【病院の訪問診療】ひと月23万7,601件、在宅医療の脇役

【病院の訪問診療】ひと月23万7,601件、在宅医療の脇役

医師が定期的に患者の自宅を訪ねる訪問診療を、病院はどれくらい行っているのでしょうか。
2023年9月の実施件数を47都道府県で比べます。

使うのは厚生労働省の医療施設静態調査、2023年の数字。

東京都が25,723件で1位。
47都道府県の平均は5,055.3件、中央値は2,994件です。
1位と47位の間には51.5倍の開き、人口10万人あたりでは9.7倍の開きがありました。

47都道府県の単純平均

5,055件

病院の在宅患者訪問診療の実施件数(2023年)

最も多い 東京都

25,723件

最も少ない 鳥取県

499件

地図で見る

病院の在宅患者訪問診療の実施件数(2023年)
病院の在宅患者訪問診療の実施件数(2023年) 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(厚生労働省)をもとに作成。単位は件。 北海道 17,084件青森 2,099件岩手 2,676件宮城 3,743件秋田 1,002件山形 683件福島 3,356件茨城 3,556件栃木 1,017件群馬 2,994件埼玉 9,987件千葉 7,029件東京 25,723件神奈川 13,679件新潟 1,203件富山 1,311件石川 2,905件福井 1,280件山梨 980件長野 4,778件岐阜 2,509件静岡 4,961件愛知 19,331件三重 2,213件滋賀 1,418件京都 6,366件大阪 20,538件兵庫 7,269件奈良 2,422件和歌山 2,658件鳥取 499件島根 1,217件岡山 4,825件広島 4,153件山口 2,477件徳島 3,589件香川 2,053件愛媛 3,525件高知 2,582件福岡 11,833件佐賀 3,102件長崎 2,385件熊本 3,405件大分 5,670件宮崎 1,714件鹿児島 5,878件沖縄 1,924件
病院の在宅患者訪問診療の実施件数(件)
病院の在宅患者訪問診療の実施件数(2023年)
項目病院の在宅患者訪問診療の実施件数
北海道17,084件
青森県2,099件
岩手県2,676件
宮城県3,743件
秋田県1,002件
山形県683件
福島県3,356件
茨城県3,556件
栃木県1,017件
群馬県2,994件
埼玉県9,987件
千葉県7,029件
東京都25,723件
神奈川県13,679件
新潟県1,203件
富山県1,311件
石川県2,905件
福井県1,280件
山梨県980件
長野県4,778件
岐阜県2,509件
静岡県4,961件
愛知県19,331件
三重県2,213件
滋賀県1,418件
京都府6,366件
大阪府20,538件
兵庫県7,269件
奈良県2,422件
和歌山県2,658件
鳥取県499件
島根県1,217件
岡山県4,825件
広島県4,153件
山口県2,477件
徳島県3,589件
香川県2,053件
愛媛県3,525件
高知県2,582件
福岡県11,833件
佐賀県3,102件
長崎県2,385件
熊本県3,405件
大分県5,670件
宮崎県1,714件
鹿児島県5,878件
沖縄県1,924件

日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都です。
次いで大阪府、愛知県、北海道、神奈川県が続きます。
淡いのは鳥取県、山形県、山梨県でした。

47都道府県の平均は5,055.3件、中央値は2,994件です。
東京都の25,723件は平均の5.1倍にあたります。

上位3で27.6パーセント、1位と47位で51.5倍の開きがありました。

人口10万人あたりに直すと徳島県が523.94件で最も多く、開きは9.7倍になります。

実数1位の東京都は人口あたりでは24位、人口あたり1位の徳島県は実数では18位でした。

順位都道府県病院の在宅患者訪問診療の実施件数(件)地方人口10万人あたりの病院の在宅患者訪問診療の実施件数
1東京都25723関東181.43
2大阪府20538近畿234.53
3愛知県19331中部259.13
4北海道17084北海道338.77
5神奈川県13679関東148.28
6福岡県11833九州232.38
7埼玉県9987関東136.21
8兵庫県7269近畿136.2
9千葉県7029関東112.45
10京都府6366近畿252.62
11鹿児島県5878九州383.68
12大分県5670九州522.58
13静岡県4961中部140.66
14岡山県4825中国263.52
15長野県4778中部240.46
16広島県4153中国153.02
17宮城県3743東北166.5
18徳島県3589四国523.94
19茨城県3556関東126.73
20愛媛県3525四国276.25
21熊本県3405九州200.65
22福島県3356東北192.54
23佐賀県3102九州393.65
24群馬県2994関東158.41
25石川県2905中部264.57
26岩手県2676東北233.71
27和歌山県2658近畿302.05
28高知県2582四国393.6
29岐阜県2509中部130.95
30山口県2477中国193.36
31奈良県2422近畿188.48
32長崎県2385九州190.5
33三重県2213近畿129.34
34青森県2099東北180.17
35香川県2053四国223.88
36沖縄県1924九州131.24
37宮崎県1714九州165.92
38滋賀県1418近畿101.14
39富山県1311中部131.49
40福井県1280中部173.21
41島根県1217中国189.56
42新潟県1203中部57.31
43栃木県1017関東53.95
44秋田県1002東北111.71
45山梨県980中部123.89
46山形県683東北67.56
47鳥取県499中国93.97
医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年、厚生労働省)をもとに作成

病院の訪問診療が多い上位5都府県

上位5都道府県の病院の在宅患者訪問診療の実施件数
上位5都道府県の病院の在宅患者訪問診療の実施件数 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年) 010,00020,000東京都: 25,723件25,723件大阪府: 20,538件20,538件愛知県: 19,331件19,331件北海道: 17,084件17,084件神奈川県: 13,679件13,679件東京都大阪府愛知県北海道神奈川県
上位5都道府県の病院の在宅患者訪問診療の実施件数
項目病院の在宅患者訪問診療の実施件数
東京都25,723件
大阪府20,538件
愛知県19,331件
北海道17,084件
神奈川県13,679件
下位5都道府県の病院の在宅患者訪問診療の実施件数
下位5都道府県の病院の在宅患者訪問診療の実施件数 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年) 0400800鳥取県: 499件499件山形県: 683件683件山梨県: 980件980件秋田県: 1,002件1,002件栃木県: 1,017件1,017件鳥取県山形県山梨県秋田県栃木県
下位5都道府県の病院の在宅患者訪問診療の実施件数
項目病院の在宅患者訪問診療の実施件数
鳥取県499件
山形県683件
山梨県980件
秋田県1,002件
栃木県1,017件

病院の訪問診療が多い上位5都府県です。

東京都は25,723件、大阪府は20,538件、愛知県は19,331件でした。
東京都は2位の大阪府の1.25倍です。

4位は北海道で17,084件、5位は神奈川県で13,679件。
上位5で全国の40.6パーセント、上位3で27.6パーセント、上位10で58.4パーセントでした。

1位だけで10.8パーセントを占めます。
47都道府県の平均は5,055.3件なので、1位は平均の5.1倍。
中央値の2,994件と比べると8.6倍にあたります。

6位以下は福岡県で11,833件、埼玉県で9,987件、兵庫県で7,269件と続きました。

2位と3位の差は1,207件、3位と4位の差は2,247件でした。
上位5より下の42都道府県で、全国の59.4パーセントを分け合っています。

1位と2位を合わせると46,261件。
これだけで全国の19.5パーセントにあたります。

1位だけで全国の10.8パーセントを占めました。
人口の多さに沿った並びです。

人口あたりでは徳島県が1位です

ここから先は、病院の訪問診療の件数がこう分かれる理由についての見立てです。
ほかの指標と突き合わせて立てた推測で、統計そのものが示している事実ではありません。

人口10万人あたりで割り直すと、並びが変わります。

1位は徳島県の523.94件、2位は大分県522.58件、3位は佐賀県393.65件。

4位以下は高知県、鹿児島県と続きます。
逆に人口あたりの下位は新潟県57.31件、栃木県53.95件。
徳島県と栃木県では9.7倍の開きです。

人口あたりの1位は徳島県です。
実数1位の東京都は人口あたりでは24位です。

訪問診療の主役は診療所で、病院はそれを補う立場です。
病院が訪問診療まで担うのは、診療所の在宅医療が手薄な地域という面もあります。

当サイトの診療所の訪問診療の記事と並べて読むと、担い手の分担が見えてきます。

地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、北海道が338.8件で最も多く、関東7都県が146.9件で最も少なくなります。
四国4県332.5件と九州・沖縄8県257.5件がそれに続きました。

実数で見ると順位は変わる

人口10万人あたりの病院の在宅患者訪問診療の実施件数の上位5都道府県
人口10万人あたりの病院の在宅患者訪問診療の実施件数の上位5都道府県 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年) 0100200300400500徳島県: 523.9523.9大分県: 522.6522.6佐賀県: 393.7393.7高知県: 393.6393.6鹿児島県: 383.7383.7徳島県大分県佐賀県高知県鹿児島県
人口10万人あたりの病院の在宅患者訪問診療の実施件数の上位5都道府県
項目人口10万人あたりの病院の在宅患者訪問診療の実施件数
徳島県523.9
大分県522.6
佐賀県393.7
高知県393.6
鹿児島県383.7

病院の訪問診療が少ない下位5県

病院の訪問診療が少ない下位5県です。

47位の鳥取県は499件、46位の山形県は683件、45位の山梨県は980件でした。
1位の東京都とは51.5倍の差があります。

44位は秋田県で1,002件、43位は栃木県で1,017件、42位は新潟県で1,203件と続きます。

51.5倍という開きです。
在宅医療への力の入れ方が地域で大きく違います。

47都道府県の中央値は2,994件。
平均は5,055.3件なので、平均が中央値の1.7倍です。

47位の鳥取県は平均の9.9パーセント、中央値の16.7パーセントにあたります。

下位5県を合わせても全国の1.8パーセントにしかなりません。
1位の東京都1つで10.8パーセントを占めるのとは対照的です。

47位の鳥取県は、1位の東京都の1.94パーセントにあたる水準です。

46位との差は184件、45位との差は481件でした。
1位の東京都と47位の鳥取県の間には25,224件の開きがあります。

このグラフについての豆知識

診療所の6分の1の規模

2023年9月の訪問診療は、病院が23万7,601件、診療所が149万8,229件。
病院は全体の6分の1ほどです。

通院が難しくなった高齢の人を支える在宅医療は、住み慣れた家で最期までという流れの土台になっています。

3年に一度の医療施設調査

医療施設静態調査は、全国のすべての病院・診療所を対象に3年ごとに行われる調査で、これは2023年(令和5年)10月1日時点のものです。

実施件数は2023年9月の1か月間の数です。
年間の数ではないことに注意してください。

また、施設の所在地で数えるため、県境をこえたサービスのぶんは施設のある県に計上されます。

数字の開き

1位の東京都は25,723件、47位の鳥取県は499件。
両者の間には51.5倍の開きがあります。
上位3で全国の27.6パーセント、上位10で58.4パーセントを占めます。

中央値は2,994件、平均は5,055.3件です。
平均が中央値を上回るのは、上位のいくつかの都道府県が全体を押し上げているためです。

人口10万人あたりに直すと9.7倍の開きになります。
実数の順位がどこまで人口の多さを映しているかは、この2つを見比べると分かります。

順位の並びがにている記事

病院の訪問診療の件数とよく似た並びになる記事が、当サイトにあるか探しました。

最も似ていたのは【病院の理学療法士】全国8万8,926人、リハビリの中核(順位相関0.88)です。
最も食い違ったのは【一戸建ての割合】が8割に近い県と3割を切る都、住まいの形は地域でこれほど違う(順位相関-0.73)でした。

相関は因果ではないので、関係があると決めつけることはできません。
見くらべる手がかりとして使ってください。

地方のなかで見た病院の在宅患者訪問診療の実施件数

地方最も多い(件)最も少ない(件)
東北宮城県 3743山形県 683
関東東京都 25723栃木県 1017
中部愛知県 19331山梨県 980
近畿大阪府 20538滋賀県 1418
中国岡山県 4825鳥取県 499
四国徳島県 3589香川県 2053
九州福岡県 11833宮崎県 1714
医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年、厚生労働省)をもとに作成

まとめ

病院の訪問診療の件数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で25,723件、最も少ない鳥取県で499件でした。
1位と47位の間には51.5倍の開きがあります。

上位3で全国の27.6パーセント、上位10で58.4パーセントを占めます。
47都道府県の中央値は2,994件、平均は5,055.3件でした。
人口10万人あたりに直すと9.7倍の開きになります。

この病院の訪問診療の件数の数字には、読み違えやすい点が3つあります。
1つ目は、2023年9月の1か月分の数であること。
2つ目は、施設の所在地で数えた数字であること。
3つ目は2023年の数字であることです。

人口10万人あたりでは徳島県が523.94件で最多。
実数1位の東京都は人口あたりでは24位でした。

地方別に合計を出すと関東7都県が全国の26.9パーセントで最多、人口10万人あたりでは北海道が338.8件で最多でした。
診療所の訪問診療や自宅での死亡数を比べた記事とあわせて読んでみてください。

関連記事

出典

  • 統計名: 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)
  • 調査年: 2023年
  • 公開元: 厚生労働省
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?statdisp_id=0004026601
  • 備考: 2023年9月の1か月間に病院が行った在宅患者訪問診療の件数。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値

注記: 2023年9月の1か月間に病院が行った在宅患者訪問診療の件数。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値

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