
このグラフについての豆知識
食を支える専門職
栄養士の月給は47都道府県平均で24.3万円。
医療系の職種のなかでは低めの水準です。
学校給食から病院食、高齢者施設の食事まで、栄養士が支える場所は広がっています。
職業名でみる賃金統計
賃金構造基本統計調査には、職種を145に分けた集計があります。
この記事はその「職種(特掲)」から、フルタイムで働く人の2022年の所定内給与を取り出したものです。
所定内給与は毎月決まって支払われる給与から残業代を除いたもので、賞与は含みません。
千円単位の公表値を万円に換算しました。
標本調査なので、その職種で働く人が少ない県では数字が大きくぶれることがあります。
順位そのものより、水準の目安として読んでください。
数字の散らばり
1位の埼玉県は28.1万円、47位の山形県は19.8万円。
差は8.3万円、倍率にすると1.42倍です。
中央値は24.1万円、平均は24.29万円でした。
平均と中央値がどれだけ離れているかを見ると、一部の都道府県が全体を引っぱっているかどうかが分かります。
この指標では0.19万円の差でした。
保育士の所定内給与額で並べ替えると開きは1.49倍になります。
2つの見方を突き合わせると、順位の意味がはっきりします。
順位の並びがにている記事
栄養士の平均月給の並びと似ている記事、そして正反対の記事を挙げます。
いちばん近かったのは【読書をする人の割合】本を読む人が多い県は、関東と近畿に集中していますで、順位相関は0.77でした。
正反対だったのは【スーパーの数】が多いのは大都市ではありませんでした、人口あたりで比較で、相関は-0.7です。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見た栄養士の所定内給与額
| 地方 | 最も多い(万円) | 最も少ない(万円) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 24.3 | 山形県 19.8 |
| 関東 | 埼玉県 28.1 | 栃木県 24.2 |
| 中部 | 長野県 27.2 | 山梨県 22.5 |
| 近畿 | 大阪府 26.9 | 三重県 22.7 |
| 中国 | 鳥取県 27.6 | 島根県 22.8 |
| 四国 | 香川県 26 | 愛媛県 21.9 |
| 九州 | 福岡県 24.9 | 大分県 21.5 |
まとめ
栄養士の平均月給を47都道府県で比べると、最も高い埼玉県で28.1万円、最も低い山形県で19.8万円でした。
その差は8.3万円、倍率にすると1.42倍です。
47都道府県の中央値は24.1万円、平均は24.29万円でした。
全国の値は25.3万円です。
保育士の所定内給与額で並べ替えると開きは1.49倍になり、主指標で1位の埼玉県はその見方では8位に位置します。
栄養士の平均月給の数字を読むときは、3つの点に気をつけてください。
1つ目は、パートタイムで働く人を含まないこと。
2つ目は、管理栄養士と栄養士を合わせた数字であること。
3つ目は2022年の数字であることです。
保育士の所定内給与額では神奈川県が29.9で最も高く、主指標で1位の埼玉県はこの見方では8位でした。
地方ごとの平均では関東7都県が26.49万円で最も高く、東北6県が22.52万円で最も低くなりました。
保育士の月給や特定給食施設の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
1位の埼玉県と2位の鳥取県の差は0.5万円で、上位のなかでも順位は僅差で決まりました。
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出典
- 統計名: 賃金構造基本統計調査(都道府県別 職種(特掲)DB)
- 調査年: 2022年
- 公開元: 厚生労働省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?statdisp_id=0003445758
- 備考: 栄養士・管理栄養士(フルタイム)の所定内給与額の月額。千円単位の公表値を万円に換算した。都道府県を足し合わせても意味がないため、合計や人口10万人あたりは載せていない。参考指標は保育士の所定内給与額
注記: 栄養士・管理栄養士(フルタイム)の所定内給与額の月額。
千円単位の公表値を万円に換算した。
都道府県を足し合わせても意味がないため、合計や人口10万人あたりは載せていない。
参考指標は保育士の所定内給与額
