入れ歯やかぶせ物をつくる歯科技工所は、全国にどれくらいあるのでしょうか。
47都道府県で比べます。
使うのは厚生労働省の衛生行政報告例、2020年末の数字。
東京都が1,801施設で1位。
47都道府県の平均は444.2施設、中央値は269施設です。
1位と47位の間には22.8倍の開き、人口10万人あたりでは2.5倍の開きがありました。
47都道府県の単純平均
444施設
歯科技工所数(2020年)
最も多い 東京都
1,801施設
最も少ない 島根県
79施設
歯科技工所が多い上位5都府県
歯科技工所が多い上位5都府県です。
東京都は1,801施設、愛知県は1,291施設、大阪府は1,265施設でした。
東京都は2位の愛知県の1.4倍です。
4位は神奈川県で1,264施設、5位は北海道で1,212施設。
上位5で全国の32.7パーセント、上位3で20.9パーセント、上位10で54.4パーセントでした。
1位だけで8.6パーセントを占めます。
47都道府県の平均は444.2施設なので、1位は平均の4.1倍。
中央値の269施設と比べると6.7倍にあたります。
6位以下は埼玉県で1,108施設、福岡県で987施設、兵庫県で914施設と続きました。
2位と3位の差は26施設、3位と4位の差は1施設でした。
上位5より下の42都道府県で、全国の67.3パーセントを分け合っています。
1位と2位を合わせると3,092施設。
これだけで全国の14.8パーセントにあたります。
実数は人口の多さに沿います。
1位でも全国の8.6パーセントにとどまりました。
人口あたりでは福島県が1位です
なぜこういう並びになるのか、ここからは考えてみます。
以下は歯科技工所の数の統計から直接読み取れることではなく、別の数字と照らして立てた推測です。
人口10万人あたりで割り直すと、並びが変わります。
1位は福島県の26.28施設、2位は山梨県24.91施設、3位は岐阜県24.79施設。
4位以下は北海道、栃木県と続きます。
逆に人口あたりの下位は島根県12.31施設、沖縄県10.44施設。
福島県と沖縄県では2.5倍の開きです。
人口あたりの1位は福島県です。
実数1位の都は人口あたりでは45位まで下がります。
歯科技工所の多くは1〜2人の小さな工房です。
歯科医院から依頼を受け、宅配便で納品する形が広がり、立地の自由度は増しています。
当サイトの歯科技工士の数の記事とあわせて見てみてください。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、北海道が24施設で最も多く、関東7都県が14.4施設で最も少なくなります。
四国4県19.6施設と東北6県19.1施設がそれに続きました。
実数で見ると順位は変わる
歯科技工所が少ない下位5県
歯科技工所が少ない下位5県です。
47位の島根県は79施設、46位の鳥取県は80施設、45位の福井県は113施設でした。
1位の東京都とは22.8倍の差があります。
44位は佐賀県で114施設、43位は高知県で124施設、42位は徳島県で141施設と続きます。
22.8倍という開きは、人口の差とおおむね同じ大きさです。
47都道府県の中央値は269施設。
平均は444.2施設なので、平均が中央値の1.7倍です。
47位の島根県は平均の17.8パーセント、中央値の29.4パーセントにあたります。
下位5県を合わせても全国の2.4パーセントにしかなりません。
1位の東京都1つで8.6パーセントを占めるのとは対照的です。
47位の島根県は、1位の東京都の4.39パーセントにあたる水準です。
46位との差は1施設、45位との差は34施設でした。
1位の東京都と47位の島根県の間には1,722施設の開きがあります。
地図で見る
| 項目 | 歯科技工所数 |
|---|---|
| 北海道 | 1,212施設 |
| 青森県 | 212施設 |
| 岩手県 | 208施設 |
| 宮城県 | 372施設 |
| 秋田県 | 153施設 |
| 山形県 | 163施設 |
| 福島県 | 458施設 |
| 茨城県 | 479施設 |
| 栃木県 | 447施設 |
| 群馬県 | 369施設 |
| 埼玉県 | 1,108施設 |
| 千葉県 | 824施設 |
| 東京都 | 1,801施設 |
| 神奈川県 | 1,264施設 |
| 新潟県 | 405施設 |
| 富山県 | 150施設 |
| 石川県 | 171施設 |
| 福井県 | 113施設 |
| 山梨県 | 197施設 |
| 長野県 | 415施設 |
| 岐阜県 | 475施設 |
| 静岡県 | 690施設 |
| 愛知県 | 1,291施設 |
| 三重県 | 269施設 |
| 滋賀県 | 227施設 |
| 京都府 | 425施設 |
| 大阪府 | 1,265施設 |
| 兵庫県 | 914施設 |
| 奈良県 | 242施設 |
| 和歌山県 | 187施設 |
| 鳥取県 | 80施設 |
| 島根県 | 79施設 |
| 岡山県 | 352施設 |
| 広島県 | 488施設 |
| 山口県 | 240施設 |
| 徳島県 | 141施設 |
| 香川県 | 174施設 |
| 愛媛県 | 254施設 |
| 高知県 | 124施設 |
| 福岡県 | 987施設 |
| 佐賀県 | 114施設 |
| 長崎県 | 242施設 |
| 熊本県 | 302施設 |
| 大分県 | 184施設 |
| 宮崎県 | 165施設 |
| 鹿児島県 | 294施設 |
| 沖縄県 | 153施設 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都です。
次いで愛知県、大阪府、神奈川県、北海道が続きます。
淡いのは島根県、鳥取県、福井県でした。
47都道府県の平均は444.2施設、中央値は269施設です。
東京都の1,801施設は平均の4.1倍にあたります。
上位3で20.9パーセント、1位と47位で22.8倍の開きがありました。
人口10万人あたりに直すと福島県が26.28施設で最も多く、開きは2.5倍になります。
実数1位の東京都は人口あたりでは45位、人口あたり1位の福島県は実数では14位でした。
| 順位 | 都道府県 | 歯科技工所数(施設) | 地方 | 人口10万人あたりの歯科技工所数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 1801 | 関東 | 12.7 |
| 2 | 愛知県 | 1291 | 中部 | 17.31 |
| 3 | 大阪府 | 1265 | 近畿 | 14.45 |
| 4 | 神奈川県 | 1264 | 関東 | 13.7 |
| 5 | 北海道 | 1212 | 北海道 | 24.03 |
| 6 | 埼玉県 | 1108 | 関東 | 15.11 |
| 7 | 福岡県 | 987 | 九州 | 19.38 |
| 8 | 兵庫県 | 914 | 近畿 | 17.13 |
| 9 | 千葉県 | 824 | 関東 | 13.18 |
| 10 | 静岡県 | 690 | 中部 | 19.56 |
| 11 | 広島県 | 488 | 中国 | 17.98 |
| 12 | 茨城県 | 479 | 関東 | 17.07 |
| 13 | 岐阜県 | 475 | 中部 | 24.79 |
| 14 | 福島県 | 458 | 東北 | 26.28 |
| 15 | 栃木県 | 447 | 関東 | 23.71 |
| 16 | 京都府 | 425 | 近畿 | 16.87 |
| 17 | 長野県 | 415 | 中部 | 20.89 |
| 18 | 新潟県 | 405 | 中部 | 19.29 |
| 19 | 宮城県 | 372 | 東北 | 16.55 |
| 20 | 群馬県 | 369 | 関東 | 19.52 |
| 21 | 岡山県 | 352 | 中国 | 19.22 |
| 22 | 熊本県 | 302 | 九州 | 17.8 |
| 23 | 鹿児島県 | 294 | 九州 | 19.19 |
| 24 | 三重県 | 269 | 近畿 | 15.72 |
| 25 | 愛媛県 | 254 | 四国 | 19.91 |
| 26 | 長崎県 | 242 | 九州 | 19.33 |
| 26 | 奈良県 | 242 | 近畿 | 18.83 |
| 28 | 山口県 | 240 | 中国 | 18.74 |
| 29 | 滋賀県 | 227 | 近畿 | 16.19 |
| 30 | 青森県 | 212 | 東北 | 18.2 |
| 31 | 岩手県 | 208 | 東北 | 18.17 |
| 32 | 山梨県 | 197 | 中部 | 24.91 |
| 33 | 和歌山県 | 187 | 近畿 | 21.25 |
| 34 | 大分県 | 184 | 九州 | 16.96 |
| 35 | 香川県 | 174 | 四国 | 18.97 |
| 36 | 石川県 | 171 | 中部 | 15.57 |
| 37 | 宮崎県 | 165 | 九州 | 15.97 |
| 38 | 山形県 | 163 | 東北 | 16.12 |
| 39 | 沖縄県 | 153 | 九州 | 10.44 |
| 39 | 秋田県 | 153 | 東北 | 17.06 |
| 41 | 富山県 | 150 | 中部 | 15.05 |
| 42 | 徳島県 | 141 | 四国 | 20.58 |
| 43 | 高知県 | 124 | 四国 | 18.9 |
| 44 | 佐賀県 | 114 | 九州 | 14.47 |
| 45 | 福井県 | 113 | 中部 | 15.29 |
| 46 | 鳥取県 | 80 | 中国 | 15.07 |
| 47 | 島根県 | 79 | 中国 | 12.31 |
このグラフについての豆知識
2万の小さな工房
歯科技工所は全国で2万879施設。
歯科技工士3万4,826人の多くがここで働いています。
従事者1人だけの技工所が半数を占める、職人の世界です。
2年に一度の隔年報
就業している医療関係者の数は、衛生行政報告例の隔年報として2年ごとに集計されます。
この記事はデータベースに収載されている最新の2020年末時点の数字を使っています。
免許を持っていても働いていない人(潜在資格者)は含まれません。
就業地で数えるため、県境をこえて通勤する人は働いている県に数えられます。
数字の開き
1位の東京都は1,801施設、47位の島根県は79施設。
両者の間には22.8倍の開きがあります。
上位3で全国の20.9パーセント、上位10で54.4パーセントを占めます。
中央値は269施設、平均は444.2施設です。
平均が中央値を上回るのは、上位のいくつかの都道府県が全体を押し上げているためです。
人口10万人あたりに直すと2.5倍の開きになります。
実数の順位がどこまで人口の多さを映しているかは、この2つを見比べると分かります。
順位の並びがにている記事
歯科技工所の数の47都道府県の並びを、ほかの記事の並びと総当たりで比べました。
最も似ていたのは【高齢者のいる世帯】全国2,265万世帯、5世帯に2世帯が該当(順位相関0.98)です。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【スーパーの数】が多いのは大都市ではありませんでした、人口あたりで比較(相関-0.75)でした。
これは並びが近いというだけで、片方がもう片方を生んでいるという意味ではありません。
地図を2枚ならべてみてください。
地方のなかで見た歯科技工所数
| 地方 | 最も多い(施設) | 最も少ない(施設) |
|---|---|---|
| 東北 | 福島県 458 | 秋田県 153 |
| 関東 | 東京都 1801 | 群馬県 369 |
| 中部 | 愛知県 1291 | 福井県 113 |
| 近畿 | 大阪府 1265 | 和歌山県 187 |
| 中国 | 広島県 488 | 島根県 79 |
| 四国 | 愛媛県 254 | 高知県 124 |
| 九州 | 福岡県 987 | 佐賀県 114 |
まとめ
歯科技工所の数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で1,801施設、最も少ない島根県で79施設でした。
1位と47位の間には22.8倍の開きがあります。
上位3で全国の20.9パーセント、上位10で54.4パーセントを占めます。
47都道府県の中央値は269施設、平均は444.2施設でした。
人口10万人あたりに直すと2.5倍の開きになります。
歯科技工所の数の数字を読むときは、3つの点に気をつけてください。
1つ目は、届け出のあった施設の数であること。
2つ目は、営業実態までは分からないこと。
3つ目は2020年の数字であることです。
人口10万人あたりでは福島県が26.28施設で最多。
実数1位の東京都は人口あたりでは45位でした。
地方別に合計を出すと関東7都県が全国の30.1パーセントで最多、人口10万人あたりでは北海道が24施設で最多でした。
歯科技工士の数や歯科診療所の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 衛生行政報告例
- 調査年: 2020年
- 公開元: 厚生労働省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?statdisp_id=0004027017
- 備考: 2020年末時点の歯科技工所の数。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
注記: 2020年末時点の歯科技工所の数。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
