県名と県庁所在地が違う都道府県はどこ?「17」にも「19」にもなる理由

「愛知県の県庁所在地は名古屋市」「兵庫県は神戸市」。
県名と県庁所在地の名前が違う県は、小中学校の社会科で最初につまずきやすいポイントです。

どこが違うのかを一覧にすると、はっきり違うと言えるのは「17」でした。
ただし、この数字は判定基準(数え方)によって「18」にも「19」にも変わります。

本記事では、該当する自治体の一覧とともに、なぜ数が揺れるのか、そして地方ごとの偏りや政令指定都市との関係まで分かりやすく解説します。

名前がはっきり違うのは17都道府県

地方都道府県県庁所在地
北海道北海道札幌市
東北岩手県盛岡市
東北宮城県仙台市
関東茨城県水戸市
関東栃木県宇都宮市
関東群馬県前橋市
関東神奈川県横浜市
中部石川県金沢市
中部山梨県甲府市
中部愛知県名古屋市
近畿三重県津市
近畿滋賀県大津市
近畿兵庫県神戸市
中国島根県松江市
四国香川県高松市
四国愛媛県松山市
九州・沖縄沖縄県那覇市
国土地理院「都道府県と都道府県庁所在地」をもとに作成。

全国47都道府県のうち、17(全体の36.2%)が当てはまります。
残りの都道府県は、基本的に県名と同じ名前の市が県庁所在地です。

なぜ「18」や「19」にもなるのか?

冒頭で「数え方で変わる」とお伝えしたのは、判断に迷う自治体が2つあるためです。

都道府県県庁所在地判定が分かれる理由
埼玉県さいたま市読みは同じだが、漢字とひらがなで表記が違う
東京都新宿区市ではなく「特別区」。地図帳では「東京」と表記されることもある
名前が違うと数えるかどうかで、合計が変わる2つ。
  • 表記の違いを含めるなら「18」:埼玉県の「さいたま市」は、音は同じですが表記が異なります。これを「違う」とカウントすると18になります
  • 「市」ではない東京都も含めるなら「19」:都庁があるのは条例上「新宿区」であり、市ではありません(地図帳等では慣例で「東京」と書かれることもあります)。これもカウントすると19になります

つまり、テストやクイズで「いくつある?」と聞かれた場合、前提条件の置き方次第で17・18・19のいずれも正解になり得るのです。

テストで数を聞かれたら困りますが、こういう「決め方しだいで変わる数」は統計にもよく出てきます。

地方ごとの偏り:関東に集中し、西日本は少ない

違う都道府県がどこにあるかを地方別にカウントすると、明確な偏りが見えてきます。

地方都道府県数名前が違う数割合
北海道11100.0%
関東7457.1%
四国4250.0%
近畿7342.9%
東北6233.3%
中部9333.3%
中国5120.0%
九州・沖縄8112.5%
はっきり違う17で算出。埼玉県・東京都は含まない。

関東地方は7都県のうち4県(57.1%)と半数以上を占めています。
一方で、中国地方(島根県のみ)や九州・沖縄地方(沖縄県のみ)のように、西へ行くほど「県名=県庁所在地名」の割合が高くなる傾向があります。

北海道は1道だけなので、割合の並びとしては見ていません。

なぜ名前が違うのか?

答えは至ってシンプルで、「県の名前」と「都市(城下町など)の名前」がそれぞれ別々に定着したからです。

明治時代の廃藩置県や府県統合の際、県名は「県庁が置かれた郡の名前」や「旧国名・地域名」から取られたケースが多くありました。
一方で、中心都市はそれ以前から使われていた歴史的な名称(城下町の名前など)をそのまま引き継ぎました。
どちらかが後から変更されたわけではなく、2つの名前がそのまま残った結果です。

府県が整理されていった流れは日本にはなぜ47都道府県あるのかにまとめました。
都・道・府・県という呼び方が4種類あるのも、同じ時期の名残です(都・道・府・県は何が違うのか)。

暗記のコツ:西日本から覚えると楽

17個を丸暗記するのは大変ですが、偏りを利用すると覚える量を一気に減らせます。

  1. 北海道:北海(札幌)
  2. 東北:岩手(盛岡)、宮城(仙台)
  3. 関東:茨城(水戸)、栃木(宇都宮)、群馬(前橋)、神奈川(横浜)
  4. 中部:石川(金沢)、山梨(甲府)、愛知(名古屋)
  5. 近畿:三重(津)、滋賀(大津)、兵庫(神戸)
  6. 中国:島根(松江)
  7. 四国:香川(高松)、愛媛(松山)
  8. 九州・沖縄:沖縄(那覇)

特に中国・四国・九州・沖縄は「島根・香川・愛媛・沖縄」の4県以外すべて同じ名前です。
西日本から攻めると学習の負担が軽くなります。

政令指定都市「20」のうち、5つは県庁所在地ではない

「県庁所在地=その県で一番大きい都市」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。

全国に20ある政令指定都市のうち、県庁所在地ではない市が5つあります。

市の数市
県庁所在地でもある15札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、新潟市、静岡市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、岡山市、広島市、福岡市、熊本市
県庁所在地ではない5川崎市、相模原市、浜松市、堺市、北九州市
総務省「指定都市一覧」と県庁所在地の一覧をもとに当サイトで整理。

例えば神奈川県には「横浜市・川崎市・相模原市」と3つの政令指定都市がありますが、県庁が置かれているのは横浜市のみです。

逆に見ると、47都道府県のうち県庁所在地が政令指定都市なのは15。
残りの32は、政令指定都市ではない市(または区)が県庁所在地です。
政令指定都市がふつうの市とどう違うのかは政令指定都市とは?に書きました。

47都道府県と県庁所在地 全覧表

最後に、全国47都道府県の全データをまとめておきます(同じ:28、違う:17、判定分かれる:2)。

地方都道府県県庁所在地分類
北海道北海道札幌市違う
東北青森県青森市同じ
東北岩手県盛岡市違う
東北宮城県仙台市違う
東北秋田県秋田市同じ
東北山形県山形市同じ
東北福島県福島市同じ
関東茨城県水戸市違う
関東栃木県宇都宮市違う
関東群馬県前橋市違う
関東埼玉県さいたま市表記違い
関東千葉県千葉市同じ
関東東京都新宿区区(特別区)
関東神奈川県横浜市違う
中部新潟県新潟市同じ
中部富山県富山市同じ
中部石川県金沢市違う
中部福井県福井市同じ
中部山梨県甲府市違う
中部長野県長野市同じ
中部岐阜県岐阜市同じ
中部静岡県静岡市同じ
中部愛知県名古屋市違う
近畿三重県津市違う
近畿滋賀県大津市違う
近畿京都府京都市同じ
近畿大阪府大阪市同じ
近畿兵庫県神戸市違う
近畿奈良県奈良市同じ
近畿和歌山県和歌山市同じ
中国鳥取県鳥取市同じ
中国島根県松江市違う
中国岡山県岡山市同じ
中国広島県広島市同じ
中国山口県山口市同じ
四国徳島県徳島市同じ
四国香川県高松市違う
四国愛媛県松山市違う
四国高知県高知市同じ
九州・沖縄福岡県福岡市同じ
九州・沖縄佐賀県佐賀市同じ
九州・沖縄長崎県長崎市同じ
九州・沖縄熊本県熊本市同じ
九州・沖縄大分県大分市同じ
九州・沖縄宮崎県宮崎市同じ
九州・沖縄鹿児島県鹿児島市同じ
九州・沖縄沖縄県那覇市違う
国土地理院「都道府県と都道府県庁所在地」をもとに作成。「分類」の判定は当サイトによる。

こうしてみると、全国の約59.6%(28都道府県)は「県名=県庁所在地名」であることが分かります。
覚えにくく感じるのは、違うほうが目立つからかもしれません。

よくある質問(FAQ)

東京都の県庁所在地はどこですか?

条例上は「新宿区」です。

東京都の「東京都庁の位置を定める条例」では、新宿区西新宿二丁目と定められています。
地図帳などで「東京」と書かれるのは作図上の慣例(都市名としての表現)だと、東京都自身が説明しています。

埼玉県の県庁所在地は「違う」に入りますか?

条件によります。

「さいたま市」は漢字とひらがなで表記が異なるため、資料によって「違う」に入れる場合と「同じ」に分類する場合があります。
この記事では分けて示しました。
数を1つに決められない例です。

県庁所在地は、その県で一番人口が多い街ですか?

必ずしもそうではありません。

県庁所在地は行政の中心地であり、人口や経済の最大都市とは限りません。
福島県の最大都市は郡山市、山口県は下関市というように、県庁所在地ではない市が県内最大というケースがあります。
県庁をどこに置くかは条例で決めるもので、一番大きい市に置くという決まりはありません。

県庁所在地の名前は、変わることがありますか?

市町村の合併で変わることがあります。

さいたま市は、2001年に浦和市・大宮市・与野市が合併してできた市です。
つまり「埼玉県の県庁所在地」は、もとは「浦和市」でした。
名前が違う県の一覧は、時代によって中身が変わります。

なぜ関東に多いのですか?

この一覧からは分かりません。

関東は7都県のうち4で、割合では57.1%と高めでした。
明治の府県の整理のなかで県名と都市名がそれぞれ決まっていった結果ですが、関東だけに共通する理由があったのかどうかは、この数字の外の話になります。

県庁所在地を覚えるメリットはありますか?

統計データなどを読み解く際に役立ちます。

国の行う家計調査や物価動向調査などは、「県全体」ではなく「県庁所在地市」を基準に集計されていることが多いためです。
そのあたりは県庁所在地とは?に書きました。

県庁所在地以外に、県の役所が置かれている市はありますか?

あります。

県庁の出先機関(振興局や地域事務所)は、県内のいくつかの市町村に置かれています。
広い県ほど出先機関が多くなります。
県庁所在地は「本庁がある場所」であって、県の仕事がそこだけで行われているわけではありません。

まとめ

  • はっきり名前が違う県は17
  • 埼玉県(表記違い)と東京都(区)を含めると18や19になる
  • 地方別で見ると関東地方(57.1%)に集中している
  • 全体で見ると28都道府県(59.6%)は県名と県庁所在地名が同じ
  • 政令指定都市20のうち5市(川崎市、相模原市、浜松市、堺市、北九州市)は県庁所在地ではない

一見複雑に見える都道府県と県庁所在地の関係も、ルールや偏りを知るとすっきり整理して覚えることができます。

出典

  • 地方ごとの数と割合、合計は、上記の一覧をもとに当サイトで数えた

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