【産科診療所の分娩】ひと月7万6,450件、九州で根強い

【産科診療所の分娩】ひと月7万6,450件、九州で根強い

町の産科診療所では、ひと月にどれくらいの赤ちゃんが生まれているのでしょうか。
2023年9月の分娩件数を47都道府県で比べます。

使うのは厚生労働省の医療施設静態調査、2023年の数字。

東京都が8,299件で1位。
47都道府県の平均は1,626.6件、中央値は807件です。
1位と47位の間には44.1倍の開き、人口10万人あたりでは5.8倍の開きがありました。

47都道府県の単純平均

1,627件

診療所の分娩の実施件数(2023年)

最も多い 東京都

8,299件

最も少ない 富山県

188件

診療所の分娩が多い上位5都府県

上位5都道府県の診療所の分娩の実施件数
上位5都道府県の診療所の分娩の実施件数 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年) 02,0004,0006,0008,000東京都: 8,299件8,299件愛知県: 5,964件5,964件大阪府: 5,890件5,890件神奈川県: 5,413件5,413件埼玉県: 4,540件4,540件東京都愛知県大阪府神奈川県埼玉県
上位5都道府県の診療所の分娩の実施件数
項目診療所の分娩の実施件数
東京都8,299件
愛知県5,964件
大阪府5,890件
神奈川県5,413件
埼玉県4,540件
下位5都道府県の診療所の分娩の実施件数
下位5都道府県の診療所の分娩の実施件数 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年) 050100150200250300富山県: 188件188件山形県: 308件308件福井県: 313件313件石川県: 316件316件高知県: 318件318件富山県山形県福井県石川県高知県
下位5都道府県の診療所の分娩の実施件数
項目診療所の分娩の実施件数
富山県188件
山形県308件
福井県313件
石川県316件
高知県318件

診療所の分娩が多い上位5都府県です。

東京都は8,299件、愛知県は5,964件、大阪府は5,890件でした。
東京都は2位の愛知県の1.39倍です。

4位は神奈川県で5,413件、5位は埼玉県で4,540件。
上位5で全国の39.4パーセント、上位3で26.4パーセント、上位10で61.4パーセントでした。

1位だけで10.9パーセントを占めます。
47都道府県の平均は1,626.6件なので、1位は平均の5.1倍。
中央値の807件と比べると10.3倍にあたります。

6位以下は福岡県で3,897件、兵庫県で3,468件、静岡県で3,288件と続きました。

2位と3位の差は74件、3位と4位の差は477件でした。
上位5より下の42都道府県で、全国の60.6パーセントを分け合っています。

1位と2位を合わせると14,263件。
これだけで全国の18.7パーセントにあたります。

1位だけで全国の10.9パーセントを占めました。
人口の多さに沿った並びです。

人口あたりでは宮崎県が1位です

この分布の背景を、ここから考えてみます。
診療所での分娩の件数の統計が答えを持っているわけではないので、以下はほかの数字と照らして立てた推測です。

人口10万人あたりで割り直すと、並びが変わります。

1位は宮崎県の108.71件、2位は熊本県103.24件、3位は栃木県103.18件。

4位以下は静岡県、鹿児島県と続きます。
逆に人口あたりの下位は滋賀県24.68件、富山県18.86件。
宮崎県と富山県では5.8倍の開きです。

人口あたりの1位は宮崎県で、九州の県が上位に入ります。
実数1位の東京都は人口あたりでは25位です。

九州では診療所での分娩が根強く、東日本では病院への集約が進んでいます。
同じお産でも、場所の顔ぶれがまるで違います。

当サイトの診療所での出生の記事とあわせて見てみてください。

地方別に人口10万人あたりの平均を出すと、九州・沖縄8県が78.9件で最も多く、東北6県が52.4件で最も少なくなります。
関東7都県61.4件と四国4県60.7件がそれに続きました。

実数で見ると順位は変わる

人口10万人あたりの診療所の分娩の実施件数の上位5都道府県
人口10万人あたりの診療所の分娩の実施件数の上位5都道府県 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年) 020406080100宮崎県: 108.7108.7熊本県: 103.2103.2栃木県: 103.2103.2静岡県: 93.293.2鹿児島県: 85.485.4宮崎県熊本県栃木県静岡県鹿児島県
人口10万人あたりの診療所の分娩の実施件数の上位5都道府県
項目人口10万人あたりの診療所の分娩の実施件数
宮崎県108.7
熊本県103.2
栃木県103.2
静岡県93.2
鹿児島県85.4

診療所の分娩が少ない下位5県

診療所の分娩が少ない下位5県です。

47位の富山県は188件、46位の山形県は308件、45位の福井県は313件でした。
1位の東京都とは44.1倍の差があります。

44位は石川県で316件、43位は高知県で318件、42位は秋田県で319件と続きます。

44.1倍という開きです。
診療所でお産をする文化の強さが県で違います。

47都道府県の中央値は807件。
平均は1,626.6件なので、平均が中央値の2.0倍です。

47位の富山県は平均の11.6パーセント、中央値の23.3パーセントにあたります。

下位5県を合わせても全国の1.9パーセントにしかなりません。
1位の東京都1つで10.9パーセントを占めるのとは対照的です。

47位の富山県は、1位の東京都の2.27パーセントにあたる水準です。

46位との差は120件、45位との差は125件でした。
1位の東京都と47位の富山県の間には8,111件の開きがあります。

地図で見る

診療所の分娩の実施件数(2023年)
診療所の分娩の実施件数(2023年) 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(厚生労働省)をもとに作成。単位は件。 北海道 2,982件青森 697件岩手 495件宮城 1,597件秋田 319件山形 308件福島 885件茨城 2,066件栃木 1,945件群馬 1,299件埼玉 4,540件千葉 3,176件東京 8,299件神奈川 5,413件新潟 691件富山 188件石川 316件福井 313件山梨 370件長野 604件岐阜 752件静岡 3,288件愛知 5,964件三重 970件滋賀 346件京都 807件大阪 5,890件兵庫 3,468件奈良 670件和歌山 603件鳥取 388件島根 326件岡山 735件広島 2,041件山口 548件徳島 432件香川 498件愛媛 897件高知 318件福岡 3,897件佐賀 576件長崎 820件熊本 1,752件大分 560件宮崎 1,123件鹿児島 1,309件沖縄 969件
診療所の分娩の実施件数(件)
診療所の分娩の実施件数(2023年)
項目診療所の分娩の実施件数
北海道2,982件
青森県697件
岩手県495件
宮城県1,597件
秋田県319件
山形県308件
福島県885件
茨城県2,066件
栃木県1,945件
群馬県1,299件
埼玉県4,540件
千葉県3,176件
東京都8,299件
神奈川県5,413件
新潟県691件
富山県188件
石川県316件
福井県313件
山梨県370件
長野県604件
岐阜県752件
静岡県3,288件
愛知県5,964件
三重県970件
滋賀県346件
京都府807件
大阪府5,890件
兵庫県3,468件
奈良県670件
和歌山県603件
鳥取県388件
島根県326件
岡山県735件
広島県2,041件
山口県548件
徳島県432件
香川県498件
愛媛県897件
高知県318件
福岡県3,897件
佐賀県576件
長崎県820件
熊本県1,752件
大分県560件
宮崎県1,123件
鹿児島県1,309件
沖縄県969件

日本地図で見ると、色が濃く出るのは東京都です。
次いで愛知県、大阪府、神奈川県、埼玉県が続きます。
淡いのは富山県、山形県、福井県でした。

47都道府県の平均は1,626.6件、中央値は807件です。
東京都の8,299件は平均の5.1倍にあたります。

上位3で26.4パーセント、1位と47位で44.1倍の開きがありました。

人口10万人あたりに直すと宮崎県が108.71件で最も多く、開きは5.8倍になります。

実数1位の東京都は人口あたりでは25位、人口あたり1位の宮崎県は実数では18位でした。

順位都道府県診療所の分娩の実施件数(件)地方人口10万人あたりの診療所の分娩の実施件数
1東京都8299関東58.53
2愛知県5964中部79.95
3大阪府5890近畿67.26
4神奈川県5413関東58.68
5埼玉県4540関東61.92
6福岡県3897九州76.53
7兵庫県3468近畿64.98
8静岡県3288中部93.22
9千葉県3176関東50.81
10北海道2982北海道59.13
11茨城県2066関東73.63
12広島県2041中国75.2
13栃木県1945関東103.18
14熊本県1752九州103.24
15宮城県1597東北71.04
16鹿児島県1309九州85.44
17群馬県1299関東68.73
18宮崎県1123九州108.71
19三重県970近畿56.69
20沖縄県969九州66.1
21愛媛県897四国70.3
22福島県885東北50.77
23長崎県820九州65.5
24京都府807近畿32.02
25岐阜県752中部39.25
26岡山県735中国40.14
27青森県697東北59.83
28新潟県691中部32.92
29奈良県670近畿52.14
30長野県604中部30.4
31和歌山県603近畿68.52
32佐賀県576九州73.1
33大分県560九州51.61
34山口県548中国42.78
35香川県498四国54.31
36岩手県495東北43.23
37徳島県432四国63.07
38鳥取県388中国73.07
39山梨県370中部46.78
40滋賀県346近畿24.68
41島根県326中国50.78
42秋田県319東北35.56
43高知県318四国48.48
44石川県316中部28.78
45福井県313中部42.35
46山形県308東北30.46
47富山県188中部18.86
医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年、厚生労働省)をもとに作成

このグラフについての豆知識

ひと月に7万6千件

2023年9月に一般診療所で行われた分娩は全国で7万6,450件。
病院の分娩とあわせて、お産の受け皿になっています。

出生数の減少とともに分娩を扱う施設も減っており、地域のお産の場をどう守るかが課題になっています。

3年に一度の医療施設調査

医療施設静態調査は、全国のすべての病院・診療所を対象に3年ごとに行われる調査で、これは2023年(令和5年)10月1日時点のものです。

患者数や実施件数は2023年9月の1か月間の数です。
年間の数ではないことに注意してください。

また、施設の所在地で数えるため、県境をこえて受診する人のぶんは施設のある県に計上されます。

数字の開き

1位の東京都は8,299件、47位の富山県は188件。
両者の間には44.1倍の開きがあります。
上位3で全国の26.4パーセント、上位10で61.4パーセントを占めます。

中央値は807件、平均は1,626.6件です。
平均が中央値を上回るのは、上位のいくつかの都道府県が全体を押し上げているためです。

人口10万人あたりに直すと5.8倍の開きになります。
実数の順位がどこまで人口の多さを映しているかは、この2つを見比べると分かります。

順位の並びがにている記事

同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
診療所での分娩の件数の順位で探してみます。

0.97という高い相関を示したのが【診療所の透析装置】全国2,091台、通いやすさを支えるでした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【世帯が使う部屋数】全国4.63室、1位と47位で1.84倍(相関-0.79)でした。

並びが似ていても、そこに関係があるとまでは言えません。
ただ、2つの地図をならべると読み方のヒントにはなります。

地方のなかで見た診療所の分娩の実施件数

地方最も多い(件)最も少ない(件)
東北宮城県 1597山形県 308
関東東京都 8299群馬県 1299
中部愛知県 5964富山県 188
近畿大阪府 5890滋賀県 346
中国広島県 2041島根県 326
四国愛媛県 897高知県 318
九州福岡県 3897大分県 560
医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)(2023年、厚生労働省)をもとに作成

まとめ

診療所での分娩の件数を47都道府県で比べると、最も多い東京都で8,299件、最も少ない富山県で188件でした。
1位と47位の間には44.1倍の開きがあります。

上位3で全国の26.4パーセント、上位10で61.4パーセントを占めます。
47都道府県の中央値は807件、平均は1,626.6件でした。
人口10万人あたりに直すと5.8倍の開きになります。

診療所での分娩の件数の統計を読むときの注意点は3つです。
1つ目は、2023年9月の1か月分の数であること。
2つ目は、施設の所在地で数えた数字であること。
3つ目は2023年の数字であることです。

人口10万人あたりでは宮崎県が108.71件で最多。
実数1位の東京都は人口あたりでは25位でした。

地方別に合計を出すと関東7都県が全国の35パーセントで最多、人口10万人あたりでは九州・沖縄8県が78.9件で最多でした。
分娩を取り扱う診療所の数や出生数を比べた記事とあわせて読んでみてください。

関連記事

出典

  • 統計名: 医療施設静態調査(令和5年・都道府県別)
  • 調査年: 2023年
  • 公開元: 厚生労働省
  • 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?statdisp_id=0004024909
  • 備考: 2023年9月の1か月間に一般診療所で行われた分娩(正常分娩を含む)の件数。人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値

注記: 2023年9月の1か月間に一般診療所で行われた分娩(正常分娩を含む)の件数。
人口10万人あたりは2024年の総人口で割った参考値

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

関連記事 Relation Entry