【パン屋の数】が多い都道府県ランキング、人口あたりでは西日本が上位に並びます

【パン屋の数】が多い都道府県ランキング、人口あたりでは西日本が上位に並びます

この記事では、パン屋の多さを人口あたりで47都道府県を比べます。

使うのは令和3年経済センサス-活動調査で、パン小売業に分類された事業所は全国で5,666店でした。

人口10万人あたりでは4.51店。
上位には西日本の県が並びましたが、パンをよく買う県とは重なりませんでした。

47都道府県の単純平均

4.6店

人口10万人あたり店舗数(令和3年(2021年6月1日現在))

最も多い 鳥取県

7.3店

最も少ない 和歌山県

2.5店

人口あたりのパン屋が多い5県

上位5都道府県の人口10万人あたり店舗数
上位5都道府県の人口10万人あたり店舗数 経済センサス-活動調査(卸売業、小売業に関する集計)と人口推計(令和3年(2021年6月1日現在)) 01234567鳥取県: 7.3店7.3店愛媛県: 6.6店6.6店富山県: 6.3店6.3店長崎県: 6.2店6.2店徳島県: 6.0店6.0店鳥取県愛媛県富山県長崎県徳島県
上位5都道府県の人口10万人あたり店舗数
項目人口10万人あたり店舗数
鳥取県7.3店
愛媛県6.6店
富山県6.3店
長崎県6.2店
徳島県6.0店
下位5都道府県の人口10万人あたり店舗数
下位5都道府県の人口10万人あたり店舗数 経済センサス-活動調査(卸売業、小売業に関する集計)と人口推計(令和3年(2021年6月1日現在)) 0.00.51.01.52.02.53.0和歌山県: 2.5店2.5店沖縄県: 3店3店岐阜県: 3.0店3.0店秋田県: 3.2店3.2店青森県: 3.2店3.2店和歌山県沖縄県岐阜県秋田県青森県
下位5都道府県の人口10万人あたり店舗数
項目人口10万人あたり店舗数
和歌山県2.5店
沖縄県3店
岐阜県3.0店
秋田県3.2店
青森県3.2店

人口10万人あたりのパン屋が多い上位5県です。

鳥取県は7.29店、愛媛県は6.59店、富山県は6.34店、長崎県は6.17店、徳島県は6.04店でした。
鳥取県の7.29店は全国平均4.51店の1.62倍にあたります。

6位以下は福岡県5.91店、京都府5.86店、香川県5.84店、佐賀県5.83店と続きます。

上位10県のうち8県が西日本です。
地方別でも四国4県が5.82店で最も多く、北海道5.81店、中国5県5.46店、九州8県4.95店と続きました。

パンをよく買う県と、パン屋が多い県は違う

数字を並べるところまでが統計の仕事で、ここから先は解釈になります。
人口あたりで見るパン屋の分布について、ほかの指標と突き合わせて立てた推測を書きます。
事実として確かめたものではありません。

パン屋が多い県ではパンがよく買われている、と考えたくなります。
ところがそうとは言い切れません。

パンへの支出を比べた記事では、1位は兵庫県の41,967円、2位は京都府の39,347円、3位は大阪府の39,198円でした。
この3府県の人口あたりパン屋の順位は、兵庫県が18位、京都府が7位、大阪府が30位です。

人口10万人あたりのパン屋の数とパンへの年間支出の相関係数はプラス0.28。
同じ方向を向いてはいますが、関係は弱いという水準です。
パンをよく買う県が、必ずしもパン屋の多い県にはなっていません。
支出の多くはスーパーやコンビニで売られる袋入りのパンによるもので、そちらは店舗数には表れないためだと考えられます。

下位を見ると、東北6県が3.47店で8地方のなかで最も少なくなっています。
青森県3.19店、秋田県3.17店、山形県3.22店、岩手県3.43店。
米どころだからという説明が思い浮かびます。

ただ、この説明はうまくいきません。
3位の富山県6.34店は、農業産出額に占める米の割合が77.8パーセントで全国1位の県です。
日本一の米どころが、パン屋の多さでも上位に入っています。

実際、ほかの指標との相関はどれも弱いままでした。
人口密度とはマイナス0.01、持ち家住宅率とはマイナス0.18、読書の行動者率とはプラス0.03。
パン屋の多さを説明する数字は、今回のなかでは見つかりませんでした。

個人経営の店が大半を占める業種なので、その土地に店を開いて続けてきた人がどれだけいるかという、統計に表れにくい積み重ねが効いているのかもしれません。

実数で見ると大都市が並ぶ

店舗数の上位5都道府県
店舗数の上位5都道府県 経済センサス-活動調査(卸売業、小売業に関する集計)と人口推計(令和3年(2021年6月1日現在)) 0100200300400500600700東京都: 716店716店神奈川県: 404店404店大阪府: 356店356店福岡県: 303店303店北海道: 301店301店東京都神奈川県大阪府福岡県北海道
店舗数の上位5都道府県
項目店舗数
東京都716店
神奈川県404店
大阪府356店
福岡県303店
北海道301店

人口あたりではなく店舗数そのもので並べると、上位は大都市を抱える都道府県になります。

東京都は716店、神奈川県は404店、大阪府は356店、福岡県は303店、北海道は301店でした。

人口あたりで1位の鳥取県は40店です。
人口あたりでは全国平均の1.62倍でも、実数としては最も小さな部類になります。

業界の規模を知りたいなら実数、家の近くにパン屋があるかどうかを知りたいなら人口あたり、という使い分けになります。

人口あたりのパン屋が少ない5県

人口10万人あたりのパン屋が少ない下位5県です。

和歌山県は2.52店、沖縄県は3.00店、岐阜県は3.01店、秋田県は3.17店、青森県は3.19店でした。
鳥取県の7.29店とは2.89倍の差があります。

最下位の和歌山県2.52店は、47都道府県で唯一3店を下回りました。
1位の鳥取県と比べると3分の1近くまで下がります。

下位に並んだのは東北の3県と、岐阜県、和歌山県、沖縄県です。
東北6県はいずれも4店を下回っており、宮城県の4.19店が最も多い数字でした。

岐阜県3.01店が下位に入っているのは意外に見えるかもしれません。
隣の愛知県も3.58店で40位。
東海地方はパン屋が少ない地域だということになります。

地方別に見るパン屋の多さ

地方別の平均(人口10万人あたり店舗数)
地方別の平均(人口10万人あたり店舗数) 経済センサス-活動調査(卸売業、小売業に関する集計)と人口推計(令和3年(2021年6月1日現在)) 012345北海道: 5.8店5.8店東北: 3.5店3.5店関東: 4.3店4.3店中部: 4.2店4.2店近畿: 4.2店4.2店中国: 5.5店5.5店四国: 5.8店5.8店九州: 5.0店5.0店北海道東北関東中部近畿中国四国九州
地方別の平均(人口10万人あたり店舗数)
項目人口10万人あたり店舗数の平均
北海道5.8店
東北3.5店
関東4.3店
中部4.2店
近畿4.2店
中国5.5店
四国5.8店
九州5.0店

地方別に平均を出すと、西日本と北海道が上位に来ます。

最も多いのは四国4県の5.82店です。
次いで北海道が5.81店、中国5県が5.46店、九州8県が4.95店と続きます。

少ないほうは関東7都県が4.30店、近畿7府県が4.23店、中部9県が4.17店、東北6県が3.47店でした。
四国と東北では1.68倍の差があります。

近畿7府県が4.23店と下位に来るのは意外です。
パンへの支出では兵庫県が全国1位、京都府が2位、大阪府が3位と上位を占める地方ですが、パン屋の数では全国平均を下回りました。

地図で見る人口10万人あたりのパン屋

人口10万人あたり店舗数(令和3年(2021年6月1日現在))
人口10万人あたり店舗数(令和3年(2021年6月1日現在)) 経済センサス-活動調査(卸売業、小売業に関する集計)と人口推計(総務省・経済産業省/総務省統計局)をもとに作成。単位は店。 北海道 5.8店青森 3.2店岩手 3.4店宮城 4.2店秋田 3.2店山形 3.2店福島 3.6店茨城 3.8店栃木 5.0店群馬 4.2店埼玉 4.0店千葉 3.8店東京 5.1店神奈川 4.4店新潟 4.0店富山 6.3店石川 5.1店福井 3.8店山梨 3.6店長野 4.1店岐阜 3.0店静岡 4.0店愛知 3.6店三重 4.3店滋賀 4.1店京都 5.9店大阪 4.0店兵庫 4.9店奈良 3.9店和歌山 2.5店鳥取 7.3店島根 4.1店岡山 5.5店広島 5.0店山口 5.4店徳島 6.0店香川 5.8店愛媛 6.6店高知 4.8店福岡 5.9店佐賀 5.8店長崎 6.2店熊本 4.5店大分 5.7店宮崎 4.2店鹿児島 4.4店沖縄 3店
人口10万人あたり店舗数(店)
人口10万人あたり店舗数(令和3年(2021年6月1日現在))
項目人口10万人あたり店舗数
北海道5.8店
青森県3.2店
岩手県3.4店
宮城県4.2店
秋田県3.2店
山形県3.2店
福島県3.6店
茨城県3.8店
栃木県5.0店
群馬県4.2店
埼玉県4.0店
千葉県3.8店
東京都5.1店
神奈川県4.4店
新潟県4.0店
富山県6.3店
石川県5.1店
福井県3.8店
山梨県3.6店
長野県4.1店
岐阜県3.0店
静岡県4.0店
愛知県3.6店
三重県4.3店
滋賀県4.1店
京都府5.9店
大阪府4.0店
兵庫県4.9店
奈良県3.9店
和歌山県2.5店
鳥取県7.3店
島根県4.1店
岡山県5.5店
広島県5.0店
山口県5.4店
徳島県6.0店
香川県5.8店
愛媛県6.6店
高知県4.8店
福岡県5.9店
佐賀県5.8店
長崎県6.2店
熊本県4.5店
大分県5.7店
宮崎県4.2店
鹿児島県4.4店
沖縄県3店

日本地図で見ると、色が濃く出るのは山陰と四国、九州の西側、それに北陸の一部です。
淡いのは東北と東海、紀伊半島でした。

47都道府県の単純平均は4.56店、中央値は4.20店です。
平均が中央値より0.36店高いのは、上位の県が全体を引き上げているためです。

平均を超えたのは19県。
最も多い鳥取県でも7.29店で、人口10万人あたり7店を超えたのは1県だけでした。

順位都道府県人口10万人あたり店舗数(店)地方店舗数パンへの年間支出
1鳥取県7.29中国4032853
2愛媛県6.59四国8734826
3富山県6.34中部6535620
4長崎県6.17九州8035367
5徳島県6.04四国4336323
6福岡県5.91九州30333647
7京都府5.86近畿15039347
8香川県5.84四国5536291
9佐賀県5.83九州4732034
10北海道5.81北海道30129323
11大分県5.66九州6330441
12岡山県5.54中国10437393
13山口県5.35中国7133345
14東京都5.11関東71637737
15石川県5.07中部5736236
16広島県5.04中国14038080
17栃木県4.95関東9532304
18兵庫県4.88近畿26541967
19高知県4.82四国3332798
20熊本県4.46九州7730990
21鹿児島県4.44九州7031910
22神奈川県4.37関東40435282
23三重県4.33近畿7634643
24群馬県4.2関東8133075
25宮城県4.19東北9631443
26宮崎県4.15九州4430571
27長野県4.13中部8432033
28滋賀県4.11近畿5837850
29島根県4.06中国2733253
30新潟県4.04中部8835713
30大阪府4.04近畿35639198
32静岡県3.96中部14332419
33埼玉県3.95関東29038856
34奈良県3.88近畿5137517
35福井県3.82中部2933964
36千葉県3.76関東23635459
37茨城県3.75関東10729783
38福島県3.64東北6629666
39山梨県3.6中部2930744
40愛知県3.58中部26937029
41岩手県3.43東北4128861
42山形県3.22東北3427965
43青森県3.19東北3929292
44秋田県3.17東北3026785
45岐阜県3.01中部5933436
46沖縄県3.0九州4428700
47和歌山県2.52近畿2336188
経済センサス-活動調査(卸売業、小売業に関する集計)と人口推計(令和3年(2021年6月1日現在)、総務省・経済産業省/総務省統計局)をもとに作成

このグラフについての豆知識

店内で焼く店とそうでない店の両方を数えている

この記事の店舗数は、産業細分類「5863 パン小売業(製造小売)」と「5864 パン小売業(製造小売でないもの)」の合計です。
全国で5,172店と494店、あわせて5,666店でした。

製造小売は自分の店で焼いて売る、いわゆるベーカリーです。
数のうえでは9割以上を占めます。

スーパーやコンビニのパン売り場は含まれません。
またパンを主に扱っていても、菓子のほうが売上が大きければ菓子小売業に分類されます。

パン屋は個人経営が多い業種

菓子・パン小売業全体では全国48,289店あり、そのうちパン小売業は5,666店です。
残りの多くは菓子小売業でした。

パン屋は小規模な店が多く、チェーン展開よりも個人経営が中心の業種です。
そのぶん、その土地に何店あるかは大手の出店戦略ではなく、開業する人の数に左右されやすくなります。

経済センサス-活動調査は5年ごとに行われ、この記事の数字は2021年6月1日現在のものです。
人口10万人あたりの店舗数は、2021年10月1日現在の人口推計で割って算出しました。

順位の並びがにている記事

同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
人口あたりで見るパン屋の順位で探してみます。

0.62という高い相関を示したのが【医師の数を人口で割ると?】人口10万人あたり医師数、高齢化が進んだ県ほど多いわけではないでした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【まぐろへの支出】平均年4,471円、差は8.5倍にひらく(相関-0.53)でした。

これは並びが近いというだけで、片方がもう片方を生んでいるという意味ではありません。
地図を2枚ならべてみてください。

地方のなかで見た人口10万人あたり店舗数

地方最も多い(店)最も少ない(店)
東北宮城県 4.19秋田県 3.17
関東東京都 5.11茨城県 3.75
中部富山県 6.34岐阜県 3.01
近畿京都府 5.86和歌山県 2.52
中国鳥取県 7.29島根県 4.06
四国愛媛県 6.59高知県 4.82
九州長崎県 6.17沖縄県 3.0
経済センサス-活動調査(卸売業、小売業に関する集計)と人口推計(令和3年(2021年6月1日現在)、総務省・経済産業省/総務省統計局)をもとに作成

まとめ

47都道府県の人口10万人あたりのパン屋の数を比べると、最も多い鳥取県は7.29店、最も少ない和歌山県は2.52店で、その差は2.89倍でした。
全国では4.51店、店舗数は5,666店です。

この人口あたりで見るパン屋の数字には、読み違えやすい点が3つあります。
1つ目は、スーパーやコンビニのパン売り場が含まれないこと。
2つ目は、人口あたりの数を2021年10月1日の人口推計で算出していること。
3つ目は2021年6月1日現在の調査であることです。

パンへの支出で全国1位の兵庫県は、人口あたりのパン屋では18位。
支出との相関係数はプラス0.28にとどまりました。

米どころだからパン屋が少ない、という説明も成り立ちません。
米の割合が全国1位の富山県は、パン屋の多さでも3位でした。
パンへの支出や喫茶店の数を比べた記事とあわせて読むと、その違いが見えてきます。

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出典

  • 統計名: 経済センサス-活動調査(卸売業、小売業に関する集計)と人口推計
  • 調査年: 令和3年(2021年6月1日現在)
  • 公開元: 総務省・経済産業省/総務省統計局
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040032857
  • 備考: 事業所数は産業細分類5863_パン小売業(製造小売)と5864_パン小売業(製造小売でないもの)の合計。店内で焼くベーカリーが中心で、スーパーやコンビニのパン売り場は含まない。パンへの年間支出は家計調査による。人口10万人あたりの店舗数は、2021年10月1日現在の人口推計で割って算出した

注記: 事業所数は産業細分類5863_パン小売業(製造小売)と5864_パン小売業(製造小売でないもの)の合計。
店内で焼くベーカリーが中心で、スーパーやコンビニのパン売り場は含まない。
パンへの年間支出は家計調査による。
人口10万人あたりの店舗数は、2021年10月1日現在の人口推計で割って算出した

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