リハビリの専門職である理学療法士は、病院にどれくらいいるのでしょうか。
常勤換算の人数を47都道府県で比べます。
使うのは厚生労働省の医療施設静態調査、2023年の数字。
東京都が7,496人で1位。
47都道府県の平均は1,892人、中央値は1,151人です。
1位と47位の間には16.2倍の開き、人口10万人あたりでは3.3倍の開きがありました。
47都道府県の単純平均
1,892人
病院の理学療法士数(常勤換算)(2023年)
最も多い 東京都
7,496人
最も少ない 島根県
463人
病院の理学療法士が多い上位5都府県
病院の理学療法士が多い上位5都府県です。
東京都は7,496人、大阪府は6,396人、福岡県は5,403人でした。
東京都は2位の大阪府の1.17倍です。
4位は神奈川県で4,579人、5位は北海道で4,455人。
上位5で全国の31.9パーセント、上位3で21.7パーセント、上位10で53.7パーセントでした。
1位だけで8.4パーセントを占めます。
47都道府県の平均は1,892人なので、1位は平均の4.0倍。
中央値の1,151人と比べると6.5倍にあたります。
6位以下は兵庫県で4,386人、愛知県で4,367人、埼玉県で4,255人と続きました。
2位と3位の差は993人、3位と4位の差は824人でした。
上位5より下の42都道府県で、全国の68.1パーセントを分け合っています。
1位と2位を合わせると13,892人。
これだけで全国の15.6パーセントにあたります。
実数は人口の多さに沿います。
1位でも全国の8.4パーセントにとどまりました。
人口あたりでは高知県が1位です
この分布の背景を、ここから考えてみます。
病院で働く理学療法士の数の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。
人口10万人あたりで割り直すと、並びが変わります。
1位は高知県の163.41人、2位は鹿児島県141.91人、3位は徳島県138.69人。
4位以下は熊本県、長崎県と続きます。
逆に人口あたりの下位は神奈川県49.64人、新潟県49.55人。
高知県と新潟県では3.3倍の開きです。
人口あたりの1位は高知県で、西日本の県が上位に並びます。
実数1位の都は人口あたりでは43位です。
理学療法士は歩く・立つなど体の基本の動きを取り戻すリハビリを担います。
病床の多い県ほどリハビリの人手も厚くなる関係です。
当サイトの脳卒中の後遺症の記事とあわせて見ると、リハビリの需要が見えてきます。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、四国4県が112.3人で最も多く、関東7都県が56.5人で最も少なくなります。
九州・沖縄8県110.4人と北海道88.3人がそれに続きました。
実数で見ると順位は変わる
病院の理学療法士が少ない下位5県
病院の理学療法士が少ない下位5県です。
47位の島根県は463人、46位の秋田県は464人、45位の鳥取県は500人でした。
1位の東京都とは16.2倍の差があります。
44位は福井県で536人、43位は山形県で619人、42位は山梨県で661人と続きます。
16.2倍という開きは、人口の差とおおむね同じ大きさです。
47都道府県の中央値は1,151人。
平均は1,892人なので、平均が中央値の1.6倍です。
47位の島根県は平均の24.5パーセント、中央値の40.2パーセントにあたります。
下位5県を合わせても全国の2.9パーセントにしかなりません。
1位の東京都1つで8.4パーセントを占めるのとは対照的です。
47位の島根県は、1位の東京都の6.18パーセントにあたる水準です。
46位との差は1人、45位との差は37人でした。
1位の東京都と47位の島根県の間には7,033人の開きがあります。
地方別に見る
病院の理学療法士は、人口あたりでは西日本で多くなります。
地方別に合計を出すと、関東7都県が全国の27.7パーセントで最も大きくなります。
次いで近畿7府県が18.8パーセント、九州・沖縄8県が17.3パーセント、中部9県が14.9パーセントと続きました。
少ないほうは中国5県が6.4パーセント、東北6県が5.4パーセント、北海道が5パーセント、四国4県が4.5パーセントでした。
人口10万人あたりの平均で見ると並びが変わります。
四国4県が112.3人、九州・沖縄8県が110.4人、北海道が88.3人の順に多く、最も少ないのは関東7都県が56.5人です。
地図で見る
| 項目 | 病院の理学療法士数(常勤換算) |
|---|---|
| 北海道 | 4,455人 |
| 青森県 | 772人 |
| 岩手県 | 709人 |
| 宮城県 | 1,180人 |
| 秋田県 | 464人 |
| 山形県 | 619人 |
| 福島県 | 1,089人 |
| 茨城県 | 1,662人 |
| 栃木県 | 1,118人 |
| 群馬県 | 1,336人 |
| 埼玉県 | 4,255人 |
| 千葉県 | 4,154人 |
| 東京都 | 7,496人 |
| 神奈川県 | 4,579人 |
| 新潟県 | 1,040人 |
| 富山県 | 677人 |
| 石川県 | 801人 |
| 福井県 | 536人 |
| 山梨県 | 661人 |
| 長野県 | 1,692人 |
| 岐阜県 | 1,151人 |
| 静岡県 | 2,302人 |
| 愛知県 | 4,367人 |
| 三重県 | 981人 |
| 滋賀県 | 750人 |
| 京都府 | 2,200人 |
| 大阪府 | 6,396人 |
| 兵庫県 | 4,386人 |
| 奈良県 | 1,127人 |
| 和歌山県 | 919人 |
| 鳥取県 | 500人 |
| 島根県 | 463人 |
| 岡山県 | 1,507人 |
| 広島県 | 2,016人 |
| 山口県 | 1,206人 |
| 徳島県 | 950人 |
| 香川県 | 803人 |
| 愛媛県 | 1,143人 |
| 高知県 | 1,072人 |
| 福岡県 | 5,403人 |
| 佐賀県 | 942人 |
| 長崎県 | 1,520人 |
| 熊本県 | 2,140人 |
| 大分県 | 1,271人 |
| 宮崎県 | 695人 |
| 鹿児島県 | 2,174人 |
| 沖縄県 | 1,247人 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都です。
次いで大阪府、福岡県、神奈川県、北海道が続きます。
淡いのは島根県、秋田県、鳥取県でした。
47都道府県の平均は1,892人、中央値は1,151人です。
東京都の7,496人は平均の4.0倍にあたります。
上位3で21.7パーセント、1位と47位で16.2倍の開きがありました。
人口10万人あたりに直すと高知県が163.41人で最も多く、開きは3.3倍になります。
実数1位の東京都は人口あたりでは43位、人口あたり1位の高知県は実数では29位でした。
| 順位 | 都道府県 | 病院の理学療法士数(常勤換算)(人) | 地方 | 人口10万人あたりの病院の理学療法士数(常勤換算) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 7496 | 関東 | 52.87 |
| 2 | 大阪府 | 6396 | 近畿 | 73.04 |
| 3 | 福岡県 | 5403 | 九州 | 106.11 |
| 4 | 神奈川県 | 4579 | 関東 | 49.64 |
| 5 | 北海道 | 4455 | 北海道 | 88.34 |
| 6 | 兵庫県 | 4386 | 近畿 | 82.18 |
| 7 | 愛知県 | 4367 | 中部 | 58.54 |
| 8 | 埼玉県 | 4255 | 関東 | 58.03 |
| 9 | 千葉県 | 4154 | 関東 | 66.45 |
| 10 | 静岡県 | 2302 | 中部 | 65.27 |
| 11 | 京都府 | 2200 | 近畿 | 87.3 |
| 12 | 鹿児島県 | 2174 | 九州 | 141.91 |
| 13 | 熊本県 | 2140 | 九州 | 126.1 |
| 14 | 広島県 | 2016 | 中国 | 74.28 |
| 15 | 長野県 | 1692 | 中部 | 85.15 |
| 16 | 茨城県 | 1662 | 関東 | 59.23 |
| 17 | 長崎県 | 1520 | 九州 | 121.41 |
| 18 | 岡山県 | 1507 | 中国 | 82.3 |
| 19 | 群馬県 | 1336 | 関東 | 70.69 |
| 20 | 大分県 | 1271 | 九州 | 117.14 |
| 21 | 沖縄県 | 1247 | 九州 | 85.06 |
| 22 | 山口県 | 1206 | 中国 | 94.15 |
| 23 | 宮城県 | 1180 | 東北 | 52.49 |
| 24 | 岐阜県 | 1151 | 中部 | 60.07 |
| 25 | 愛媛県 | 1143 | 四国 | 89.58 |
| 26 | 奈良県 | 1127 | 近畿 | 87.7 |
| 27 | 栃木県 | 1118 | 関東 | 59.31 |
| 28 | 福島県 | 1089 | 東北 | 62.48 |
| 29 | 高知県 | 1072 | 四国 | 163.41 |
| 30 | 新潟県 | 1040 | 中部 | 49.55 |
| 31 | 三重県 | 981 | 近畿 | 57.33 |
| 32 | 徳島県 | 950 | 四国 | 138.69 |
| 33 | 佐賀県 | 942 | 九州 | 119.54 |
| 34 | 和歌山県 | 919 | 近畿 | 104.43 |
| 35 | 香川県 | 803 | 四国 | 87.57 |
| 36 | 石川県 | 801 | 中部 | 72.95 |
| 37 | 青森県 | 772 | 東北 | 66.27 |
| 38 | 滋賀県 | 750 | 近畿 | 53.5 |
| 39 | 岩手県 | 709 | 東北 | 61.92 |
| 40 | 宮崎県 | 695 | 九州 | 67.28 |
| 41 | 富山県 | 677 | 中部 | 67.9 |
| 42 | 山梨県 | 661 | 中部 | 83.57 |
| 43 | 山形県 | 619 | 東北 | 61.23 |
| 44 | 福井県 | 536 | 中部 | 72.53 |
| 45 | 鳥取県 | 500 | 中国 | 94.16 |
| 46 | 秋田県 | 464 | 東北 | 51.73 |
| 47 | 島根県 | 463 | 中国 | 72.12 |
このグラフについての豆知識
病院だけで8万9千人
病院で働く理学療法士は常勤換算で全国8万8,926人。
作業療法士の5万304人と合わせ、リハビリの中核を担います。
理学療法士は介護施設や訪問リハビリでも働いており、この数字は病院の分だけです。
3年に一度の医療施設調査
医療施設静態調査は、全国のすべての病院・診療所を対象に3年ごとに行われる調査で、これは2023年(令和5年)10月1日時点のものです。
実施件数は2023年9月の1か月間の数です。
年間の数ではないことに注意してください。
また、施設の所在地で数えるため、県境をこえたサービスのぶんは施設のある県に計上されます。
数字の開き
1位の東京都は7,496人、47位の島根県は463人。
両者の間には16.2倍の開きがあります。
上位3で全国の21.7パーセント、上位10で53.7パーセントを占めます。
中央値は1,151人、平均は1,892人です。
平均が中央値を上回るのは、上位のいくつかの都道府県が全体を押し上げているためです。
人口10万人あたりに直すと3.3倍の開きになります。
実数の順位がどこまで人口の多さを映しているかは、この2つを見比べると分かります。
順位の並びがにている記事
病院で働く理学療法士の数とよく似た並びになる記事が、当サイトにあるか探しました。
0.96という高い相関を示したのが【病院の作業療法士】全国5万304人、暮らしのリハビリでした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【1住宅当たり延べ面積】いちばん広い県は140平方メートル、狭い都の2.2倍(相関-0.81)でした。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見た病院の理学療法士数(常勤換算)
| 地方 | 最も多い(人) | 最も少ない(人) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 1180 | 秋田県 464 |
| 関東 | 東京都 7496 | 栃木県 1118 |
| 中部 | 愛知県 4367 | 福井県 536 |
| 近畿 | 大阪府 6396 | 滋賀県 750 |
| 中国 | 広島県 2016 | 島根県 463 |
| 四国 | 愛媛県 1143 | 香川県 803 |
| 九州 | 福岡県 5403 | 宮崎県 695 |
まとめ
病院で働く理学療法士の数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で7,496人、最も少ない島根県で463人でした。
1位と47位の間には16.2倍の開きがあります。
上位3で全国の21.7パーセント、上位10で53.7パーセントを占めます。
47都道府県の中央値は1,151人、平均は1,892人でした。
人口10万人あたりに直すと3.3倍の開きになります。
病院で働く理学療法士の数を読み取るうえで、確かめておきたいことが3つあります。
1つ目は、常勤換算の人数であること。
2つ目は、病院の分だけで診療所を含まないこと。
3つ目は2023年の数字であることです。
人口10万人あたりでは高知県が163.41人で最多。
実数1位の東京都は人口あたりでは43位でした。
地方別に合計を出すと関東7都県が全国の27.7パーセントで最多、人口10万人あたりでは四国4県が112.3人で最多でした。
病院の作業療法士や脳卒中の後遺症による死亡数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)
- 調査年: 2023年
- 公開元: 厚生労働省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?statdisp_id=0004024880
- 備考: 病院で働く理学療法士の常勤換算の人数。小数点以下は四捨五入した。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
注記: 病院で働く理学療法士の常勤換算の人数。
小数点以下は四捨五入した。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
