47都道府県で、うどん店とそば店がどこに多いのかを比べます。
使うのは総務省・経済産業省の「経済センサス-活動調査」(令和3年、2021年6月1日現在)で、産業小分類「763_そば・うどん店」に分類された民営事業所の総数です。
全国の合計は22,664店。
実数だと人口の多い都県が上位に来てしまうので、人口10万人あたりの店舗数で比べます。
全国では10万人あたり18.06店。
県によってどれだけ違うのか、地図とランキングで見ていきましょう。
47都道府県の単純平均
18.5店
人口10万人あたり店舗数(令和3年(2021年6月1日現在))
最も多い 香川県
46.0店
最も少ない 和歌山県
9.3店
人口あたりでうどん・そば店が多い5県
人口10万人あたりの店舗数が多い上位5県です。
香川県は45.97店、山梨県は40.37店、群馬県は35.50店、長野県は34.87店、栃木県は33.32店でした。
全国の18.06店に対して、香川県は2.5倍以上という水準です。
香川県の実数はわずか433店です。
人口が少ないため、1人あたりに直すと圧倒的な数字になります。
実数で最も多いのは東京都の3,220店ですが、東京都は人口10万人あたりでは22.98店で10位でした。
うどん・そばの店が生活のなかにどれだけあるかは、実数では見えてきません。
6位以下も33.08店、28.16店、24.47店と続きます。
上位に並んだのは四国、中部の内陸、北関東の県でした。
うどんの産地とそばの産地が、同じランキングのなかに混ざっています。
上位5県のうち4県は中部の内陸と北関東です。
海から離れた地域が並び、残る1県だけが四国でした。
香川県は、食べる量も日本一なのか
ここからは統計から離れて、なぜ1位なのかを考えてみます。
以下は確かめられた事実ではなく、別の統計と突き合わせて立てた推測です。
店の数が多いなら、食べる量も多いのでしょうか。
総務省統計局の家計調査(二人以上の世帯、2023年〜2025年平均)に、外食の「日本そば・うどん」への年間支出という項目があります。
県庁所在市どうしで比べると、香川県の県庁所在市は17,704円で53市中1位でした。
全国の7,467円の2.4倍です。
店の数でも1位、外食での支出でも1位。
この2つがそろっているのは珍しいことです。
この記事の前に公開した喫茶店の記事では、人口あたりの店の数が1位だった高知県は、喫茶代では41位でした。
同じ「店が多い県」でも、中身がまったく違います。
2位以下も見てみましょう。
外食のそば・うどん支出の2位は静岡県の11,718円、3位は山形県の10,980円、4位は栃木県の10,233円です。
このうち山形県と栃木県は、店舗数のランキングでもそれぞれ6位と5位に入っていました。
店の多さと食べる量が、ある程度そろって動いていることになります。
つまりこの指標は、供給と需要の両方を映していると考えられます。
よく食べるから店が増え、店が多いからよく食べる。
どちらが先かは統計では決められませんが、他の飲食店とは違う姿が見えるのはたしかです。
なお、この分類はうどん店とそば店をまとめたものです。
県ごとにどちらが多いかは、この統計からは分かりません。
実数で見ると首都圏が上位に並ぶ
店の数そのままで並べると、1位は東京都の3,220店、2位は埼玉県の1,687店、3位は神奈川県の1,265店、4位は大阪府の1,250店、5位は愛知県の1,146店でした。
人口あたりで1位だった香川県は433店で、実数では16位です。
人口の多い都府県が上に来るため、実数のランキングは人口のランキングに近づきます。
それでも東京都の3,220店という数字には意味があります。
全国22,664店の14.2パーセントが東京都にあることになります。
人口あたりでうどん・そば店が少ない5県
人口10万人あたりの店舗数が少ない下位5県です。
和歌山県は9.30店、沖縄県は9.74店、滋賀県は10.28店、長崎県は10.49店、青森県は10.97店でした。
香川県の45.97店と和歌山県の9.30店では4.94倍の差があります。
下位に並んだのは近畿、九州、東北の県です。
地方別の平均でも九州8県が13.39店、近畿7府県が13.48店と、下から順に並びました。
ただし下位でも10万人あたり10店前後はあります。
人口10万人の町なら10軒のうどん・そば店があるという水準で、まったくないわけではありません。
全国平均の18.06店と比べて、半分ほどという読み方になります。
下位5県のうち2県は九州、2県は近畿と東北です。
米や他の主食が中心の食文化なのか、麺類そのものは食べていても店の形になりにくいのか、この統計だけでは分かりません。
実数で見ると和歌山県は85店、沖縄県は143店でした。
人口が少ない県ほど実数も小さくなるため、下位のランキングは人口あたりで見ないと意味を取り違えます。
地方別に見るうどん・そば店の多さ
地方別に平均を出すと、東西の違いがはっきり出ます。
最も多いのは四国4県の25.16店です。
次いで関東7都県が24.05店、中部9県が22.62店と続きます。
関東が2位に入るのは意外に見えますが、北関東の県が押し上げています。
少ないほうを見ると、中国5県が14.44店、近畿7府県が13.48店、九州8県が13.39店でした。
最も多い四国と最も少ない九州では1.88倍の差があります。
大まかに言えば、東日本と四国で多く、西日本の南側で少ないという分布です。
麺類の文化が地域によって違うことが、店の数にも表れているようです。
地図で見るうどん・そば店の分布
| 項目 | 人口10万人あたり店舗数 |
|---|---|
| 北海道 | 17.5店 |
| 青森県 | 11.0店 |
| 岩手県 | 16.5店 |
| 宮城県 | 15.3店 |
| 秋田県 | 13.0店 |
| 山形県 | 33.1店 |
| 福島県 | 17.6店 |
| 茨城県 | 24.5店 |
| 栃木県 | 33.3店 |
| 群馬県 | 35.5店 |
| 埼玉県 | 23.0店 |
| 千葉県 | 15.4店 |
| 東京都 | 23.0店 |
| 神奈川県 | 13.7店 |
| 新潟県 | 12.2店 |
| 富山県 | 16店 |
| 石川県 | 22.0店 |
| 福井県 | 28.2店 |
| 山梨県 | 40.4店 |
| 長野県 | 34.9店 |
| 岐阜県 | 16.0店 |
| 静岡県 | 18.7店 |
| 愛知県 | 15.3店 |
| 三重県 | 13.3店 |
| 滋賀県 | 10.3店 |
| 京都府 | 20.2店 |
| 大阪府 | 14.2店 |
| 兵庫県 | 13.9店 |
| 奈良県 | 13.2店 |
| 和歌山県 | 9.3店 |
| 鳥取県 | 13.8店 |
| 島根県 | 18.4店 |
| 岡山県 | 14.3店 |
| 広島県 | 12.7店 |
| 山口県 | 13.0店 |
| 徳島県 | 24.2店 |
| 香川県 | 46.0店 |
| 愛媛県 | 15.9店 |
| 高知県 | 14.6店 |
| 福岡県 | 16.7店 |
| 佐賀県 | 13.2店 |
| 長崎県 | 10.5店 |
| 熊本県 | 11.2店 |
| 大分県 | 14.8店 |
| 宮崎県 | 17.4店 |
| 鹿児島県 | 13.5店 |
| 沖縄県 | 9.7店 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは北関東から中部の内陸、そして四国の一部です。
逆に淡いのは近畿の南側と九州でした。
47都道府県の単純平均は10万人あたり18.51店、中央値は15.43店です。
平均を超えたのは14県だけで、上位のいくつかが全体を引き上げています。
中央値のほうが3店ほど低いことからも、上位に偏った分布だと分かります。
下の表に47都道府県すべての数値を、事業所数と従業者数と並べて掲載しました。
人口あたりの順位と実数の順位を見比べてみてください。
| 順位 | 都道府県 | 人口10万人あたり店舗数(店) | 地方 | 事業所数 | 従業者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 香川県 | 45.97 | 四国 | 433 | 2872 |
| 2 | 山梨県 | 40.37 | 中部 | 325 | 1768 |
| 3 | 群馬県 | 35.5 | 関東 | 684 | 3383 |
| 4 | 長野県 | 34.87 | 中部 | 709 | 3550 |
| 5 | 栃木県 | 33.32 | 関東 | 640 | 3217 |
| 6 | 山形県 | 33.08 | 東北 | 349 | 1574 |
| 7 | 福井県 | 28.16 | 中部 | 214 | 1149 |
| 8 | 茨城県 | 24.47 | 関東 | 698 | 3676 |
| 9 | 徳島県 | 24.16 | 四国 | 172 | 1054 |
| 10 | 埼玉県 | 22.98 | 関東 | 1687 | 10557 |
| 10 | 東京都 | 22.98 | 関東 | 3220 | 21293 |
| 12 | 石川県 | 22.04 | 中部 | 248 | 1658 |
| 13 | 京都府 | 20.19 | 近畿 | 517 | 3370 |
| 14 | 静岡県 | 18.74 | 中部 | 676 | 4123 |
| 15 | 島根県 | 18.35 | 中国 | 122 | 729 |
| 16 | 福島県 | 17.55 | 東北 | 318 | 1780 |
| 17 | 北海道 | 17.48 | 北海道 | 906 | 5436 |
| 18 | 宮崎県 | 17.44 | 九州 | 185 | 1368 |
| 19 | 福岡県 | 16.73 | 九州 | 857 | 7905 |
| 20 | 岩手県 | 16.47 | 東北 | 197 | 1059 |
| 21 | 岐阜県 | 16.01 | 中部 | 314 | 2417 |
| 22 | 富山県 | 16.0 | 中部 | 164 | 1030 |
| 23 | 愛媛県 | 15.9 | 四国 | 210 | 1601 |
| 24 | 千葉県 | 15.43 | 関東 | 968 | 6109 |
| 25 | 宮城県 | 15.28 | 東北 | 350 | 2349 |
| 26 | 愛知県 | 15.25 | 中部 | 1146 | 9719 |
| 27 | 大分県 | 14.81 | 九州 | 165 | 1195 |
| 28 | 高知県 | 14.62 | 四国 | 100 | 660 |
| 29 | 岡山県 | 14.34 | 中国 | 269 | 2021 |
| 30 | 大阪府 | 14.19 | 近畿 | 1250 | 9616 |
| 31 | 兵庫県 | 13.86 | 近畿 | 753 | 5810 |
| 32 | 鳥取県 | 13.84 | 中国 | 76 | 396 |
| 33 | 神奈川県 | 13.7 | 関東 | 1265 | 9527 |
| 34 | 鹿児島県 | 13.52 | 九州 | 213 | 1848 |
| 35 | 三重県 | 13.33 | 近畿 | 234 | 1879 |
| 36 | 奈良県 | 13.23 | 近畿 | 174 | 1366 |
| 37 | 佐賀県 | 13.15 | 九州 | 106 | 782 |
| 38 | 山口県 | 13.03 | 中国 | 173 | 1168 |
| 39 | 秋田県 | 13.02 | 東北 | 123 | 597 |
| 40 | 広島県 | 12.66 | 中国 | 352 | 2894 |
| 41 | 新潟県 | 12.17 | 中部 | 265 | 1906 |
| 42 | 熊本県 | 11.23 | 九州 | 194 | 1443 |
| 43 | 青森県 | 10.97 | 東北 | 134 | 809 |
| 44 | 長崎県 | 10.49 | 九州 | 136 | 1056 |
| 45 | 滋賀県 | 10.28 | 近畿 | 145 | 1220 |
| 46 | 沖縄県 | 9.74 | 九州 | 143 | 829 |
| 47 | 和歌山県 | 9.3 | 近畿 | 85 | 695 |
このグラフについての豆知識
1店あたりの従業者数は都市部で多い
経済センサスでは事業所数と一緒に従業者数も公表されています。
全国では22,664店に対して従業者は152,463人、1店あたり6.73人です。
従業者数の実数で見ると、上位は東京都の21,293人、埼玉県の10,557人、愛知県の9,719人と、いずれも人口の多い都県でした。
1店あたりに直すと、実数1位の東京都は6.61人、人口あたり1位の香川県は2,872人を433店で分け合って6.63人でした。
ほとんど差がありません。
喫茶店では人口あたり上位の県ほど店が小さいという傾向がありましたが、うどん・そば店では店の規模はどこもあまり変わらないようです。
分類には持ち帰り専門店が入らない
今回の数字は産業小分類「763_そば・うどん店」に分類された事業所です。
店内で食べる形の店が対象で、麺だけを売る製麺所や持ち帰り専門店は別の分類になります。
セルフ形式のうどん店のように、製麺所から発展した店をどちらに数えるかは、その事業所の主な事業内容で決まります。
同じような店に見えても分類が違う場合があるので、この数字は「うどん・そば店のすべて」ではないと考えてください。
また、飲食店の分類には「762_専門料理店」もあり、ラーメン店などはそちらに入ります。
麺類の店をすべて数えた数字ではありません。
地方のなかで見た人口10万人あたり店舗数
| 地方 | 最も多い(店) | 最も少ない(店) |
|---|---|---|
| 東北 | 山形県 33.08 | 青森県 10.97 |
| 関東 | 群馬県 35.5 | 神奈川県 13.7 |
| 中部 | 山梨県 40.37 | 新潟県 12.17 |
| 近畿 | 京都府 20.19 | 和歌山県 9.3 |
| 中国 | 島根県 18.35 | 広島県 12.66 |
| 四国 | 香川県 45.97 | 高知県 14.62 |
| 九州 | 宮崎県 17.44 | 沖縄県 9.74 |
まとめ
47都道府県の人口10万人あたりのうどん・そば店を比べると、香川県は45.97店、和歌山県は9.30店で、その差は4.94倍でした。
全国では10万人あたり18.06店、店舗数の合計は22,664店です。
地方別では四国が25.16店と最も多く、九州が13.39店で最も少ない結果になりました。
人口あたりで見るうどん・そば店の順位を見るときは、次の3点をあわせて見てください。
1つ目は、うどん店とそば店が同じ分類にまとめられていることです。
2つ目は、製麺所や持ち帰り専門店が含まれないことです。
3つ目は時点で、2021年6月1日現在の調査です。
店の多さと、外食でそばやうどんに使う金額。
この2つがきれいにそろって1位になる県がありました。
数字を2つ重ねると、その土地の食の姿がはっきり見えてきます。
うどんとそばは、地域ごとに食べ方も呼び方も違う食べものです。
表で自分の県の位置を確かめて、近所の店を思い浮かべてみてください。
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出典
- 統計名: 経済センサス-活動調査(サービス関連産業に関する集計)と人口推計
- 調査年: 令和3年(2021年6月1日現在)
- 公開元: 総務省・経済産業省/総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040032976
- 備考: 事業所数は民営事業所の総数(産業小分類763_そば・うどん店)。うどん専門店とそば専門店は同じ分類にまとめられている
- 考察の参照: 家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2023年〜2025年平均)/総務省統計局(https://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html)
注記: 事業所数は民営事業所の総数(産業小分類763_そば・うどん店)。
うどん専門店とそば専門店は同じ分類にまとめられている
