人に貸すために建てられた住宅は、2023年度に全国で340,431戸。
着工のなかで最も多い区分です。
47都道府県で比べます。
使うのは国土交通省の建築着工統計調査、2023年度の数字。
東京都が67,955戸で1位。
47都道府県の平均は7,243.2戸、中央値は2,824戸です。
1位と47位の間には118.2倍の開き、人口10万人あたりでは5.5倍の開きがありました。
47都道府県の単純平均
7,243戸
貸家の着工戸数(2023年度)
最も多い 東京都
67,955戸
最も少ない 高知県
575戸
貸家の着工が多い上位5都府県
貸家の着工が多い上位5都府県です。
東京都は67,955戸、大阪府は34,816戸、神奈川県は25,501戸でした。
東京都は2位の大阪府の1.95倍です。
4位は愛知県で20,770戸、5位は埼玉県で19,663戸。
上位5で全国の49.6パーセント、上位3で37.7パーセント、上位10で70.5パーセントでした。
1位だけで20パーセントを占めます。
47都道府県の平均は7,243.2戸なので、1位は平均の9.4倍。
中央値の2,824戸と比べると24.1倍にあたります。
6位以下は福岡県で18,060戸、千葉県で17,689戸、北海道で15,872戸と続きました。
2位と3位の差は9,315戸、3位と4位の差は4,731戸でした。
上位5より下の42都道府県で、全国の50.4パーセントを分け合っています。
1位と2位を合わせると102,771戸。
これだけで全国の30.2パーセントにあたります。
1位だけで全国の2割を占めました。
単身者と若い世代が集まる都では、貸家の需要が絶えません。
実数でも人口あたりでも同じ都が1位です
ここから先は、貸家の着工戸数がこう分かれる理由についての見立てです。
ほかの指標と突き合わせて立てた推測で、統計そのものが示している事実ではありません。
人口10万人あたりで割り直すと、並びが変わります。
1位は東京都の479.3戸、2位は熊本県415.73戸、3位は大阪府397.58戸。
4位以下は宮城県、福岡県と続きます。
逆に人口あたりの下位は新潟県105.15戸、高知県87.65戸。
東京都と高知県では5.5倍の開きです。
人口あたりでも同じ都が首位に立ちます。
人口が多いから貸家が多いのではなく、人口あたりでも突出しているということです。
進学や就職で移り住む人が多い地域では、賃貸の需要が生まれ続けます。
持ち家に落ち着く前の住まいが必要になるためです。
相続税の対策としてアパートを建てる動きも、貸家の着工を押し上げてきました。
土地の評価額が高い地域ほどその効果は大きくなります。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、関東7都県が322.7戸で最も多く、四国4県が151.6戸で最も少なくなります。
北海道314.7戸と九州・沖縄8県310.1戸がそれに続きました。
実数で見ると順位は変わる
貸家の着工が少ない下位5県
貸家の着工が少ない下位5県です。
47位の高知県は575戸、46位の鳥取県は748戸、45位の徳島県は980戸でした。
1位の東京都とは118.2倍の差があります。
44位は山梨県で1,094戸、43位は島根県で1,147戸、42位は和歌山県で1,197戸と続きます。
118.2倍という開きです。
持家の12.8倍と比べると、けた違いに大きくなっています。
47都道府県の中央値は2,824戸。
平均は7,243.2戸なので、平均が中央値の2.6倍です。
47位の高知県は平均の7.9パーセント、中央値の20.4パーセントにあたります。
下位5県を合わせても全国の1.3パーセントにしかなりません。
1位の東京都1つで20パーセントを占めるのとは対照的です。
47位の高知県は、1位の東京都の0.85パーセントにあたる水準です。
46位との差は173戸、45位との差は405戸でした。
1位の東京都と47位の高知県の間には67,380戸の開きがあります。
地図で見る
| 項目 | 貸家の着工戸数 |
|---|---|
| 北海道 | 15,872戸 |
| 青森県 | 1,387戸 |
| 岩手県 | 3,023戸 |
| 宮城県 | 8,738戸 |
| 秋田県 | 1,228戸 |
| 山形県 | 1,365戸 |
| 福島県 | 2,442戸 |
| 茨城県 | 5,199戸 |
| 栃木県 | 2,296戸 |
| 群馬県 | 2,283戸 |
| 埼玉県 | 19,663戸 |
| 千葉県 | 17,689戸 |
| 東京都 | 67,955戸 |
| 神奈川県 | 25,501戸 |
| 新潟県 | 2,207戸 |
| 富山県 | 1,861戸 |
| 石川県 | 1,570戸 |
| 福井県 | 1,431戸 |
| 山梨県 | 1,094戸 |
| 長野県 | 3,382戸 |
| 岐阜県 | 2,568戸 |
| 静岡県 | 6,566戸 |
| 愛知県 | 20,770戸 |
| 三重県 | 3,228戸 |
| 滋賀県 | 3,201戸 |
| 京都府 | 5,995戸 |
| 大阪府 | 34,816戸 |
| 兵庫県 | 10,905戸 |
| 奈良県 | 1,758戸 |
| 和歌山県 | 1,197戸 |
| 鳥取県 | 748戸 |
| 島根県 | 1,147戸 |
| 岡山県 | 3,660戸 |
| 広島県 | 6,868戸 |
| 山口県 | 2,210戸 |
| 徳島県 | 980戸 |
| 香川県 | 1,853戸 |
| 愛媛県 | 1,950戸 |
| 高知県 | 575戸 |
| 福岡県 | 18,060戸 |
| 佐賀県 | 2,274戸 |
| 長崎県 | 3,155戸 |
| 熊本県 | 7,055戸 |
| 大分県 | 2,824戸 |
| 宮崎県 | 2,369戸 |
| 鹿児島県 | 3,142戸 |
| 沖縄県 | 4,371戸 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都です。
次いで大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県が続きます。
淡いのは高知県、鳥取県、徳島県でした。
47都道府県の平均は7,243.2戸、中央値は2,824戸です。
東京都の67,955戸は平均の9.4倍にあたります。
上位3で37.7パーセント、1位と47位で118.2倍の開きがありました。
人口10万人あたりに直すと東京都が479.3戸で最も多く、開きは5.5倍になります。
実数1位の東京都は人口あたりでは1位、人口あたり1位の東京都は実数では1位でした。
| 順位 | 都道府県 | 貸家の着工戸数(戸) | 地方 | 人口10万人あたりの貸家の着工戸数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 67955 | 関東 | 479.3 |
| 2 | 大阪府 | 34816 | 近畿 | 397.58 |
| 3 | 神奈川県 | 25501 | 関東 | 276.43 |
| 4 | 愛知県 | 20770 | 中部 | 278.42 |
| 5 | 埼玉県 | 19663 | 関東 | 268.18 |
| 6 | 福岡県 | 18060 | 九州 | 354.67 |
| 7 | 千葉県 | 17689 | 関東 | 282.98 |
| 8 | 北海道 | 15872 | 北海道 | 314.73 |
| 9 | 兵庫県 | 10905 | 近畿 | 204.33 |
| 10 | 宮城県 | 8738 | 東北 | 388.7 |
| 11 | 熊本県 | 7055 | 九州 | 415.73 |
| 12 | 広島県 | 6868 | 中国 | 253.06 |
| 13 | 静岡県 | 6566 | 中部 | 186.16 |
| 14 | 京都府 | 5995 | 近畿 | 237.9 |
| 15 | 茨城県 | 5199 | 関東 | 185.28 |
| 16 | 沖縄県 | 4371 | 九州 | 298.16 |
| 17 | 岡山県 | 3660 | 中国 | 199.89 |
| 18 | 長野県 | 3382 | 中部 | 170.21 |
| 19 | 三重県 | 3228 | 近畿 | 188.66 |
| 20 | 滋賀県 | 3201 | 近畿 | 228.32 |
| 21 | 長崎県 | 3155 | 九州 | 252 |
| 22 | 鹿児島県 | 3142 | 九州 | 205.09 |
| 23 | 岩手県 | 3023 | 東北 | 264.02 |
| 24 | 大分県 | 2824 | 九州 | 260.28 |
| 25 | 岐阜県 | 2568 | 中部 | 134.03 |
| 26 | 福島県 | 2442 | 東北 | 140.1 |
| 27 | 宮崎県 | 2369 | 九州 | 229.33 |
| 28 | 栃木県 | 2296 | 関東 | 121.8 |
| 29 | 群馬県 | 2283 | 関東 | 120.79 |
| 30 | 佐賀県 | 2274 | 九州 | 288.58 |
| 31 | 山口県 | 2210 | 中国 | 172.52 |
| 32 | 新潟県 | 2207 | 中部 | 105.15 |
| 33 | 愛媛県 | 1950 | 四国 | 152.82 |
| 34 | 富山県 | 1861 | 中部 | 186.66 |
| 35 | 香川県 | 1853 | 四国 | 202.07 |
| 36 | 奈良県 | 1758 | 近畿 | 136.81 |
| 37 | 石川県 | 1570 | 中部 | 142.99 |
| 38 | 福井県 | 1431 | 中部 | 193.64 |
| 39 | 青森県 | 1387 | 東北 | 119.06 |
| 40 | 山形県 | 1365 | 東北 | 135.01 |
| 41 | 秋田県 | 1228 | 東北 | 136.9 |
| 42 | 和歌山県 | 1197 | 近畿 | 136.02 |
| 43 | 島根県 | 1147 | 中国 | 178.66 |
| 44 | 山梨県 | 1094 | 中部 | 138.31 |
| 45 | 徳島県 | 980 | 四国 | 143.07 |
| 46 | 鳥取県 | 748 | 中国 | 140.87 |
| 47 | 高知県 | 575 | 四国 | 87.65 |
このグラフについての豆知識
着工で最も多い区分
2023年度の着工は、貸家が34万431戸で最も多く、次いで一戸建を含む持家21万9,633戸、分譲住宅23万5,044戸と続きます。
貸家にはアパートもマンションも含まれます。
建てる人と住む人が別という点が、ほかの区分との違いです。
着工の統計という性格
建築着工統計は、工事を始めるときに出される届出をもとにした統計です。
その年度にどれだけ新しい住宅が建ち始めたかを示します。
いま建っている住宅の数を知りたい場合は、住宅・土地統計調査にもとづく当サイトのほかの記事を見てください。
着工は年ごとの振れが大きく、大きな物件が1つあるだけで県の数字が動きます。
数字の開き
1位の東京都は67,955戸、47位の高知県は575戸。
両者の間には118.2倍の開きがあります。
上位3で全国の37.7パーセント、上位10で70.5パーセントを占めます。
中央値は2,824戸、平均は7,243.2戸です。
平均が中央値を上回るのは、上位のいくつかの都道府県が全体を押し上げているためです。
人口10万人あたりに直すと5.5倍の開きになります。
実数の順位がどこまで人口の多さを映しているかは、この2つを見比べると分かります。
順位の並びがにている記事
貸家の着工戸数とよく似た並びになる記事が、当サイトにあるか探しました。
1という高い相関を示したのが【着工した貸家の広さ】全国1,622万m2、1位で2割弱でした。
正反対だったのは【ひとりが使う部屋数】全国1.93室、差は1.52倍で、相関は-0.77です。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見た貸家の着工戸数
| 地方 | 最も多い(戸) | 最も少ない(戸) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 8738 | 秋田県 1228 |
| 関東 | 東京都 67955 | 群馬県 2283 |
| 中部 | 愛知県 20770 | 山梨県 1094 |
| 近畿 | 大阪府 34816 | 和歌山県 1197 |
| 中国 | 広島県 6868 | 鳥取県 748 |
| 四国 | 愛媛県 1950 | 高知県 575 |
| 九州 | 福岡県 18060 | 佐賀県 2274 |
まとめ
貸家の着工戸数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で67,955戸、最も少ない高知県で575戸でした。
1位と47位の間には118.2倍の開きがあります。
上位3で全国の37.7パーセント、上位10で70.5パーセントを占めます。
47都道府県の中央値は2,824戸、平均は7,243.2戸でした。
人口10万人あたりに直すと5.5倍の開きになります。
貸家の着工戸数の数字を受け取る前に、3つ添えておきます。
1つ目は、届出をもとにした着工の統計であること。
2つ目は、大きな物件1つで数字が動くこと。
3つ目は2023年の数字であることです。
人口10万人あたりでは東京都が479.3戸で最多。
実数1位の東京都は人口あたりでは1位でした。
地方別に合計を出すと関東7都県が全国の41.3パーセントで最多、人口10万人あたりでは関東7都県が322.7戸で最多でした。
持家の着工戸数や借家の数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 建築着工統計調査(住宅 利用関係別・構造別・建て方別・都道府県別)
- 調査年: 2023年度
- 公開元: 厚生労働省/国土交通省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?statdisp_id=0003119736
- 備考: 2023年度に着工した住宅の貸家の着工戸数。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
注記: 2023年度に着工した住宅の貸家の着工戸数。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
