お産のできる診療所は、全国にどれくらいあるのでしょうか。
分娩を取り扱う一般診療所の数を47都道府県で比べます。
使うのは厚生労働省の医療施設静態調査、2023年の数字。
愛知県が71施設で1位。
47都道府県の平均は20.2施設、中央値は15施設です。
1位と47位の間には35.5倍の開き、人口10万人あたりでは7.6倍の開きがありました。
47都道府県の単純平均
20施設
分娩取扱の一般診療所数(2023年)
最も多い 愛知県
71施設
最も少ない 高知県
2施設
お産できる診療所が多い上位5県
お産できる診療所が多い上位5県です。
愛知県は71施設、福岡県は63施設、東京都は61施設でした。
愛知県は2位の福岡県の1.13倍です。
4位は大阪府で53施設、5位は神奈川県で46施設。
上位5で全国の31パーセント、上位3で20.5パーセント、上位10で50.5パーセントでした。
1位だけで7.5パーセントを占めます。
47都道府県の平均は20.2施設なので、1位は平均の3.5倍。
中央値の15施設と比べると4.7倍にあたります。
6位以下は埼玉県で45施設、千葉県で45施設、兵庫県で39施設と続きました。
2位と3位の差は2施設、3位と4位の差は8施設でした。
上位5より下の42都道府県で、全国の69パーセントを分け合っています。
1位と2位を合わせると134施設。
これだけで全国の14.1パーセントにあたります。
1位は愛知県の71施設でした。
全国の7.5パーセントにあたります。
人口あたりでは佐賀県が1位です
数字を並べるところまでが統計の仕事で、ここから先は解釈になります。
分娩を取り扱う診療所の数の分布について、ほかの指標と突き合わせて立てた推測を書きます。
事実として確かめたものではありません。
人口10万人あたりで割り直すと、並びが変わります。
1位は佐賀県の2.28施設、2位は長崎県1.84施設、3位は大分県1.84施設。
4位以下は宮崎県、石川県と続きます。
逆に人口あたりの下位は北海道0.42施設、高知県0.3施設。
佐賀県と高知県では7.6倍の開きです。
人口あたりの1位は佐賀県で、九州の県が上位に並びます。
実数で東京都は3位、人口あたりでは45位です。
珍しく愛知県が1位の統計です。
診療所での分娩の文化が中京と九州で強いことが、施設の数にも表れています。
当サイトの診療所での分娩件数の記事と並べて読んでみてください。
地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、九州・沖縄8県が1.4施設で最も多く、北海道が0.4施設で最も少なくなります。
中部9県0.9施設と東北6県0.8施設がそれに続きました。
実数で見ると順位は変わる
お産できる診療所が少ない下位5県
お産できる診療所が少ない下位5県です。
47位の高知県は2施設、46位の香川県は4施設、45位の徳島県は4施設でした。
1位の愛知県とは35.5倍の差があります。
44位は福井県で5施設、43位は秋田県で5施設、42位は島根県で6施設と続きます。
35.5倍という開きです。
診療所のお産が根強い地域とそうでない地域に分かれます。
47都道府県の中央値は15施設。
平均は20.2施設なので、平均が中央値の1.3倍です。
47位の高知県は平均の9.9パーセント、中央値の13.3パーセントにあたります。
下位5県を合わせても全国の2.1パーセントにしかなりません。
1位の愛知県1つで7.5パーセントを占めるのとは対照的です。
47位の高知県は、1位の愛知県の2.82パーセントにあたる水準です。
46位との差は2施設、45位との差は2施設でした。
1位の愛知県と47位の高知県の間には69施設の開きがあります。
地方別に見る
お産できる診療所は、中京と九州に多く分布します。
地方別に合計を出すと、関東7都県が全国の26.2パーセントで最も大きくなります。
次いで九州・沖縄8県が20.2パーセント、中部9県が19.3パーセント、近畿7府県が17.2パーセントと続きました。
少ないほうは東北6県が6.6パーセント、中国5県が5.9パーセント、四国4県が2.3パーセント、北海道が2.2パーセントでした。
人口10万人あたりの平均で見ると並びが変わります。
九州・沖縄8県が1.4施設、中部9県が0.9施設、東北6県が0.8施設の順に多く、最も少ないのは北海道が0.4施設です。
地図で見る
| 項目 | 分娩取扱の一般診療所数 |
|---|---|
| 北海道 | 21施設 |
| 青森県 | 14施設 |
| 岩手県 | 11施設 |
| 宮城県 | 13施設 |
| 秋田県 | 5施設 |
| 山形県 | 7施設 |
| 福島県 | 13施設 |
| 茨城県 | 21施設 |
| 栃木県 | 17施設 |
| 群馬県 | 14施設 |
| 埼玉県 | 45施設 |
| 千葉県 | 45施設 |
| 東京都 | 61施設 |
| 神奈川県 | 46施設 |
| 新潟県 | 15施設 |
| 富山県 | 8施設 |
| 石川県 | 15施設 |
| 福井県 | 5施設 |
| 山梨県 | 8施設 |
| 長野県 | 11施設 |
| 岐阜県 | 17施設 |
| 静岡県 | 33施設 |
| 愛知県 | 71施設 |
| 三重県 | 17施設 |
| 滋賀県 | 17施設 |
| 京都府 | 22施設 |
| 大阪府 | 53施設 |
| 兵庫県 | 39施設 |
| 奈良県 | 8施設 |
| 和歌山県 | 7施設 |
| 鳥取県 | 7施設 |
| 島根県 | 6施設 |
| 岡山県 | 16施設 |
| 広島県 | 15施設 |
| 山口県 | 12施設 |
| 徳島県 | 4施設 |
| 香川県 | 4施設 |
| 愛媛県 | 12施設 |
| 高知県 | 2施設 |
| 福岡県 | 63施設 |
| 佐賀県 | 18施設 |
| 長崎県 | 23施設 |
| 熊本県 | 21施設 |
| 大分県 | 20施設 |
| 宮崎県 | 15施設 |
| 鹿児島県 | 19施設 |
| 沖縄県 | 13施設 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは愛知県です。
次いで福岡県、東京都、大阪府、神奈川県が続きます。
淡いのは高知県、香川県、徳島県でした。
47都道府県の平均は20.2施設、中央値は15施設です。
愛知県の71施設は平均の3.5倍にあたります。
上位3で20.5パーセント、1位と47位で35.5倍の開きがありました。
人口10万人あたりに直すと佐賀県が2.28施設で最も多く、開きは7.6倍になります。
実数1位の愛知県は人口あたりでは15位、人口あたり1位の佐賀県は実数では17位でした。
| 順位 | 都道府県 | 分娩取扱の一般診療所数(施設) | 地方 | 人口10万人あたりの分娩取扱の一般診療所数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 愛知県 | 71 | 中部 | 0.95 |
| 2 | 福岡県 | 63 | 九州 | 1.24 |
| 3 | 東京都 | 61 | 関東 | 0.43 |
| 4 | 大阪府 | 53 | 近畿 | 0.61 |
| 5 | 神奈川県 | 46 | 関東 | 0.5 |
| 6 | 埼玉県 | 45 | 関東 | 0.61 |
| 6 | 千葉県 | 45 | 関東 | 0.72 |
| 8 | 兵庫県 | 39 | 近畿 | 0.73 |
| 9 | 静岡県 | 33 | 中部 | 0.94 |
| 10 | 長崎県 | 23 | 九州 | 1.84 |
| 11 | 京都府 | 22 | 近畿 | 0.87 |
| 12 | 茨城県 | 21 | 関東 | 0.75 |
| 12 | 熊本県 | 21 | 九州 | 1.24 |
| 12 | 北海道 | 21 | 北海道 | 0.42 |
| 15 | 大分県 | 20 | 九州 | 1.84 |
| 16 | 鹿児島県 | 19 | 九州 | 1.24 |
| 17 | 佐賀県 | 18 | 九州 | 2.28 |
| 18 | 岐阜県 | 17 | 中部 | 0.89 |
| 18 | 三重県 | 17 | 近畿 | 0.99 |
| 18 | 滋賀県 | 17 | 近畿 | 1.21 |
| 18 | 栃木県 | 17 | 関東 | 0.9 |
| 22 | 岡山県 | 16 | 中国 | 0.87 |
| 23 | 宮崎県 | 15 | 九州 | 1.45 |
| 23 | 広島県 | 15 | 中国 | 0.55 |
| 23 | 新潟県 | 15 | 中部 | 0.71 |
| 23 | 石川県 | 15 | 中部 | 1.37 |
| 27 | 群馬県 | 14 | 関東 | 0.74 |
| 27 | 青森県 | 14 | 東北 | 1.2 |
| 29 | 沖縄県 | 13 | 九州 | 0.89 |
| 29 | 宮城県 | 13 | 東北 | 0.58 |
| 29 | 福島県 | 13 | 東北 | 0.75 |
| 32 | 愛媛県 | 12 | 四国 | 0.94 |
| 32 | 山口県 | 12 | 中国 | 0.94 |
| 34 | 岩手県 | 11 | 東北 | 0.96 |
| 34 | 長野県 | 11 | 中部 | 0.55 |
| 36 | 山梨県 | 8 | 中部 | 1.01 |
| 36 | 奈良県 | 8 | 近畿 | 0.62 |
| 36 | 富山県 | 8 | 中部 | 0.8 |
| 39 | 山形県 | 7 | 東北 | 0.69 |
| 39 | 鳥取県 | 7 | 中国 | 1.32 |
| 39 | 和歌山県 | 7 | 近畿 | 0.8 |
| 42 | 島根県 | 6 | 中国 | 0.93 |
| 43 | 秋田県 | 5 | 東北 | 0.56 |
| 43 | 福井県 | 5 | 中部 | 0.68 |
| 45 | 香川県 | 4 | 四国 | 0.44 |
| 45 | 徳島県 | 4 | 四国 | 0.58 |
| 47 | 高知県 | 2 | 四国 | 0.3 |
このグラフについての豆知識
病院とほぼ同数の949施設
分娩を取り扱う一般診療所は全国で949施設。
病院の909施設とほぼ同じ数です。
お産の場は病院と診療所が半々で支えており、どちらが主役かは地域によって違います。
3年に一度の医療施設調査
医療施設静態調査は、全国のすべての病院・診療所を対象に3年ごとに行われる調査で、これは2023年(令和5年)10月1日時点のものです。
患者数や実施件数は2023年9月の1か月間の数です。
年間の数ではないことに注意してください。
また、施設の所在地で数えるため、県境をこえて受診する人のぶんは施設のある県に計上されます。
数字の開き
1位の愛知県は71施設、47位の高知県は2施設。
両者の間には35.5倍の開きがあります。
上位3で全国の20.5パーセント、上位10で50.5パーセントを占めます。
中央値は15施設、平均は20.2施設です。
平均が中央値を上回るのは、上位のいくつかの都道府県が全体を押し上げているためです。
人口10万人あたりに直すと7.6倍の開きになります。
実数の順位がどこまで人口の多さを映しているかは、この2つを見比べると分かります。
順位の並びがにている記事
分娩を取り扱う診療所の数の並びと似ている記事、そして正反対の記事を挙げます。
0.92という高い相関を示したのが【診療所で生まれた赤ちゃん】全国30万6,791人、人口あたり5.7倍でした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【ひとりが使う部屋数】全国1.93室、差は1.52倍(相関-0.71)でした。
似ているからといって理由が同じとはかぎりません。
それでも、2つを重ねると土地の性格が見えてくることがあります。
地方のなかで見た分娩取扱の一般診療所数
| 地方 | 最も多い(施設) | 最も少ない(施設) |
|---|---|---|
| 東北 | 青森県 14 | 秋田県 5 |
| 関東 | 東京都 61 | 群馬県 14 |
| 中部 | 愛知県 71 | 福井県 5 |
| 近畿 | 大阪府 53 | 和歌山県 7 |
| 中国 | 岡山県 16 | 島根県 6 |
| 四国 | 愛媛県 12 | 高知県 2 |
| 九州 | 福岡県 63 | 沖縄県 13 |
まとめ
分娩を取り扱う診療所の数を47都道府県で比べると、最も多い愛知県で71施設、最も少ない高知県で2施設でした。
1位と47位の間には35.5倍の開きがあります。
上位3で全国の20.5パーセント、上位10で50.5パーセントを占めます。
47都道府県の中央値は15施設、平均は20.2施設でした。
人口10万人あたりに直すと7.6倍の開きになります。
分娩を取り扱う診療所の数の順位を見るときは、次の3点をあわせて見てください。
1つ目は、分娩取扱の診療所だけを数えたこと。
2つ目は、施設の所在地で数えた数字であること。
3つ目は2023年の数字であることです。
人口10万人あたりでは佐賀県が2.28施設で最多。
実数1位の愛知県は人口あたりでは15位でした。
地方別に合計を出すと関東7都県が全国の26.2パーセントで最多、人口10万人あたりでは九州・沖縄8県が1.4施設で最多でした。
お産できる病院の数や診療所での分娩件数を比べた記事とあわせて読んでみてください。
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出典
- 統計名: 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)
- 調査年: 2023年
- 公開元: 厚生労働省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?statdisp_id=0004024910
- 備考: 分娩を取り扱っている一般診療所の数。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
注記: 分娩を取り扱っている一般診療所の数。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値
