公的年金や恩給を受け取っている人がいる世帯の割合を、47都道府県で比べます。
使うのは厚生労働省の国民生活基礎調査、2019年の都道府県別の数字。
山形県が66.5%で1位。
47都道府県の平均は55.34%、中央値は56.1%です。
最も高い66.5%と最も低い45.4%の差は21.1%、倍率にすると1.46倍でした。
実数で見るか率で見るかによって並びは変わります。
この記事では率のほうを主に見ていきます。
47都道府県の単純平均
55.3%
公的年金・恩給の受給世帯割合(2019年)
最も多い 山形県
66.5%
最も少ない 愛知県
45.4%
年金を受け取る世帯が多い上位5県
年金を受け取る世帯が多い上位5県です。
山形県は66.5%、島根県は66%、秋田県は65.4%でした。
1位と2位の差は0.5%です。
4位は岩手県で64.9%、5位は鳥取県で63.4%。
上位5はいずれも47都道府県の平均55.34%を上回りました。
1位の山形県は平均を11.16%上回りました。
中央値の56.1%と比べると10.4%高く、平均に対する比では1.2倍にあたります。
6位以下は富山県で62.1%、山口県で62%、青森県で60.5%と続きました。
2位と3位の差は0.6%、3位と4位の差は0.5%。
上位のなかでも順位が近いほど差は小さく、5位と8位の間は2.9%でした。
1位から5位までの幅は3.1%、1位から8位までの幅は6%でした。
上位のなかでも順位が下がるにつれて差は緩やかになります。
山形県は65歳以上の者のいる世帯での受給割合でも6位に入っています。
全国の値は51.7%で、上位5はいずれもこれを上回りました。
上位は東北と北陸の県です。
全国の平均を10ポイント以上上回ります。
65歳以上のいる世帯だけで見ると差は小さくなります
この分布の背景を、ここから考えてみます。
年金を受け取る世帯の割合の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
65歳以上の者のいる世帯での受給割合で並べ替えると、順位が変わります。
1位は島根県の97.9、2位は新潟県の97.8、3位は岩手県の97.5。
4位以下は山口県、秋田県と続きます。
逆に下位は沖縄県が92.4、大阪府が92.2。
島根県と大阪府では1.06倍の開きです。
65歳以上の人がいる世帯だけで見ると、どの都道府県でも9割を超えます。
年金そのものはほぼ全員に行きわたっているということです。
全世帯で見たときの差は、高齢者のいる世帯がどれだけあるかの差でもあります。
年齢構成をほぼそのまま映しています。
当サイトの高齢者のいる世帯を比べた記事とあわせて見てみてください。
地方ごとに県の平均を出すと、東北6県が60.55%で最も高く、関東7都県が51.24%で最も低くなります。
中国5県58.88%と四国4県56.17%がそれに続きました。
実数で見ると順位は変わる
年金を受け取る世帯が少ない下位5県
年金を受け取る世帯が少ない下位5県です。
47位の沖縄県は45.4%、46位の愛知県は45.4%、45位の東京都は45.7%でした。
1位の山形県とは21.1%の差があります。
44位は大阪府で47.1%、43位は神奈川県で48.1%、42位は埼玉県で48.1%と続きます。
下位は南の島の県と大都市圏でした。
若い世代の割合が高い地域です。
47都道府県の中央値は56.1%、平均は55.34%です。
47位の沖縄県は平均を9.94%下回りました。
47位の沖縄県は1位の山形県の68.3パーセントにあたる水準で、倍率にすると1.46倍の開きです。
46位との差は0%、45位との差は0.3%。
下位のほうは差が詰まっており、47位と42位の間でも2.7%しかありません。
下位5県はいずれも47都道府県の平均55.34%を下回りました。
47位から43位までの幅は2.7%です。
沖縄県は65歳以上の者のいる世帯での受給割合では46位です。
全国の値は51.7%なので、47位はこれを6.3%下回っています。
地方別に見る
年金を受け取る世帯の割合は、高齢化の度合いを映します。
地方ごとに県の平均を出すと、東北6県が60.55%で最も高くなります。
次いで中国5県が58.88%、四国4県が56.17%、中部9県が56.07%と続きました。
低いほうは北海道が54.7%、九州・沖縄8県が53.8%、近畿7府県が52.91%、関東7都県が51.24%でした。
最も高い東北6県と最も低い関東7都県の差は9.31%です。
65歳以上の者のいる世帯での受給割合で見ると東北6県が最も高く、関東7都県が最も低くなりました。
地図で見る
| 項目 | 公的年金・恩給の受給世帯割合 |
|---|---|
| 北海道 | 54.7% |
| 青森県 | 60.5% |
| 岩手県 | 64.9% |
| 宮城県 | 49.3% |
| 秋田県 | 65.4% |
| 山形県 | 66.5% |
| 福島県 | 56.7% |
| 茨城県 | 56.6% |
| 栃木県 | 57.5% |
| 群馬県 | 52.7% |
| 埼玉県 | 48.1% |
| 千葉県 | 50% |
| 東京都 | 45.7% |
| 神奈川県 | 48.1% |
| 新潟県 | 59.5% |
| 富山県 | 62.1% |
| 石川県 | 50.2% |
| 福井県 | 59.8% |
| 山梨県 | 54.3% |
| 長野県 | 58.5% |
| 岐阜県 | 58.7% |
| 静岡県 | 56.1% |
| 愛知県 | 45.4% |
| 三重県 | 52.8% |
| 滋賀県 | 48.8% |
| 京都府 | 52.5% |
| 大阪府 | 47.1% |
| 兵庫県 | 53.5% |
| 奈良県 | 58.5% |
| 和歌山県 | 57.2% |
| 鳥取県 | 63.4% |
| 島根県 | 66% |
| 岡山県 | 52.3% |
| 広島県 | 50.7% |
| 山口県 | 62% |
| 徳島県 | 56.3% |
| 香川県 | 54.8% |
| 愛媛県 | 56.3% |
| 高知県 | 57.3% |
| 福岡県 | 48.9% |
| 佐賀県 | 57.4% |
| 長崎県 | 58.8% |
| 熊本県 | 58.3% |
| 大分県 | 53.3% |
| 宮崎県 | 54.2% |
| 鹿児島県 | 54.1% |
| 沖縄県 | 45.4% |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは山形県です。
次いで島根県、秋田県、岩手県、鳥取県が続きます。
淡いのは沖縄県、愛知県、東京都でした。
47都道府県の平均は55.34%、中央値は56.1%です。
山形県の66.5%は平均を11.16%上回ります。
1位と47位の差は21.1%、倍率にすると1.46倍でした。
65歳以上の者のいる世帯での受給割合で並べ替えると島根県が97.9で最も高く、開きは1.06倍になります。
主指標で1位の山形県は65歳以上の者のいる世帯での受給割合では6位、65歳以上の者のいる世帯での受給割合で1位の島根県は主指標では2位でした。
| 順位 | 都道府県 | 公的年金・恩給の受給世帯割合(%) | 地方 | 65歳以上の者のいる世帯での受給割合 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 山形県 | 66.5 | 東北 | 97.3 |
| 2 | 島根県 | 66 | 中国 | 97.9 |
| 3 | 秋田県 | 65.4 | 東北 | 97.3 |
| 4 | 岩手県 | 64.9 | 東北 | 97.5 |
| 5 | 鳥取県 | 63.4 | 中国 | 96.4 |
| 6 | 富山県 | 62.1 | 中部 | 97.2 |
| 7 | 山口県 | 62 | 中国 | 97.5 |
| 8 | 青森県 | 60.5 | 東北 | 97 |
| 9 | 福井県 | 59.8 | 中部 | 96.8 |
| 10 | 新潟県 | 59.5 | 中部 | 97.8 |
| 11 | 長崎県 | 58.8 | 九州 | 96.3 |
| 12 | 岐阜県 | 58.7 | 中部 | 96.5 |
| 13 | 長野県 | 58.5 | 中部 | 97.1 |
| 13 | 奈良県 | 58.5 | 近畿 | 96.5 |
| 15 | 熊本県 | 58.3 | 九州 | 96.6 |
| 16 | 栃木県 | 57.5 | 関東 | 96.4 |
| 17 | 佐賀県 | 57.4 | 九州 | 96.8 |
| 18 | 高知県 | 57.3 | 四国 | 95.2 |
| 19 | 和歌山県 | 57.2 | 近畿 | 94.8 |
| 20 | 福島県 | 56.7 | 東北 | 96.6 |
| 21 | 茨城県 | 56.6 | 関東 | 95.6 |
| 22 | 愛媛県 | 56.3 | 四国 | 96.7 |
| 22 | 徳島県 | 56.3 | 四国 | 96 |
| 24 | 静岡県 | 56.1 | 中部 | 97 |
| 25 | 香川県 | 54.8 | 四国 | 96.9 |
| 26 | 北海道 | 54.7 | 北海道 | 96.9 |
| 27 | 山梨県 | 54.3 | 中部 | 96.7 |
| 28 | 宮崎県 | 54.2 | 九州 | 96.8 |
| 29 | 鹿児島県 | 54.1 | 九州 | 96.7 |
| 30 | 兵庫県 | 53.5 | 近畿 | 95.1 |
| 31 | 大分県 | 53.3 | 九州 | 96.3 |
| 32 | 三重県 | 52.8 | 近畿 | 95.6 |
| 33 | 群馬県 | 52.7 | 関東 | 95.3 |
| 34 | 京都府 | 52.5 | 近畿 | 94.1 |
| 35 | 岡山県 | 52.3 | 中国 | 95 |
| 36 | 広島県 | 50.7 | 中国 | 96 |
| 37 | 石川県 | 50.2 | 中部 | 96.6 |
| 38 | 千葉県 | 50 | 関東 | 95.2 |
| 39 | 宮城県 | 49.3 | 東北 | 96.1 |
| 40 | 福岡県 | 48.9 | 九州 | 95.5 |
| 41 | 滋賀県 | 48.8 | 近畿 | 97.2 |
| 42 | 埼玉県 | 48.1 | 関東 | 94.1 |
| 42 | 神奈川県 | 48.1 | 関東 | 94.5 |
| 44 | 大阪府 | 47.1 | 近畿 | 92.2 |
| 45 | 東京都 | 45.7 | 関東 | 93.5 |
| 46 | 愛知県 | 45.4 | 中部 | 94.6 |
| 46 | 沖縄県 | 45.4 | 九州 | 92.4 |
このグラフについての豆知識
全世帯と高齢者のいる世帯
2019年に公的年金・恩給を受け取る人がいる世帯は、全世帯の51.7パーセントでした。
65歳以上の人がいる世帯に限ると95.3パーセント。
年金は高齢者のいる世帯にはほぼ行きわたっています。
6年前の調査であること
国民生活基礎調査は毎年行われますが、都道府県別に集計されるのは3年ごとの大規模調査の年だけです。
そのうち都道府県別の表が公表されている最新のものが2019年(令和元年)分になります。
この記事の数字は6年前のものです。
そのあいだに世帯の姿は少しずつ変わっているため、いまの状態とは違う可能性があります。
標本調査にもとづく推計値である点にも注意してください。
数字の散らばり
1位の山形県は66.5%、47位の沖縄県は45.4%。
差は21.1%、倍率にすると1.46倍です。
中央値は56.1%、平均は55.34%でした。
平均と中央値がどれだけ離れているかを見ると、一部の都道府県が全体を引っぱっているかどうかが分かります。
この指標では0.76%の差でした。
65歳以上の者のいる世帯での受給割合で並べ替えると開きは1.06倍になります。
2つの見方を突き合わせると、順位の意味がはっきりします。
順位の並びがにている記事
同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
年金を受け取る世帯の割合の順位で探してみます。
いちばん近かったのは【平均年齢】全国47.6歳、最も若い県と最も高い県では9.4歳という開きで、順位相関は0.81でした。
正反対だったのは【給料だけで暮らす世帯】全国42.9%、都市部ほど高いで、相関は-0.89です。
並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。
地方のなかで見た公的年金・恩給の受給世帯割合
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 山形県 66.5 | 宮城県 49.3 |
| 関東 | 栃木県 57.5 | 東京都 45.7 |
| 中部 | 富山県 62.1 | 愛知県 45.4 |
| 近畿 | 奈良県 58.5 | 大阪府 47.1 |
| 中国 | 島根県 66 | 広島県 50.7 |
| 四国 | 高知県 57.3 | 香川県 54.8 |
| 九州 | 長崎県 58.8 | 沖縄県 45.4 |
まとめ
年金を受け取る世帯の割合を47都道府県で比べると、最も高い山形県で66.5%、最も低い沖縄県で45.4%でした。
その差は21.1%、倍率にすると1.46倍です。
47都道府県の中央値は56.1%、平均は55.34%でした。
全国の値は51.7%です。
65歳以上の者のいる世帯での受給割合で並べ替えると開きは1.06倍になり、主指標で1位の山形県はその見方では6位に位置します。
年金を受け取る世帯の割合をほかの数字と見くらべる前に、3つ確かめてください。
1つ目は、標本調査にもとづく推計値であること。
2つ目は、受け取る金額ではなく世帯の割合であること。
3つ目は2019年の数字であることです。
65歳以上の者のいる世帯での受給割合では島根県が97.9で最も高く、主指標で1位の山形県はこの見方では6位でした。
地方ごとの平均では東北6県が60.55%で最も高く、関東7都県が51.24%で最も低くなりました。
高齢者のいる世帯や年金受給者の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
関連記事
- 【高齢者の割合】を47都道府県で比較すると地域差は16.8ポイント
- 【高齢者のいる世帯】全国2,265万世帯、5世帯に2世帯が該当
- 【国民年金の加入者】全国2,125万人、大阪府が人口あたりでも上位
- 【国民年金を受け取る人】全国3,681万8,044人、人口の3割弱
- 【1か月の社会保障給付】平均4万1,546円、差は2.79倍
- 【給料収入のない世帯】全国20.2%、年金暮らしが中心
出典
- 統計名: 国民生活基礎調査(都道府県別 公的年金・恩給の受給割合)
- 調査年: 2019年
- 公開元: 厚生労働省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?statdisp_id=0003441534
- 備考: 2019年の公的年金・恩給の受給世帯割合。都道府県を足し合わせても意味がないため、合計や人口10万人あたりは載せていない。参考指標は65歳以上の者のいる世帯での受給割合
注記: 2019年の公的年金・恩給の受給世帯割合。
都道府県を足し合わせても意味がないため、合計や人口10万人あたりは載せていない。
参考指標は65歳以上の者のいる世帯での受給割合
