妊娠・出産から婦人科の病気まで診る産婦人科の診療所は、全国にどれくらいあるのでしょうか。
産婦人科を掲げる一般診療所の数を47都道府県で比べます。
使うのは厚生労働省の医療施設静態調査、2023年の数字。
東京都が420施設で1位。
47都道府県の平均は59.2施設、中央値は34施設です。
1位と47位の間には38.2倍の開き、人口10万人あたりでは2.4倍の開きがありました。
47都道府県の単純平均
59施設
産婦人科を掲げる一般診療所数(2023年)
最も多い 東京都
420施設
最も少ない 高知県
11施設
産婦人科の診療所が多い上位5都府県
産婦人科の診療所が多い上位5都府県です。
東京都は420施設、大阪府は246施設、神奈川県は211施設でした。
東京都は2位の大阪府の1.71倍です。
4位は愛知県で160施設、5位は兵庫県で129施設。
上位5で全国の41.9パーセント、上位3で31.5パーセント、上位10で59.9パーセントでした。
1位だけで15.1パーセントを占めます。
47都道府県の平均は59.2施設なので、1位は平均の7.1倍。
中央値の34施設と比べると12.4倍にあたります。
6位以下は福岡県で125施設、千葉県で111施設、埼玉県で102施設と続きました。
2位と3位の差は35施設、3位と4位の差は51施設でした。
上位5より下の42都道府県で、全国の58.1パーセントを分け合っています。
1位と2位を合わせると666施設。
これだけで全国の23.9パーセントにあたります。
1位だけで全国の15.1パーセントを占めました。
人口の集中より高い水準です。
人口あたりでは和歌山県が1位です
ここからは統計を離れて、産婦人科を掲げる診療所の数の背景を推測します。
確かめられた事実ではなく、ほかの数字と並べて考えた見立てとして読んでください。
人口10万人あたりで割り直すと、並びが変わります。
1位は和歌山県の3.3施設、2位は東京都2.96施設、3位は大阪府2.81施設。
4位以下は鹿児島県、秋田県と続きます。
逆に人口あたりの下位は茨城県1.46施設、埼玉県1.39施設。
和歌山県と埼玉県では2.4倍の開きです。
人口あたりの1位は和歌山県です。
実数1位の東京都は人口あたりでも2位に入ります。
産婦人科を掲げる診療所すべてがお産を扱うわけではありません。
分娩取扱の診療所は全国949施設と、この数の3分の1ほどです。
当サイトの分娩を取り扱う診療所の記事と並べて読むと、その違いが分かります。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、近畿7府県が2.5施設で最も多く、北海道が1.5施設で最も少なくなります。
九州・沖縄8県2.4施設と東北6県2.2施設がそれに続きました。
実数で見ると順位は変わる
産婦人科の診療所が少ない下位5県
産婦人科の診療所が少ない下位5県です。
47位の高知県は11施設、46位の鳥取県は13施設、45位の福井県は14施設でした。
1位の東京都とは38.2倍の差があります。
44位は島根県で16施設、43位は徳島県で17施設、42位は富山県で17施設と続きます。
38.2倍という開きです。
専門の診療科ほど都市部に集まります。
47都道府県の中央値は34施設。
平均は59.2施設なので、平均が中央値の1.7倍です。
47位の高知県は平均の18.6パーセント、中央値の32.4パーセントにあたります。
下位5県を合わせても全国の2.6パーセントにしかなりません。
1位の東京都1つで15.1パーセントを占めるのとは対照的です。
47位の高知県は、1位の東京都の2.62パーセントにあたる水準です。
46位との差は2施設、45位との差は3施設でした。
1位の東京都と47位の高知県の間には409施設の開きがあります。
地図で見る
| 項目 | 産婦人科を掲げる一般診療所数 |
|---|---|
| 北海道 | 77施設 |
| 青森県 | 24施設 |
| 岩手県 | 25施設 |
| 宮城県 | 58施設 |
| 秋田県 | 25施設 |
| 山形県 | 17施設 |
| 福島県 | 31施設 |
| 茨城県 | 41施設 |
| 栃木県 | 41施設 |
| 群馬県 | 39施設 |
| 埼玉県 | 102施設 |
| 千葉県 | 111施設 |
| 東京都 | 420施設 |
| 神奈川県 | 211施設 |
| 新潟県 | 48施設 |
| 富山県 | 17施設 |
| 石川県 | 22施設 |
| 福井県 | 14施設 |
| 山梨県 | 22施設 |
| 長野県 | 38施設 |
| 岐阜県 | 38施設 |
| 静岡県 | 87施設 |
| 愛知県 | 160施設 |
| 三重県 | 45施設 |
| 滋賀県 | 27施設 |
| 京都府 | 53施設 |
| 大阪府 | 246施設 |
| 兵庫県 | 129施設 |
| 奈良県 | 20施設 |
| 和歌山県 | 29施設 |
| 鳥取県 | 13施設 |
| 島根県 | 16施設 |
| 岡山県 | 34施設 |
| 広島県 | 63施設 |
| 山口県 | 29施設 |
| 徳島県 | 17施設 |
| 香川県 | 20施設 |
| 愛媛県 | 24施設 |
| 高知県 | 11施設 |
| 福岡県 | 125施設 |
| 佐賀県 | 21施設 |
| 長崎県 | 34施設 |
| 熊本県 | 39施設 |
| 大分県 | 25施設 |
| 宮崎県 | 26施設 |
| 鹿児島県 | 43施設 |
| 沖縄県 | 27施設 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都です。
次いで大阪府、神奈川県、愛知県、兵庫県が続きます。
淡いのは高知県、鳥取県、福井県でした。
47都道府県の平均は59.2施設、中央値は34施設です。
東京都の420施設は平均の7.1倍にあたります。
上位3で31.5パーセント、1位と47位で38.2倍の開きがありました。
人口10万人あたりに直すと和歌山県が3.3施設で最も多く、開きは2.4倍になります。
実数1位の東京都は人口あたりでは2位、人口あたり1位の和歌山県は実数では26位でした。
| 順位 | 都道府県 | 産婦人科を掲げる一般診療所数(施設) | 地方 | 人口10万人あたりの産婦人科を掲げる一般診療所数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 420 | 関東 | 2.96 |
| 2 | 大阪府 | 246 | 近畿 | 2.81 |
| 3 | 神奈川県 | 211 | 関東 | 2.29 |
| 4 | 愛知県 | 160 | 中部 | 2.14 |
| 5 | 兵庫県 | 129 | 近畿 | 2.42 |
| 6 | 福岡県 | 125 | 九州 | 2.45 |
| 7 | 千葉県 | 111 | 関東 | 1.78 |
| 8 | 埼玉県 | 102 | 関東 | 1.39 |
| 9 | 静岡県 | 87 | 中部 | 2.47 |
| 10 | 北海道 | 77 | 北海道 | 1.53 |
| 11 | 広島県 | 63 | 中国 | 2.32 |
| 12 | 宮城県 | 58 | 東北 | 2.58 |
| 13 | 京都府 | 53 | 近畿 | 2.1 |
| 14 | 新潟県 | 48 | 中部 | 2.29 |
| 15 | 三重県 | 45 | 近畿 | 2.63 |
| 16 | 鹿児島県 | 43 | 九州 | 2.81 |
| 17 | 茨城県 | 41 | 関東 | 1.46 |
| 17 | 栃木県 | 41 | 関東 | 2.18 |
| 19 | 熊本県 | 39 | 九州 | 2.3 |
| 19 | 群馬県 | 39 | 関東 | 2.06 |
| 21 | 岐阜県 | 38 | 中部 | 1.98 |
| 21 | 長野県 | 38 | 中部 | 1.91 |
| 23 | 岡山県 | 34 | 中国 | 1.86 |
| 23 | 長崎県 | 34 | 九州 | 2.72 |
| 25 | 福島県 | 31 | 東北 | 1.78 |
| 26 | 山口県 | 29 | 中国 | 2.26 |
| 26 | 和歌山県 | 29 | 近畿 | 3.3 |
| 28 | 沖縄県 | 27 | 九州 | 1.84 |
| 28 | 滋賀県 | 27 | 近畿 | 1.93 |
| 30 | 宮崎県 | 26 | 九州 | 2.52 |
| 31 | 岩手県 | 25 | 東北 | 2.18 |
| 31 | 秋田県 | 25 | 東北 | 2.79 |
| 31 | 大分県 | 25 | 九州 | 2.3 |
| 34 | 愛媛県 | 24 | 四国 | 1.88 |
| 34 | 青森県 | 24 | 東北 | 2.06 |
| 36 | 山梨県 | 22 | 中部 | 2.78 |
| 36 | 石川県 | 22 | 中部 | 2 |
| 38 | 佐賀県 | 21 | 九州 | 2.66 |
| 39 | 香川県 | 20 | 四国 | 2.18 |
| 39 | 奈良県 | 20 | 近畿 | 1.56 |
| 41 | 山形県 | 17 | 東北 | 1.68 |
| 41 | 徳島県 | 17 | 四国 | 2.48 |
| 41 | 富山県 | 17 | 中部 | 1.71 |
| 44 | 島根県 | 16 | 中国 | 2.49 |
| 45 | 福井県 | 14 | 中部 | 1.89 |
| 46 | 鳥取県 | 13 | 中国 | 2.45 |
| 47 | 高知県 | 11 | 四国 | 1.68 |
このグラフについての豆知識
掲げる施設とお産する施設
産婦人科を掲げる一般診療所は全国で2,784施設。
このうち分娩を取り扱うのは949施設です。
残りの施設は妊婦健診や婦人科の診療を担い、お産そのものは病院や分娩専門の施設に送る分担が進んでいます。
診療科目は重複計上
この記事の数字は、その診療科目を「掲げている」施設の数です。
内科と小児科を両方掲げる診療所は、それぞれの科目に1つずつ数えられます(重複計上)。
医療施設静態調査は3年ごとの調査で、これは2023年(令和5年)10月1日時点のものです。
施設の所在地で数えるため、県境をこえて通院する人のぶんは施設のある県に計上されます。
数字の開き
1位の東京都は420施設、47位の高知県は11施設。
両者の間には38.2倍の開きがあります。
上位3で全国の31.5パーセント、上位10で59.9パーセントを占めます。
中央値は34施設、平均は59.2施設です。
平均が中央値を上回るのは、上位のいくつかの都道府県が全体を押し上げているためです。
人口10万人あたりに直すと2.4倍の開きになります。
実数の順位がどこまで人口の多さを映しているかは、この2つを見比べると分かります。
順位の並びがにている記事
同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
産婦人科を掲げる診療所の数の順位で探してみます。
最も似ていたのは【保険給付の件数】国民健康保険で全国4億2,616万件(順位相関0.96)です。
反対に、並びがいちばん逆だったのは【体育館の数】全国8,111か所、人口が少ない県ほど多いという逆転が起きています(順位相関-0.72)です。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見た産婦人科を掲げる一般診療所数
| 地方 | 最も多い(施設) | 最も少ない(施設) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 58 | 山形県 17 |
| 関東 | 東京都 420 | 群馬県 39 |
| 中部 | 愛知県 160 | 福井県 14 |
| 近畿 | 大阪府 246 | 奈良県 20 |
| 中国 | 広島県 63 | 鳥取県 13 |
| 四国 | 愛媛県 24 | 高知県 11 |
| 九州 | 福岡県 125 | 佐賀県 21 |
まとめ
産婦人科を掲げる診療所の数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で420施設、最も少ない高知県で11施設でした。
1位と47位の間には38.2倍の開きがあります。
上位3で全国の31.5パーセント、上位10で59.9パーセントを占めます。
47都道府県の中央値は34施設、平均は59.2施設でした。
人口10万人あたりに直すと2.4倍の開きになります。
産婦人科を掲げる診療所の数の数字を読むときは、3つの点に気をつけてください。
1つ目は、科目を掲げる施設の重複計上であること。
2つ目は、施設の所在地で数えた数字であること。
3つ目は2023年の数字であることです。
人口10万人あたりでは和歌山県が3.3施設で最多。
実数1位の東京都は人口あたりでは2位でした。
地方別に合計を出すと関東7都県が全国の34.7パーセントで最多、人口10万人あたりでは近畿7府県が2.5施設で最多でした。
産婦人科のある病院や分娩を取り扱う診療所を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)
- 調査年: 2023年
- 公開元: 厚生労働省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?statdisp_id=0004024888
- 備考: 診療科目に産婦人科を掲げる一般診療所の数(重複計上)。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
注記: 診療科目に産婦人科を掲げる一般診療所の数(重複計上)。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
