この記事では、火事の件数が10年でどう変わったかを47都道府県で比べます。
2013年と2023年の出火件数を比べた変化率です。
建物火災だけでなく、林野火災や車両火災も含みます。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系。
全国は48,095件から38,672件へ、9,423件減りました。
増えたのは茨城県だけで、残る46都道府県はマイナスです。
47都道府県の単純平均
-18.9%
出火件数の10年変化率(2013年と2023年の比較)
最も多い 茨城県
0.7%
最も少ない 鳥取県
-39.0%
地図で見る10年の変化
| 項目 | 出火件数の10年変化率 |
|---|---|
| 北海道 | -16.1% |
| 青森県 | -16.8% |
| 岩手県 | -20.4% |
| 宮城県 | -21.8% |
| 秋田県 | -8.9% |
| 山形県 | -15.4% |
| 福島県 | -14.6% |
| 茨城県 | 0.7% |
| 栃木県 | -11.6% |
| 群馬県 | -23.6% |
| 埼玉県 | -17.1% |
| 千葉県 | -14.7% |
| 東京都 | -16.3% |
| 神奈川県 | -16.1% |
| 新潟県 | -0.7% |
| 富山県 | -25.8% |
| 石川県 | -16.8% |
| 福井県 | -23.0% |
| 山梨県 | -28.8% |
| 長野県 | -25.9% |
| 岐阜県 | -26.3% |
| 静岡県 | -22.2% |
| 愛知県 | -33.7% |
| 三重県 | -18.2% |
| 滋賀県 | -30.3% |
| 京都府 | -17.3% |
| 大阪府 | -30.8% |
| 兵庫県 | -29.4% |
| 奈良県 | -12.8% |
| 和歌山県 | -21.0% |
| 鳥取県 | -39.0% |
| 島根県 | -29.6% |
| 岡山県 | -1.6% |
| 広島県 | -20.1% |
| 山口県 | -4.7% |
| 徳島県 | -23.8% |
| 香川県 | -3.6% |
| 愛媛県 | -26.3% |
| 高知県 | -28.7% |
| 福岡県 | -26.5% |
| 佐賀県 | -33.9% |
| 長崎県 | -24.7% |
| 熊本県 | -2.1% |
| 大分県 | -9.7% |
| 宮崎県 | -23.8% |
| 鹿児島県 | -13.9% |
| 沖縄県 | -2.2% |
| 項目 | 全国の出火件数 |
|---|---|
| 2013年 | 48,095% |
| 2014年 | 43,741% |
| 2015年 | 39,111% |
| 2016年 | 36,831% |
| 2017年 | 39,373% |
| 2018年 | 37,981% |
| 2019年 | 37,683% |
| 2020年 | 34,691% |
| 2021年 | 35,222% |
| 2022年 | 36,314% |
| 2023年 | 38,672% |
色が濃く出る(減り方が小さい)のは茨城県と新潟県、岡山県、熊本県、沖縄県、山口県。
淡い(減り方が大きい)のは鳥取県と愛知県、大阪府、滋賀県、佐賀県でした。
地方でまとまらず、飛び飛びに散っています。
推移を扱う記事では地方ごとにまとまった色が出ることが多いので、これはめずらしい地図です。
47都道府県の単純平均はマイナス18.93パーセント、中央値はマイナス20.13パーセント。
全国値のマイナス19.59パーセントに近い水準になりました。
減り方が10パーセント未満にとどまったのは9県、25パーセント以上減ったのは14都府県。
増えたのは1県だけでした。
| 順位 | 都道府県 | 出火件数の10年変化率(%) | 地方 | 2023年の出火件数 | 2013年の出火件数 | 10年間の増減数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 茨城県 | 0.65 | 関東 | 1385 | 1376 | 9 |
| 2 | 新潟県 | -0.65 | 中部 | 612 | 616 | -4 |
| 3 | 岡山県 | -1.59 | 中国 | 743 | 755 | -12 |
| 4 | 熊本県 | -2.14 | 九州 | 640 | 654 | -14 |
| 5 | 沖縄県 | -2.24 | 九州 | 523 | 535 | -12 |
| 6 | 香川県 | -3.62 | 四国 | 373 | 387 | -14 |
| 7 | 山口県 | -4.71 | 中国 | 587 | 616 | -29 |
| 8 | 秋田県 | -8.88 | 東北 | 318 | 349 | -31 |
| 9 | 大分県 | -9.67 | 九州 | 514 | 569 | -55 |
| 10 | 栃木県 | -11.59 | 関東 | 870 | 984 | -114 |
| 11 | 奈良県 | -12.8 | 近畿 | 395 | 453 | -58 |
| 12 | 鹿児島県 | -13.85 | 九州 | 678 | 787 | -109 |
| 13 | 福島県 | -14.58 | 東北 | 703 | 823 | -120 |
| 14 | 千葉県 | -14.71 | 関東 | 2105 | 2468 | -363 |
| 15 | 山形県 | -15.43 | 東北 | 318 | 376 | -58 |
| 16 | 北海道 | -16.08 | 北海道 | 1587 | 1891 | -304 |
| 17 | 神奈川県 | -16.14 | 関東 | 2053 | 2448 | -395 |
| 18 | 東京都 | -16.27 | 関東 | 4365 | 5213 | -848 |
| 19 | 石川県 | -16.77 | 中部 | 268 | 322 | -54 |
| 20 | 青森県 | -16.79 | 東北 | 436 | 524 | -88 |
| 21 | 埼玉県 | -17.12 | 関東 | 1995 | 2407 | -412 |
| 22 | 京都府 | -17.31 | 近畿 | 516 | 624 | -108 |
| 23 | 三重県 | -18.15 | 近畿 | 690 | 843 | -153 |
| 24 | 広島県 | -20.13 | 中国 | 845 | 1058 | -213 |
| 25 | 岩手県 | -20.37 | 東北 | 383 | 481 | -98 |
| 26 | 和歌山県 | -20.97 | 近畿 | 343 | 434 | -91 |
| 27 | 宮城県 | -21.84 | 東北 | 698 | 893 | -195 |
| 28 | 静岡県 | -22.21 | 中部 | 970 | 1247 | -277 |
| 29 | 福井県 | -23.01 | 中部 | 174 | 226 | -52 |
| 30 | 群馬県 | -23.64 | 関東 | 759 | 994 | -235 |
| 31 | 宮崎県 | -23.75 | 九州 | 443 | 581 | -138 |
| 32 | 徳島県 | -23.76 | 四国 | 231 | 303 | -72 |
| 33 | 長崎県 | -24.66 | 九州 | 437 | 580 | -143 |
| 34 | 富山県 | -25.83 | 中部 | 178 | 240 | -62 |
| 35 | 長野県 | -25.9 | 中部 | 847 | 1143 | -296 |
| 36 | 岐阜県 | -26.27 | 中部 | 710 | 963 | -253 |
| 37 | 愛媛県 | -26.31 | 四国 | 395 | 536 | -141 |
| 38 | 福岡県 | -26.52 | 九州 | 1280 | 1742 | -462 |
| 39 | 高知県 | -28.68 | 四国 | 286 | 401 | -115 |
| 40 | 山梨県 | -28.84 | 中部 | 375 | 527 | -152 |
| 41 | 兵庫県 | -29.38 | 近畿 | 1548 | 2192 | -644 |
| 42 | 島根県 | -29.63 | 中国 | 266 | 378 | -112 |
| 43 | 滋賀県 | -30.25 | 近畿 | 392 | 562 | -170 |
| 44 | 大阪府 | -30.79 | 近畿 | 1967 | 2842 | -875 |
| 45 | 愛知県 | -33.72 | 中部 | 2038 | 3075 | -1037 |
| 46 | 佐賀県 | -33.85 | 九州 | 256 | 387 | -131 |
| 47 | 鳥取県 | -38.97 | 中国 | 177 | 290 | -113 |
地方別に見る10年の変化
8地方の平均で見ると、関東が最も小さくなります。
関東7都県がマイナス14.12パーセント、北海道がマイナス16.08パーセント、東北6県がマイナス16.32パーセント、九州・沖縄8県がマイナス17.09パーセントと続きます。
減り方が大きいほうは中国5県がマイナス19.01パーセント、四国4県がマイナス20.59パーセント、中部9県がマイナス22.58パーセント、近畿7府県がマイナス22.81パーセントでした。
関東と近畿では8.69ポイントの差があります。
全体の幅が39.62ポイントあることを考えると、地方どうしの差は小さいほうです。
近畿7府県のマイナス22.81パーセントは、大阪府マイナス30.79パーセントと滋賀県マイナス30.25パーセントが押し下げた結果です。
地方の並びを見ても、人口の多い地方が上、少ない地方が下という形にはなっていません。
この指標が人口と連動していないことが、ここにも出ています。
減り方が小さかった5県
減り方が小さかった上位5県です。
茨城県はプラス0.65パーセント、新潟県はマイナス0.65パーセント、岡山県はマイナス1.59パーセント、熊本県はマイナス2.14パーセント、沖縄県はマイナス2.24パーセントでした。
10年で火事が増えたのは茨城県だけです。
6位以下は香川県マイナス3.62パーセント、山口県マイナス4.71パーセント、秋田県マイナス8.88パーセントと続きます。
減り方が10パーセント未満にとどまったのは9県で、件数そのものが最も多いのは東京都の4,365件です。
上位に並ぶ5県に、地方としてのまとまりはありません。
茨城、新潟、岡山、熊本、沖縄。
地図の上でも離れています。
人口とも高齢化とも、まったく関係がありませんでした
この記事を書いていて驚いたのは、どの指標とも結びつかなかったことです。
順に確かめていきます。
この記事を書いていて驚いたのは、どの指標とも結びつかなかったことです。
10年の変化率をほかの指標と突き合わせても、意味のある関係が出ませんでした。
人口とはマイナス0.04、人口増減率とはマイナス0.04、65歳以上人口割合とはプラス0.05、人口密度とはマイナス0.06、県民所得とはマイナス0.04。
どれもゼロ付近で、まったく連動していません。
これまで扱った推移記事では人口増減率との相関が0.4から0.9の範囲に収まることが多かったので、例外的な指標です。
考えられるのは、出火が偶然に左右される出来事だということです。
1件の火事はその年その場所の条件で起こります。
件数が数百件規模の県では、年ごとの振れ幅が構造的な差を上回ってしまうと見るのが自然でしょう。
全国の推移を見ると、そのことがはっきりします。
2013年の48,095件から2020年の34,691件まで下がったあと、2021年35,222件、2022年36,314件、2023年38,672件と3年続けて増えています。
底は2020年で、そこから9年ぶりの水準まで戻りつつあります。
10年の変化率だけを見ると減ったように見えますが、直近の向きは逆です。
実数で見ると景色が変わります。
10年で減った件数がいちばん多いのは愛知県のマイナス1,037件、次いで大阪府マイナス875件、東京都マイナス848件。
率では上位に入らない東京都が、件数では3番目に大きく減っています。
鳥取県のマイナス38.97パーセントは290件から177件への減少です。
113件減ですから、率としては最大でも件数では小さい話になります。
母数の小さい県ほど率が大きく振れる点は、この指標ではとくに注意が必要です。
減り方が大きかった5府県
減り方が大きかった下位5府県です。
鳥取県はマイナス38.97パーセント、佐賀県はマイナス33.85パーセント、愛知県はマイナス33.72パーセント、大阪府はマイナス30.79パーセント、滋賀県はマイナス30.25パーセントでした。
茨城県のプラス0.65パーセントとは39.62ポイントの差があります。
愛知県が45位に入るのは意外に見えるかもしれません。
人口750万人規模の県ですが、3,075件から2,038件へ1,037件減っており、減った件数では全国で最も多い県になります。
25パーセント以上減ったのは14都府県。
件数そのものが最も少ないのは福井県の174件で、鳥取県177件、富山県178件と続きます。
このグラフについての豆知識
底は2020年で、そこから増えている
全国の出火件数は2013年の48,095件から2020年の34,691件まで下がったあと、2023年の38,672件まで3年続けて増えました。
2020年からは3,981件の増加です。
2020年は新型コロナウイルスの流行が始まった年で、人の活動そのものが減りました。
その後の増加は、活動が戻ったことと重なって見えます。
つまり「10年で減った」という結論は、期間の取り方に強く依存しています。
2020年からの3年だけを切り取れば「増えている」になります。
どちらも同じデータから出てくる話です。
2023年に出火が最も多いのは東京都の4,365件。
最も少ない福井県の174件とは25.1倍の開きがあります。
建物火災だけではない
この指標は建物火災に加えて、林野火災、車両火災、船舶火災、その他の火災を合わせた件数です。
家が燃えた件数だけではありません。
また、件数であって焼損面積や死者数ではありません。
被害の大きさを表す指標としては別のものを見る必要があります。
数字は2013年と2023年の比較です。
地方のなかで見た出火件数の10年変化率
| 地方 | 最も多い(%) | 最も少ない(%) |
|---|---|---|
| 東北 | 秋田県 -8.88 | 宮城県 -21.84 |
| 関東 | 茨城県 0.65 | 群馬県 -23.64 |
| 中部 | 新潟県 -0.65 | 愛知県 -33.72 |
| 近畿 | 奈良県 -12.8 | 大阪府 -30.79 |
| 中国 | 岡山県 -1.59 | 鳥取県 -38.97 |
| 四国 | 香川県 -3.62 | 高知県 -28.68 |
| 九州 | 熊本県 -2.14 | 佐賀県 -33.85 |
まとめ
火事の件数の10年変化を比べると、唯一増えた茨城県でプラス0.65パーセント、最も減った鳥取県でマイナス38.97パーセントでした。
全国は9,423件減、46都道府県がマイナスです。
林野火災や車両火災も含む件数で、被害の大きさではありません。
比較しているのは2013年と2023年です。
人口、人口増減率、高齢化率、人口密度、県民所得。
どれとの相関もゼロ付近で、この指標はほかの統計とまったく連動していませんでした。
全国の底は2020年の34,691件で、そこから3年続けて増えています。
期間の取り方ひとつで結論が変わる指標です。
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出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2013年と2023年の比較
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードK2101(出火件数)を2013年と2023年で比べた。建物火災・林野火災・車両火災などを合わせた件数。e-Stat APIで取得した値をそのまま使用
注記: 指標コードK2101(出火件数)を2013年と2023年で比べた。
建物火災・林野火災・車両火災などを合わせた件数。
e-Stat APIで取得した値をそのまま使用
