1年間に起きた建物火災は、全国で2万974件。
その分布を47都道府県で比べます。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系、2023年の数字です。
東京都が3,077件で1位。
人口10万人あたりで見ても東京都は5位で、都市に多い出来事だと分かります。
47都道府県の単純平均
446件
建物火災出火件数(2023年)
最も多い 東京都
3,077件
最も少ない 鳥取県
82件
建物火災が多い5都府県
建物火災が多い上位5都府県です。
東京都は3,077件、大阪府は1,424件、神奈川県は1,246件でした。
東京都は2位の大阪府の2.16倍です。
4位以下は愛知県、埼玉県と続き、上位5都府県で全国の37.6パーセント。
上位3都府県で27.4パーセント、上位10都道府県で57.2パーセントでした。
東京都1都で14.7パーセント。
人口のシェア(約11パーセント)より高く、建物が密集する都市で火災が起きやすいことを示します。
人口あたりの差は1.9倍と小さめです
ここから先は、建物火災出火件数がこう分かれる理由についての見立てです。
ほかの指標と突き合わせて立てた推測で、統計そのものが示している事実ではありません。
人口10万人あたりで割り直すと、北関東と青森県が上位に来ます。
1位は青森県の23.99件、2位は栃木県22.46件、3位は茨城県21.88件。
逆に人口あたりの下位は京都府12.39件、富山県12.31件。
青森県と富山県では1.9倍の開きです。
実数1位の東京都は人口あたりでも5位。
この一連の記事では、実数1位の都が人口あたりでも上位に残る例は多くありません。
建物が密集し、住宅も店舗も多い都市では、出火の機会がそれだけ増えると考えられます。
一方で、消防の体制も厚いため、大きな被害につながる前に消し止められる割合も高いかもしれません。
ただしこの統計は出火件数だけを見たもので、被害の大きさまでは分かりません。
青森県が人口あたり1位なのは、暖房を長く使う寒冷地であることと関係があるかもしれませんが、この統計から理由を断定することはできません。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、北海道が19件で最も多く、近畿7府県が15.5件で最も少なくなります。
東北6県18.7件と関東7都県17.9件がそれに続きました。
実数で見ると順位は変わる
建物火災が少ない5県
建物火災が少ない下位5県です。
鳥取県は82件、福井県は98件、徳島県は102件でした。
東京都の3,077件とは37.5倍の差があります。
ただし人口10万人あたりに直すと、この開きは1.9倍まで縮みます。
火災は人が暮らすところで起きる出来事だということです。
47都道府県の中央値は278件。
平均は446.3件なので、平均が中央値の1.6倍です。
地方別に見る
火災は、人が暮らし建物が密集するところで起きます。
地方別に合計を出すと、関東7都県が全国の37.1パーセントで最も大きくなります。
次いで近畿7府県が16.2パーセント、中部9県が15.4パーセント、九州・沖縄8県が10.7パーセントと続きました。
少ないほうは東北6県が7.4パーセント、中国5県が5.6パーセント、北海道が4.6パーセント、四国4県が3パーセントでした。
人口10万人あたりの平均で見ると並びが変わります。
北海道が19件、東北6県が18.7件、関東7都県が17.9件の順に多く、最も少ないのは近畿7府県が15.5件です。
地図で見る
| 項目 | 建物火災出火件数 |
|---|---|
| 北海道 | 965件 |
| 青森県 | 284件 |
| 岩手県 | 213件 |
| 宮城県 | 375件 |
| 秋田県 | 184件 |
| 山形県 | 181件 |
| 福島県 | 322件 |
| 茨城県 | 618件 |
| 栃木県 | 426件 |
| 群馬県 | 370件 |
| 埼玉県 | 1,062件 |
| 千葉県 | 983件 |
| 東京都 | 3,077件 |
| 神奈川県 | 1,246件 |
| 新潟県 | 372件 |
| 富山県 | 124件 |
| 石川県 | 146件 |
| 福井県 | 98件 |
| 山梨県 | 174件 |
| 長野県 | 354件 |
| 岐阜県 | 354件 |
| 静岡県 | 521件 |
| 愛知県 | 1,080件 |
| 三重県 | 278件 |
| 滋賀県 | 198件 |
| 京都府 | 314件 |
| 大阪府 | 1,424件 |
| 兵庫県 | 813件 |
| 奈良県 | 190件 |
| 和歌山県 | 182件 |
| 鳥取県 | 82件 |
| 島根県 | 123件 |
| 岡山県 | 331件 |
| 広島県 | 401件 |
| 山口県 | 238件 |
| 徳島県 | 102件 |
| 香川県 | 180件 |
| 愛媛県 | 214件 |
| 高知県 | 129件 |
| 福岡県 | 739件 |
| 佐賀県 | 120件 |
| 長崎県 | 197件 |
| 熊本県 | 266件 |
| 大分県 | 198件 |
| 宮崎県 | 217件 |
| 鹿児島県 | 296件 |
| 沖縄県 | 213件 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都、大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県です。
淡いのは鳥取県、福井県、徳島県でした。
47都道府県の平均は446.3件、中央値は278件です。
東京都の3,077件は平均の6.9倍にあたります。
上位3都府県で27.4パーセント、1位と47位で37.5倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 建物火災出火件数(件) | 地方 | 人口10万人あたりの建物火災出火件数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 3077 | 関東 | 21.84 |
| 2 | 大阪府 | 1424 | 近畿 | 16.25 |
| 3 | 神奈川県 | 1246 | 関東 | 13.50 |
| 4 | 愛知県 | 1080 | 中部 | 14.44 |
| 5 | 埼玉県 | 1062 | 関東 | 14.49 |
| 6 | 千葉県 | 983 | 関東 | 15.71 |
| 7 | 北海道 | 965 | 北海道 | 18.95 |
| 8 | 兵庫県 | 813 | 近畿 | 15.14 |
| 9 | 福岡県 | 739 | 九州 | 14.48 |
| 10 | 茨城県 | 618 | 関東 | 21.88 |
| 11 | 静岡県 | 521 | 中部 | 14.66 |
| 12 | 栃木県 | 426 | 関東 | 22.46 |
| 13 | 広島県 | 401 | 中国 | 14.65 |
| 14 | 宮城県 | 375 | 東北 | 16.56 |
| 15 | 新潟県 | 372 | 中部 | 17.50 |
| 16 | 群馬県 | 370 | 関東 | 19.45 |
| 17 | 岐阜県 | 354 | 中部 | 18.33 |
| 17 | 長野県 | 354 | 中部 | 17.66 |
| 19 | 岡山県 | 331 | 中国 | 17.92 |
| 20 | 福島県 | 322 | 東北 | 18.22 |
| 21 | 京都府 | 314 | 近畿 | 12.39 |
| 22 | 鹿児島県 | 296 | 九州 | 19.11 |
| 23 | 青森県 | 284 | 東北 | 23.99 |
| 24 | 三重県 | 278 | 近畿 | 16.10 |
| 25 | 熊本県 | 266 | 九州 | 15.56 |
| 26 | 山口県 | 238 | 中国 | 18.34 |
| 27 | 宮崎県 | 217 | 九州 | 20.83 |
| 28 | 愛媛県 | 214 | 四国 | 16.58 |
| 29 | 沖縄県 | 213 | 九州 | 14.51 |
| 29 | 岩手県 | 213 | 東北 | 18.31 |
| 31 | 滋賀県 | 198 | 近畿 | 14.07 |
| 31 | 大分県 | 198 | 九州 | 18.07 |
| 33 | 長崎県 | 197 | 九州 | 15.55 |
| 34 | 奈良県 | 190 | 近畿 | 14.66 |
| 35 | 秋田県 | 184 | 東北 | 20.13 |
| 36 | 和歌山県 | 182 | 近畿 | 20.40 |
| 37 | 山形県 | 181 | 東北 | 17.64 |
| 38 | 香川県 | 180 | 四国 | 19.44 |
| 39 | 山梨県 | 174 | 中部 | 21.86 |
| 40 | 石川県 | 146 | 中部 | 13.17 |
| 41 | 高知県 | 129 | 四国 | 19.37 |
| 42 | 富山県 | 124 | 中部 | 12.31 |
| 43 | 島根県 | 123 | 中国 | 18.92 |
| 44 | 佐賀県 | 120 | 九州 | 15.09 |
| 45 | 徳島県 | 102 | 四国 | 14.68 |
| 46 | 福井県 | 98 | 中部 | 13.17 |
| 47 | 鳥取県 | 82 | 中国 | 15.27 |
このグラフについての豆知識
建物火災に限った数
この指標は建物火災の出火件数です。
林野火災や車両火災、その他の火災は含まれません。
当サイトには出火件数全体の10年推移を扱った記事もあります。
あわせて読むと、火災が減ってきた流れと地域差の両方が見えてきます。
人口あたりでは1.9倍
人口10万人あたりでは青森県23.99件、富山県12.31件で1.9倍。
実数の37.5倍と比べると、ずいぶん小さな差です。
火災は人が暮らすところで起きます。
人口あたりで見れば、どこに住んでいてもリスクはそれほど変わらないということかもしれません。
数字は2023年のものです。
10年前とくらべると
全国の建物火災出火件数は、2013年の25,053件から2023年の20,974件へ、この10年でおよそ16%減りました。
1位は2013年も東京都で、10年たっても変わっていません。
県ごとに見ると、いちばん変わらなかったのは栃木県で、10年前とほぼ同じでした。
順位の並びがにている記事
建物火災出火件数の47都道府県の並びを、ほかの記事の並びと総当たりで比べました。
0.97という高い相関を示したのが【高齢者のいる世帯】全国2,265万世帯、5世帯に2世帯が該当でした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【体育館の数】全国8,111か所、人口が少ない県ほど多いという逆転が起きています(相関-0.71)でした。
相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。
地方のなかで見た建物火災出火件数
| 地方 | 最も多い(件) | 最も少ない(件) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 375 | 山形県 181 |
| 関東 | 東京都 3077 | 群馬県 370 |
| 中部 | 愛知県 1080 | 福井県 98 |
| 近畿 | 大阪府 1424 | 和歌山県 182 |
| 中国 | 広島県 401 | 鳥取県 82 |
| 四国 | 愛媛県 214 | 徳島県 102 |
| 九州 | 福岡県 739 | 佐賀県 120 |
まとめ
建物火災の件数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で3,077件、最も少ない鳥取県で82件でした。
人口10万人あたりの差は1.9倍にとどまります。
建物火災出火件数をほかの数字と見くらべる前に、3つ確かめてください。
1つ目は、建物火災に限った件数であること。
2つ目は、被害の大きさは分からないこと。
3つ目は2023年の数字であることです。
実数1位の東京都は人口あたりでも5位。
この一連の記事では、実数1位が人口あたりでも上位に残る例は多くありません。
地方別に合計を出すと関東7都県が全国の37.1パーセントで最多、人口10万人あたりでは北海道が19件で最多でした。
出火件数の推移や消防職員の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2023年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードK2102(建物火災出火件数)の2023年の値。人口10万人あたりは2023年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードK2102(建物火災出火件数)の2023年の値。
人口10万人あたりは2023年の総人口で割った参考値
