【映画を見る人の割合】は映画館の数に比例するのか全国データで比較

【映画を見る人の割合】は映画館の数に比例するのか全国データで比較

映画館へ足を運ぶ人は、10歳以上のおよそ3.4人に1人です。
この調査では過去1年間に映画館で映画を見たかどうかだけを聞いていて、回数は問いません。
テレビや配信で見た場合は別の項目に分かれています。
なお調査は2021年のもので、外出をひかえた時期にあたります。

使ったのは総務省統計局「社会生活基本調査」(令和3年)のデータです。

全国の行動者率は29.8%。
およそ3.4人に1人が、1年のうちに映画館へ行ったことになります。
同じ調査には「映画館以外での映画鑑賞」もあるので、あわせて見ていきます。

47都道府県の単純平均

26.8%

映画館での映画鑑賞の行動者率(令和3年(2021年))

最も多い 東京都

37.4%

最も少ない 岩手県

19.2%

映画館に行く人が多い5都府県

上位5都道府県の映画館での映画鑑賞の行動者率
上位5都道府県の映画館での映画鑑賞の行動者率 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)) 05101520253035東京都: 37.4%37.4%神奈川県: 34.4%34.4%愛知県: 33.5%33.5%大阪府: 33.5%33.5%埼玉県: 32.8%32.8%東京都神奈川県愛知県大阪府埼玉県
上位5都道府県の映画館での映画鑑賞の行動者率
項目映画館での映画鑑賞の行動者率
東京都37.4%
神奈川県34.4%
愛知県33.5%
大阪府33.5%
埼玉県32.8%
下位5都道府県の映画館での映画鑑賞の行動者率
下位5都道府県の映画館での映画鑑賞の行動者率 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)) 05101520岩手県: 19.2%19.2%宮崎県: 20.8%20.8%長崎県: 20.9%20.9%青森県: 21.1%21.1%福島県: 21.2%21.2%岩手県宮崎県長崎県青森県福島県
下位5都道府県の映画館での映画鑑賞の行動者率
項目映画館での映画鑑賞の行動者率
岩手県19.2%
宮崎県20.8%
長崎県20.9%
青森県21.1%
福島県21.2%

映画館での映画鑑賞の行動者率が高い上位です。
3位が同数で2府県あるため、5都府県を掲載します。

東京都は37.4パーセント、神奈川県は34.4パーセント、3位は愛知県と大阪府の33.5パーセント、埼玉県は32.8パーセントでした。
全国の29.8パーセントを上回ったのは12都府県です。

上位5都府県はいずれも人口の多い地域です。
ところが映画館の数を人口あたりで比べた記事では、東京都は11位、大阪府は29位、神奈川県は45位でした。
館が少ない地域の人ほど、映画館へ足を運んでいることになります。
施設の数と使われ方が一致しない、という結果です。

6位以下も31.6パーセント、31.3パーセント、31.1パーセントと続きます。
30パーセント以上は11都府県でした。

1位の東京都と2位の神奈川県の差は3.0ポイントで、東京都だけがやや抜けています。
3位の愛知県と大阪府はどちらも33.5パーセントで、5位の埼玉県も32.8パーセントと僅差です。

映画館の数を人口あたりで比べた記事では、神奈川県は45位でした。館が少ないほうがよく行っている、という逆の結果に一瞬固まりました。

映画館が多い県ほど、見に行くのか

映画館が多い県では、映画をよく見に行くのでしょうか。
ここから先は、ほかの数字と照らして立てた推測です。

映画館が多い県では、映画をよく見に行くのでしょうか。
人口100万人あたりの映画館数を比べた記事で1位だったのは山形県ですが、映画館での鑑賞率では27.1パーセントで23位でした。
逆に映画館数が47位だった徳島県は、鑑賞率では23.3パーセントで35位。
館の数と鑑賞率は、ゆるく関係している程度です。

より効いていそうなのは、館の数ではなく規模と立地です。
映画館の記事では、1館あたりの従業者数が東京都で49.6人、山形県で20.1人でした。
都市部の映画館は複合型でスクリーン数が多く、上映作品も多い。
行けば見たいものがある確率が高くなります。

もう1つ、同じ調査の「映画館以外での映画鑑賞」を見てみます。
全国は52.7パーセントで、映画館の29.8パーセントより高い数字です。
上位は東京都の62.4パーセント、神奈川県の58.8パーセント、愛知県の56.3パーセント。
映画館での鑑賞と同じ顔ぶれが並びます。

つまり都市部の人は、映画館でもそれ以外でも映画をよく見ている。
映画館の有無というより、映画を見るという習慣そのものに地域差がある、という見方ができます。

ただし通勤時間の長さや配信サービスの利用率までは、今回のデータでは確かめていません。
あくまで2つの数字を並べた範囲での推測です。

映画館に行く人が少ない5県

映画館での映画鑑賞の行動者率が低い下位5県です。

岩手県は19.2パーセント、宮崎県は20.8パーセント、長崎県は20.9パーセント、青森県は21.1パーセント、福島県は21.2パーセントでした。
東京都の37.4パーセントと岩手県の19.2パーセントでは1.95倍の差があります。

下位に並んだのは東北3県と九州2県です。
地方別の平均でも東北6県が23.2パーセント、北海道が23.3パーセントと下から並びました。

岩手県の19.2パーセントは、5人に1人という水準です。
47都道府県で唯一20パーセントを下回りました。

なお下位の県でも、映画館以外での映画鑑賞の行動者率は40パーセント台です。
映画を見ないわけではなく、映画館という場所に行く人が少ないという読み方になります。

下位5県のうち4県は人口が130万人を下回ります。
ただし上位にも人口の少ない県が入っており、規模だけで決まる差ではありません。

下位の県でも、映画館以外で映画を見る人は40パーセント台います。映画を見ないのではなく、映画館という場所に行かない。そこは分けて読みたいところです。

地方別に見る映画鑑賞の行動者率

地方別の平均(映画館での映画鑑賞の行動者率)
地方別の平均(映画館での映画鑑賞の行動者率) 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)) 051015202530北海道: 23.3%23.3%東北: 23.2%23.2%関東: 31.2%31.2%中部: 28.7%28.7%近畿: 28.8%28.8%中国: 24.6%24.6%四国: 24%24%九州: 25%25%北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(映画館での映画鑑賞の行動者率)
項目映画館での映画鑑賞の行動者率の平均
北海道23.3%
東北23.2%
関東31.2%
中部28.7%
近畿28.8%
中国24.6%
四国24%
九州25%

8地方の平均で見ると、都市部と地方の差がはっきり出ます。

最も高いのは関東7都県の31.2パーセントです。
次いで近畿7府県が28.8パーセント、中部9県が28.7パーセント、九州8県が25.0パーセントと続きます。

低いほうを見ると、中国5県が24.6パーセント、四国4県が24.0パーセント、北海道が23.3パーセント、東北6県が23.2パーセントでした。
最も高い関東と最も低い東北では8.0ポイントの差があります。

30パーセントを超えたのは関東だけです。
読書や楽器演奏でも関東だけが飛び出していました。
余暇の活動は、種類を問わず都市部で高く出る傾向があります。

地図で見る映画鑑賞の行動者率

映画館での映画鑑賞の行動者率(令和3年(2021年))
映画館での映画鑑賞の行動者率(令和3年(2021年)) 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(総務省統計局)をもとに作成。単位は%。 北海道 23.3%青森 21.1%岩手 19.2%宮城 29%秋田 21.9%山形 27.1%福島 21.2%茨城 28.6%栃木 25.9%群馬 27.9%埼玉 32.8%千葉 31.6%東京 37.4%神奈川 34.4%新潟 26.6%富山 30.9%石川 30.5%福井 31.3%山梨 24.9%長野 26%岐阜 27.3%静岡 27.5%愛知 33.5%三重 27.9%滋賀 29.1%京都 30.3%大阪 33.5%兵庫 27.6%奈良 28.3%和歌山 25%鳥取 23%島根 23.3%岡山 23.9%広島 29.9%山口 22.7%徳島 23.3%香川 25.5%愛媛 23.1%高知 24.2%福岡 31.1%佐賀 25.7%長崎 20.9%熊本 29.6%大分 25.2%宮崎 20.8%鹿児島 24.2%沖縄 22.5%
映画館での映画鑑賞の行動者率(%)
映画館での映画鑑賞の行動者率(令和3年(2021年))
項目映画館での映画鑑賞の行動者率
北海道23.3%
青森県21.1%
岩手県19.2%
宮城県29%
秋田県21.9%
山形県27.1%
福島県21.2%
茨城県28.6%
栃木県25.9%
群馬県27.9%
埼玉県32.8%
千葉県31.6%
東京都37.4%
神奈川県34.4%
新潟県26.6%
富山県30.9%
石川県30.5%
福井県31.3%
山梨県24.9%
長野県26%
岐阜県27.3%
静岡県27.5%
愛知県33.5%
三重県27.9%
滋賀県29.1%
京都府30.3%
大阪府33.5%
兵庫県27.6%
奈良県28.3%
和歌山県25%
鳥取県23%
島根県23.3%
岡山県23.9%
広島県29.9%
山口県22.7%
徳島県23.3%
香川県25.5%
愛媛県23.1%
高知県24.2%
福岡県31.1%
佐賀県25.7%
長崎県20.9%
熊本県29.6%
大分県25.2%
宮崎県20.8%
鹿児島県24.2%
沖縄県22.5%

濃い色になるのは関東と東海、近畿です。
逆に色が薄いのは東北から北海道にかけての北日本と、九州の一部でした。

47都道府県の単純平均は26.8パーセント、中央値は26.6パーセント。
全国値の29.8パーセントより県別の平均が低いのは、人口の多い都府県の数字が全国値を押し上げているためです。
平均を超えたのは23都府県でちょうど半分。
都市に寄った指標に見えて、県の数でいえばきれいに二分されます。

下の表に47都道府県すべての行動者率を、映画館以外での映画鑑賞の行動者率と並べて掲載しました。
2つの数字が同じ方向に動いているかどうかを見比べてみてください。

順位都道府県映画館での映画鑑賞の行動者率(%)地方映画館以外での映画鑑賞の行動者率
1東京都37.4関東62.4
2神奈川県34.4関東58.8
3愛知県33.5中部56.3
3大阪府33.5近畿54
5埼玉県32.8関東55.6
6千葉県31.6関東53.8
7福井県31.3中部50.8
8福岡県31.1九州52.8
9富山県30.9中部48
10石川県30.5中部50.1
11京都府30.3近畿53.1
12広島県29.9中国49.9
13熊本県29.6九州47.8
14滋賀県29.1近畿50.7
15宮城県29東北51.6
16茨城県28.6関東50.2
17奈良県28.3近畿51.1
18群馬県27.9関東51
18三重県27.9近畿48.9
20兵庫県27.6近畿51.2
21静岡県27.5中部50
22岐阜県27.3中部48.2
23山形県27.1東北46.2
24新潟県26.6中部49.1
25長野県26中部48.2
26栃木県25.9関東47.7
27佐賀県25.7九州45
28香川県25.5四国46.9
29大分県25.2九州45.2
30和歌山県25近畿46.3
31山梨県24.9中部47.5
32高知県24.2四国47.6
32鹿児島県24.2九州45.3
34岡山県23.9中国48.8
35島根県23.3中国44.6
35徳島県23.3四国43.7
35北海道23.3北海道51.7
38愛媛県23.1四国48.9
39鳥取県23中国44.7
40山口県22.7中国46.4
41沖縄県22.5九州48.4
42秋田県21.9東北46.6
43福島県21.2東北46.7
44青森県21.1東北43.5
45長崎県20.9九州43.6
46宮崎県20.8九州44.3
47岩手県19.2東北45.1
社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)、総務省統計局)をもとに作成

このグラフについての豆知識

映画館以外での鑑賞は52.7パーセント

同じ社会生活基本調査で「映画館以外での映画鑑賞」の全国の行動者率は52.7パーセントです。
映画館での29.8パーセントの1.8倍近くあります。
テレビ、DVD、パソコンやスマートフォンでの視聴が含まれます。

県別に見ても、映画館以外での鑑賞は全県で40パーセントを超えています。
映画館での鑑賞が19パーセント台から37パーセント台に散らばるのと比べると、地域差は小さめです。

映画館の数とは、まったく関係がなかった

映画館が近くにあれば見に行く回数も増えるはずだ。
そう考えるのが自然です。
実際に確かめてみました。

当サイトの映画館の数の記事から人口100万人あたりの館数を取り、この記事の鑑賞率と47都道府県ぶんを突き合わせます。
相関係数はマイナス0.06。
プラスでもマイナスでもなく、ほぼ完全に無関係でした。

人口あたりの映画館数で1位は山形県の9.48館ですが、鑑賞率では27.1パーセントで23位。
逆に神奈川県は館数で45位の2.71館なのに、鑑賞率は34.4パーセントで2位です。
東京都も館数では11位にすぎません。

一方、映画館数を実数のまま突き合わせると相関はプラス0.67になります。
人口の多い県に館も多く、見に行く人も多い。
ただそれは人口を見ているだけで、「近くに館があるかどうか」は鑑賞率を説明していないということです。

効いていそうなのは館の数ではなく、規模と立地でしょう。
都市部の映画館は複合型でスクリーン数が多く、上映作品も多い。
行けば見たいものがある確率が高くなります。
ただしここから先は、この統計では確かめられません。

令和3年という調査年

この調査は令和3年、2021年10月に行われました。
新型コロナウイルスの影響が続いていた時期にあたり、映画館の営業時間短縮や座席数の制限があった時期でもあります。

社会生活基本調査は5年ごとの調査で、前回は平成28年、次回は令和8年の予定です。
この時期の数字が一時的なものだったのかどうかは、次回の結果が出れば分かります。

地方のなかで見た映画館での映画鑑賞の行動者率

地方最も多い(%)最も少ない(%)
東北宮城県 29岩手県 19.2
関東東京都 37.4栃木県 25.9
中部愛知県 33.5山梨県 24.9
近畿大阪府 33.5和歌山県 25
中国広島県 29.9山口県 22.7
四国香川県 25.5愛媛県 23.1
九州福岡県 31.1宮崎県 20.8
社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)(令和3年(2021年)、総務省統計局)をもとに作成

まとめ

47都道府県の映画館での映画鑑賞の行動者率を比べると、東京都は37.4パーセント、岩手県は19.2パーセントで、その差は1.95倍でした。
全国は29.8パーセントで、これを上回ったのは12都府県です。

過去1年間に1回でも映画館へ行った人の割合で、回数は問いません。
テレビや配信での鑑賞は別項目です。
令和3年(2021年)の調査で、外出をひかえた時期にあたります。

人口あたりの映画館数との相関はマイナス0.06。
近くに館があるかどうかは、鑑賞率をまったく説明していませんでした。

映画館へ行くかどうかは、館の数だけでは決まらないようです。

近くに館があるかどうかより、映画を見るという習慣そのものに地域差がありそうです。数を数えるだけでは見えないところでした。

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出典

  • 統計名: 社会生活基本調査(都道府県、趣味・娯楽の種類別行動者率)
  • 調査年: 令和3年(2021年)
  • 公開元: 総務省統計局
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000032262823
  • 備考: 10歳以上の人のうち、過去1年間に映画館で映画を見た人の割合。テレビやパソコンなどでの鑑賞は「映画館以外での映画鑑賞」として別に集計されている

注記: 10歳以上の人のうち、過去1年間に映画館で映画を見た人の割合。
テレビやパソコンなどでの鑑賞は「映画館以外での映画鑑賞」として別に集計されている

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