雨や雪が降る日は、全国の平均で年117.5日。
1年のおよそ3分の1にあたります。
ここで数えるのは1日の降水量が1.0ミリ以上だった日で、ぱらついた程度の日は入りません。
今回は47都道府県の降水日数を、気象庁の平年値(1991年から2020年の30年平均)のデータを使って比べました。
47地点の平均は117.5日、1年のおよそ3分の1にあたります。
最も多い県と最も少ない県では2.02倍の差がありました。
47都道府県の単純平均
117.5日
降水日数(1991年〜2020年の30年平均)
最も多い 富山県
178.3日
最も少ない 岡山県
88.3日
降水日数が多い5県
降水日数が多い上位5県です。
富山県は178.3日、石川県は177.3日、秋田県は173.8日、新潟県は171.5日、福井県は171.4日でした。
上位5県はすべて日本海側で、いずれも170日を超えています。
6位以下は青森県162.4日、鳥取県158.0日、島根県148.9日と続きます。
富山県の178.3日は1年の48.8パーセント。
2日に1日近くは雨か雪が降っている計算になります。
降る日数と降る量は、別の県が上位に来る
この分布の背景を、ここから考えてみます。
1年間に雨や雪が降る日数の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
降る日数のランキングと、降る量のランキングは別のものになります。
年間降水量で並べると1位は高知県の2,666.4ミリ、2位が宮崎県2,625.5ミリ。
ところが降水日数では高知県は111.8日で18位、宮崎県は117.5日で15位でした。
逆に降水日数1位の富山県は、降水量では2,374.2ミリで5位。
降水日数と年間降水量の相関係数はプラス0.41にとどまります。
違いを作っているのは、1回にどれだけ降るかです。
日降水量が10.0ミリ以上だった日の数で並べると、1位は富山県80.7日、2位が石川県79.0日、3位が福井県78.4日と日本海側が残りますが、5位に宮崎県63.2日が入ってきます。
この大雨の日数と年間降水量の相関係数はプラス0.88。
量を決めているのは、しっかり降る日の数のほうでした。
日本海側は、冬に弱い雨や雪が繰り返し降ります。
だから日数は伸びますが、1日あたりの量は多くありません。
太平洋側の南は、梅雨と台風で一気に降ります。
日数は少なくても量は積み上がります。
日照時間との相関はマイナス0.81、雪日数とはプラス0.65。
降る日数は、日が差さない日数とほぼ同じものを測っていることになります。
最下位の岡山県88.3日は「晴れの国」を名乗る県です。
中国山地と四国山地に挟まれ、雨雲が入りにくい地形が数字にそのまま出ています。
降水日数が少ない5県
降水日数が少ない下位5県です。
岡山県は88.3日、山梨県は88.9日、兵庫県は93.3日、広島県は94.2日、埼玉県は95.7日でした。
富山県の178.3日とは2.02倍の差があります。
100日を下回ったのは11県です。
下位5県はいずれも山に囲まれた盆地か、瀬戸内に面した地域でした。
岡山県の88.3日は1年の24.2パーセント。
富山県の48.8パーセントと比べると、雨に降られる日が半分ということになります。
山梨県が2番目に少ないのは、周囲を山に囲まれた甲府盆地の地形によるものでしょう。
年間降水量でも1,160.7ミリで43位でした。
地方別に見る降水日数
地方別に平均を出すと、日本海側と太平洋側で分かれます。
最も多いのは北海道の143.5日です。
県の集まりで見ると、中部9県が平均135.4日で最も多く、東北6県が133.9日、中国5県が119.8日、九州8県が112.5日と続きます。
少ないほうは近畿7府県が104.7日、関東7都県が102.8日、四国4県が101.5日でした。
中部と四国では1.33倍の差があります。
中部9県が最も多いのは、富山県178.3日、石川県177.3日、新潟県171.5日、福井県171.4日という北陸4県が押し上げているためです。
同じ中部でも山梨県は88.9日で最少に近く、地方でまとめると幅が見えなくなります。
地図で見る降水日数
| 項目 | 降水日数 |
|---|---|
| 北海道 | 143.5日 |
| 青森県 | 162.4日 |
| 岩手県 | 126.3日 |
| 宮城県 | 99.4日 |
| 秋田県 | 173.8日 |
| 山形県 | 136.7日 |
| 福島県 | 105日 |
| 茨城県 | 103.5日 |
| 栃木県 | 108.7日 |
| 群馬県 | 100.2日 |
| 埼玉県 | 95.7日 |
| 千葉県 | 104.1日 |
| 東京都 | 102.5日 |
| 神奈川県 | 105日 |
| 新潟県 | 171.5日 |
| 富山県 | 178.3日 |
| 石川県 | 177.3日 |
| 福井県 | 171.4日 |
| 山梨県 | 88.9日 |
| 長野県 | 109.6日 |
| 岐阜県 | 112.6日 |
| 静岡県 | 106.1日 |
| 愛知県 | 103.2日 |
| 三重県 | 102日 |
| 滋賀県 | 131.5日 |
| 京都府 | 104.6日 |
| 大阪府 | 98.2日 |
| 兵庫県 | 93.3日 |
| 奈良県 | 106.3日 |
| 和歌山県 | 97.2日 |
| 鳥取県 | 158日 |
| 島根県 | 148.9日 |
| 岡山県 | 88.3日 |
| 広島県 | 94.2日 |
| 山口県 | 109.4日 |
| 徳島県 | 97.8日 |
| 香川県 | 95.9日 |
| 愛媛県 | 100.3日 |
| 高知県 | 111.8日 |
| 福岡県 | 112.6日 |
| 佐賀県 | 105.7日 |
| 長崎県 | 110.9日 |
| 熊本県 | 110.1日 |
| 大分県 | 98.4日 |
| 宮崎県 | 117.5日 |
| 鹿児島県 | 120.6日 |
| 沖縄県 | 123.9日 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは北陸から東北の日本海側と、山陰です。
淡いのは瀬戸内と関東の内陸、甲信の一部でした。
47地点の単純平均は117.5日、中央値は106.3日です。
平均が中央値より11.2日多いのは、日本海側の県が上に大きく外れているためです。
平均を超えたのは14道県だけ。
真ん中あたりの県の実感に近いのは、中央値の106.3日のほうだと言えます。
| 順位 | 都道府県 | 降水日数(日) | 地方 | 大雨の日数 | 年間降水量 | 平均雲量 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 富山県 | 178.3 | 中部 | 80.7 | 2374.2 | 7.6 |
| 2 | 石川県 | 177.3 | 中部 | 79.0 | 2401.5 | 7.6 |
| 3 | 秋田県 | 173.8 | 東北 | 56.8 | 1741.6 | 8.0 |
| 4 | 新潟県 | 171.5 | 中部 | 62.7 | 1845.9 | 7.8 |
| 5 | 福井県 | 171.4 | 中部 | 78.4 | 2299.6 | 7.6 |
| 6 | 青森県 | 162.4 | 東北 | 42.2 | 1350.7 | 7.8 |
| 7 | 鳥取県 | 158.0 | 中国 | 63.3 | 1931.3 | 7.5 |
| 8 | 島根県 | 148.9 | 中国 | 56.1 | 1791.9 | 7.5 |
| 9 | 北海道 | 143.5 | 北海道 | 35.1 | 1146.1 | 7.4 |
| 10 | 山形県 | 136.7 | 東北 | 36.0 | 1206.7 | 7.7 |
| 11 | 滋賀県 | 131.5 | 近畿 | 51.9 | 1610.0 | 7.3 |
| 12 | 岩手県 | 126.3 | 東北 | 39.4 | 1279.9 | 7.4 |
| 13 | 沖縄県 | 123.9 | 九州 | 52.0 | 2161.0 | 7.2 |
| 14 | 鹿児島県 | 120.6 | 九州 | 60.7 | 2434.7 | 6.6 |
| 15 | 宮崎県 | 117.5 | 九州 | 63.2 | 2625.5 | 6.1 |
| 16 | 岐阜県 | 112.6 | 中部 | 54.5 | 1860.7 | 6.6 |
| 16 | 福岡県 | 112.6 | 九州 | 46.4 | 1686.9 | 6.8 |
| 18 | 高知県 | 111.8 | 四国 | 60.0 | 2666.4 | 6.2 |
| 19 | 長崎県 | 110.9 | 九州 | 49.8 | 1894.7 | 6.6 |
| 20 | 熊本県 | 110.1 | 九州 | 52.5 | 2007.0 | 6.6 |
| 21 | 長野県 | 109.6 | 中部 | 32.2 | 965.1 | 7.1 |
| 22 | 山口県 | 109.4 | 中国 | 48.0 | 1712.3 | 6.8 |
| 23 | 栃木県 | 108.7 | 関東 | 46.5 | 1524.7 | 6.7 |
| 24 | 奈良県 | 106.3 | 近畿 | 43.9 | 1365.1 | 7.1 |
| 25 | 静岡県 | 106.1 | 中部 | 57.2 | 2327.3 | 6.6 |
| 26 | 佐賀県 | 105.7 | 九州 | 50.6 | 1951.3 | 6.6 |
| 27 | 神奈川県 | 105.0 | 関東 | 48.5 | 1730.8 | 6.7 |
| 27 | 福島県 | 105.0 | 東北 | 35.8 | 1207.0 | 7.2 |
| 29 | 京都府 | 104.6 | 近畿 | 46.1 | 1522.9 | 7.0 |
| 30 | 千葉県 | 104.1 | 関東 | 43.1 | 1454.7 | 6.6 |
| 31 | 茨城県 | 103.5 | 関東 | 41.6 | 1367.7 | 6.5 |
| 32 | 愛知県 | 103.2 | 中部 | 48.5 | 1578.9 | 6.5 |
| 33 | 東京都 | 102.5 | 関東 | 45.3 | 1598.2 | 6.6 |
| 34 | 三重県 | 102.0 | 近畿 | 46.2 | 1612.9 | 6.6 |
| 35 | 愛媛県 | 100.3 | 四国 | 43.1 | 1404.6 | 6.6 |
| 36 | 群馬県 | 100.2 | 関東 | 37.7 | 1247.4 | 6.3 |
| 37 | 宮城県 | 99.4 | 東北 | 36.3 | 1276.7 | 7.0 |
| 38 | 大分県 | 98.4 | 九州 | 45.4 | 1727.0 | 6.4 |
| 39 | 大阪府 | 98.2 | 近畿 | 42.3 | 1338.3 | 6.8 |
| 40 | 徳島県 | 97.8 | 四国 | 41.2 | 1619.9 | 6.5 |
| 41 | 和歌山県 | 97.2 | 近畿 | 41.9 | 1414.4 | 6.7 |
| 42 | 香川県 | 95.9 | 四国 | 35.1 | 1150.1 | 6.6 |
| 43 | 埼玉県 | 95.7 | 関東 | 37.3 | 1305.8 | 6.4 |
| 44 | 広島県 | 94.2 | 中国 | 45.9 | 1572.2 | 6.6 |
| 45 | 兵庫県 | 93.3 | 近畿 | 39.0 | 1277.8 | 6.6 |
| 46 | 山梨県 | 88.9 | 中部 | 36.0 | 1160.7 | 6.4 |
| 47 | 岡山県 | 88.3 | 中国 | 36.9 | 1143.1 | 6.6 |
このグラフについての豆知識
1.0ミリ以上降った日を数えている
気象庁の降水日数は、日降水量が1.0ミリ以上だった日の数です。
ぱらついた程度の雨は含まれません。
降水量には雨だけでなく、雪やあられを溶かした水も入ります。
日本海側の冬は雪の日が多いため、降水日数も伸びます。
この記事の表には、日降水量が10.0ミリ以上だった大雨の日数も載せています。
全国平均は48.4日で、降水日数のおよそ4割にあたります。
1地点の観測値を県の代表にしている
数字は各都道府県の気象台がある1地点の平年値です。
埼玉県は熊谷、滋賀県は彦根、山口県は下関で、それ以外は県庁所在地の観測所を使っています。
降水日数では、この制約が大きく効きます。
山を挟んで日本海側と太平洋側にまたがる県では、県庁所在地の数字が県全体を代表しているとは言いにくくなります。
平年値は1991年から2020年までの30年平均です。
順位の並びがにている記事
この1年間に雨や雪が降る日数の並びに近い記事を、全記事の順位から機械で洗い出しました。
最も似ていたのは【平均雲量】空がいちばん曇っているのはどこか、日照時間との関係も見ます(順位相関0.66)です。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【年間日照時間】が長い都道府県ランキング、上位と下位で1.46倍の差(相関-0.71)でした。
似ているからといって理由が同じとはかぎりません。
それでも、2つを重ねると土地の性格が見えてくることがあります。
地方のなかで見た降水日数
| 地方 | 最も多い(日) | 最も少ない(日) |
|---|---|---|
| 東北 | 秋田県 173.8 | 宮城県 99.4 |
| 関東 | 栃木県 108.7 | 埼玉県 95.7 |
| 中部 | 富山県 178.3 | 山梨県 88.9 |
| 近畿 | 滋賀県 131.5 | 兵庫県 93.3 |
| 中国 | 鳥取県 158.0 | 岡山県 88.3 |
| 四国 | 高知県 111.8 | 香川県 95.9 |
| 九州 | 沖縄県 123.9 | 大分県 98.4 |
まとめ
47都道府県の降水日数を比べると、最も多い富山県は178.3日、最も少ない岡山県は88.3日で、その差は2.02倍でした。
47地点の平均は117.5日です。
1年間に雨や雪が降る日数の数字を読むときは、3つの点に気をつけてください。
1つ目は、日降水量が1.0ミリ以上だった日を数えていること。
2つ目は、各県の気象台がある1地点の数字であること。
3つ目は1991年から2020年までの30年平均であることです。
降水量1位の高知県は、降水日数では17位でした。
降水日数と年間降水量の相関係数はプラス0.41にとどまります。
量を決めているのは1日10ミリ以上降る日の数で、こちらは降水量とプラス0.88で連動します。
降水量や平均雲量、雪の日数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 平年値(地点別、地上気象観測)
- 調査年: 1991年〜2020年の30年平均
- 公開元: 気象庁
- 参照URL: https://www.data.jma.go.jp/stats/data/mdrr/normal/index.html
- 備考: 各都道府県の気象台所在地1地点の平年値。埼玉県は熊谷、滋賀県は彦根、山口県は下関、他は県庁所在地。降水日数は日降水量が1.0ミリ以上だった日の数。大雨の日数は日降水量が10.0ミリ以上だった日の数
注記: 各都道府県の気象台所在地1地点の平年値。
埼玉県は熊谷、滋賀県は彦根、山口県は下関、他は県庁所在地。
降水日数は日降水量が1.0ミリ以上だった日の数。
大雨の日数は日降水量が10.0ミリ以上だった日の数
