棟続きで各戸が別々の玄関を持つ長屋建て住宅。
全国にどれくらい残っているのでしょうか。
使うのは総務省統計局の社会・人口統計体系、2023年の数字です。
全国126万4,900戸のうち、東京都が12万8,800戸で1位。
人口10万人あたりでは山口県が突出します。
47都道府県の単純平均
26,913戸
長屋建住宅数(2023年)
最も多い 東京都
128,800戸
最も少ない 鳥取県
4,400戸
長屋建て住宅が多い5都府県
長屋建て住宅が多い上位5都府県です。
東京都は12万8,800戸、大阪府は11万3,200戸、愛知県は9万9,900戸でした。
東京都は2位の大阪府の1.14倍で、上位は接近しています。
4位以下は福岡県、兵庫県と続き、上位5都府県で全国の40.2パーセント。
上位3都府県で27.0パーセント、上位10都道府県で60.2パーセントでした。
1位のシェアは10.2パーセントです。
人口あたりでは山口県が突出しています
以下は、長屋建住宅数にこれだけの差がつく理由についての推測です。
統計から確かめられる話ではなく、ほかの指標との突き合わせから考えたものです。
人口10万人あたりで割り直すと、西日本が上位を占めます。
1位は山口県の1,910.63戸、2位は香川県1,760.26戸、3位は北海道1,510.21戸。
逆に人口あたりの下位は山形県516.57戸、沖縄県435.97戸。
山口県と沖縄県では4.4倍の開きです。
実数1位の東京都は人口あたりでは27位と中位。
山口県や香川県で長屋建てが多いのは、瀬戸内の町並みに古くからの住まいが残っているためかもしれません。
一方、沖縄県が最下位なのは、鉄筋コンクリート造の共同住宅が主流になったことと重なります。
当サイトの共同住宅の記事では、沖縄県が人口あたり4位でした。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、北海道が1,510.2戸で最も多く、関東7都県が887.3戸で最も少なくなります。
四国4県1,433.8戸と中国5県1,161.2戸がそれに続きました。
実数で見ると順位は変わる
長屋建て住宅が少ない5県
長屋建て住宅が少ない下位5県です。
鳥取県は4,400戸、山形県は5,300戸、山梨県は5,800戸でした。
東京都の12万8,800戸とは29.3倍の差があります。
山形県は人口10万人あたりでも516.57戸で下から2番目。
東北では長屋という住まい方があまり広がらなかったことがうかがえます。
47都道府県の中央値は15,800戸。
平均は26,912.8戸なので、平均が中央値の1.7倍です。
地方別に見る
長屋という住まい方は、地方によって残り方が違います。
地方別に合計を出すと、関東7都県が全国の30.5パーセントで最も大きくなります。
次いで近畿7府県が19.4パーセント、中部9県が16.4パーセント、九州・沖縄8県が11パーセントと続きました。
少ないほうは中国5県が6.5パーセント、北海道が6.1パーセント、東北6県が6.1パーセント、四国4県が4.1パーセントでした。
人口10万人あたりの平均で見ると並びが変わります。
北海道が1,510.2戸、四国4県が1,433.8戸、中国5県が1,161.2戸の順に多く、最も少ないのは関東7都県が887.3戸です。
地図で見る
| 項目 | 長屋建住宅数 |
|---|---|
| 北海道 | 76,900戸 |
| 青森県 | 16,900戸 |
| 岩手県 | 13,500戸 |
| 宮城県 | 17,500戸 |
| 秋田県 | 6,800戸 |
| 山形県 | 5,300戸 |
| 福島県 | 16,700戸 |
| 茨城県 | 25,000戸 |
| 栃木県 | 17,100戸 |
| 群馬県 | 14,500戸 |
| 埼玉県 | 62,900戸 |
| 千葉県 | 47,600戸 |
| 東京都 | 128,800戸 |
| 神奈川県 | 90,300戸 |
| 新潟県 | 14,300戸 |
| 富山県 | 9,000戸 |
| 石川県 | 8,600戸 |
| 福井県 | 7,200戸 |
| 山梨県 | 5,800戸 |
| 長野県 | 20,300戸 |
| 岐阜県 | 15,800戸 |
| 静岡県 | 26,000戸 |
| 愛知県 | 99,900戸 |
| 三重県 | 12,500戸 |
| 滋賀県 | 13,200戸 |
| 京都府 | 23,600戸 |
| 大阪府 | 113,200戸 |
| 兵庫県 | 60,900戸 |
| 奈良県 | 10,600戸 |
| 和歌山県 | 11,100戸 |
| 鳥取県 | 4,400戸 |
| 島根県 | 7,100戸 |
| 岡山県 | 17,600戸 |
| 広島県 | 28,200戸 |
| 山口県 | 24,800戸 |
| 徳島県 | 8,800戸 |
| 香川県 | 16,300戸 |
| 愛媛県 | 19,000戸 |
| 高知県 | 7,200戸 |
| 福岡県 | 52,200戸 |
| 佐賀県 | 7,500戸 |
| 長崎県 | 14,700戸 |
| 熊本県 | 23,400戸 |
| 大分県 | 6,800戸 |
| 宮崎県 | 15,700戸 |
| 鹿児島県 | 13,000戸 |
| 沖縄県 | 6,400戸 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都、大阪府、愛知県、福岡県、兵庫県です。
淡いのは鳥取県、山形県、山梨県でした。
47都道府県の平均は26,912.8戸、中央値は15,800戸です。
東京都の12万8,800戸は平均の4.8倍にあたります。
上位3都府県で27.0パーセント、1位と47位で29.3倍の開きがありました。
| 順位 | 都道府県 | 長屋建住宅数(戸) | 地方 | 人口10万人あたりの長屋建住宅数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 128800 | 関東 | 914.38 |
| 2 | 大阪府 | 113200 | 近畿 | 1291.80 |
| 3 | 愛知県 | 99900 | 中部 | 1336.10 |
| 4 | 神奈川県 | 90300 | 関東 | 978.44 |
| 5 | 北海道 | 76900 | 北海道 | 1510.21 |
| 6 | 埼玉県 | 62900 | 関東 | 858.00 |
| 7 | 兵庫県 | 60900 | 近畿 | 1134.08 |
| 8 | 福岡県 | 52200 | 九州 | 1022.93 |
| 9 | 千葉県 | 47600 | 関東 | 760.75 |
| 10 | 広島県 | 28200 | 中国 | 1029.95 |
| 11 | 静岡県 | 26000 | 中部 | 731.36 |
| 12 | 茨城県 | 25000 | 関東 | 884.96 |
| 13 | 山口県 | 24800 | 中国 | 1910.63 |
| 14 | 京都府 | 23600 | 近畿 | 930.97 |
| 15 | 熊本県 | 23400 | 九州 | 1369.22 |
| 16 | 長野県 | 20300 | 中部 | 1012.97 |
| 17 | 愛媛県 | 19000 | 四国 | 1471.73 |
| 18 | 岡山県 | 17600 | 中国 | 952.90 |
| 19 | 宮城県 | 17500 | 東北 | 772.97 |
| 20 | 栃木県 | 17100 | 関東 | 901.42 |
| 21 | 青森県 | 16900 | 東北 | 1427.36 |
| 22 | 福島県 | 16700 | 東北 | 945.10 |
| 23 | 香川県 | 16300 | 四国 | 1760.26 |
| 24 | 岐阜県 | 15800 | 中部 | 818.23 |
| 25 | 宮崎県 | 15700 | 九州 | 1506.72 |
| 26 | 長崎県 | 14700 | 九州 | 1160.22 |
| 27 | 群馬県 | 14500 | 関東 | 762.36 |
| 28 | 新潟県 | 14300 | 中部 | 672.62 |
| 29 | 岩手県 | 13500 | 東北 | 1160.79 |
| 30 | 滋賀県 | 13200 | 近畿 | 938.17 |
| 31 | 鹿児島県 | 13000 | 九州 | 839.25 |
| 32 | 三重県 | 12500 | 近畿 | 723.80 |
| 33 | 和歌山県 | 11100 | 近畿 | 1244.39 |
| 34 | 奈良県 | 10600 | 近畿 | 817.90 |
| 35 | 富山県 | 9000 | 中部 | 893.74 |
| 36 | 徳島県 | 8800 | 四国 | 1266.19 |
| 37 | 石川県 | 8600 | 中部 | 775.47 |
| 38 | 佐賀県 | 7500 | 九州 | 943.40 |
| 39 | 高知県 | 7200 | 四国 | 1081.08 |
| 39 | 福井県 | 7200 | 中部 | 967.74 |
| 41 | 島根県 | 7100 | 中国 | 1092.31 |
| 42 | 秋田県 | 6800 | 東北 | 743.98 |
| 42 | 大分県 | 6800 | 九州 | 620.44 |
| 44 | 沖縄県 | 6400 | 九州 | 435.97 |
| 45 | 山梨県 | 5800 | 中部 | 728.64 |
| 46 | 山形県 | 5300 | 東北 | 516.57 |
| 47 | 鳥取県 | 4400 | 中国 | 819.37 |
このグラフについての豆知識
長屋建てとは
長屋建ては、2戸以上の住宅が棟続きになっていて、各戸が直接外に出られる玄関を持つ建て方です。
共同住宅のように廊下や階段を共用しません。
テラスハウスやタウンハウスと呼ばれる形も、この区分に入ります。
全国126万4,900戸は、共同住宅2,496万8,200戸の20分の1ほどの規模です。
山口県が人口あたり1位
人口10万人あたりでは山口県1,910.63戸。
2位の香川県と合わせ、瀬戸内の県が上位に並びます。
古い町並みが残る土地では、棟続きの住まいがそのまま使われ続けている可能性があります。
数字は2023年のものです。
10年前とくらべると
全国の長屋建住宅数は、2013年の1,288,900戸から2023年の1,264,900戸へ、この10年でほとんど変わっていません。
2013年の1位は大阪府でした。
いまの1位の東京都は、当時2位です。
伸びがいちばん大きかったのは宮崎県で、101%増でした。
順位の並びがにている記事
この長屋建住宅数の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。
最も似ていたのは【通販など無店舗の店】全国4万2,369事業所、人口あたり首位は香川県(順位相関0.91)です。
最も食い違ったのは【自家用車通勤の割合】8割を超える県と1割に届かない都、通勤の景色はこれほど違う(順位相関-0.67)でした。
似ているからといって理由が同じとはかぎりません。
それでも、2つを重ねると土地の性格が見えてくることがあります。
地方のなかで見た長屋建住宅数
| 地方 | 最も多い(戸) | 最も少ない(戸) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 17500 | 山形県 5300 |
| 関東 | 東京都 128800 | 群馬県 14500 |
| 中部 | 愛知県 99900 | 山梨県 5800 |
| 近畿 | 大阪府 113200 | 奈良県 10600 |
| 中国 | 広島県 28200 | 鳥取県 4400 |
| 四国 | 愛媛県 19000 | 高知県 7200 |
| 九州 | 福岡県 52200 | 沖縄県 6400 |
まとめ
長屋建て住宅の数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で12万8,800戸、最も少ない鳥取県で4,400戸でした。
人口10万人あたりでは山口県が突出しています。
長屋建住宅数の統計を読むときの注意点は3つです。
1つ目は、廊下を共用する共同住宅とは別の区分であること。
2つ目は、テラスハウスなども含まれること。
3つ目は2023年の数字であることです。
人口あたりの上位は山口県、香川県と瀬戸内の県。
最下位の沖縄県とは4.4倍の開きがありました。
地方別に合計を出すと関東7都県が全国の30.5パーセントで最多、人口10万人あたりでは北海道が1,510.2戸で最多でした。
共同住宅や一戸建て住宅の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 社会・人口統計体系(都道府県データ 基礎データ)
- 調査年: 2023年
- 公開元: 総務省統計局
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/regional-statistics/ssdsview/prefectures
- 備考: 指標コードH1402(長屋建住宅数)の2023年の値。人口10万人あたりは2023年の総人口で割った参考値
注記: 指標コードH1402(長屋建住宅数)の2023年の値。
人口10万人あたりは2023年の総人口で割った参考値
