喫茶店の数を人口で割ると、人口の少ない県が上位に来ます。
この記事ではあえて割り算をせず、店の数そのままで並べます。
近くに何店あるかを知りたいときは、こちらの数字のほうが役に立ちます。
今回は47都道府県の喫茶店の数を、令和3年(2021年6月1日現在)の総務省・経済産業省「経済センサス-活動調査」のデータを使って比べました。
産業小分類767(喫茶店)に分類された民営事業所の数です。
全国の合計は52,196店。
人口あたりで比べた記事も公開していますが、この記事では割り算をせず、店の数そのままで並べます。
近くに何店あるかを知りたいときは、こちらの数字が役に立ちます。
47都道府県の単純平均
1,111店
事業所数(令和3年(2021年6月1日現在))
最も多い 大阪府
5,909店
最も少ない 秋田県
213店
喫茶店の数が多い5都府県
喫茶店の数が多い上位5都府県です。
大阪府は5,909店、愛知県は5,630店、東京都は5,077店、兵庫県は3,672店、岐阜県は2,262店でした。
上位5都府県を合計すると22,550店で、全国の43.2パーセントを占めます。
47のうち5つで4割を超える集中ぶりです。
1位は東京都ではなく大阪府でした。
このメディアで人口あたりと実数を比べてきた12の指標のうち、実数で東京都が1位を取らなかったのは喫茶店だけです。
図書館も博物館も映画館も大学も、実数では東京都が1位。
喫茶店だけが例外になっています。
6位以下も1,976店、1,922店、1,696店と続きます。
1,000店を超えたのは14都道府県でした。
上位5都府県のうち4つは近畿と中京です。
関東からは東京都だけが入りました。
人口の多さがそのまま順位になる指標ではないことが、上位の顔ぶれからも分かります。
大阪府が1位なのはなぜか
ここからは統計から離れて、なぜ大阪府が1位なのかを考えてみます。
以下は確かめられた事実ではなく、別の数字と突き合わせて立てた推測です。
大阪府の5,909店と東京都の5,077店では832店の差があります。
人口は東京都が1,417万8千人、大阪府が875万7千人ですから、東京都のほうが1.6倍多い。
それでも店の数は大阪府が上回っています。
人口10万人あたりで見ると、大阪府は67.1店で8位、東京都は36.2店で25位でした。
同じ都市圏でも、喫茶店の密度がかなり違います。
2位の愛知県も5,630店で、人口746万人に対して74.9店。
人口あたりでは5位です。
近畿と中京の2つの都市圏に喫茶店が集まっている形になります。
地方別の平均を見ても、近畿7府県が2,073店で最も多く、北海道の1,976店、関東7都県の1,581店と続きます。
関東は人口が最も多い地方ですが、喫茶店の数では近畿に及びません。
モーニング文化が根づいた地域という説明はよく聞かれますが、統計で確かめたものではありません。
ただ、東京都が1位にならない指標というだけで、喫茶店は他の施設とは違う性格を持っていそうです。
人口で割ると顔ぶれが入れ替わる
人口10万人あたりに直すと、上位の顔ぶれは大きく変わります。
1位は高知県の116.1店、2位は岐阜県の115.3店、3位は和歌山県の95.6店、4位は香川県の77.4店、5位は愛知県の74.9店でした。
実数1位の大阪府は67.1店で8位、実数3位の東京都は36.2店で25位まで下がります。
逆に人口あたり1位の高知県は794店で、実数では17位でした。
近くに何店あるかを知りたいなら実数、その土地に喫茶店が根づいているかを知りたいなら人口あたり。
同じ52,196店を数えているのに、見え方はまったく変わります。
喫茶店の数が少ない5県
喫茶店の数が少ない下位5県です。
秋田県は213店、佐賀県は259店、山形県は261店、島根県は273店、山梨県は277店でした。
大阪府の5,909店と秋田県の213店では27.7倍の差があります。
下位に並んだのは東北、九州、中国、中部の県です。
いずれも人口が110万人を下回る県で、人口の少なさがそのまま店の数に出ています。
ただし人口あたりで見ると景色は変わります。
山梨県は人口10万人あたり34.4店で26位、島根県は41.1店で20位。
実数では下位でも、住んでいる人の数に対しては平均並みという県もあります。
なお全国52,196店の平均は1県あたり1,111店ですが、中央値は579店です。
上位のいくつかが平均を大きく引き上げています。
下位5県を合計しても1,283店で、1位の大阪府1府の22パーセントほどにしかなりません。
地方別に見る喫茶店の数
地方別に平均を出すと、近畿の多さが目立ちます。
最も多いのは近畿7府県の2,073店です。
次いで北海道が1,976店、関東7都県が1,581店、中部9県が1,361店と続きます。
少ないほうを見ると、四国4県が684店、中国5県が650店、九州8県が542店、東北6県が345店でした。
最も多い近畿と最も少ない東北では6.0倍の差があります。
人口が最も多い関東が3位にとどまるのが、この指標の特徴です。
喫茶店の数は人口だけでは決まらないことが、地方別の平均からも読み取れます。
地図で見る喫茶店の数
| 項目 | 事業所数 |
|---|---|
| 北海道 | 1,976店 |
| 青森県 | 396店 |
| 岩手県 | 332店 |
| 宮城県 | 489店 |
| 秋田県 | 213店 |
| 山形県 | 261店 |
| 福島県 | 378店 |
| 茨城県 | 545店 |
| 栃木県 | 459店 |
| 群馬県 | 392店 |
| 埼玉県 | 1,452店 |
| 千葉県 | 1,217店 |
| 東京都 | 5,077店 |
| 神奈川県 | 1,922店 |
| 新潟県 | 582店 |
| 富山県 | 433店 |
| 石川県 | 578店 |
| 福井県 | 514店 |
| 山梨県 | 277店 |
| 長野県 | 746店 |
| 岐阜県 | 2,262店 |
| 静岡県 | 1,229店 |
| 愛知県 | 5,630店 |
| 三重県 | 1,100店 |
| 滋賀県 | 579店 |
| 京都府 | 1,696店 |
| 大阪府 | 5,909店 |
| 兵庫県 | 3,672店 |
| 奈良県 | 682店 |
| 和歌山県 | 874店 |
| 鳥取県 | 308店 |
| 島根県 | 273店 |
| 岡山県 | 864店 |
| 広島県 | 1,312店 |
| 山口県 | 494店 |
| 徳島県 | 423店 |
| 香川県 | 729店 |
| 愛媛県 | 790店 |
| 高知県 | 794店 |
| 福岡県 | 1,448店 |
| 佐賀県 | 259店 |
| 長崎県 | 399店 |
| 熊本県 | 392店 |
| 大分県 | 379店 |
| 宮崎県 | 307店 |
| 鹿児島県 | 517店 |
| 沖縄県 | 636店 |
日本地図で見ると、色が濃く出るのは近畿と中京、そして関東の南部です。
逆に淡いのは東北と九州、山陰でした。
47都道府県の単純平均は1,111店、中央値は579店です。
中央値が平均の半分ほどしかないのは、上位のいくつかが全体を大きく引き上げているためです。
平均を超えたのは13都道府県だけでした。
下の表に47都道府県すべての店舗数を、人口10万人あたりの店舗数と従業者数と並べて掲載しました。
実数と人口あたりを見比べてみてください。
| 順位 | 都道府県 | 事業所数(店) | 地方 | 人口10万人あたり店舗数 | 従業者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 大阪府 | 5909 | 近畿 | 67.1 | 24952 |
| 2 | 愛知県 | 5630 | 中部 | 74.9 | 27459 |
| 3 | 東京都 | 5077 | 関東 | 36.2 | 49583 |
| 4 | 兵庫県 | 3672 | 近畿 | 67.6 | 15181 |
| 5 | 岐阜県 | 2262 | 中部 | 115.3 | 7894 |
| 6 | 北海道 | 1976 | 北海道 | 38.1 | 6953 |
| 7 | 神奈川県 | 1922 | 関東 | 20.8 | 17364 |
| 8 | 京都府 | 1696 | 近畿 | 66.2 | 7784 |
| 9 | 埼玉県 | 1452 | 関東 | 19.8 | 10682 |
| 10 | 福岡県 | 1448 | 九州 | 28.3 | 7648 |
| 11 | 広島県 | 1312 | 中国 | 47.2 | 5021 |
| 12 | 静岡県 | 1229 | 中部 | 34.1 | 5565 |
| 13 | 千葉県 | 1217 | 関東 | 19.4 | 9249 |
| 14 | 三重県 | 1100 | 近畿 | 62.6 | 4530 |
| 15 | 和歌山県 | 874 | 近畿 | 95.6 | 2461 |
| 16 | 岡山県 | 864 | 中国 | 46.1 | 3295 |
| 17 | 高知県 | 794 | 四国 | 116.1 | 1958 |
| 18 | 愛媛県 | 790 | 四国 | 59.8 | 2617 |
| 19 | 長野県 | 746 | 中部 | 36.7 | 2542 |
| 20 | 香川県 | 729 | 四国 | 77.4 | 2480 |
| 21 | 奈良県 | 682 | 近畿 | 51.9 | 2847 |
| 22 | 沖縄県 | 636 | 九州 | 43.3 | 2731 |
| 23 | 新潟県 | 582 | 中部 | 26.7 | 2298 |
| 24 | 滋賀県 | 579 | 近畿 | 41.0 | 2664 |
| 25 | 石川県 | 578 | 中部 | 51.4 | 2210 |
| 26 | 茨城県 | 545 | 関東 | 19.1 | 3041 |
| 27 | 鹿児島県 | 517 | 九州 | 32.8 | 1733 |
| 28 | 福井県 | 514 | 中部 | 67.6 | 1706 |
| 29 | 山口県 | 494 | 中国 | 37.2 | 1737 |
| 30 | 宮城県 | 489 | 東北 | 21.4 | 2860 |
| 31 | 栃木県 | 459 | 関東 | 23.9 | 2152 |
| 32 | 富山県 | 433 | 中部 | 42.2 | 1787 |
| 33 | 徳島県 | 423 | 四国 | 59.4 | 1580 |
| 34 | 長崎県 | 399 | 九州 | 30.8 | 1472 |
| 35 | 青森県 | 396 | 東北 | 32.4 | 1272 |
| 36 | 熊本県 | 392 | 九州 | 22.7 | 1796 |
| 36 | 群馬県 | 392 | 関東 | 20.3 | 1771 |
| 38 | 大分県 | 379 | 九州 | 34.0 | 1378 |
| 39 | 福島県 | 378 | 東北 | 20.9 | 1514 |
| 40 | 岩手県 | 332 | 東北 | 27.8 | 1135 |
| 41 | 鳥取県 | 308 | 中国 | 56.1 | 1047 |
| 42 | 宮崎県 | 307 | 九州 | 28.9 | 1067 |
| 43 | 山梨県 | 277 | 中部 | 34.4 | 1082 |
| 44 | 島根県 | 273 | 中国 | 41.1 | 1155 |
| 45 | 山形県 | 261 | 東北 | 24.7 | 926 |
| 46 | 佐賀県 | 259 | 九州 | 32.1 | 1198 |
| 47 | 秋田県 | 213 | 東北 | 22.5 | 729 |
このグラフについての豆知識
飲食店のなかでの位置
経済センサスの飲食店は、産業小分類でいくつかに分かれています。
全国の事業所数を並べると、専門料理店が134,890店で最も多く、次いで酒場・ビヤホールが84,595店、バー・キャバレーなどが60,217店、そして喫茶店が52,196店です。
食堂・レストランは38,025店、そば・うどん店は22,664店、すし店は17,388店ですから、喫茶店はこれらより多いことになります。
飲食店のなかでは大きな分類のひとつです。
持ち帰り専門店は別の分類
今回の数字は産業小分類767(喫茶店)に分類された事業所です。
店内で飲食する形の店が対象で、コーヒーの持ち帰り専門店は「771_持ち帰り飲食サービス業」という別の分類になります。
チェーン店の1店舗も個人経営の店も、同じ1事業所として数えられます。
規模の違いは事業所数には表れません。
調査は2021年6月1日現在のものです。
新型コロナウイルスの影響が続いていた時期にあたるため、通常の年とは違う数字になっている可能性があります。
順位の並びがにている記事
同じ形の地図になる記事はあるでしょうか。
喫茶店の店舗数の順位で探してみます。
いちばん近かったのは【敷地75〜99m2の一戸建】全国212万2,400戸、地価の高い地方にで、順位相関は0.89でした。
逆に、ほぼ裏返しの並びになったのが【自家用車通勤の割合】8割を超える県と1割に届かない都、通勤の景色はこれほど違う(相関-0.79)でした。
順位が近いことと、原因がつながっていることは別の話です。
それでも、見くらべると気づくことがあります。
地方のなかで見た事業所数
| 地方 | 最も多い(店) | 最も少ない(店) |
|---|---|---|
| 東北 | 宮城県 489 | 秋田県 213 |
| 関東 | 東京都 5077 | 群馬県 392 |
| 中部 | 愛知県 5630 | 山梨県 277 |
| 近畿 | 大阪府 5909 | 滋賀県 579 |
| 中国 | 広島県 1312 | 島根県 273 |
| 四国 | 高知県 794 | 徳島県 423 |
| 九州 | 福岡県 1448 | 佐賀県 259 |
まとめ
47都道府県の喫茶店の数を比べると、大阪府は5,909店、秋田県は213店で、その差は27.7倍でした。
全国の合計は52,196店で、上位5都府県だけで43.2パーセントを占めます。
地方別では近畿が平均2,073店と最も多く、東北が345店で最も少ない結果になりました。
ここまでの喫茶店の店舗数の数字には、注意点が3つあります。
1つ目は、持ち帰り専門店が含まれないことです。
2つ目は、チェーン店も個人店も同じ1事業所として数えられていることです。
3つ目は時点で、2021年6月1日現在の調査です。
このメディアで実数と人口あたりを比べた12の指標のうち、実数で東京都が1位を取らなかったのは喫茶店だけでした。
実数と人口あたりは、どちらが正しいというものではありません。
知りたいことに合わせて使い分けてください。
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出典
- 統計名: 経済センサス-活動調査(サービス関連産業に関する集計)
- 調査年: 令和3年(2021年6月1日現在)
- 公開元: 総務省・経済産業省
- 参照URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040032976
- 備考: 事業所数は民営事業所の総数(産業小分類767_喫茶店)。人口10万人あたりの店舗数は2021年10月1日現在の人口推計で割って算出した
注記: 事業所数は民営事業所の総数(産業小分類767_喫茶店)。
人口10万人あたりの店舗数は2021年10月1日現在の人口推計で割って算出した
