47都道府県で、助産師の数が10年でどう動いたかを比べます。
2012年と2022年の助産師数を比べた変化率です。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系。
全国は3万1,835人から3万8,063人へ、6,228人ふえました。
ふえたのが41都道府県、減ったのが6県です。
47都道府県の単純平均
20.1%
助産師数の10年変化率(2012年と2022年の比較)
最も多い 沖縄県
47.7%
最も少ない 秋田県
-9.0%
ふえ方が大きかった5県
ふえ方が大きかった上位5県です。
沖縄県はプラス47.68パーセント、佐賀県はプラス42.44パーセント、三重県はプラス38.16パーセント、奈良県はプラス36.91パーセント、福島県はプラス36.65パーセントでした。
沖縄県は388人から573人へ185人ふえています。
30パーセント以上ふえたのは9県。
人数そのものが最も多いのは東京都の4,184人で、大阪府2,700人、神奈川県2,494人と続きます。
赤ちゃんが減っているのに、助産師はふえました
数字を並べるところまでが統計の仕事で、ここから先は解釈になります。
10年間の助産師数の変化の分布について、ほかの指標と突き合わせて立てた推測を書きます。
事実として確かめたものではありません。
助産師は出産に立ち会う職種です。
生まれる赤ちゃんが減っているのだから、助産師も減りそうに思えます。
同じころの10年で出生数はどの県でも大きく減りました。
それでも助産師は全国で6,228人ふえています。
赤ちゃんは減り、助産師はふえたという逆の動きです。
出生数の変化率との相関はプラス0.37。
方向はゆるく一致するものの、強い関係ではありません。
この記事の順位を決めているのは、むしろ子どもの多さのほうでした。
15歳未満人口割合との相関はプラス0.57、65歳以上人口割合とはマイナス0.46、人口増減率とはプラス0.44。
若い世代が残っている県ほど、ふえ方が大きくなっています。
沖縄県が1位なのはこの枠組みで説明がつきます。
医療の担い手を並べると、この10年で看護師はプラス29.14パーセント、保健師はプラス27.54パーセント、助産師はプラス19.56パーセント。
助産師の伸びがいちばん小さく、減った県があるのも助産師だけでした。
出産の数に左右される職種であることが、ここに出ていると読めます。
実数で見ると景色が変わります。
10年でふえた人数がいちばん多いのは東京都のプラス746人、次いで愛知県プラス428人、神奈川県プラス403人。
率で1位の沖縄県は185人ふえただけで、人数では上位に入りません。
もうひとつ、規模の小ささも押さえておきたいところです。
最も少ない高知県は206人。
1人ふえるだけで0.5パーセント動きます。
率だけで県のちがいを語るのは危うい指標でした。
減った県とふえ方が小さかった5県
減った県と、ふえ方が小さかった下位5県です。
秋田県はマイナス8.97パーセント、和歌山県はマイナス8.33パーセント、新潟県はマイナス3.26パーセント、山口県はマイナス2.38パーセント、愛媛県はマイナス2.03パーセントでした。
沖縄県のプラス47.68パーセントとは56.65ポイントの差があります。
減ったのは6県です。
全国が6,228人ふえるなかで、逆を向いた県がこれだけあるのは看護師や保健師とは違うところでした。
人数そのものが最も少ないのは高知県の206人で、佐賀県245人、鳥取県246人と続きます。
全国で3万8,063人しかいない職種です。
地方別に見る10年の変化
地方別に平均を出すと、九州・沖縄が最も大きくなります。
九州・沖縄8県がプラス27.65パーセント、関東7都県がプラス25.63パーセント、近畿7府県がプラス21.85パーセント、中国5県がプラス18.82パーセントと続きます。
ふえ方が小さいほうは中部9県がプラス17.99パーセント、四国4県がプラス14.24パーセント、東北6県がプラス12.93パーセント、北海道がマイナス0.88パーセントでした。
九州・沖縄と北海道では28.53ポイントの差があります。
8地方のうち平均がマイナスになったのは北海道だけです。
1道だけの地方なので、そのまま北海道の値になります。
九州・沖縄8県のプラス27.65パーセントは、沖縄県プラス47.68パーセントと佐賀県プラス42.44パーセントが引き上げた結果です。
地図で見る10年の変化
| 項目 | 助産師数の10年変化率 |
|---|---|
| 北海道 | -0.9% |
| 青森県 | 18.1% |
| 岩手県 | 12.9% |
| 宮城県 | 9.2% |
| 秋田県 | -9.0% |
| 山形県 | 9.8% |
| 福島県 | 36.7% |
| 茨城県 | 28.8% |
| 栃木県 | 32.8% |
| 群馬県 | 17.9% |
| 埼玉県 | 26.2% |
| 千葉県 | 32.8% |
| 東京都 | 21.7% |
| 神奈川県 | 19.3% |
| 新潟県 | -3.3% |
| 富山県 | 19.1% |
| 石川県 | 17.2% |
| 福井県 | 25.9% |
| 山梨県 | 29.4% |
| 長野県 | 13.0% |
| 岐阜県 | 14.1% |
| 静岡県 | 24.1% |
| 愛知県 | 22.5% |
| 三重県 | 38.2% |
| 滋賀県 | 34.7% |
| 京都府 | 14.0% |
| 大阪府 | 15.6% |
| 兵庫県 | 22.0% |
| 奈良県 | 36.9% |
| 和歌山県 | -8.3% |
| 鳥取県 | 24.9% |
| 島根県 | 27.5% |
| 岡山県 | 19.7% |
| 広島県 | 24.5% |
| 山口県 | -2.4% |
| 徳島県 | 25.2% |
| 香川県 | 16.1% |
| 愛媛県 | -2.0% |
| 高知県 | 17.7% |
| 福岡県 | 31.6% |
| 佐賀県 | 42.4% |
| 長崎県 | 21.1% |
| 熊本県 | 22.1% |
| 大分県 | 17.9% |
| 宮崎県 | 21.7% |
| 鹿児島県 | 16.7% |
| 沖縄県 | 47.7% |
| 項目 | 全国の助産師数 |
|---|---|
| 2012年 | 31,835% |
| 2014年 | 33,956% |
| 2016年 | 35,774% |
| 2018年 | 36,911% |
| 2020年 | 37,940% |
| 2022年 | 38,063% |
日本地図で見ると、色が濃く出る(ふえ方が大きい)のは沖縄県と佐賀県、三重県、奈良県、福島県です。
淡い(減った)のは秋田県と和歌山県、新潟県、山口県、愛媛県、北海道でした。
47都道府県の単純平均はプラス20.07パーセント、中央値はプラス21.08パーセントです。
全国値のプラス19.56パーセントに近い水準になりました。
30パーセント以上ふえたのは9県、減ったのは6県。
1位と47位で56.65ポイントの幅がありました。
| 順位 | 都道府県 | 助産師数の10年変化率(%) | 地方 | 2022年の助産師数 | 2012年の助産師数 | 10年間の増減数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 沖縄県 | 47.68 | 九州 | 573 | 388 | 185 |
| 2 | 佐賀県 | 42.44 | 九州 | 245 | 172 | 73 |
| 3 | 三重県 | 38.16 | 近畿 | 496 | 359 | 137 |
| 4 | 奈良県 | 36.91 | 近畿 | 408 | 298 | 110 |
| 5 | 福島県 | 36.65 | 東北 | 604 | 442 | 162 |
| 6 | 滋賀県 | 34.67 | 近畿 | 536 | 398 | 138 |
| 7 | 千葉県 | 32.81 | 関東 | 1603 | 1207 | 396 |
| 8 | 栃木県 | 32.79 | 関東 | 571 | 430 | 141 |
| 9 | 福岡県 | 31.55 | 九州 | 1597 | 1214 | 383 |
| 10 | 山梨県 | 29.44 | 中部 | 255 | 197 | 58 |
| 11 | 茨城県 | 28.76 | 関東 | 761 | 591 | 170 |
| 12 | 島根県 | 27.48 | 中国 | 334 | 262 | 72 |
| 13 | 埼玉県 | 26.17 | 関東 | 1615 | 1280 | 335 |
| 14 | 福井県 | 25.85 | 中部 | 258 | 205 | 53 |
| 15 | 徳島県 | 25.23 | 四国 | 273 | 218 | 55 |
| 16 | 鳥取県 | 24.87 | 中国 | 246 | 197 | 49 |
| 17 | 広島県 | 24.49 | 中国 | 727 | 584 | 143 |
| 18 | 静岡県 | 24.14 | 中部 | 1085 | 874 | 211 |
| 19 | 愛知県 | 22.46 | 中部 | 2334 | 1906 | 428 |
| 20 | 熊本県 | 22.12 | 九州 | 508 | 416 | 92 |
| 21 | 兵庫県 | 21.98 | 近畿 | 1543 | 1265 | 278 |
| 22 | 宮崎県 | 21.72 | 九州 | 353 | 290 | 63 |
| 23 | 東京都 | 21.7 | 関東 | 4184 | 3438 | 746 |
| 24 | 長崎県 | 21.08 | 九州 | 471 | 389 | 82 |
| 25 | 岡山県 | 19.66 | 中国 | 560 | 468 | 92 |
| 26 | 神奈川県 | 19.27 | 関東 | 2494 | 2091 | 403 |
| 27 | 富山県 | 19.11 | 中部 | 430 | 361 | 69 |
| 28 | 青森県 | 18.06 | 東北 | 340 | 288 | 52 |
| 29 | 群馬県 | 17.89 | 関東 | 547 | 464 | 83 |
| 29 | 大分県 | 17.89 | 九州 | 369 | 313 | 56 |
| 31 | 高知県 | 17.71 | 四国 | 206 | 175 | 31 |
| 32 | 石川県 | 17.17 | 中部 | 389 | 332 | 57 |
| 33 | 鹿児島県 | 16.73 | 九州 | 614 | 526 | 88 |
| 34 | 香川県 | 16.06 | 四国 | 318 | 274 | 44 |
| 35 | 大阪府 | 15.58 | 近畿 | 2700 | 2336 | 364 |
| 36 | 岐阜県 | 14.08 | 中部 | 640 | 561 | 79 |
| 37 | 京都府 | 13.99 | 近畿 | 929 | 815 | 114 |
| 38 | 長野県 | 12.95 | 中部 | 872 | 772 | 100 |
| 39 | 岩手県 | 12.89 | 東北 | 394 | 349 | 45 |
| 40 | 山形県 | 9.76 | 東北 | 360 | 328 | 32 |
| 41 | 宮城県 | 9.21 | 東北 | 771 | 706 | 65 |
| 42 | 北海道 | -0.88 | 北海道 | 1571 | 1585 | -14 |
| 43 | 愛媛県 | -2.03 | 四国 | 289 | 295 | -6 |
| 44 | 山口県 | -2.38 | 中国 | 411 | 421 | -10 |
| 45 | 新潟県 | -3.26 | 中部 | 742 | 767 | -25 |
| 46 | 和歌山県 | -8.33 | 近畿 | 253 | 276 | -23 |
| 47 | 秋田県 | -8.97 | 東北 | 284 | 312 | -28 |
このグラフについての豆知識
直近2年で伸びが止まった
全国の助産師数は2012年の3万1,835人から2022年の3万8,063人へ、6,228人ふえました。
2年に一度の調査で、6時点すべてで前回を上回っています。
ただし伸びは細っています。
2012年から2014年は2,121人ふえましたが、2020年から2022年は123人だけ。
直近の2年でほぼ横ばいになりました。
2022年に助産師が最も多いのは東京都の4,184人。
最も少ない高知県の206人とは20.3倍の開きがあります。
全国で3万8千人の職種
助産師は全国で3万8,063人です。
同じ調査の看護師131万人、保健師6万人と比べても小さな職種になります。
また、就業している人の数です。
資格を持っていても働いていない人は含みません。
勤務先のある県で数えるため、住んでいる県とはずれることがあります。
数字は2012年と2022年の比較です。
地方のなかで見た助産師数の10年変化率
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 福島県 36.65 | 秋田県 -8.97 |
| 関東 | 千葉県 32.81 | 群馬県 17.89 |
| 中部 | 山梨県 29.44 | 新潟県 -3.26 |
| 近畿 | 三重県 38.16 | 和歌山県 -8.33 |
| 中国 | 島根県 27.48 | 山口県 -2.38 |
| 四国 | 徳島県 25.23 | 愛媛県 -2.03 |
| 九州 | 沖縄県 47.68 | 鹿児島県 16.73 |
まとめ
助産師の数の10年変化を比べると、最もふえた沖縄県でプラス47.68パーセント、最も減った秋田県でマイナス8.97パーセントでした。
全国は6,228人の増加、ふえたのが41都道府県です。
ここまでの10年間の助産師数の変化の数字には、注意点が3つあります。
1つ目は、就業している人の数であること。
2つ目は、全国で3万8千人と規模が小さく1人の増減が率に響くこと。
3つ目は2012年と2022年の比較であることです。
医療の担い手を並べると看護師プラス29.14パーセント、保健師プラス27.54パーセント、助産師プラス19.56パーセント。
助産師の伸びがいちばん小さく、減った県があるのも助産師だけでした。
出生数の変化率との相関はプラス0.37。
赤ちゃんが減るなかで助産師はふえており、動きは逆を向いています。
看護師数や保健師数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2012年と2022年の比較
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードI6700(助産師数)を2012年と2022年で比べた。就業している助産師の数。2年に一度の調査。e-Stat APIで取得した値をそのまま使用
注記: 指標コードI6700(助産師数)を2012年と2022年で比べた。
就業している助産師の数。
2年に一度の調査。
e-Stat APIで取得した値をそのまま使用
