街から減ったと言われる公衆電話は、今どこに何台あるのでしょうか。
この記事では、47都道府県の設置台数を比べます。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系、2024年の数字。
全国9万6,126台のうち、東京都が1万717台で1位。
人口あたりでは地方ほど手厚く残っています。
47都道府県の単純平均
2,045台
公衆電話設置台数(2024年)
最も多い 東京都
10,717台
最も少ない 徳島県
509台
公衆電話が多い5都道府県
公衆電話が多い上位5都道府県です。
東京都は1万717台、大阪府は5,807台、神奈川県は5,263台、愛知県は5,112台、千葉県は4,713台でした。
東京都は2位の大阪府の1.85倍です。
6位以下は北海道4,154台、福岡県3,547台、埼玉県3,431台と続きます。
上位3都府県で全国の22.7パーセント、上位5都府県で32.9パーセント、上位10都道府県で50.7パーセント。
人通りの多い駅や施設を抱える大都市が実数の上位です。
人口あたりでは高知県が1位、災害への備えでもあります
数字を並べるところまでが統計の仕事で、ここから先は解釈になります。
公衆電話設置台数の分布について、ほかの指標と突き合わせて立てた推測を書きます。
事実として確かめたものではありません。
人口10万人あたりで割り直すと、地方の県が上位に並びます。
1位は高知県の142.7台、2位は島根県132.2台、3位は山口県131.0台。
4位は青森県124.1台、5位は山梨県120.1台、6位は宮崎県118.7台と続きます。
逆に人口あたりの下位は熊本県58.9台、静岡県58.6台、神奈川県57.1台、埼玉県46.8台。
高知県と埼玉県では3.0倍の開きです。
実数1位の東京都は人口あたりでは33位。
携帯電話が普及した今、公衆電話は使われる頻度ではなく、置いておくべき場所の数で決まっていると考えられます。
人が散らばって住む県ほど、カバーすべき地域が多くなり、住民あたりの台数が増えるという構図です。
公衆電話には、災害時にも通話が優先されるという役割があります。
停電や通信障害の際の最後の連絡手段として、一定の密度で残されている面もありそうです。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、中国5県が106.2台で最も多く、関東7都県が69.5台で最も少なくなります。
東北6県103.3台、四国4県87.7台と続きました。
実数で見ると順位は変わる
地図で見ると、上位5県のうち3つが関東
| 項目 | 公衆電話設置台数 |
|---|---|
| 北海道 | 4,154台 |
| 青森県 | 1,446台 |
| 岩手県 | 1,180台 |
| 宮城県 | 2,095台 |
| 秋田県 | 887台 |
| 山形県 | 1,151台 |
| 福島県 | 1,723台 |
| 茨城県 | 2,585台 |
| 栃木県 | 1,707台 |
| 群馬県 | 1,857台 |
| 埼玉県 | 3,431台 |
| 千葉県 | 4,713台 |
| 東京都 | 10,717台 |
| 神奈川県 | 5,263台 |
| 新潟県 | 2,374台 |
| 富山県 | 711台 |
| 石川県 | 877台 |
| 福井県 | 692台 |
| 山梨県 | 950台 |
| 長野県 | 1,510台 |
| 岐阜県 | 1,555台 |
| 静岡県 | 2,068台 |
| 愛知県 | 5,112台 |
| 三重県 | 1,238台 |
| 滋賀県 | 996台 |
| 京都府 | 2,055台 |
| 大阪府 | 5,807台 |
| 兵庫県 | 3,431台 |
| 奈良県 | 1,221台 |
| 和歌山県 | 962台 |
| 鳥取県 | 603台 |
| 島根県 | 849台 |
| 岡山県 | 1,707台 |
| 広島県 | 2,596台 |
| 山口県 | 1,678台 |
| 徳島県 | 509台 |
| 香川県 | 681台 |
| 愛媛県 | 975台 |
| 高知県 | 936台 |
| 福岡県 | 3,547台 |
| 佐賀県 | 596台 |
| 長崎県 | 1,160台 |
| 熊本県 | 999台 |
| 大分県 | 856台 |
| 宮崎県 | 1,226台 |
| 鹿児島県 | 1,417台 |
| 沖縄県 | 1,323台 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都、大阪府、神奈川県、愛知県、千葉県です。
淡いのは徳島県、佐賀県、鳥取県、香川県、福井県でした。
47都道府県の平均は2,045.2台、中央値は1,417台です。
東京都の1万717台は平均の5.2倍にあたります。
上位3都府県で22.7パーセント、1位と47位で21.1倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 公衆電話設置台数(台) | 地方 | 人口10万人あたりの公衆電話設置台数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 10717 | 関東 | 75.59 |
| 2 | 大阪府 | 5807 | 近畿 | 66.31 |
| 3 | 神奈川県 | 5263 | 関東 | 57.05 |
| 4 | 愛知県 | 5112 | 中部 | 68.53 |
| 5 | 千葉県 | 4713 | 関東 | 75.40 |
| 6 | 北海道 | 4154 | 北海道 | 82.37 |
| 7 | 福岡県 | 3547 | 九州 | 69.66 |
| 8 | 埼玉県 | 3431 | 関東 | 46.79 |
| 8 | 兵庫県 | 3431 | 近畿 | 64.29 |
| 10 | 広島県 | 2596 | 中国 | 95.65 |
| 11 | 茨城県 | 2585 | 関東 | 92.12 |
| 12 | 新潟県 | 2374 | 中部 | 113.10 |
| 13 | 宮城県 | 2095 | 東北 | 93.19 |
| 14 | 静岡県 | 2068 | 中部 | 58.63 |
| 15 | 京都府 | 2055 | 近畿 | 81.55 |
| 16 | 群馬県 | 1857 | 関東 | 98.25 |
| 17 | 福島県 | 1723 | 東北 | 98.85 |
| 18 | 岡山県 | 1707 | 中国 | 93.23 |
| 18 | 栃木県 | 1707 | 関東 | 90.56 |
| 20 | 山口県 | 1678 | 中国 | 130.99 |
| 21 | 岐阜県 | 1555 | 中部 | 81.16 |
| 22 | 長野県 | 1510 | 中部 | 75.99 |
| 23 | 青森県 | 1446 | 東北 | 124.12 |
| 24 | 鹿児島県 | 1417 | 九州 | 92.49 |
| 25 | 沖縄県 | 1323 | 九州 | 90.25 |
| 26 | 三重県 | 1238 | 近畿 | 72.36 |
| 27 | 宮崎県 | 1226 | 九州 | 118.68 |
| 28 | 奈良県 | 1221 | 近畿 | 95.02 |
| 29 | 岩手県 | 1180 | 東北 | 103.06 |
| 30 | 長崎県 | 1160 | 九州 | 92.65 |
| 31 | 山形県 | 1151 | 東北 | 113.85 |
| 32 | 熊本県 | 999 | 九州 | 58.87 |
| 33 | 滋賀県 | 996 | 近畿 | 71.04 |
| 34 | 愛媛県 | 975 | 四国 | 76.41 |
| 35 | 和歌山県 | 962 | 近畿 | 109.32 |
| 36 | 山梨県 | 950 | 中部 | 120.10 |
| 37 | 高知県 | 936 | 四国 | 142.68 |
| 38 | 秋田県 | 887 | 東北 | 98.89 |
| 39 | 石川県 | 877 | 中部 | 79.87 |
| 40 | 大分県 | 856 | 九州 | 78.89 |
| 41 | 島根県 | 849 | 中国 | 132.24 |
| 42 | 富山県 | 711 | 中部 | 71.31 |
| 43 | 福井県 | 692 | 中部 | 93.64 |
| 44 | 香川県 | 681 | 四国 | 74.26 |
| 45 | 鳥取県 | 603 | 中国 | 113.56 |
| 46 | 佐賀県 | 596 | 九州 | 75.63 |
| 47 | 徳島県 | 509 | 四国 | 74.31 |
公衆電話が少ない5県
公衆電話が少ない下位5県です。
徳島県は509台、佐賀県は596台、鳥取県は603台、香川県は681台、福井県は692台でした。
東京都の1万717台とは21.1倍の差があります。
ただし人口10万人あたりに直すと、この並びは大きく変わります。
実数最下位クラスの県が、住民あたりでは上位に回るのです。
47都道府県の中央値は1,417台。
平均は2,045.2台なので、平均が中央値の1.4倍です。
地方でまとめると、関東が四国の5.6倍
地方別に合計を出すと、関東が最も大きくなります。
関東7都県が全国の31.5パーセント、中部9県が16.5パーセント、近畿7府県が16.3パーセント、九州・沖縄8県が11.6パーセントと続きます。
少ないほうは東北6県が8.8パーセント、中国5県が7.7パーセント、北海道が4.3パーセント、四国4県が3.2パーセントでした。
人口10万人あたりの平均では順位が逆転します。
中国5県が106.2台で1位、東北6県が103.3台で2位、四国4県が87.7台で3位。
関東7都県は69.5台で最下位でした。
都会の統計に見えて、密度では地方が上という、公衆電話らしい結果です。
1位と47位で21.1倍。読むときに気をつけたいこと
全国におよそ9万6千台
公衆電話の設置台数は全国9万6,126台。
最盛期には90万台を超えていたとされる時代から大きく減りましたが、今も中央値の県で1,417台が残ります。
公衆電話は法律で設置が義務づけられたユニバーサルサービスの一つとされ、市街地や過疎地ごとに置くべき密度の基準があります。
数が減っても、地図の空白を作らないように維持されています。
災害時の最後の連絡手段
公衆電話は災害時に通話が優先的につながる「災害時優先電話」であり、停電でも電話局からの給電で使えるものが多くあります。
人口あたり1位の高知県142.7台は、南海トラフ地震への備えが厚い県でもあります。
ふだん使わなくても、いざという時のためのインフラとして残る。
公衆電話の数字は、そんな役割の変化を映しています。
数字は2024年のものです。
10年前とくらべると
全国の公衆電話設置台数は、2014年の183,655台から2024年の96,126台へ、この10年でおよそ48%減りました。
2014年の時点でも1位は東京都でした。
この10年、順位は動いていません。
県別では北海道の36%減が、いちばん小さい下げ幅でした。
順位の並びがにている記事
公衆電話設置台数の並びと似ている記事、そして正反対の記事を挙げます。
最も似ていたのは【建物火災の件数】全国2万974件、人口あたりの差は1.9倍(順位相関0.97)です。
正反対だったのは【体育館の数】全国8,111か所、人口が少ない県ほど多いという逆転が起きていますで、相関は-0.7です。
相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。
地方のなかで見た公衆電話設置台数
| 地方 | 最も多い(台) | 最も少ない(台) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 2095 | 秋田県 887 |
| 関東 | 東京都 10717 | 栃木県 1707 |
| 中部 | 愛知県 5112 | 福井県 692 |
| 近畿 | 大阪府 5807 | 和歌山県 962 |
| 中国 | 広島県 2596 | 鳥取県 603 |
| 四国 | 愛媛県 975 | 徳島県 509 |
| 九州 | 福岡県 3547 | 佐賀県 596 |
まとめ
公衆電話の設置台数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で1万717台、最も少ない徳島県で509台でした。
人口10万人あたりでは高知県が142.7台で1位になります。
公衆電話設置台数の数字を受け取る前に、3つ添えておきます。
1つ目は、設置台数であり利用回数ではないこと。
2つ目は、設置には地域ごとの基準があること。
3つ目は2024年の数字であることです。
人口あたりの上位は高知・島根・山口・青森と人が散らばって住む県、下位は埼玉・神奈川と大都市圏。
密度では地方が手厚いという結果でした。
地方別の人口あたり平均は中国5県106.2台が最多、関東7都県69.5台が最少でした。
消火栓や防火水槽、歩道橋の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
関連記事
- 【消火栓の数】全国195万4,330か所、1位と2位の差は1,431か所
- 【防火水槽の数】全国54万2,179か所、消火栓とは1位が入れ替わる
- 【歩道橋などの数】全国14,918か所、1位は自動車の県でした
- 【防犯ボランティア団体】全国42,847団体、1位は2位の1.67倍
- 【消防団・分団の数】全国24,035団、1位と2位の差は8団だけ
出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2024年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードH7602(公衆電話設置台数)の2024年の値。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードH7602(公衆電話設置台数)の2024年の値。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
